「クラッカー12より司令部へ。これより地上部隊の支援を開始します」
『了解しました。御武運を』
「さて、先ずはミサイルを受け取れ!」
巨大生物に対しミサイルを発射。続いて機関砲で次々と蜂の巣にして行く。
「流石の甲殻も機関砲には耐えられ無いだろ」
そして地上部隊の上空に待機して機関砲で次々と狙って行く。
「クラッカー12より其処の地上部隊聞こえるか?3時の方向に味方が居る。合流するんだ」
『此方メビウス1了解した。レンジャー隊、グレイプ隊は直ちに味方と合流しろ。此処は我々が殲滅させる。行くぞ!』
メビウス隊は更に巨大生物をブラスト・スピアで貫き殺して行く。その中でもブラスト・ツインスピア装備の隊長の機動力は群を抜いていた。
『貰ったあああ!!!』
ブラスト・ツインスピアのブーストと其処から繰り出す二つのスピアは巨大生物の甲殻を貫いて行く。隊長に続けと言わんばかりにメビウス隊は次々と巨大生物を貫いて行く。
「だからと言って彼等を見捨てる選択は無いんだよな」
高度を下げて機関砲でメビウス隊の援護をする。すると近くに民間人が居るのが見えた。
《そこの民間人、サッサと逃げるか隠れるなりしろ。じゃないと奴等の腹の中に入る事になるぜ》
スマートフォンを向けてる民間人に警告を出してメビウス隊の援護を続ける。
『此方グレイプ隊。現在敵に押されてる。援護求む!』
しかし他の戦線は余り宜しくない状況だ。だがEDFの増援が漸く来たようだ。
『此方クラッカー隊。これより味方の援護に入る。各機、敵を蹴散らすぞ!』
『待たせたな。此処から先は俺達コンバットフレームの役割だぜ』
『トマホーク隊、敵と接敵。攻撃開始』
ニクスBが次々と市街地に侵入し巨大生物を撃破して行く。そして徐々に巨大生物が駆逐されて行く。
「クラッカー12よりクラッカー1へ。敵は大した数は居ない様です。ですが広範囲で展開してる模様です」
『クラッカー1了解。クラッカー12は各戦線へ航空支援を継続。敵を殲滅せよ』
「クラッカー12了解」
俺は各戦線へN9エウロスを動かす。メビウス隊周辺の巨大生物は殲滅されてるので問題は無いだろう。そのままN9エウロスで各戦線へ航空支援を行うのだった。
……
地中からの襲撃は想定の範囲内だった。だがこれ程の大規模な展開があるのは想定外と言えるだろう。そもそも連中は基地のみを重点的に攻めていた。その為次の襲撃に対応すべく基地の防衛を高めるのは当然の処置だった。
無論市民を無視するのは論外だ。その為にレンジャー隊、グレイプ隊、更に精鋭とも呼べるフェンサー隊を街に配備したのだ。
「マジかよ。奴等ビルの壁を平気で歩けるのか」
見た目完全に蟻だが、あの巨体で壁も平然と這っているのは正直言って信じられない。
「いや、基地内でも縦横無尽に這ってたな。全く、好き勝手に這いずり回りやがって!」
機関砲の照準を巨大生物に合わせる。そして躊躇無くトリガーを押す。弾は吸い込まれる様に巨大生物に当たる。甲殻が剥げながら地面に落ちて行く。連中も反撃と言わんばかりに酸を飛ばしてくる。
「はっ!飛距離が足らないぜ!これはワンサイドゲームだぜ!」
巨大生物の酸は此方に届く事は無く落ちて行く。そして一方的な展開にして行く。しかしN9エウロスは俺1機のみ。故に弾数と燃料にも限界は有る。
「此方クラッカー12。残弾残り僅か。燃料はまだ有りますが間も無く補給に戻ります」
『クラッカー1了解した。クラッカー12は限界まで戦闘を継続。補給に関しては次の機体に乗り即時戦線に戻れ』
「クラッカー12了解。いはやは、取っ替え引っ替えとは贅沢な補給方法だね」
ビークル乗り冥利に尽きると思いながら次の獲物を探すのだった。
……
戦いは徐々に収束に向かっていた。敵の増援も無く各個撃破する事で効率良く戦闘を終わらせて行く。一度補給に戻り、直ぐに別の機体に乗り込み戦場に向かう。
「後はあの辺りか。ん?うわぁ…フェンサーの連中躊躇無く突っ込んで行くな」
あの連中はメビウス隊なのだろう。隊長に続く様に勢い良く敵に突っ込む姿は少々不安になるけど。
「そう言えばメビウス隊の隊長は随分と中性的な声だったな。もしかしたら女性だったりしてな」
だとしたらかなり度胸があるんだろう。いや、女性の方が度胸はあると言うし。
「何にせよ援護は必要だな」
高度を下げてメビウス隊に近付く巨大生物に対し機関砲で狙う。しかしメビウス隊は次々と敵を貫き葬って行く。そんな彼等を上から見てると数匹の敵が怪しい動きをしている。まるで死角に回り込もうとしているかの様な。
「クラッカー12よりメビウス隊へ。敵が回り込もうとしている。一時後退しろ。上空から援護する」
『メビウス1了解した。総員一時後退するぞ。続け!』
メビウス隊は素直に後退する。それを阻止しようと敵は前を塞ごうとするが呆気なく串刺しになる。無論メビウス隊を追いかけ様とする敵には、もれなく機関砲の弾幕をプレゼントする。
『メビウス1よりクラッカー12。援護感謝します』
「気にしなくて良い。寧ろメビウス隊の戦いを見てるのは飽きなかったよ。正直彼処まで突っ込んで行くのを見るのは心臓に悪いぜ」
『フフ、私達にとっては問題は有りません。それに、貴方も敵の群れに突っ込んで行ったでしょう?ビークル乗りさん?』
「あー、あの時は無我夢中だったしな」
然も一回は姫島伍長に無理矢理運ばれたしな。まあ、あの行動が無かったら今頃連中の腹の中だろうけど。
「しかし、連中は最低限のコミュニケーション能力が有るのかもな」
『コミュニケーション能力ですか?』
「ああ。先程メビウス隊の後方に回り込もうとしてる敵が数匹居ました。もし連中が何らかの形で近くの仲間とコミュニケーションを取れるとしたら…」
『余り想像したく無い展開ですね。ですがその可能性はゼロでは無いでしょう。後で司令部に報告しておきます』
俺達は残敵が居ないかレーダーを確認しながら今後の展開を話す。尤も余り良い流れにはならなかったけど。
……
その頃、ユーチューバヒロシはN9エウロスとメビウス隊をスマートフォンで映し続けていた。
「お、おおお!視聴者数が20万超えてんじゃん!然もコメントもめっちゃ有るやん!ユーチューバヒロシの時代が来たーーー!!!」
ガッツポーズを取り喜びの声を上げるユーチューバヒロシだった。そしてそんな彼を保護すべく1人のフェンサーが近付くのであった。
乱戦で2、3匹は必ず背後か側面を取ろうとするからね。あの動きで何度やられた事やら。