小さな頃、僕は母と父に連れられてある質屋に来た。
母と父は掘り出し物を探すのが好きだったので良くこういう店に行っていた。
「このお店の名前なんて言うの?」
まだ漢字も知らない僕は聞いた。
母は優しく答えた。
「流星堂って言うのよ。」
「へぇー、りゅうせいどうって言うんだ。お星様売ってるかな?」
母と父は笑顔でどうだろうねと言って一緒に中に入った。
その時だった始めてあの子に会ったのは。
流星堂の中には客は一人もいなく店員だろうと思われるお婆さんしかいなかった。母と父は店の中の年季の入った壺やら掛け軸やらに目を輝かせていた。僕は星が売っていない(当然だけど)し、あまりそういうのに興味がなかったので一人で待っている事にした。そんな時お婆さんは僕に
「君いくつなの?」
と聞いてきた。僕はすぐに片手を広げながら五歳と言った。
するとお婆さんは驚いたように
「うちの孫と同じく年だね。」
と言い、なにか思いついたように続けた。
「そうだ、うちの孫は友達がいなくて、友達になってあげてくれない?」
どうせ待っているだけだったのでいいよと言った。
お婆さんはちょっと待っててとだけ言って奥に入っていった。
暫くして、お婆さんは小さな女の子と一緒に戻ってきた。女の子は少し小さな声たどたどしく
「こんにちは。市ヶ谷有咲です。」
続けて僕も
「こんにちは。野原蛍です。」
お婆さんは中で遊んでおいでとだけ言って元の仕事に戻っていった。中に入っていくとレトロなゲームがいっぱいあってゲームが好きな僕はこういうゲーム好きなのと聞いた。そしたら彼女は緊張した顔からパァっと明るい笑顔になり
「うん。君も好きなの?ねぇ、一緒にこのゲームしない?」
そう聞いてきて僕は快くいいよと返事をした。
それからどれくらいたっただろうか。僕達はずっと遊んだ。気づくと辺は夕焼けで赤みがかっていた。幸い、流星堂から家まではそんなに離れていなかったので知らないうちに帰っていた母が迎えに来てくれた。僕は彼女に
「明日もまた来ていいかな?もっと有咲ちゃんと遊びたいな。」
と言うと彼女は
「蛍くんと遊ぶのとても楽しかったから明日も遊ぼう!」
知らないうち僕達は名前で呼びあっていた。
それから僕達は毎日一緒に遊んだ。
少し時が経って、僕達は小学生になった。それを機に彼女はピアノを習い始めた。少し遊ぶ時間は減ったけどその代わり彼女のピアノを聞くようになった。ただ、彼女は中学受験をするからとピアノを辞めてしまった。彼女のピアノは凄く好きだったから残念な気持ちになった。そして、彼女と同じ学校に行きたいからという理由だけで僕も中学受験をして、晴れて僕達は同じ学校に入学した。僕はこの経験を通して分かった。
僕は彼女のことが好きだということに。
よかったら評価して下さい