IS学園の猫ちゃん 作:只の・A・カカシです
その間に『TOP GUN 2』のメイキング映像が出て来ましたね!カカシAとしては、F-14トムキャットの飛行シーンの有無が気になって仕方がありません(笑
その電話が掛かってきたのは、週末金曜日の一〇時前のことだった。
「はい、輸送課。・・・はい、お待ちください。来栖さん、お電話ですぅーら?」
電話を受けた諏訪は来栖を呼ぼうとして、つい五分前までいた彼が消えていたので素っ頓狂な声を出す。
「あれ?来栖さん?」
「くぅーるす?走りに行ったけど?用があるならかけ直して貰え。」
「はい、分かりました。」
諏訪は、声が通らぬよう抑えていた受話器のマイクから手を離して通話を再開する。
「すいません、今席を外しておりまして、そのうち戻ると思いま・・・あっ、分かりましーっと、携帯は机の上に置いてますね。・・・はい、了解しました。」
「来栖に何だって?」
諏訪が受話器を戻したのと同時に、雑誌を広げくつろいでいた森田がそう尋ねてきた。
「来栖さんに用があるとだけで、内容は分かりません。」
すると森田は、「あちゃー」と言う代わりに持っていた雑誌をバサッと机の上に落とした。
「あれじゃないか?スクランブル待機。」
「あ!・・・あー、でもそれとは違うような?」
言われた瞬間はそのような気がしたが、話し方にさほど緊張感を覚えなかった。だが仮にそうだった場合、確認をしないまま放っておける内容でないため折り返し電話を掛ける。
「・・・駄目です、出ないです。」
それなりの時間呼び出しを続けていたものの、一向に電話に出てくれないため諏訪は諦めて電話を切った。
「まあ、大事な用事があるんだったら直してくるでしょ。待っときゃいいよ。」
急ごうと急ぐまいと、どのみちF-14がいないのだからできることはほとんどない。慌てるだけ労力の無駄と、森田は急に興味を失い雑誌を手に取る。
諏訪は多少引っかかりを感じていたが仕掛けの書類整理があったので、それの処理を再開した。
詰所の入口のドアがノックされたのは、それから二〇分ほど経ったときだった。
「はい、どうぞ。」
「失礼しますぞ。」
こんな盆休み前に誰だろうと、軽い気持ちで返事をした森田は思いがけない来訪者の顔に目を丸くする。
「これはお久しー・・・・・くないか。つい最近来られましたね。」
格納庫のT-4を思い出し、途中で自身の発言を訂正した。
「フォッ、フォッ、ホッ。よくお覚えですな。」
「そりゃ、まあ。」
最初にリアクションこそしたが、だからといって轡木への接し方が変わることもなく、いつも通りに振り舞う。
「あのぅ・・・、立ち話もなんですので、是非おかけになってください。」
そんな森田とは対照に諏訪は、事実上の上司を立たせておくのは忍びないと、エンジン整備室に引き籠もっていてほとんど空き席となっている松戸の椅子を持っていく。
「これはご丁寧に。それでは、お言葉に甘えて。」
見ている方が「よっこらしょ」と言いたくなるような、実際のところはわざとしているのだが、それほどおもむろな動作で轡木は腰かける。
歩いてきて疲れたのだろうか、彼は軽く伸びをした。
「ふー、暑い暑い。ここにたどり着くまででここまで汗をかくと・・・?」
ふと森田がじっと見つめてきていることに気が付いて、声が尻すぼみになる。森田は普段、飄々とした人物だけに、轡木は何事と疑問を感じ視線を合わせる。
ところが両者ともに話を切り出すタイミングを逸したせいで、ただの見つめ合いになった。
「市販のものですけど、よかったらお飲みください。」
微妙な雰囲気を打破したのは諏訪だった。もし彼が二人の状況を見たのなら話し掛けることを躊躇っただろうが、冷えた二リットルペットボトルのお茶と氷を入れたガラスコップを盆に載せて運んでいたために、バランスをとるため視線を盆の方に集中させていた。
「おぉ、これはご丁寧に。喉がカラカラじゃ。ありがたく頂戴しますかの。」
諏訪は轡木にコップを手渡し、お茶を注ぐ。
先ほどとは正反対に、轡木は見ている方が気管に入らないかと心配になるペースで一気に飲み干した。その様は、どこかやけ酒を煽るようにも見える。
「ふう・・・。年を取ると暑さが分からなくなるというが、毎年暑さが増しておる気がするのう。」
空になったコップに、諏訪がもう一杯分のお茶を注ぐ。またしても轡木は一気に飲んだが、流石に二杯目は多かったのか半分ほど残っていた。
一呼吸おいて「さてと」と呟く。
「来栖君はいつ頃戻ってくるのじゃろうか?」
「いつ、と言われましても・・・いつも通りならあと三〇分以上は帰って来ませんけど?」
困ったように轡木が頬を膨らませて息を吐いた。
「スクランブ・・・じゃなくて緊急対応の話しですか?」
「それについてじゃが・・・少し愚痴を聞いてくれ。」
誰も同意しなかったが、轡木は勝手に話しを始める。
「明日は織斑先生が外へ出られるのでな、予備の先生が緊急対応に当たるようになっておったのじゃ。まあ一概に緊急対応といっても――」
それから二〇分ほど、轡木は休まず話を続けた。さすがに喉が渇いたのか、彼は氷の溶け切ったお茶で
「・・・要約すると、『明日の緊急対応をする先生が手違いで出張へ行っていて、オマケに飛行機が天候不良で飛ばず帰ってこられないから来栖に代打をしてくれ』ということですか。」
いろいろと作業をしていた諏訪はそこにいなくて済んだが、椅子に腰かけて動かなかったことが災いした森田は少しくたびれた表情をしていた。
「大体わかりましたけど、F-14がないですからね・・・。」
「分かっておる。じゃから緊急対応の指揮を執ってほしいのじゃ。」
「あぁ、そういう意味か・・・。」
森田がした何気ない返事に、轡木の耳がピクリと動いた。
「そう言う意味とは、どういう意味じゃな?」
「え?!あ・・・っと。」
目を泳がせた森田は、適当な言い訳が咄嗟に思いつかなかったため助けを求め視線をやった。だが全員、自身の作業に没頭しており誰も気が付いてくれない。
「T-4でF-14の代わりをしてくれなんて感じのことを言われるものかと思ってました・・・はい。」
彼は仕方なく本当のことを言った。
「随分と見くびられておるのぅ。」
眉間にしわを寄せ、背もたれにドカッと体を預けた轡木。
「と言いたいところじゃが、実際にそういう気分なので何とも言えぬな。」
しかしそれは、あくまでパフォーマンス。
ものの見事に引っかかった森田は、轡木の考えにその選択肢があると露ほども思っておらず、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。
「おっと、こんなに時間が経っておったのか。」
満足したのか、轡木はそれ以上の追及は行わず時計を見た。
「・・・それにしても、来栖君は一体どこまで行っておるのじゃ?」
入口の方を見ながら、彼は疑問を口にした。
「どこってことはないですけど・・・『学園の敷地をグルッと一周』だとか。」
「なるほど一周・・・?!」
何気なく復唱した轡木は、その意味に気が付いて目を見開いた。
「この気温で、か?」
「この気温で、です。」
空調のされた廊下を通って来ても汗だくになった轡木にとっては、来栖の行動に狂気さえ感じる。
「訓練で流す汗が多いほど、実戦で流す血が少なくて済む。」
突然、それまで轡木の話しにノータッチを続けていた柳原が口を開いた。
「一人しかいないパイロットなんだから少しは体をいたわれと、何度か言っちゃみたんだが必ずそう返ってきた。」
「確かにマーベリックは、あんな性格だからちょこちょこ過剰にやることがあるもんなぁ。」
柳原が少し呆れたような口調で語ると、苦笑いをしながら森田がそれに同意した。
「そういえば、来栖君は今年で幾つかの?」
ふと思い出したように轡木が尋ねた。
「あいつですか?こぉー年でェ・・・38だったかな?」
「38か・・・。」
それを聞いて轡木は視線を上にやる。ボソボソと何かを呟いたかと思うと、彼はゆっくりと柳原に視線を向けた。
「柳原殿、知り合いに腕利きのパイロットはおらぬか?」
突然に質問をされて、柳原は固まったまま動かない。
「・・・腕利きなら幾らでも紹介できるが、来栖の代わりになるようなのは見たことがないな。」
「やはり来栖君ほど別格のパイロットはそうおらぬか・・・。」
その回答に、がっくりと肩を落とす轡木。
「別格じゃない、特殊だ。」
それとは関係なく、彼のボヤキに柳原は引っかかりを覚えた。
「ハッキリ言うが、ここの狭い滑走路に、それもF-14で平然と離着陸する来栖がおかしい。僅かに手元が狂えば崖に接触か海へ墜落か・・・そいつはいかなる訓練でも克服できない恐怖だ。」
パイロットの腕でどうにかなる話しではない。来栖ありきで、ここは成り立っている。
IS学園創立の際にパイロットの選抜を行ったことが、つい昨日のことのように轡木の脳裏へと蘇った。
「そうじゃ。ワシはよく知っておることではないか。」
自嘲するように、彼は少し笑う。
「っと、話をしてたら本人が帰ってきたみたいだ。」
格納庫の方から聞こえたドアの閉まる音に森田が反応すると、続けて足音を聞いた轡木が「そうですな」と言う。
「誰の足音だ?」
ところが、柳原は違った。おおよそ来栖とは思えない挙動不審さ、生徒のものではない重さ、松戸にしては広すぎる歩幅。記憶にない足音に、目を細め声のトーンを落とす。
その直後、ドアノックが三度される。
来栖ならドアをノックする理由がない。全員が、彼が帰ってきたわけでないことを理解する。
「どうぞ、開いてますよ。」
最もドアに近かった森田が入室を許可する。
「お邪魔します。」
ドアが開くと、そこから顔を覗かせた男が何度か頭を下げ、それから申し訳なさそうに入室してくる。
彼は上下緑の服を着ていた。
「突然で申し訳ないのですが・・・お電話を貸していただけませんか?」
「電話は構わんが・・・お前、何モンだ。」
少し語気を強めて柳原が問いただす。
IS学園には、教員・職員を含めても男は数えるほどしかいない。何なら、今ここに集っている人数だけでも優に半分は超える。誰も知らない確率は低い。
柳原は轡木の顔をチラリと見た。ポカーンとした表情から見るに、彼も知らないのだろう。
「えっ・・・・・と、気の向くままに散歩してたら道に迷ってしまいまして。」
柳原は「おう、そうか」と言いながら、近くが見づらくなってきたので先日買った老眼鏡をかけた。
「ここがどこだか分かって、それを言ってるのか?」
尋問するようなゆっくりとした口調で柳原が問いかける。
「え?いや、分からないです。」
「そうか、じゃあ教えてやる。ここはIS学園だ。『道に迷った』で入られる場所じゃない。」
IS学園。その単語を柳原が口にした瞬間に、男の顔からは目に見えて血の気が引いた。
それと同時に、柳原は男が入って来たときから覚えていた既視感の正体を理解する。
「お前・・・空自の戦闘機乗りだな。」
「えっ?!い、いや、何を根拠に・・・ハハハ。そもそも私、飛行機が苦手でして・・・。」
平生を保とうとという努力は感じられたが、返って挙動の不審さが増しており無駄なあがきだった。
「おぉ、そうかい。けどな、その首の筋肉の付き方、それから顔の皺は戦闘機乗り、それか曲芸飛行機に乗る奴にしかできないんだが?」
身を以て知っている特徴を挙げ、逃げ道を潰していく。
とはいえ柳原は元空自のパイロット。彼に男を糾弾するつもりなどは毛頭なく、ただそうやって遊んでいる。だから彼の目は笑っていた。
一方で身元を疑われているのだと思い込んでいる男に心の余裕はなく、そのような小さなことには気が付かない。何と答えるべきか、男は目を泳がせるので手一杯だ。
あまりにリアクションが素直なので、柳原はイジり甲斐を感じ始めていた。
さて、次は何て言ってやろうか。更なる企みを練る柳原だったが、詰所に来栖が戻ってきたことで時間切れに終わることとなる。
「ひっでえ土砂降りだ!天気予報で言ってたか?こんな通り雨が来るって。」
状況を確認せずに彼がそう言い放ったのは、日頃からここを訪れる人が少ない所以であった。
「ホントか?その割には濡れてないように見えるけど。」
「いや、汗もかいてたから着替えてきた。」
いつもより入口付近の人口密度が気になった来栖はそれぞれの顔を見て、そして男と視線が合った瞬間に目を点にした。
「え?なんでいるの?」
「く、来栖?!え、じゃあF-14とかもIS学園の中にあるのか?!」
男もまた、来栖と同様に目を点にする。
「あるも何も、ここがそうだよ。」
「今はないけど」と付け加えた来栖の声が届いたか定かではないが、大した内容ではないのでそれ以上は言わない。
「来栖、知り合いか?」
「はい。元同期の西本です。」
来栖が男のことを紹介する。
と、ホッとしたのか、男は壁にもたれ掛かりそのまま床へヘタヘタと座り込んだ。
「おい、大丈夫か?」
「ん、大丈夫、大丈夫。安心して力が抜けただけだから。」
すくっと立ち上がり、何の問題もないことをアピールする。
「それならいい。ところで、なんでここにいるんだ?視察か?」
「視察みたいに立派な理由があればよかったんだけどな・・・。」
随分と歯切れが悪い。来栖は「何があった?」とさらに尋ねる。
「実はな、乗ってた機体がトラブルを起こして緊急着陸・・・じゃないな不時着したんだ。」
ガタッと、轡木を除いて座っていた全員が驚いたように立ち上がった。
「それを早く言え!どこにある!」
もの凄い剣幕で柳原が聞く。
「え?!えっと、そこの道路に駐機してます・・・はい!」
それを聞くや否や、来栖含め全員が詰所からかっ飛ぶように出ていく。何が何だかわからず西本は、取り敢えずそれに付いていく。
一足遅れて格納庫に行くと、来栖含めた数人が「せーの」で大きな扉を開けているところだった。
ドアが少し開くと、そこを自動車が一台すり抜けて出て行く。
開いた扉から外を覗いてみる。
彼が到達したときには土砂降りだった雨は弱まっていた。視線の先では、先ほどの自動車が凄まじい水しぶきを連れて遠のいていく。
ドアが開き切ったタイミングで、西本は来栖のもとへと歩み寄った。
「なんかマズイことあった?」
「直ちに問題にはならないだろうけど・・・良くはないかな。」
「と、いうと?」
ドアを開け終えてた整備士たちは、何やら格納庫の中で作業を開始する。ちらりとそちらを見て、邪魔にならない位置であることを確認してから来栖は話し始める。
「IS学園はいかなる国であっても干渉してはならないって条約があって、国籍マークの入った軍用機が止まってるのを見られるのがまずいというか・・・特にここは一人以外全員が自衛隊に関りがあるから、自衛隊と裏でつながってるんじゃないかって疑われたらどっちも立場がやばくなるんだよ。」
来栖が外の様子を見る。
「ま、雨も降ってるし、海もこの視界なら今のうちに引っ込めれば見られることは無いでしょ。」
一仕事終えた来栖は「ふうっ」と息を吐いた。
「それより、不時着って言ったか?何が起きたんだ?」
「電源喪失だ。何の前触れもなく、いきなりパッと消えて・・・。」
「おぉう、そいつは危なかったな。」
二人が話していると、格納庫の受け入れ準備が始まった。
どうせ一機だからと扉の前に駐機されていたT-4。出入りの邪魔になるので移動させる必要があるが、トーイングカーは、今、出ている。なのでフォークリフトを代わりに使って移動が始まった。
フォークリフトのディーゼルエンジンの音が庫内に響き声が聞き取りずらいので、二人は会話を中断する。
数分と掛からず移動が終わり、格納庫の中に静寂が戻る。それから時を置かず、外からレシプロエンジンの音が近づいてきた。霧で拡散されボヤーと見えていたヘッドライトの光が徐々に明瞭になっていくに従い、それが牽引している機体が見えてくる。
「・・・あぁ!F-2!?」
てっきりT-4だと思っていた来栖は驚いたが、対称に西本は「俺がそれ以外に乗るか」と言いたげな表情で落ち着いていた。
「電源喪失してよくここまで持ってきたな。」
F-2はフライ・バイ・ワイヤで機体の安定を確保している戦闘機で、それはコンピューターが止まれば姿勢制御が困難になることを意味していた。
「
「いやー、そうは言ってもさ・・・。」
やがて機体は駐機場へ到達する。向きを変え、推進の状態で格納庫の前まで移動。一旦停止して、ゆっくりと格納庫の中へ押し込まれる。
「え?この隙間通すの!?」
縦横ともに全くと言っていいほど隙間がなかいにも関わらず、一発で通したことに西本は驚愕した。
「隙間って言うな、これでも格納庫の扉だから。」
「・・・ってか今更だけど、これ格納庫?」
中の広さは十分だが、それに対する入口があまりに貧弱なので西本は倉庫だと思い込んでいた。
「だからそうだって言ってるだろ。タイヤからエンジン、時にはシステムまで。オーバーホールは無理にしても、ほとんどのことをやってる。」
「こんな場所でねぇ・・・。」
感心しているのか、それを通り越して呆れているのか、微妙な表情で格納庫をグルリと見渡す。
「・・・って、そうだ!電話貸してくれ!」
自身の期待を見て数秒間固まった後、西本が急に慌て始めた。
「電話?なんで?」
「無線が死んでたから連絡できなかったんだ!今頃大騒ぎになってるかも知れない。」
確かにその通りだ。来栖は急ぎ西本を詰所に連れて行く。
「あれ使って。外部との連絡用で、妨害に強いから。」
部屋の奥の方にある電話を指差して来栖が伝えると、「恩に着る」と言いながら西本は電話を掛け始めた。
「・・・・・もしもし、第三航空団、三等空佐の西本です。生きてます。」
やり取りの感じから察するに、向こうは随分と大騒動になっているように来栖は感じる。
と、来栖は不意に人の気配を感じ、横を見てビクッとする。
「いらっしゃってたんですか?」
「えぇ、いらっしゃってましたぞ。」
そこに轡木が座っていた。見られてはいけないものを見られた気がして、来栖はブワッと嫌な汗が噴き出す。
「いつ頃いらっしゃいました?」
「かれこれ一時間近く前ですな。」
「あぁ、一時間・・・一時・・・?」
思った以上どころか、随分と長くいる。来栖は首を傾げた。
「彼・・・西本くんでしたか?長いのですか、付き合いは。」
しかし特に追求しようという雰囲気も感じられなかった上に、そもそも隠す隠さないの次元にないことは明らかであった。
「えぇ、かれこれ二〇年近く。」
「それは、それは。で、彼はどうやって来たのですかな?」
当然その話になるか。
まだ全てを聞いたわけではなかったが、来栖は知り得た情報の一通りを伝えることにした。
忘れた頃の更新になりつつありますが、これからもどうぞごひいきに。
2020/6/16 文章を修正しました