内容はオフェリア(偽)に参加してほしいイベントです。イベントの内容にも触れますがその後日談的な生き抜き回として書いていきたいと思います。
「どうだい、彼女の様子は?」
「いたって正常だ。それが怖いぐらいだけどね」
人理継続保障機関フィニス・カルデア。その医務室ではロマンとダヴィンチが意識を失っているオフェリアの検査を行っていた。
「彼女は間違いなく寸分の狂いなくオフェリア・ファムルソローネ本人だ。まぁ、行動に関しては彼女らしからぬ点は見受けられるけどね」
「正常か…」
喜ぶべきか、困惑するべきか。もしこのオフェリアが何かの要因で分かれてしまったドッペルゲンガーのようなものならまだ説明がつくが。
「彼女は世界の理からあきらかに逸脱している。同一人物が同じ世界線にあってはならない。でも二人は間違いなくオフェリア・ファムルソローネ…か」
「情報が少ないのもあるけど。これは私でも説明がつかない、今まで通り、現状維持が妥当だろうね」
ダヴィンチの言葉に賛同せざるを得ない。まぁ、少々疑問点はいくつか挙げれるが彼女の行動はこちらに利する行為。それにオフェリアに引っ張られてこちらに来たサーヴァントたちも協力的だ。
「レオナルド。君から見て次のレイシフト、彼女を参加させるべきだろうか?」
「それは精神面でかい?それとも肉体面?」
「どっちもだよ」
「肉体ダメージは立花くんよりかなり酷い。彼女は特異点Fから連戦だったからね。それにあの邪竜の魔女からの精神汚染が払拭しきれていない」
状況だけで言えばオフェリアの戦線投入は止めるべきだ。
「でも立花くんやマシュの信頼から見て連れていくべきだろう。彼女は文句なしで優秀だし、なにより戦力が欲しい」
「彼女もまだ若いのにね」
「仕方ないさ」
罪悪感に押し潰されそうになっているロマンの肩を優しく叩くダヴィンチ。今はこの二人にすがるしかない。この現状は変わることがないだろう。
だがしかし、人理を修復せねば未来はない。それをまだ若い者たちに託さなければならないのがたまらなく辛かった。
ーーーー
(うぁ…)
ゆっくりと意識を取り戻したオフェリアは室内に響く話し声の発信源に目を動かす。そこには机の上に優雅なティーセットが並べられゆっくりとお茶をする藤丸たちの姿があった。
(なにしてんねん!)
「あ、オフェリアさん!」
「やっと目を覚ましたか。マスター」
「そろそろ目が覚めるだろうとお茶の準備をしていたんだ」
そこには藤丸、マシュ、ジークフリート、デオン、清姫がいた。
(ちょっと待て、後半の二人は知らんぞ!)
「清姫さんは先輩に、デオンさんはオフェリアさんの縁を手繰ってカルデアに召喚されたんです」
「ビックリしたよ。レイシフトで帰ってきたら隣に居たんだもん」
「
「僕はマスターと強い縁があったからね。引っ張られてきたのさ」
この部屋にセットされたお茶会セットはデオンが用意したのか。
「さぁ、マスター。とっておきのお茶を用意したよ」
(ありがとう…)
「どういたしまして」
デオンに抱き抱えられて椅子に座らされる。隣には藤丸とマシュ、この二人に挟まれながら真っ正面にはジークフリード。うむ、なんだか気恥ずかしい。
「今回、話し合った結果。オフェリアさんはしっかりと監視しなければならないという結果に至りました」
(ん?)
「あんな無茶をされたら困りますから」
マシュと藤丸の視線に冷や汗をかきながら反省する。今回は成り行きもあってかなり無茶したが…。
「すまない、これは俺も賛成だ」
(裏切られたぁ!)
というより、マシュと藤丸の二人が俺を離さないと言わんばかりの圧に申し訳なさが込み上げてくる。
「でも次の特異点からはオフェリアさんが一緒にいられるので頼もしいです。先輩の懸念も減るわけですから」
「でも本当に無事で良かったです。死んだかと思って…」
(よしよし…)
藤丸が泣きそうな顔になるので頭を撫でてやる。
先輩の後輩力がヤバイ(意味不)。まぁ、恐らく年齢的にもマシュ、藤丸、オフェリアの順なので頼られるのは仕方ないと思うんだが。
(肝心の俺はポンコツだからなぁ)
「むー」
(もう、かわいいな)
マシュも追加で頭を撫でてやる。それを優しい目で見つめるサーヴァントたち。清姫も微笑ましいものをみているような目でこちらを見つめている。
「あら、私はなにもしませんよ」
(そうなの?)
こちらの視線に気づいた清姫は微笑みながら話を続ける。
「だって将来、私のお義姉様になるのですから」
(ん?)
「マスターと契りを交わした際にはお義姉様として厳しく新妻をご指導くださいませ!」
(ア、ハイ…)
まぁ、こんなことを言っているが。清姫は嘘さえつかなければ健全なサーヴァント(のはず)だ。
ーー
一通りよしよしした後。デオンが自分の前に立ってひざまついた。
「改めて自己紹介を…私はシュヴァリエ・デオン。フランス王家とキミとを守ってみせよう。当時は白百合の騎士と呼ばれていた。君のサーヴァントになれて誇りに思う」
(よろしく、シュヴァリエ・デオン)
「あぁ…」
改めて挨拶を交わした二人は確りとした本契約を交わす。
(これで俺の騎士が二人になったわけか)
「かの大英勇と肩を並べるのは少し気が引けるけどね」
「いや、俺も君と共に戦えて光栄だ」
「むず痒いな…」
ニーベルゲンの歌は有名な話。デオンの気持ちは分からなくもない。
(それにしても体が軽いな…)
かなりの大ケガをしていたはずだが。体の表面はなにも問題はないし痛みも見受けられない。かなり丹念に治療を施してくれたらしい。
「やぁ、みんなのダヴィンチちゃんだよ!」
「ダヴィンチさん!」
そして突然、ダヴィンチちゃんが登場。ここは一応、病室のはずなのだが。
「レイシフト先が決まったんですか?」
「いや、まだそれは時間がかかる。そこはゆっくりしてくれ、今回はオフェリアちゃんにプレゼントを用意したのだよ!」
なんか無駄にラッピングされた大きめの箱を持参してきたダヴィンチちゃんはその箱を彼女に渡す。それを恐る恐る開けるオフェリア。
(黒い?)
「服?」
「その通りだ。特異点Fを含め、二つの戦いを潜り抜けた君の礼装はボロボロでね。正直、使い物にならなくなっていたのさ」
追記するなら現在、オフェリアは入院患者がよく着る病院服だ。開けて広げてみると黒いスーツが現れる。
(ロイヤルブランドかぁ…)
姿を現したのは黒を基調にしたデザインのスーツ。
「デザインが似た礼装なんだけど。これで何とかしてくれると嬉しい」
(いやいや、十分です)
感謝を伝えるために頭を下げるオフェリア。
「気にしないでくれたまえ。では私は失礼するよ、サボっているとロマニに怒られるからね」
観察するが改良の余地がありそうだ。
「マスター、魔術を付与するのかい?」
(そうだな、色々と考えてみるよ)
「礼装は鎧だからな。念入りにした方がいい」
ジークフリートの言葉に同意する。魔術制御の万能な鎧、それが礼装。なら手を加えすぎなどはないだろう。
(どうしようか…)
ーーーー
(いい匂いがする…)
謎のお茶会を終えたオフェリア(偽)は部屋の中で思案する。というより、オフェリアが使っていた部屋をそのまま使っているので落ち着かない。
一応だがボロボロの衣装も貰ってきた。これらを組み合わせて新しい礼装を作る。そっちのほうが付与するのも楽らしい(オフェリア知識)。
(どうするか…)
下のシャツはそのままにしてネクタイもいらない。あのリボンでいい。スカートは直接戦闘も視野に入れるのならズボンの方がいいか。靴はショートブーツに変換しよう。
オフェリア(偽)の中にある戦うカッコいい女性像に合わせたコーディネートにしてみる。その試みは暴走し明け方まで行われるのだった。
ーーーー
「オフェリアさん。カッコいいですよ!」
「凄いですね!」
シャツはもとから着ていた白い服のまま受け継ぎ首元にはリボンが結ばれている。上半身の服装は変更なし。
ロイヤルブランドからはズボンをそのまま拝借してきた。
ベルトは着けていたものをそのままにバックル部分に銀を基調に水色のアクセントがあるもの。
靴は長くないショートブーツを採用、ズボンのポケットには真っ黒な手袋が入っている。
(完全にバゼットさんですね、これ…フラガラックでも持つかな?)
この全ての服や装飾に硬化の魔術を付与した。一定量の魔力を流すとその部分が鋼のように硬くなる仕様だ。他にもオフェリア知識によって様々な術式を付与した。
(俺の知識も役にたつもんだ…)
この発想は某SEEDの特殊装甲を思い出して取り入れた術式だ。それが最大の特徴とも言える。だからこそ出来るだけ肌を隠すように服を選んだわけだが。
ゲームとは違って雑魚兵も戦闘中に躊躇いなく襲ってくる。その対策はしなければならない。
「うむ、興味深い術式だ。それなら通常戦闘でも耐えきれるかもしれないね」
ダヴィンチちゃんからもお褒めいただきました。
そして腰には細身の剣が吊るされている。洗脳されていたときに持っていたものだが中々振りやすいので採用した。
その他、職員の方々からもお褒めいただいて本採用。新生オフェリア(偽)として新たなスタートをすることになった。
ーーーー
「随分と機嫌がいいな」
「そうなのですか?」
「あぁ、マスターも褒められるのはやぶさかではではないらしい」
ジークフリートは新礼装を着たオフェリアを見て微笑む。その話を聞いたマシュは少し笑う。
《一緒にお茶でもどうかしら?》
昔、程でもないが。よく自分を気にかけてくれたオフェリアのことを思い出すマシュは藤丸と話す彼女をただ見つめるのだった。
ーー
「……」
「……」
今現在、藤丸と二人でお茶をしているのだが会話が一切ない。原因は間違いなく俺ことオフェリア(偽)に原因があるんだが。
会話というものは話し相手がお互いに居ることで成立するもの、その片割れが言葉も話せない奴なら互いに黙ってしまうのは仕方のないことだ。
「オフェリアさんってどうしてそんなに強いんですか?」
「………」
しっかりと用意していた用紙に答えを書く。前世は死ぬほど汚かった文字もこのオフェリアフィルターを通せばこの通り、綺麗な日本語に早変わり。
《生まれがそうだったせい。明確な意思があって学んだものではない》
魔術の世界ではその出自によって優劣が概ね、決定されてしまう。なぜなら、魔術の秘法は一代で成せるものではなく。親は生涯を通した鍛練の成果を子へと引き継がせるためだ。代を重ねた魔導の家紋ほど権威を高めるのはそれが主な原因である。
(オフェリアの記憶を保有しているとはいえ。それはごく一部、まるでロックを掛けているように固く閉ざしている状態だけど。魔術師というものは嫌な存在だな…)
魔術師は自身の家の繁栄こそがなにより大切であり。その代々受け継がれていたものを更に昇華させるという行為を一生を尽くして行う。
(幼少期から行われる家を繁栄させよという洗脳。それによって手に入れた呪われた力。自慢できるものなんかじゃない)
「いえ、確かに魔術的な意味もありますが。心ですよ」
(心?)
「どうしてそんなに冷静に動けるんですか?あんなに無茶できるんですか?」
流れとはいえ、敵の懐に紛れ込んでいたり。ジークフリートと共に強大な敵に立ち向かう。そんなことが出来る彼女の背中は藤丸にとって大きすぎる背中だった。
《お前にもできる。お前はそのまま貫けよ》
オフェリアはそんな彼の質問に笑いかけながら両頬を優しく潰す。ムニッと潰れた藤丸は目を点にして驚くが彼女は気にせず至近距離で真っ直ぐ目を見つめる。
(俺はお前に何も言えない。でも伝わってくれ、お前は最高のマスターになれる)
「オフェリアさん」
真っ直ぐ見つめられた彼はオフェリアの必死の言葉をなんとなく受けとる。こんな未熟な自分を信頼してくれている彼女の目に心を奪われるのだった。
ーーーー
カルデアでの一休み、それはいつまでも続くわけがない。ついに藤丸とオフェリアの元にコフィンに集まるようにと通達が下る。
「今回、向かう先は一世紀のヨーロッパだ」
(ついに来たかローマ)
ローマ帝国。世界史において避けては通れない歴史上での大きな基点だ。
(生ネロを拝めるのは少し興奮するな!)
薔薇の皇帝《ネロ・クラウディウス》長いローマの歴史においてもその鮮烈なる印象を刻み付けた英雄。fateシリーズにおいて有名キャラの一人である。
(ジャンヌとはあんまり話せなかったから楽しみだ)
オルレアンの時は必死すぎて気が回らなかったが。自分もfateファンの端くれ。有名キャラに対面できるのはかなり胸が高鳴る。
ジークフリートとデオンはいつかたっぷりスキンシップを取らせて貰う。
「君たちに無理をさせているのを承知している。力の及ぶ限り君たちをバックアップ、サポートをしていくつもりさ。それだけは忘れないでくれ、マシュ、藤丸くん、オフェリアさん」
「「了解!」」
「じゃあ、はぱっとレイシフトしようか!」
ロマンの説明などを聞き終え、ついにレイシフトを果たす。
(でもまだ第二特異点なんだよなぁ)
オフェリア(偽)の小さな愚痴と共にレイシフトが始まるのだった。
第二特異点 永続狂気帝国セプテム ー薔薇の皇帝ー
オフェリアって何歳なんでしょうね?
個人的には20~24歳ぐらいのイメージでやってます。
オフェリア・ファムルソローネ(偽)
筋力E 魔力A+ 対魔力:礼装に比例 耐久C- 俊敏B 幸運A+ 憑依EX 精神汚染D- ???D
魔眼:サーヴァント及び他人、自身に対して魔術をノーリスクで使用できる。しかし一日に一度しか行使できない。(スキルなどによって短縮化)
礼装 オフェリアブランド
損傷したオフェリアの礼装をロイヤルブランドをベースに修復した礼装。魔力回路を励起させるなど魔術ブースト的な機能は当然のこと。部分硬化など戦闘参加にも使える機能が付け加えられている。
サーヴァントの物にはかなり劣るが魔力放出も使える。(燃費は最悪で加減を間違え保有する全ての魔力を持っていかれるため奥の手)