【完結】謡精は輪廻を越えた蒼き雷霆の夢に干渉する   作:琉土

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第七波動の無い、温かな世界
第二話


『あれ?ここは…』

 

 私は今見慣れない部屋に居た。

 その部屋はGVの居た拠点と比べて()()()()()()()()()()()()()だった。

 その部屋にあったソファーの上に小さな男の子が座っていた。

 私はこの男の子に場所を尋ねる事にした。

 

『ここはどこ?』

 

 …反応が無い。

 私が電脳体だからこの子には見えないのだろうか? 

それならばと蒼き雷霆(アームドブルー)の力を利用して私はこの子の前で実体化した。

 これならばいくら何でも気が付くはず…そう思っていた。

 

『……これでも反応が無いの?』

 

 目の前で手を振っても、耳の近くで声をかけても反応が無かった。

 ならばと肩を優しく揺すってこちらを認識してもらおうとしてみた。

 

『どうして!? 何で触れられないの!?』

 

 私は今実体化しているはずである。

 なのにこの子に触れる事が出来なかった。

 まさかと思いソファーに手を触れてみたが…

 

『ソファーにも触れないなんて…まさか!』

 

 この部屋にあった全ての物に触れようとしたが、

テーブルも、椅子も、モニターも何もかも触れる事が叶わなかった。

 それを確認し終えた時、この部屋の外から声が聞こえた。

 

(ゆう)~」

 

 知らない女の人の声が聞こえた。

いや、それよりもこの女の人は私にとって物凄く重要な名前を呼んでいた。

 

『優…その名前は確か…』

 

 まだ私がGVの拠点に居た時、GVの本当の名前を尋ねてみた事があった。

 少し考え込んでいたけれど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 でも男の子…優の髪の色は黒色で、GVの綺麗な金色の髪の色では無かった。

 

「何~? お母さん~?」

「ご飯出来たからこっちにおいで~」

 

 優は女の人…お母さんに呼ばれてこの部屋から出て行ってしまった。

 その時だった。

 

『あれ? 体が…勝手に引っ張られる…!』

 

 優の移動に合わせて私の体が引っ張られていく。

 まるであの子の周り以外では存在してはいけないかのように…

 そして家族が待ってるその部屋には優しそうな男の人と女の人…

それに優よりも小さな女の子が待っていた。

 優達家族は4人家族で、これからご飯を食べるみたいだった。

 

『……!!』

 

 私にはこの男の人と女の人、そして小さな女の子に対して()()()()()()()()()

 何処かで見たことがある…そしてそれを今思い出した。

 

『そうだ、あの3人は確かG()V()()()()()()()を見た時の…』

 

 GVは私を一度助け出して暫く立った後に教えてくれていた。

「僕には前世の記憶がある」と。

 最初は冗談を言っているのかと思った。

 でもこの頃から電子の謡精(サイバーディーヴァ)の能力の使い方を模索していた際に、

能力者限定で尚且つ相手の同意が必要ではあるが、

精神感応能力を利用して他者の記憶を見る事が出来るようになっていた。

 今にして思えば、あの頃からGVは私の力の使い方を本格的に模索してくれていた。

 その力でGVが転生の事を話す前に記憶を一部分だけ垣間見た時にあの三人が居たのだ。

 GVは教えてくれた。

 その三人はGVの前世のお父さん、お母さん、妹であると。

 …ここまで材料が揃えばここが一体何なのかがなんとなく理解できた。

 

『ここはひょっとして…GVの記憶の中?』

『じゃああの男の子…優は、まさかGVの前世?』

 

 それを理解した時、GVの事をもっと、

もっともっと知ることが出来るのではないかと私は心の底から歓喜した。

 GVの持つ前世の記憶は以前からちょくちょく見せてもらった事があった。

 でもそれはあくまでGVがはっきりと覚えている出来事である事と、

GV本人の同意が必要であった事もあって、

むしろ知らない事の方がずっと多い上に、いきなり場面が飛んだりするのだ。

 今の所、急に場面が飛んだりする気配が無い。

 これならひょっとして、前世も含めたGVの全てを見ることが出来るかもしれない…

 この時の私は胸の内に眠る狂気を自覚しつつ、そんな風に思っていたのだった。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。





※魂の概念
 この小説には魂の概念があり、魂とは自身の根幹をなす物であり、
それと同時に脳と同じように自身の周囲の記憶を集積する機能があります。
 その範囲はこのお話でシアンがGVに引っ張られた範囲までと設定されています。
 魂が記憶している事は必ずしも本人が認識出来る事であるとは限らないです。
 シアンが見ているこの記憶はGVが持つ魂に刻まれた記憶です。
 故に、これからのシアンは転生前のGVの記憶を途切れる事が無く延々と見続ける事になります。
 それ以外にも設定がありますが、それはまたGVが転生した直後にでも…
 ぶっちゃけGVの記憶内の第3者視点でシアンがGVをストーキンgゲフンゲフン見る為に生やした設定です。
 爪本編でもABソウル何て物があるので、多分問題は無い…はず。

※何で前世のGVの名前が「優」なのか?
 GVは悪く言えば甘ちゃん、良く言えば「優しい」のです。
 名は体を表す。
 これが理由です。
 この名前が使われるのは二話、四話限定で、それ以外の話ではGVで統一されます。
 なお、今後も転生前の話の間は使われる可能性があります。

8/19 追記
本編突入後も優の名前が使われる機会が出来てしまいました。
まだこの頃は本編突入時も名前が使われるなんて思いもしませんでした。
書き続けているとこんな事もあるのだなぁと不思議な気持ちです。

※GVに本当の名前を尋ねた事があった件について
 GV本編でトークルームで実際にシアンとの会話でGVにシアンが本名を聞くと言う物があります。
 この時GVは物凄く辛そうに「…ごめん、もう忘れたよ」と言って誤魔化していたりするのですが、
今回はそこを利用して話を作りました。
 そしてこの会話はGV本編では7宝剣ステージを(歓楽街含め)6つクリアで発生するトークなのですが、
この小説ではかなり初期の段階で発生しています。

※GVの前世の記憶をシアンが既に覗いていた件について
 電子の謡精の精神感応能力をちょちょいと応用すればこのくらい出来るよね? ってことで生やしました。
 見れる範囲は覗かれる側が同意した範囲のみなのが基本です。
 ちなみにGVはシアンがこれを出来るようになった際に転生者である事を話して記憶を見せた事が切欠でシアンにズブズブに依存していくようになります。
 うん、実はこの小説ではGVも実は…
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