GVの弱点
私達はある日の夜、今の私達が寝静まったのを見計らいGVと外に出て、
この街の景色を見た時みたいにGVは「力」を開放して空中へと赴いた。
そこでGVは拠点から離れたとある場所の空で大規模な「力」の結界を展開した。
これから何を行おうとしているのか…
それは
この世界に来てから、
恐らく私達とGVの
世界を隔てなくなり時間だけが私達を阻む状態になったからだと推察できる。
GVと離れられる距離が増し私達の自由度が増えたけど、
最初はこの事なんて気にも留めていなかった。
私達は元々GVと離れるつもり何て例えこの身が朽ち果ててでもあり得ないのだから。
でもこういった事をある日GVに話をした後、こういった活用法をGVから開示されたのだ。
……私達からすればこの模擬戦を見せてGVの助けになれるチャンスでもある。
当然私達は協力する事にした。
『なんだかGVが私達の模擬戦を見てるのを意識しちゃうと緊張しちゃうね? モルフォ』
『そうねぇ…今回はGVが見ている前だから、負けてはあげられないわよ? シアン』
そうお互いに話しつつ、私達の模擬戦は始まった。
もうお互いに手の内は知り尽くしている。
私達の戦いは流れるように、当たり前のように一進一退の攻防が続く。
使い慣れたSPスキルの応酬から始まり、発動したそれを発射したり、拡散させたり、
突然何もない場所に置きスパークカリバーをしたり、
大型化してそれを直接振り回したり、鎖を飛ばして動きを止めようとしたりとやりたい放題だ。
GVは私達が小さくなってから模擬戦をしていた事は知っていた。
あの時、あの暗黒の世界で私から切り離されたモルフォの力を取り込んで、
モルフォの戦闘経験を共有したからこそあの時のGVは私との戦いでもあれだけ動けたのだ。
それを知っていても、GVはそんな私達の動きを見てとても驚いているようだった。
それは当然だろう。
だってGVがこうやって等身大の私達の模擬戦を見たのは初めてだったのだから。
普段は小さいサイズでの模擬戦だったのだから、GVから見れば微笑ましく見えたのだろう。
そのギャップがGVをより驚かせているのだ。
「…………」
GVは私達の模擬戦を食い入るように見ていた。
特に感心していたのは、私達の行動パターンがお互い多くて多彩なのに、
迷いが無く次の手に打って出る事が出来た点であった。
そうこうしている内に、私達の模擬戦は終わり、結果は相打ちで幕を引いた。
GVが見ている手前なのだ。
お互い負けたくないと意地を張ってしまったのは仕方がない事なのだ。
これで何かGVの助けになればいいのだけれど…
「…シアン、モルフォ、二人はどうやって迷いなく自身の行動を決めてるのかな?」
『私達の場合、能力を利用した戦いでは予め扱うスキルを四つに絞っているの』
『そうね、突き詰めれば戦闘中に使うのなんてそのくらいの物よ? GV』
「…………なるほど、予め扱うスキルを絞って選択肢を減らして即応性を高めているのか
ならばいっその事、
後はEPエネルギーのチャージの型を応用してこの切り替えが出来るようになれば…」
GVが私達のアドバイスを参考に色々と考えこんでいる…
そういえば…GVはミッション中、
時々動きが止まる事があって良くカゲロウや「力」の障壁で攻撃を防いでいたことがあった。
よくある娯楽のRPGでよく色々な種類のアイテムの購入とか、
技能を一杯覚えたりする人も多いと思う。
でも実際に使うのはその中のほんの一握りで…
使わないアイテムや技能は最終的に邪魔になってしまうケースが多い。
そんな経験は無いだろうか?
アイテムや技能を選択している時は大抵時間が止まっていたりするのだが、
ここは現実である以上、必要な選択を選ぶまで時間が止まるなんて事は無いのだ。
GVの使える
今のGVの弱点と呼べるのはコレなのだろう。
私達もこのジレンマに悩んでいた時期があったので、GVの気持ちは良く分かる。
だからこそ選択肢を狭め、必要なスキルを限定する方法を確立したのだ。
「…ありがとう、シアン、モルフォ 二人の模擬戦はとても参考になった
…ああやってよく使うスキルの派生を増やしているのも理由があったのか
自身が発生させたライトニングスフィアを相手に打ち込んだ上で拡散させたり、
スパークカリバーを巨大化させたり、発射したり、その軌跡にある雷撃を拡散させたりするのも、
即応性を要求して絞った手数で減ってしまった対応力と両立させる為なんだね」
『その通りだよ、GV! 私達もここはすっごく苦労したんだから! だから…』
『でもそんな苦労がこうやってGVの助けになった アタシ達はそれがとても嬉しいの だから…』
『『だからGV、
「…………そうだね 二人には沢山の「ご褒美」をあげなくちゃね
僕のありったけの想いを受け取ってもらうよ? シアン、モルフォ
今更嫌だと想っても、もう止まらないからね?」
GVが私達にいつもしてくれる甘く甘美な疑似的な「アレ」が始まる…
GVとの疑似的な「アレ」はもう転生前を含めると約九十年くらいは続けている。
GVはもう私達の色々な意味で弱い所を全て把握している。
今の私達の手前そういった事があまりできない為、今のこの時間は本当に貴重なのだ。
…以前GVに首輪が欲しいと思っていたことがあった。
私達も最近自覚したのだけれど既に私達はもうGVに首輪を付けられてたのだ。
見えない、それでいて決して逃れられない首輪と断ち切れぬ鎖を。
もう既にGVは私達に首輪を取り付けており、おまけに鎖まで付いてきたのだ。
これを私達はとても喜んだ。
自由をかつて望んでいた私達がだ。
こうやって拘束されて、束縛されるのを望んでいる。
でもGVだからそれを許すんだからね?
GVは私達に様々な景色を見せてくれる。
歌を歌わせてくれる。
だから私達はGVになら繋がれていても大丈夫なのだ。
私達がそれを望んでいるのだ。
GVはもっと私達の事を拘束して、束縛して、好きにしてもいいんだからね?
そして私達が今付けている首輪を更に固く、強固にして欲しい。
そんな私達の我儘を叶えて欲しいの。
GVと離れたくない、ずっと一緒に居たい。
どんな事があっても私達はずっとGVと一緒だからね…
そう私達は誓いながら、GV…「ご主人様」からの「ご褒美」を受け取るのだった。
GVの女装の犠牲者第一号
今回の皇神第一ビルのデータサーバーのアクセスで私が得た情報…
それによると、
「アメノサカホコ」と呼ばれる軌道エレベーターの先にある衛星拠点、
「アメノウキハシ」に存在しているという。
皇神の
流石にここに直接乗り込むのは紫電の存在もあって私でもリスクが高い。
…今はまだ信用を重ねる時期。
皇神と…紫電達と私達エデンが直接対峙するのはまだ早すぎる。
あの時は辛うじて私の愛するエデンの皆…それに
私はなんとか最終防衛結界「
それを成した皆の努力を、私が水泡に帰すわけにはいきません。
当初の予定通り、暫くは宝剣や皇神の技術を得る事に尽力しましょう。
…それにしても、「彼女」は実に残念でしたね?
あのデータサーバーにはアクセスした痕跡も無かった。
恐らく、アクセスしようとした所を私が侵入して「彼女」はとっさに隠れたのでしょう。
そして私に見つかり、情報を得られずただ逃げる事しか出来なかったのですから。
あの時は
「彼女」も同士としてエデンに誘ってみるのも悪くは無いかもしれない。
少なくとも「彼女」も私と同じように、
恐らく「彼女」は皇神や無能力者達に何か恨みのある能力者なのかもしれない。
それにしても…あぁ…「彼女」はなんて愛らしい姿をしているのかしら!
艶やかな黒い長髪…私を射殺すようなあの鋭い赤い瞳…柔らかそうで綺麗な唇…
あの場違いな黒いゴシックドレス…慎まし気で柔らかそうな胸…
「彼女」の手の儚さを際立出せる厚みの無い黒い手袋…
それに合わせた「彼女」の右手にあった黒い銃…
「彼女」の下着も
見事なガーターベルトに黒いアダルトな下着でした。
何やら「彼女」の能力が阻んでいたみたいですが、
姿を現してくれた以上私の目からは逃れられません。
靴も黒いハイヒールと肌が透けるくらいの黒いストッキングと靴下を履いており、その黒尽くしの姿はもう…
もう完璧に「彼女」の美しさと愛らしさをこれでもかと引き立てられてて、
正直私は「彼女」が欲しい! 欲しいのです、お兄様!
あの黒尽くしの中でひと際目立つあの赤い瞳に射抜かれた時に感じた私のこの気持ちは、
間違いなく愛なのです!! 恋なのです!!
あの「彼女」が姿を現した瞬間、
一目見ただけで私は「彼女」の愛らしさと美しさに陥落してしまったのです!!
あの凛とした声を聴いた瞬間、私の耳がとても幸せになったのです!!
これが本当の愛の、恋の迷路なのですね!!
愛に惑わされると言うのは、こういう事だったのですね! お兄様!!!
性別の壁何て関係ありませんわ!
私が今のこの美しき姿で「彼女」に「愛」を与えれば何も問題はありません!!
それに、私の個人的な愛溢れる理由もありますが、
それ以上にあの
姿が見えなくなるあの力は間違いなく私達にとっては有用なのです!
お兄様もきっと納得してくださるはず…
ふふ…これからお仕事が増えて私も忙しくなってしまったわ…
宝剣や皇神の技術…「
それに「彼女」について本格的に調べなければなりません。
あぁ…「彼女」の名前を聞けなかったのはとても残念でした。
ガンヴォルトもぱっと見た感じ、また素敵な愛らしい少年だと思うのです。
あの少年も私の知らない愛を教えて下さったお陰で非常に興味はあるのです。
ですが「彼女」と比べてしまうと、私にはどうしても霞んでしまうのです。
…そういえばニケーは私がここにスパイに行く直前に、
「天使ノ誘惑にハ気を付ケて下さイ」と言っていましたけど…
もしかして、「彼女」がその「天使」なのでしょうか?
もしそうだとしたら、ニケーの心配が的中してしまった事になりますね…
まあそれはいいでしょう。
「彼女」はこの私を…
「彼女」にはきっちりと責任を果たしてもらいましょう…
私達の同士となり、私の
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。
※スキルを四つに絞っている件について
これは四つのスキルをセット出来る本編のゲームシステムを再現した物です。
今までこの小説内のGVは今までこれを無視していた為に、
カゲロウや「力」の障壁のお世話に良くなっていました。
※モードを作ってる件について
今までのGVはラムダドライバも含めた能力も
これもまたGVが自身の動きを止める要因となっていました。
そこで
ラムダドライバはラムダドライバでスキルや戦い方を固めて、
それぞれのモードを作りEPエネルギーのチャージの型を参考に、
特殊な構えをする事でその切り替えを出来るようにする、と言う物です。
ゲーム風に例えるならば、
モード「
モード「ラムダドライバ」で「力」を利用した小説内のGVが操作できると言った感じです。
なお、スーパーGVになった場合の専用の型もある模様…
※パンテーラに下着を覗かれても男だとバレなかった件について
GVは女装等と供述していますが、実際はラムダドライバの「現実改変能力」
を応用して「女体化」しています。
故に、未来のシアン達も体がガッチリしてるはずの女装したGVに違和感が無かったり、
爪のトークルームでは女装に肯定的だったのにこの小説内では若干引いていたのである。
パンテーラが「彼女」と断言するのもこれが理由。
…GVの変態化が加速していく。
一体どうしてこんな事になってしまったんだ…
ただ間違いなく言えるのは、GV本人は至って真面目であると言う点であり、
自身が性別を変える事になってでも、今のシアン達と
フェザーの皆に迷惑を掛けたくないと強く想っているのは間違いないのです。
追記
※パンテーラの口調が三十話と明らかに違う件について
パンテーラの内面は爪仕様です。
実際に「」を付けて喋らせる場合はちゃんと口調は三十話の物に戻します。