【完結】謡精は輪廻を越えた蒼き雷霆の夢に干渉する   作:琉土

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Chapter:爆炎

灼熱の溶鉱炉に現れる一角の魔獣
怒れる爆炎(バーントラース)
怒り狂う爆炎の嵐が烈しく吹き荒れ全てを巻き込む


第三十四話

 GVは今回のミッションに向けて装備の準備を進めていた。

 今までのミッションで集めた素材をショップに開放し、新たな装備を作成しているようだ。

 GVはミッションに挑む際、ダート以外にも三種類の装備の準備もしている。

 着用者の視覚情報に特殊なパターンのバイアスをかける事で、

無意識レベルの軽度な精神的負荷をかけ第七波動(セブンス)に影響を及ぼし、

自身の第七波動(セブンス)を強化する特殊なコンタクトである「レンズ」。

 第七波動を高める効果があると言われている霊石や特殊な金属で作られている「リング」。

 そして電磁結界「カゲロウ」を発動させるのに必要な「ペンダント」。

 この三種類である。

 今回は「抑制のレンズ」「鳴神のレンズ」「飛翔三連の指輪」

「不屈のペンダント」まで装備を整えられたようだ。

 そしてGVの皇神が管理する工場施設である化学工場に対するミッションが始まる…

 GVは「力」による光学迷彩と第七波動(セブンス)遮断で無事自動列車に乗り込むことが出来た。 

 

(上手く自動列車に乗り込めたな 後はこのまま何事も無ければいいのだけれど…

多分、あのパンテーラの時みたいに簡単にはいかないだろう 

ここは宝剣「火之迦具土(ヒノカグツチ)」を持つと言われている

爆炎(エクスプロージョン)の能力者「デイトナ」の管轄下らしいし…

こいつも最悪、こちらのステルスを見破ってくる可能性がある

…今回は爆破目的の派手なミッションだ 折を見て姿を現して暴れるのもいいだろう)

「シアン、モルフォ、僕の傍から離れない様にしてくれ」

『『どうするの? GV』』

「…………こちらから打って出る…このまま突入してもいいかもしれないけど、

それではこのミッションが完了した時の皇神兵の生き残りを元に、

「ガンヴォルト」と「ネームレス」との関係を疑われてしまう可能性がある」

『「ネームレス」…それってGVの女体化…女装した姿の時の皇神側に付けられた名前だよね?』

『大方、あのパンテーラが付けた名前なんでしょ?

…確かに、関係性を疑われるのはまずいわね』

 

 そう話してた時、アシモフさんから緊急の通信が入った。

 

『皇神のソルジャーを乗せたヘリが、そちらへ向かったのを確認した

…協力者の別行動のフェザーの隊員が目撃されてしまった報告が私に入ってきている

それのお陰でどうやら敵に気付かれてしまったようだ…

こちらでも邀撃はするが、全ては落としきれない

何人かのソルジャーは列車に取り付くことになるだろう

…すまないGV、我らフェザーの落ち度だ

マズイと思ったらミッションを中断して戻る事も視野に入れるんだ

今ならまだ間に合うだろう』

 

 どうやら私達とは別の要因で見つかってしまったようだ。

 まあでも私達からすれば都合が良かったので適当な理由を取り繕い、

GVはこのままミッションを継続する事とした。

 私達はGVの傍から離れない様にして、何時もの傍観者モードに切り替えた。

 今回はアシモフさん…フェザーの目があるからである。

 

「了解…僕は大丈夫だよ、アシモフ この事態は想定の内だからね

まあいつものことだけど、そう上手くはいかないのはもうお約束だし…

とりついた敵を片っ端から倒して目標施設へと向かいます」

『サンクス、いつもすまんな、GV…

幸いなことに列車は自動運転だ

敵さえ排除してしまえば目標施設までオートで運んでくれるはず

ではグッドラック、GV』

 

 GVはモード「ラムダドライバ」からモード「蒼き雷霆(アームドブルー)」に変化させ、

隠れていたコンテナを爆破しながら姿を現し、列車に取り付いた皇神兵を排除する。

 

「侵入者! …ダメです! 止められません! グハッ!」

「この侵入者…該当者有! こいつは…蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト!!」

電子の謡精(サイバーディーヴァ)モルフォちゃんを奪い去ったあのテロリストか!!」

「奴を捕え…いや、殺せ! 集中砲火してガンヴォルトを仕留めるんだ!!」

 

 列車に取り付いた皇神兵達による集中攻撃がGVを襲う。

 エネルギー砲、手榴弾、火炎放射機、ロボットからのミサイル攻撃がGVに一斉に降り注いでいく。

 でもGVは私達の模擬戦の成果を遺憾無く発揮し回避をしつつ的確にダートを打ち込み、

ミサイル攻撃を雷撃麟で迎撃しながら攻防一体の攻撃で殲滅していく。

 

「ガハッ! これが……蒼き雷霆(アームドブルー)…ガンヴォルト…」

「これだけの数の…俺達を、相手にしながら…無傷…だと…」

「化け物め…こうなったら、スパイダーを出せ!!」

「そんな! まだアレは試験運用段階ですよ!?」

「構わん! 今は形振り構っている暇は無いのだ! 

それに、蒼き雷霆(アームドブルー)を仕留められれば、試験としても箔がつく!」

「了解…スパイダー発進シークェンス!」

「よし…お前達、スパイダーがここに到着するまで、奴の足を何としてでも止めるんだ!」

「おぉーーー!!!」

 

 皇神兵は「スパイダー」という兵器を元に再び士気を取り戻してGVに襲い掛かる。

 が、いくら士気を取り戻しても最初の時よりも戦力は半分以下にまで落ちているのだ。

 GVの的確なダートの打ち込みと雷撃麟による攻防一体の攻撃、

それに「飛翔三連の指輪」による空中機動により成すすべなく皇神兵達は全滅した。

 そして丁度最後の皇神兵を撃破した時、アシモフさんから連絡が入った。

 

『このレーダーパターンは…! GV、気をつけろ…線路上に敵のタンクらしき反応だ』

「らしき? …らしくない言い方だね、アシモフ

…もしかしたら彼らが言っていたスパイダーという兵器なのかもしれない」

『なるほど、それならば確かに該当パターンが見当たらない事に説明が付く…

気をつけろ、恐らく新型だろう』

 

 そうアシモフさんとGVが話をしていたら、トンネル内部に突入した瞬間、

彼らの言っていた「スパイダー」が逆様の状態で列車と並走しながらGVに襲い掛かって来た。

 

「確かに…見たことがないタイプだね」

第十世代戦車(ジェネレーションテン)か…? …そいつに関してはまだデータが何もない

充分に注意してくれ、GV』

「了解! …帰ったらついでに戦闘レポートと実際の戦闘画像も出しておくよ」

『サァンクス、いつもすまんな…』

 

 そうアシモフと連絡を取りながらGVは「スパイダー」の攻撃を躱し、

一瞬露出するコアを狙ってダートを的確に打ち込み、雷撃麟による雷撃を浴びせていく。

 

「流石に硬いな 次のコアの露出を狙ってSPスキルで仕留める!

…今だ! 迸れ! 蒼き雷霆よ(アームドブルー)!

天体の如く揺蕩え雷! 是に到る総てを打ち払わん!

ライトニングスフィア!!」

 

 その一撃は的確にコアを狙うことが出来たが、あと一押しが足りない。

 壊れかけた「スパイダー」のレーザー砲がGVを狙おうとしていた。

 

「まだだ! シュート! マンダラー!!」

 

 それでも仕留めきれない事をGVは読んでいた。

 故にライトニングスフィアの派生である直接的な撃ち込みと拡散を放ち、

「スパイダー」を撃破した。

 

「撃破完了…」

『グゥレイトだ、GV そのまま工場施設まで潜入してくれ』

「了解! 『第十世代戦車(ジェネレーションテン)

これは帰ったら急いで情報を纏めてフェザーと共有する必要があるね」

『…そうだな、あの閉所での機動性、決して侮れるものではない

このミッションが終わったら私の方でも情報を纏めるのを手伝おう

…だから必ず無事に戻ってこい、いいな? GV』

「アシモフは心配性だね…大丈夫、必ずミッションを遂行して戻るさ」

 

 そうしてGVは無事に化学工場へと突入することが出来た。

 そしてその中にいた空中浮遊していた機雷を倒した瞬間、

今のモルフォの「歌」が聞こえて来た。

 この歌は…「追憶の傷跡(ペイン)」だ。

 

『がんばって…GV』

「この歌はモルフォの…! ありがとう、シアン、モルフォ」

 

 えぇーーーーーーーーーー!!

 どうして今のモルフォの歌がここまで聞こえてくるの!?

 今までのミッションではこんな事なかったのに!

 確かに私達はいつも今GVの無事を祈ってたけど、

それがまさかこんな形でGVに伝わってたなんて…

 ちょっと恥ずかしいけど、この「歌」がGVの力になっているのなら…

 GVの拠点で想い続けて良かったって私達は思うの。

 そんな私達の歌が響きながら、GVのミッションはまだまだ続くのだった。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。




※シアン達がやっと歌が流れてくる事を認識した件
今までのミッションのGVはカゲロウや「力」のバリアに頼り切りで、
クードスがあまり溜まる事がありませんでした。
そして色々と試行錯誤した結果、
カゲロウや「力」のバリアに頼らぬ回避をするように心がけた結果、
ようやくこのミッションで初めて歌が流れ、
未来のシアン達が驚くと言う流れになりました。

追記
※SPスキル使った後なのにクードスが清算されてない件について
この小説内ではSPスキルを使ってもクードスは清算はされません。
ですがゲームでいう所のAPATHY(アパシー)以上にクードス上昇率は低く、
SPスキルに関わるボーナスも無かったりします。
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