【完結】謡精は輪廻を越えた蒼き雷霆の夢に干渉する   作:琉土

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第三十五話

 GVは化学工場に無事侵入することが出来た。

 そして、ミッションの後半戦が始まろうとしてた。 

 

『潜入に成功したか…そのまま奥へ向かってくれ、GV』

「了解…流石にここは熱いな…

普通の人間だったら直ぐに脱水症状になってしまいそうだ」

『GVならば蒼き雷霆(アームドブルー)のお陰でその辺りは問題は無いはずだ

だが、マズイと思ったら「パワー」を使って水分補給をするといい』

「了解」

 

 GVは化学工場のいくつかの溶鉱炉を飛び越え、

コンテナや警備ロボットを蹴散らしながら進んでいく。

 そして警報器(セキュリティシステム)のある部屋に突入し、コンベアのある慣れない足場での戦闘を強いられた。

 

『トラップのようだな 各個撃破…あるいは、

早く済ませたいなら警報装置を破壊するといい』

「了解(どうやら工場のセキュリティシステムが作動したようだ

足元がベルトコンベアになっている…落ちないよう気をつけなくては)」

 

 GVは急いで警報装置にダートを打ち込み、雷撃を打ち込み破壊した。

流石のGVも慣れない所で長く戦うのを嫌ったらしい。

 

『グッジョブ、GV 無事抜けられたようだな

警報装置を即座に破壊したか、その判断は正しいぞ、GV』

「慣れない場所での戦いは早く終わらせるに限るからね、アシモフ」

 

 そうして先に進んでコンテナを破壊した時、

破壊したコンテナの先に()()()()()()()()()()()()()()が転がっていた。

 そしてそれをGVは拾い上げた。

 

 「これは…こんな場所に宝石が… シアンにあげれば喜ぶかもしれないな

…念のため、「力」を使って探知機の有無も確認しておこう」

 

 あの宝石…ミッション中に集めてたって聞いてたけど、こんな形であったんだ。

 …この宝石で作ったペンダントが無ければGVはあの時助かってなかった。

 そんな事もありながら先に進むと、今度は「ニンジャ」が襲い掛かって来た。

 

「侵入者め! ここから先へは通さんッ! その首…貰い受ける!」

『シノビ…ニンジャか!』

「……っ!」

 

 GVは姿を現した「ニンジャ」にダートを打ち込むが、その手に持った刀で弾かれてしまう。

 ダートを打ち込めないと判断したGVはおさげの先にあるテールプラグを「ダートリーダー」に直結し、GVの第七波動(セブンス)を直接放射する事で「ニンジャ」を仕留めた。

 

「ガハッ! おのれ…ガンヴォルトめ…」

「生憎だけど、ダートを弾かれてもこういった方法もあるんだ」

『見事だ、GV…皇神の前身は平安時代より続くオンミョージの一族だ…

ニンポーを使えるものがいたとしてもおかしくはない…ということだな』

「アシモフ…陰陽師とニンジャを混同していない…?」

『…………違うのか? GV?』

「……違うよ、アシモフ 帰ったらその辺り詳しく教えるから」

『いつもすまんな、GV さて、気を取り直して…

その場所からさらに進んだ所にこの施設の要とも言えるメイン動力炉がある

メイン動力炉さえ爆破してしまえば大量の燃料を積み込んだこの工場のことだ…

イグニッション!!…一巻の終わりだろう

そして動力炉まであと少しだ、気を抜くなよ? GV

恐らくだが、GVが警戒していた宝剣持ちの能力者が居ると予想される

そいつを始末すれば、ミッションは達成したも同然だ』

「了解…宝剣持ちの能力者…こうして直接相手にするのは初めてだが、

負けるつもりは無い!」

 

 そうしてGVは様々なトラップ…プラズマリフターを利用した移動や

スチームを回避しながら遂に動力炉前の部屋にたどり着いた。

 そしてそこにはアシモフさんが警戒していた通りに宝剣持ちの能力者…

宝剣「火之迦具土(ヒノカグツチ)」を持つと言われている爆炎(エクスプロージョン)の能力者「デイトナ」。

 彼が両腕をポケットに突っ込みながらGVに立ちふさがった。

 

「皇神の爆炎(エクスプロージョン)の能力者、デイトナか…そこを…退くつもりは無いんだろうな」

「分かってるじゃねぇか、ガンヴォルト!

それに、俺の名前と能力を知ってるたぁ光栄じゃねえか!!

テメェが俺の管轄エリアにいるって訊いてよォ…爆速でカッ跳んできたぜッ!

テメェが行くのは…この先の動力炉じゃねェ…地獄だッ!!

改めて名乗らせてもらうぜ! 俺はデイトナ!

愛しのシアンちゃんを奪ったテメェを、俺はゼッテーゆるさねぇ…!」

「シアンが…なんだって?」

「人の恋路をジャマするヤツぁ…  馬に蹴られてゴー・トゥ・ヘルだぜッ!!」

 

 愛しのって…えぇーーーーーーーー!!

 私達、この人に会った事なんて無いはずなのに!!

 そう私達が動揺していたらデイトナが宝剣の力を開放し、変身現象(アームドフェノメン)を引き起こす。

 これは能力者を能力を使う上での最適な体に変質させる現象だ。

 そして宝剣の力を開放し終えたデイトナが姿を現す。

 その姿は鎧を纏い、頭にまるで一角獣(ユニコーン)の角が生えている様な外見だった。

 それと同時に、GV達を包むように火柱が展開され、GVは撤退する事が出来なくなった。

 …それよりも、GVが私の名前を出されたせいか、何やら様子がおかしい。

 

「……恋路…シアンにか?」

「決まってンだろォが! それをテメェ…

シアンちゃんを連れ去りやがって…何してくれてンだよッ!! この野郎が!!!」

 

 そう言いながらデイトナは炎を纏ったスライデンングをしながらGVに突っ込んで来る。

 それをGVは余裕をもって躱し、ダートを打ち込み雷撃麟で迎撃していく。

 …GVの感情が無くなっていき、どんどん無表情になっていく…

 言葉の覇気も無くなって、唯静かにGVはデイトナに問いただす。

  

「……シアンを道具として扱う皇神の人間が何を言う

お前が仮にシアンを慕っているというなら…何故彼女を救い出さなかった?」

「ハンッ! テメェもテロリストなんてやってんだ! なら、わかってんだろーが!

オレらみてぇな能力者(ゴロツキ)に対して世間サマは冷てぇ…

皇神に居る限り、シアンちゃんは安全だ

そりゃ、多少は不満もあるかもしれねぇ…けど、アイドルってェのは…

「シゴト」ってのはそんなモンだろーが!?

皇神を抜けンのが救いだっつーのはテメェの勝手な押し付けなんだよッ!!」

 

 デイトナの姿が変化し、背中のバックパック見たいなものが馬の脚のような形に変化。

 更なる多彩な攻撃がGVを襲う。

 …彼の、デイトナの言っている事は間違っては居ないのだろう。

 私達も前世のGVが仕事でそう言った不満が全くなかった訳では無いのを知っている。

 この意見もまた一つの正しい答えであり、少なくとも私を想って発言しているのだろう。

 でも、このデイトナの言葉を聞いているGVがますます無表情になっていく。

 そしてGVの表情が無くなっていくたびに、GVの動きがより鋭敏に研ぎ澄まされていく。

 デイトナの多彩で厄介なはずの攻撃を悉く躱し、ダートを打ち込み雷撃を与えていく。 

 

「確かにその通りだ、デイトナ 仕事とはそんな物だ

だけど、彼女は自由を望んでいた… 人を苦しめる歌は嫌だと言っていた…

デイトナ…彼女にずっと能力者の皆を苦しめる歌を歌い続けろとお前はいうのか?」

「……っ! (なんだこいつ! どんどん表情が消えていってる癖に動きが…!)

本人が望むことだけがッ…幸せとは限ンねぇーンだよッ!!」

「彼女の意志を無視して、何が幸せだ」

 

 デイトナの攻撃の激しさは変わらない。

 それなのにGVには掠りもしない。

 もう完全に無表情になり、GVはまるで機械のような印象を受けるようになった。

 只管ダートを、雷撃を淡々とデイトナに打ち込んでいる。

 

「うっせェうっせェ!! つーか…何よりッ!!

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()() ()

テメェはその楽しみを…オレの目の保養を奪いやがった!!

ゆるさねェ、ゆるせねェ…ゼッテー蹴り殺すッ!!」

 

 このデイトナの発言の瞬間、私達の時間が一瞬だけ止まった。

 ………ぇ? 何言ってるのこの人?

 ……私がずっとあの忌々しい機械に繋がれてたのを見て喜んでいたの!?

 今までの発言から私達の事を考えてくれている優しい人だと思っていたのに…!

 そしてGVはそんなデイトナにこう反論した。

 

「デイトナ、残念だけど君とは意見が合わないみたいだ

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

それに…僕はシアンの事が好きなんだよ!! デイトナ!!

あぁそうさ! 僕は僕の意思の押し付けでシアンを外に連れ出したんだ!!

だから、絶対にお前なんかに、皇神なんかにシアンを渡しはしない!!!」

 

 ………GV!? こんな時に何言ってるの!?

 それに感情が元に戻ってからの発言がそれって…

 もう、しょうがないなぁGVは。

 あの時私を助けてくれた理由は、GVがそうしたいって思ったからそうしたんだね…

 ……うれしいなぁ。

 それだけ私達はGVに思われてるって事なんだもん。

 あのGVが、普段とっても優しいGVがあんなに激しく私達の事を求めてくれてるなんて…

 

「なんだとォ!! シアンちゃんを鎖で繋いだってどういう事だ!!

それにシアンちゃんの事が好きだァ!? テメェ…シアンちゃんに何をしたァ!!

説明しろォ!! ガンヴォルトォォォォ!!!」

「これから死ぬお前にこれ以上語る舌は無い!! デイトナ!!

僕の蒼き雷霆(アームドブルー)がお前をかき散らす!!

迸れ! 蒼き雷霆よ(アームドブルー)!!

業深き炎を払う、雷鳴の衝撃となれ!!

煌くは雷纏いし聖剣! 蒼雷の暴虐よ敵を貫け!! スパークカリバァーー!!!」

「…あぁッ! シアンちゃ~んッ!」

 

 GVの今まで封印していた感情が爆発したスパークカリバーがデイトナを貫く。

そして、デイトナの体が膨張し爆発を起こした後、宝剣の形に戻り、宝剣にひびが入った。

 が、その宝剣が砕ける寸前に、何処かへ転移してしまった。

 …どうやら戦いは終わったようだ。

 ここでGVはアシモフさんに連絡を入れて、能力者を打倒した事を伝える。

 

「こちらGV、無事宝剣持ちの能力者を撃退しました」

『よくやったGV、爆弾を仕掛けて脱出するまで気を抜くなよ?』

「了解 流石にあの時と同じような失敗はしないさ、アシモフ」

 

 …デイトナとの戦いの際、通信機を切っといてよかったね、GV

じゃないとアシモフさんにさっきの会話聞かれてたよ?

 私達はGVのそんな想いはとっても嬉しけど…

 他の人が聞いたら引いちゃうと思うの。

 そしてGVは無事動力炉に爆弾を取り付け脱出し、

科学工場の爆破を見届けて、ミッションを完遂したのだった。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。




追記

※デイトナがSPスキルを使って無い件について
実は機械に繋がれた発言の後使おうとしていました。
ですが、GVの僕の鎖で繋がれた発言に気を取られ、
SPスキルを使用出来ずにそのまま撃沈してしまいました。
()()()()()()()()()S()P()()()()()()()()G()V()()()()()()()()()

※GVが無表情になっていった件について
愛しのシアンちゃん発言によりデイトナに嫉妬しすぎて一週回ってどんどん頭が冷静になっていきました。
しかも言ってる事が正論なのがまた拍車をかけてGVを嫉妬させています。
そして機械で繋がれた発言で蓄積していた嫉妬の感情が爆発して、
GVはあんな倒錯した発言をしたのです。
その後のスパークカリバーはこの感情の爆発補正が入っており、
アンリミカリバー並みの威力に昇華されてます。
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