学校生活
GVの学校生活も八年経ったことで小学校も卒業してもう中学二年生になった。
私はこの
よって必然的に学校生活とはどういうものなのかを見る事が出来た。
なにしろ
これを機に学校生活とはどういうモノなのか見てみる事にした。
『頑張れ、GV…私も一緒に頑張るから』
眼鏡をかけたGVが難しそうな顔をしてノートに黒板の内容を書いている。
私もGVの隣に佇み黒板の内容を見て覚えている。
折角の機会だから私もGVと同じように授業を受けている。
この体は本当に便利だ。
知覚した内容がスルスルと頭の中に入っていく。
まあここでの私はノートでメモを取ったりとかは出来ないのだ。
このくらいのズルは許してほしい。
そうして学校生活をある程度観察してみて私は気が付いた。
GVの周りには沢山の友達が出来ていた。
学校は勉強するだけの場所ではなく、こうした友達を作る場でもあるのだと。
『……』
GVは私を学校に通わせる事は無かった。
GVがその気になればフェザーにお願いして学校生活を送れる手筈も取れた。
でも、これ以上フェザーに迷惑をかける事は出来ないと判断して断念したのだ。
この決断はGVにとって物凄い苦渋の決断だったと暫く後に苦しそうに、辛そうに私に話していた。
この時の勉強に関してはずっとGVにモルフォと一緒に教えてもらっていた。
教え方も上手で、分からない事もすぐに分かった。
料理や掃除等の家事もそう、GVにつきっきりで教えてもらっていた。
そして学校に行けない代わりに、兎に角外に出る機会を沢山くれた。
GVが私と離れるのは精々ミッションが入った時くらいであった。
その時だけは寂しかったけど、それ以外の時で孤独を感じる事は無かった。
だから学校に行けなくても全然構わないと私は思っていた。
でも沢山の友達に囲まれて楽しそうにお喋りしているGVを見て、
どうしてGVはあんなに学校に
あの時のGVはこう思っていたのではないだろうか。
「シアンに友達を作る機会を奪ってしまった」と…
この光景を見ればこの考えは決して的外れじゃ無いはずである。
『GV…』
確かにこの光景は羨ましいと思った。
みんなが笑顔で楽しそうにお喋りしているのを見てると私も混ざりたくなってしまう。
でも私はあのGVの決断は間違ってないと思った。
GV側としても私の護衛を考えるとその方が都合がいいと言うのもあっただろう。
学校生活は楽しそうだった。
学校の友達が欲しいと思った事はあった。
でもその代わりにGVとの時間が減ってしまうように感じた。
私にとってGVと触れ合える時間が減ってしまったら本末転倒なのだ。
だから…
『GVが一生懸命私の事を考えてくれた上での決断だもの…私は後悔なんて全く無い』
私はそう強く思った。
モテるGV
私にとって気が気でない日がまたやってきた。
そう、二月十四日…バレンタインデーだ。
GVを見続けて思っていたがやっぱりGVは女の子にモテる。
優しいし、細かい事に気が利くし、カッコイイし…
だからこそ女の子が勇気を振り絞って告白する日であるバレンタインデーは、
私にとっては気が気でない日なのだ。
『今年もまた、この日がきちゃったんだ…』
GVは転生前、結婚所か彼女も居なかったなんて言っていたけれど、
あの下駄箱に突っ込まれているチョコレートの山を見ると、
嘘をついているのではと疑ってしまう。
初めてあの光景を見た時は嫉妬で怒り狂いそうだった。
あの時は『GVのバカ! 嘘つき!!』なんて騒いでしまっていた。
…でもチョコレートを送ってきた女の子達の告白を全部振った光景を見た時は、
心の底から良かったと、GVは嘘を付いていなかったと安堵したけれど。
『でもやっぱりこの光景を何度も見るのは私には辛いよ…』
『私はまだGVにチョコレートをあげた事何て無いのに…!』
そう、まだ私はバレンタインデーでGVにチョコレートをあげた事が無いのだ。
渡すチャンスその物はあった。
でも私はその時まだバレンタインデーとは何なのか分かっておらず、
それを知った時にはもうバレンタインデーから三日ほど経っていた。
あの時は悔しくて悔しくてベッドでバタバタしたものだった。
『次の機会があったら絶対にチョコレートをプレゼントするんだから…!』
料理についてはGVと付きっ切りで教えてもらっている。
そのお陰で初めてGVの拠点に来てから三ヶ月くらいでGVと同じくらい出来るようになっている。
だから下手な手作りで渡した相手が酷い事になるなんて事は無い。
「優君、私と付き合ってください!!」
「…ごめん、その気持ちには応えられない」
…あぁ、またGVが女の子を振った。
そしてこの女の子でさっき目の前で行われていた告白ラッシュは最後のようだった。
良かった、今年もまた乗り切る事が出来た。
私は心から安堵しGVを見つめる。
…その時だった。
『……!』
…いや、ただの偶然だろう。
私は誰からも、GVからも見えないはずである。
だってここはGVの
その時GVの男友達が数人階段から上がってきてGVに話しかけてきた。
「よう優! 相変わらずのバッサリっぷりだな!!」
「俺、狙ってた子も居たからハラハラしたけど、
お前なら振ってくれるって信じてたぜ!!」
「でもよう、なんで告白した女子全員を振ってるんだ?
優だったら女の子なんて選り取り見取りだろうに」
…そういえばそうだ、何でGVは女の子達の告白を全て拒んでいるのだろう?
この時のGVには理由なんて特にないはずなのに…
そう思っていた時にGVは口を開いた。
「…明確に気が付いたのは最近なんだけど、
なんだかいつも見られてるような気配を感じるんだ」
「…え?」
「何? お前ストーカーに狙われてたりしてるのか?」
「なるほど、だから今までの女子の告白を全部振ってた訳か」
「…まあ、そんな感じかな」
GVにストーカー!? そんな、一体誰がそんな事を!
私はGVから一定範囲内から離れる事は出来ない。
だからそれ以上の距離からそんな事をされていたら把握何て出来ないのだ。
「お前も気をつけろよ、優」
「いざとなったら警察を頼ろうぜ!」
「そうだな、最悪を想定するなら警察が一番だぞ、優」
そう言った後、しばらく彼らは話し込んでGVと別れた。
うぅ…またGVに対する心配要素が増えちゃった…
私は頭を抱えながらそう思った。
この時私が居る方向に頭を向けていたGVが呟いた。
「ごめんね、君の事が嫌だった訳じゃないんだ」
この言葉を頭を抱えていた私は聞き逃していた。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。
※シアンが学校に行っていない事について
この小説におけるシアンとGVは学校に通っていません。
代わりにGVから勉強とかを教えてもらっています。
GVは転生者なのでシアンに勉強を教えるのは教材をある程度用意すれば問題は無いのです。
※転生前GVが感じている気配について
一体
声や姿形は見えませんが、
転生前のGVはなんとなく
八年も経てば簡単な喜怒哀楽も分かるようです。
どうして
その辺りの理由はまたの機会に…