俺は今表向きでは皇神の管理しているとある倉庫の前に居る。
ノワからの情報によるとその倉庫の地下では命を操る能力者に対して、
日々実験が行われていると言う。
「皇神の連中め…神が与えたもうた尊き命を弄ぶとは…
それも
皇神も、
…やはり俺がこの忌々しい研究を浄化し、
『アキュラ君、僕の初の実戦投入で気合入ってるのは分かるけど、
それで足元を疎かにしちゃダメだからね?』
「当然だ、ロロ 俺はあの時の教訓を忘れたりはしないさ
…汎用戦闘シフトッ!! モード
『了解だよ、アキュラ君!
ロロのビットが展開され、俺は戦闘モードに移行した。
今の俺の装備は、大幅な軽量化及び体への負担の大幅な軽減に成功し、
その上で以前の装甲の強度と性能、そして「ブリッツ」を消費する事で発動する
疑似電磁結界「フェイクカゲロウ」を兼ね備えた「メガンテレオン」。
疑似第七波動を専用のカートリッジの交換で運用可能で、
「ブリッツ」やロロから贈られるエネルギーにより、
その威力を引き上げる事に成功した「エクスギア」。
俺の父さんの形見であり、能力者に対する専用の弾丸を扱う為の対魔リボルバー「ボーダー」。
その「ボーダー」の型を元に、汎用性を求める為に
取り回しのいいフォトンレーザー専用の銃としたもう一つの対魔リボルバー「ボーダーⅡ」。
そして俺の技術の集大成で、ミチルの体調の回復の切欠となった「バトルポッド
これが俺の今の研究成果の結晶であり、命を預ける装備であり、仲間だ。
「ビットの展開を確認…そういえばロロ、このビットは
断じて
『えー! いいじゃないか、
ミチルちゃんもこのビットの名前、気に入ってくれてるんだぞ?』
「…………ミチルの前でだけなら許そう
だが今は
『分かったよ、アキュラ君 じゃあ改めて、初めてのミッションの開始だ!』
「ああ…! 行くぞ! ノワ、ナビゲートを頼む」
『了解しました、アキュラ様…では早速ですが、
倉庫内部に侵入し、私の指定したポイントのある部屋に向かってください
道中皇神の警備兵及び警備メカ、シャッターの存在を確認しています
倉庫に突入する前にこれらに対して、
今の内に装備の効果の確認をしておく事をお勧めします』
「当然だな…自身の手の内を把握出来ないようでは
ここの警備兵共には性能把握の実験台になってもらおうか! 行くぞロロ!!」
『了解!! 派手にやっちゃおう!!』
まず砲台と火炎放射機を持った皇神兵に対して、
ボーダーⅡによるフォトンレーザーで攻撃し、これを撃破。
次のシャッターに対してエクスギアの疑似第七波動「ブレイジングバリスタ」でこれを粉砕。
さらに奥のシャッターに対してロロの「アロガントファング」のレーザーとビットにより粉砕。
…よく使う基本的な武器の性能に問題は無いようだ。
ロロとエクスギアの疑似第七波動も以前のデータ通りの性能を発揮している。
とりあえず問題は無いようだ。
そしてノワが指定した部屋へと俺は到着した。
「この部屋か…ノワ、指定された部屋に到着した」
『…アキュラ様、どうやらこの部屋には何者かが爆薬を仕掛けているようです
目的は恐らく、地下施設への入り口を開ける為の物でしょう
どうやら何者かが事前に潜入し、仕掛けた物だと推察出来ます
こちらでハッキングを試み遠隔操作で爆破します
アキュラ様、少し下がってもらえますか?』
「了解した…やってくれ、ノワ」
『ノワ、ドカーンとやっちゃえ!』
『了解しました、では爆破させて頂きます』
ノワのこの返事を合図に部屋に仕掛けられた爆薬が起動し、
地下施設に通じる入り口が開かれた。
そして俺はその入り口に突入した。
「真っ暗だな…どうやら電気が来ていならしい…
どうやら、この研究施設に何かあったようだな」
『アキュラ様、どうやら近くに非常電源の管理装置があるようです
それにアキュラ様の扱う雷撃「スパークステラー」を低出力で使えば
近くのフロアに明かりが付くと思われます』
「了解した…あの赤いランプがそうみたいだな
ロロ、「スパークステラー」を低出力で頼めるか?
威力は普段の十分の一程度でいい」
『OK、アキュラ君! ビリビリいっちゃうよ~!』
ロロによって非常電源がONとなり、部屋は赤く染まった。
奥に何かの培養施設が見えるな…
研究の内容から想像するに、どうせ碌でもない物を培養しているのだろう。
まったくもって忌々しい。
『ビーム
触れると無駄にダメージを負ってしまいます
それと施設内には多数の警備メカが存在しているようです
視界の悪い状況では「スパークステラー」で先を見通すのも手かと』
「了解した…ここからは慎重に行くぞ、ロロ」
『了解! (大丈夫だよ、アキュラ君の事は僕が守るから)』
そうして俺は先に進んでいく。
途中で皇神の業務用の電化製品である
ロロの電撃を浴びせて明かりを確保したりもした。
そして順調に先に進んでいたら…
「なんという醜い化け物共なんだ…」
『うわぁ…何これ? すっごく気持ち悪いのが出て来たよ、アキュラ君…』
「先ほど見かけた培養施設の中身か、それとも…
ここは俺のエクスギアの「スパークステラー」で仕留める!」
俺は「ブリッツ」を消費し威力と効果範囲を広げ、
今正に俺に飛び掛からんとする
死に際も実に醜くて哀れだな…精々俺に感謝するといい。
何が理由か分からないが、その醜い醜態を晒していた姿から解放したのだから。
そうして先に進んで警備メカを撃破した時、ロロの姿がミチルが元気になった時のあの姿…
この歌は…確かミチルが「紅色カゲロウ」と呼んでいたな。
『いっくよ~! オンステージだぁ!!』
ロロがこの姿になった途端、ロロのエネルギー供給を受けている装備の性能が更に引きあがった。
どういう原理なのか未だ不明なのは科学者として情けない限りだが、
今はそれを利用させてもらう!
それに…ロロのこの姿からミチルの気配が、想いが伝わってくる気がする…
ミチル…あれからさらに元気になってたどたどしい言葉を話すだけだったのが、
今では流暢に言葉を話すどころか歌まで歌えるようになった。
それに今まで遅れていたミチルの成長、それがまるで失った時を取り戻すように良くなった。
そう思っていた時だった。
『私はアキュラ君が今この時、どこで何をしているのかは分からない
でも何となくだけど、危ない事をしているのは何となく分かるの…
私の歌よ、想いよ、そしてロロ…どうかそんなアキュラ君を…
……ミチル? 今確かにミチルの声が聞こえた。
お前は俺が何をやっているのかロロを通じて朧気ながらに感じているのか?
…お前が心配しなくても、俺は必ず戻る。
そしてまたロロとノワと一緒にお前と話をしに…
ここを出る前に約束した勉強で分からなかった所を教えるさ。
そう思いつつ俺は先に進み、ここの研究施設のセキュリティを破壊し、先へと進んだ。
『アキュラ様、この先床がトゲの様に荒れている箇所がある様です
視界を確保して、慎重にお進みください』
「…何時も助かる、ノワ」
『……(大丈夫だよ、ミチルちゃん、
そうして先へと進み、道中にあったプラズマリフターにロロの電撃を流し、
さらに奥へと俺は足を運ぶ。
「またセキュリティシステムか…面倒な」
『だけど、今の僕達はそんな程度じゃ止められないよ!!』
「その通りだロロ…この程度、直ぐに終わらせる!」
そうしてセキュリティシステムを破壊し、
暫く進んだ先にある三カ所あった非常電源を俺とロロが協力して同時に起動させる。
そして、施設に光が戻った。
その時だった。
「あ…明るくなった…? だ、誰かいるんですか!?」
この状況の研究施設内で生存者だと?
…間違いない、こいつはこの施設での実験対象だった
俺は急いで先へと進み、その生存者に銃を向け、発砲しようとした。
「ひっ…!」
その姿は
ミチルと同じ髪の色をした女だった。
そんな姿をした女が怯えた様子を見た俺は思わず身を固めてしまう。
「……っ! (何故俺は…
…たかがミチルと髪の色が同じなだけの女のはずだ
それが何故こんなにも引き金が重く感じるんだ!!)」
『アキュラ君! あの女の人、何か様子が…!!』
「貴方も…坊やも
なら…坊やも一度殺して、アタシの
そう言って奴は何処からともなく剣を取り出し、その姿を変えていく。
この現象、
「ふぅ…やっぱりこの姿はいいわねぇ…ほら、何時までグズグズしてるのよ!
早く姿を現しなさい! このノロマ!!」
そう奴が叫んだ途端、隣から同じ姿をした
「何銃を突き付けられた途端に引きこもってるのよ! このグズ!!」
「あうぅ…ごめんなさいぃ…」
『同じ格好をした人が何もない所からもう一人出て来た!!』
「その姿…宝剣使いの
「そう…アタシは…いえ、「アタシ達」は「エリーゼ」
アタシは使えないその子に代わって
「うぅ…すみません…」
別の人格が
これだから
まったくもって忌々しい…あの時引き金を引けなかった俺自身も!
あの時引き金を引く事が出来ればこんな面倒な事にはならなかっただろうに!!
…恐らくだが道中で見かけたあの
「念のために聞いておくが、ここに居た人間はどうした?」
「…あらァ? 途中で見なかったかしら? 連中の成れの果て――
「ただの確認だ…ここで実験をしていた命を弄ぶ人間には相応の末路だ」
「無能力者の癖にそういう所は気が合うわね?
…「絶対の死」すら覆すこの力…ふふ…皇神も欲しがる訳よね?
だ・か・ら、叶えてあげたの…アイツらの願いを――ああいうカタチでねぇ!!」
『アキュラ君! 敵の
『アキュラ様! …ご武運を』
「了解した! ノワ、元より俺は負けるつもりは無い!! ロロ!、こちらも仕掛けるぞ!!」
そうして俺とエリーゼ達との戦いの火蓋が切って落とされた。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。