【完結】謡精は輪廻を越えた蒼き雷霆の夢に干渉する   作:琉土

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Chapter:磁界

蹂躙した(フェザー)の施設で待ち構える武人(もののふ)
欲深き磁界拳(マグネットグリード)
それは蒼き雷霆に振り(かざ)される欲にまみれし鋼の拳



第四十六話

 GVは私達の歌を受けながら駆ける。

 その綺麗な長い金色の髪を靡かせながら、能力者狩り(ハンター)部隊に襲われているフェザーの施設へと。

 モニカさんが送ってくれたデータを元に最短距離で「力」を(もち)いて飛翔する。

 GVは襲われているフェザーの拠点に近づき次第光学迷彩を解くつもりのようだ。

 これはあえて自身を目立たせる事で能力者狩り(ハンター)部隊を引き付ける狙いがあるとの事。

 蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルトの名と姿はフェザーだけでは無く、皇神にも轟いている。

 皇神には能力者ランクと言う物があるのを私達は知っている。

 GVはその能力者ランクが最高クラスのSSランクであるとされており、

例え能力者狩り(ハンター)部隊と言えども、GVに集中しなければならないのだ。

 

「モニカさん、この速度を維持したとして、後どれ位で到達出来ますか?」

『この速度を維持出来れば後1分ほどで襲われているフェザーの施設に到達出来るわ

私の予定していた速度よりもずっと早いから、このままの速度を維持して現場に向かって

その後の行動はなるべく目立つように派手に暴れて能力者狩り(ハンター)部隊を引き付けて

そうすれば消耗しているフェザーの部隊とジーノの負担もかなり楽になるはずよ

それが終わったら隙を突いて施設内部に侵入した後、連絡をお願いね、GV』

「了解! こちらは元よりそのつもりです! でもまずは…

響き渡るは謡精の歌声! 轟かせるのは龍の嘶き! 総身総躯、雷神と化せ!

アンリミテッドヴォルト!!」

 

 GVは道中予めアンリミテッドヴォルトを展開し、現場に急行する。

 そうしてたどり着いたフェザーの施設…

 その施設にはアリスちゃんの偽造戸籍作成の際にGVも足を運んでいた事があった。

 そんな施設も今は見る影も無く破壊され、瓦礫が散乱している。

 そしてその施設を包囲するように能力者狩り(ハンター)部隊が展開しており、

それ以外にも第九世代戦車(マンティス)及び色違い第九世代戦車(マンティス)

第九世代戦車(マンティスレギオン)が多数配備されているのが確認出来る。

内部に居るであろうフェザー部隊とジーノさんの運命は風前の灯火であった。

 そう、GVがここに来た以上もうそれはもう過去形の言葉であり、

展開していた能力者狩り(ハンター)部隊のど真ん中に、

突如としてGVが躍り出た事が反撃開始の狼煙(のろし)の合図でもある。

 

「俺達能力者狩り(ハンター)部隊相手に一人で向かってくるとはな!」

「……敵該当者有! こいつは…ガンヴォルトです!

あのフェザーの主力であり切り札とされる蒼き雷霆(アームドブルー)の能力者、ガンヴォルトです!!」

「ガンヴォルトだと! …だが、この大部隊相手にたかが一人で何が出来る!?

奴の戦闘データはもう我々は把握している!

カゲロウなる物でこちらの攻撃をすり抜けるらしいが、

これだけの部隊の飽和攻撃を受ければそんなものは関係無い!

総員、ガンヴォルトに攻撃を集中!! 配置している第九世代戦車全てを攻撃に参加させろ!!」

 

 そして能力者狩り(ハンター)部隊の全ての攻撃がGVに集中する。

誘導ミサイル、ビーム、バルカン、レーザー、手榴弾、火炎放射と様々な攻撃がGVを襲う

 そんな状況にあるGVはアシモフさん譲りのSPスキルを全力で展開する事で迎え撃つ。

 

「まずは挨拶代わりだ! 能力者狩り(ハンター)部隊!!

閃く雷光は反逆の導! 轟く雷吼は血潮の証! 貫く雷撃こそは万物の理!

僕の眼前の全ての敵を絡め取り、撃ち貫け! ヴォルティックチェーン!!」

 

 GVを中心に無数の鎖が展開し、敵の攻撃を含めた全てを絡め取り、迎撃し、穿つ。

 その鎖はアンリミテッドヴォルトにより強化されている為、

第九世代戦車(マンティス)達の装甲をも容易く貫き、その動きを止める。

 更に私達の歌の強化も加わりその鎖が及ぼす範囲が大幅に引き上げられている。

 そしてその鎖全てにGVの雷撃が炸裂し、

展開していた鎖の範囲内に居た能力者狩り(ハンター)部隊の半数が沈黙した。

 

「お…俺は夢を見ているのか? アレだけいた俺達の部隊が…」

「このSPスキルはイオタ殿を沈めたアシモフの…! ガンヴォルトも使えたというのか…!」

第九世代戦車(マンティス)の装甲が紙の様に貫かれている…」

「これが能力者ランクSSの蒼き雷霆(アームドブルー)、ガンヴォルトの力なのか…」

 

 SPスキルの一撃で半数が沈黙した能力者狩り(ハンター)部隊の士気が著しく低下した隙を突き、

 GVは更なる追撃で畳みかける。

 

「まだ僕の攻撃は終わっていない!! 龍の咆哮を受けろ! 吼雷降(サンダー)!!」

 

 それはヴォルティックチェーンからの派生攻撃。

 (GV)(あぎと)から放たれる無数の(吼雷降)が、

半数にまで減らした能力者狩り(ハンター)部隊の総数を更に削っていく。

 こうしてGVの奇襲攻撃は成功を治め、

残った能力者狩り(ハンター)部隊が恐慌状態に陥った隙を突いて、

フェザーの施設内部の突入に成功した。

 GVはモニカさんに連絡を入れる。

 

「こちらGV、襲撃されたフェザー施設を包囲していた能力者狩り(ハンター)部隊

その半数以上を撃退した隙を突き、施設内部の突入に成功

ジーノとフェザー部隊の皆の様子とそこに至るまでのルートを教えてください」

『了解よ、流石の手腕ね、GV

今の所ジーノは無事、フェザー部隊の皆もGVが来た事知って士気を回復させているわ

でも未だ予断を許さない状況が続いている…

ジーノの方はまだしばらくは持つとの連絡を貰っているから、先ずはフェザー部隊の掩護をお願い

それと今そこに至るまでのルートのデータを送ったからそれを参考に進んでね、GV』

「了解! これよりフェザー部隊への掩護に移ります」

 

 GVはフェザー部隊への掩護に向かった。

 その道中に能力者狩り(ハンター)部隊の兵士や機械兵器なんかが多数配置されていたが、

GVを止める事等出来るはずも無く、時にはダートで射抜かれ雷撃を浴び、

時には不可視の力をその身に受け打ち砕かれ、沈黙していく。

 そうしてGVフェザー部隊が籠城している部屋の近くまで迫り、

フェザー部隊との連絡が可能な距離に到達した。

 

「こちらGV、今貴方達フェザー部隊が籠城しているであろう部屋の近くまで到達しました」

『GV! 来てくれたか! すまん…こちらはもう半数が戦闘不能な状態で進退窮まった状態だったんだ

そんな状態で蒼き雷霆(アームドブルー)である君が来てくれた事で皆何とか気力を振り絞っている状態だ

…それでも余り長くは持たん、

済まないが今我々が相手をしている能力者狩り(ハンター)部隊を背後から強襲して欲しい

今なら隙を突けるはずだ

それと…その集団に、パンテーラとは違う別の宝剣の能力者を確認している』

「パンテーラ以外の宝剣の能力者!?」

『あぁ、こいつのお陰で我々はここまで追いつめられてしまったのだ

…ネームレスが齎してくれた情報が無かったら、我々は何も出来ずに全滅していただろう

その能力者の名前は「カレラ」…

宝剣「岩融(イワオトシ)」を所有する磁界拳(マグネティックアーツ)の能力者だ』

「カレラだって!? よりにもよってまた厄介な相手が…!!

だが、奴も能力者狩り(ハンター)部隊所属…ここに居ても不思議では無いか」

 

 カレラ…この人の能力はパンテーラと同じく…いえ、

場合によってはそれ以上に極めて厄介な特殊な能力がある。

 それは磁力を操る以外に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()使()()()()()()() ()()()()()という、

前情報が無ければ並みの能力者ではどうしようもない能力者殺しの相手なのだ。

 

「貴重な情報、感謝します

これよりカレラ率いる部隊への背後からの強襲を掛けます

……ご武運を」

『了解した…GV、後は頼んだぞ…』

 

 そうしてGVはフェザー部隊が籠城を続けている部屋の前に居た能力者狩り(ハンター)部隊を、

「力」で強化したダートで撃ち貫き強襲を掛けた。

 これでカレラ以外のメンバーや機械兵器を沈黙させる事は出来た。

 初めからGVはカレラを狙ってはいなかった。

 カレラは既に変身現象(アームドフェノメン)を起しており、

その上でGVに気が付いていたからである。

 

「小生は「磁界拳」のカレラ

貴殿があの噂に名高いガンヴォルトで候か、先程の鮮やかな手腕、実に見事!

…小生はこのような詰らぬ任務になぞ興味は無かった

そんな詰らぬ任務の最中に貴殿のような強者(つわもの)と相まみえることができようとは…

実に喜ばしい! ここで心待ちにしていた強者(つわもの)である貴殿との戦いが出来ようとは!!

小生が興味を持つのは、ただ強者(つわもの)との戦いのみ!

あのような弱者(フェザー部隊)になぞ興味は微塵もござらん!

さあ参られいッ!! 貴殿の雷、我が磁力の拳でひねり潰さんッ!!」

 

 そうして予想外の宝剣の能力者との遭遇戦が、今正に始まろうとしていた。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
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