【完結】謡精は輪廻を越えた蒼き雷霆の夢に干渉する   作:琉土

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第四十八話

 GVとカレラとの戦いが始まった。

 今のGVの状態はテールプラグを外し、私達の歌の掩護を受けている状態だ。

 その歌の効果はGVのEPエネルギーを無尽蔵に使用できる状態にして、

無限跳躍(ジャンプ)及びダッシュが可能になるのだ。

 今までネームレスの姿の時では多用していた私達の歌なのだけれど、

GVの姿で使用したのは今回で初めてだった。

 そしてこの時のGVはモード「蒼き雷霆(アームドブルー)」でもモード「ラムダドライバ」でも無い、

その二つを合わせた第三の型、モード「謡精の歌(ソングオブディーヴァ)」を解禁していた。

 …GVには私達の能力が変化して名前が変わった事を言っていないので、

私達の歌を歌った状態で解禁されるこの型の名前が成長前のままなのである。

 この型の特徴は、常時展開されるラムダドライバによる「力」の障壁、

雷撃麟展開時以外のカゲロウの無限使用、ダートの自動追尾、

常時体内にEPエネルギーが渦巻く事による更なる身体能力強化及び思考加速、

そしてGVのSPスキルを含めた攻撃全てにラムダドライバによる強化の補正が入る。

 そういった積み重ねの結果が、

あの時のフェザー施設を包囲していた能力者狩り(ハンター)部隊への蹂躙だった。

 

「感じるぞ…主の並外れた第七波動を…

これ程の力を持った貴殿と死合えるとは…正に武人の誉れなり!!

さあ先ずは小生の一撃、受けてみよ!!」

「く……っ! こいつ…戦闘狂の類か!!」

 

 カレラの磁力を利用した体当たりをGVはカゲロウで回避。

 その隙を突いてカレラにダートを打ち込もうとするのだが…

 

「ダートが弾かれる…!」

「貴殿の攻撃手段は既に対策済みで候!

その針のような弾丸で雷撃を誘導するというのなら、小生の磁力の鎧で弾けばよい!」

「……これならどうだ!!」

 

 GVは「ダートリーダー」の受雷針カートリッチ「ナーガ」の特性である貫通ショット。

 これを「力」を利用しノータイムで打ち込もうとするが…

カレラはその巨体を巧みに動かし、磁力の鎧と合わせて的確に受け流していく。

 

「貫通する特性があるのならば、

その力の方向に合わせて小生の身を動かすだけでこの様に受け流せるで候!

さあ次はどうする? ガンヴォルト!」

「……(「力」で強化した上に自動追尾機能を持たせたダートでも、

ナーガによる貫通攻撃でもダメか…ならば!)」

 

 GVはカレラに接近し、雷撃麟を展開しつつ真っ向から格闘戦に持ち込む。

自身の蒼き雷霆(アームドブルー)による身体強化とラムダドライバによる二重強化を用いて。

 そうして真っ向からカレラと拳を打ち合っていく。

 

「ぬはははははッ! その気持ちの良い思い切りの良さ! 実に良きかなッ!!

貴殿と小生の第七波動のぶつかり合い!!

血わき肉踊るとは正にこの事でござったか…!

まさか体格で勝る小生を相手に真っ向から自身の拳で挑み、互角の戦いに持ち込めるとは!!

こんな気持ち…初めてでござる…まったくもってときめくで候ッ!!」

「……っ! (雷撃麟を直に受けている状態なのに、

まるで意に返さずに反撃してくる…!

しかもその一撃一撃が重く的確で、逸らすのがやっとだ…!

…この男はイカレているが、その戦闘能力は本物…!)」

 

 そうして暫くGVとカレラは打ち合っていたが、

突如として雷撃麟が虫食い状態となり、打ち消されてしまった。

 GVはその事に動揺して隙を突かれ、カレラの重く鋭い拳の一撃を胸に貰ってしまう。

 それでもGVは片腕と「力」の防壁で庇ったお陰で、

ダメージを最小限に抑える事に成功している。

 

「これこそ小生の磁界拳の力! 能力者殺しと呼ばれた力で候!

この力を受けた相手は暫く能力を扱う事は不可能!

…そのはずであったので候が…誠に驚いた!

貴殿、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!

ぬははははははは!! このような相手は本当に初めてで候!!

貴殿は小生の初めてをいくつ奪えば気が済むのだ!!」

「……(どうやらラムダドライバの「力」の防壁で、

磁界拳の第七波動(セブンス)吸引効果を防げるようだ

あくまで磁界拳(マグネティックアーツ)第七波動(セブンス)のみに対して有効な様だな)」

 

 良かった…ラムダドライバの力が第七波動(セブンス)とは違うお陰で磁界拳(マグネティックアーツ)を防げたようだ。

 …これを見てふと思う。

 ラムダドライバで発生している「力」とは何なのだろうかと。

 第七波動(セブンス)では無い別の力、「現実改変能力」を持った未知の力。

 GVは体にEPエネルギーを流して、

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()させて発動させていると言っていた。

 その微弱な超能力とは一体何なのだろうか?

 第七波動(セブンス)とは第七の波動と書いてそう読む物。

 ならば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そう私達が考えている間に、戦いはクライマックスへと向かう。

 

「能力者としての生を受けはや十八年…

貴殿のような小生の能力を超えた強者(つわもの)と出遭えようとは、

天皇神の面接を受けた甲斐があったッ!

小生が欲するはさらなる力ッ!! 力とはより強き力を乗り越え…(ほふ)る事でこそ磨かれるッ!

さあガンヴォルト! 小生にさらなる闘争を!

苦境を! 勝利を!! 力をッ!!! 小生に与えよッ!!」

「……カレラ、そこまでして、()()()()()()()()()()()?()

()()()()()()! ()()()()()()!! ()()()()()()()()()()()

()()()! ()()()()()()()()!!」

「そうか、()()()()()()()()()()()()()()!! ()()()()()()()()()()()()!!」

 

 この瞬間、GVとカレラに「協力強制」が発動した。

 GVがカレラに力が欲しいかと誘い、カレラがそれに応えた事で発動条件を満たしたのだ。

 カレラの強い力への渇望を利用し、GVは雷撃を直接流し込んでいく。

 カレラは突然の事態に驚いて磁界拳(マグネティックアーツ)で打ち消そうとするが、

 それを無効化しながら雷撃が直進し、カレラを削っていく。

 そしてカレラは追いつめられ、遂に切り札を切って来た。

 

(たぎ)る! 滾るぞぉ! 小生をここまで追いつめるとは!!

ならば受けよ! 小生の奥義を!

糾合せし磁力 引力が爆ぜる 全てを望み 全てを欲し 奪い、掲げよ、その豪腕!

小生の全身全霊…その身に受けよ!! 超重磁爆星!!」

「……っ! (これがカレラの切り札(SPスキル)か!

…不味い、あのブラックホールに吸い寄せられる!!)」

 

 カレラを中心にブラックホールがGVを飲み込まんと広がっていく。

GVは全力で離脱しようとするが、周囲の吸い寄せられる瓦礫に阻まれ、

脱出に手間取っている。

 そしてGVはこのブラックホールから脱出するのは不可能と判断したようで、

「力」の防壁に意識を集中し、その衝撃に備えた。

 

「これで終わりで候! ガンヴォルト! いざ、爆発四散!!」

「ぐぁ……! …まだ僕は倒れてはいない! 次は僕の番だ!

迸れ! 蒼き雷霆よ(アームドブルー)!!

強欲たる力の渇望の主に、雷撃の衝撃の鉄槌(てっつい)を下せ!!

掲げし威信が集うは切先! 夜天を拓く雷刃極点! 齎す栄光、聖剣を超えて!

…カレラ、今の僕が持つ最大の切り札をその身に刻め! グロリアスストライザー!!」

 

 カレラの渾身の一撃(SPスキル)を「力」の防壁により受け切り、

返す刃でGVの今使える最大の切り札、

真の力を解き放った聖なる雷剣「グロリアスストライザー」がカレラを貫く。

 その時のカレラの表情は受けた瞬間は驚きと驚愕に染まっていたが、

自身の体が爆発する瞬間、穏やかな物となった。

 

「見事…! 小生は…満足…だ…」

 

 そう言い残しカレラは爆発して宝剣だけが残り、罅が入る。

そして何時もみたいに何処かへと転移してしまった。

 

「やったか…アキュラの事を考えると宝剣の破片の回収もしたい処だけど…

こちらGV! 宝剣の能力者、カレラの撃破に成功しました」

『GV、無事だったか! 近くで凄まじい音が聞こえてたから心配したぞ!』

「ええ、お陰で施設の被害が更に酷い事になってしまいましたが…」

『構わん 施設はまた建てればいい…GVは我々を救ってくれた

それだけで十分だ…ありがとう、

改めて礼を言わせてくれ、GV…蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト』

 

 フェザー部隊の隊長さんがGVに感謝を送る。

 そしてGVはこの場にある宝剣の破片の回収をフェザー部隊の人達にお願いした。

 そしてGVはモニカさんにジーノさんの居る場所へのルートのデータを貰い、先を急いだ。

 そして、そこでGVを待っていたのは…私達にとっては信じられない光景だった。

パンテーラとあのアリスちゃんが互いに睨み合い、

今にも衝突しようとしているその瞬間であった。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
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