――その頃、皇神の宇宙ステーション「アメノウキハシ」では…
「紫電様、パンテーラ殿の部隊、及びカレラ殿の部隊が壊滅したようです!」
「なんだって…! 悲しいね…またフェザーの…ガンヴォルトの仕業かい?」
「ハッ! 生き残りの証言ではカレラ殿については間違いないとの事、
ですが…パンテーラ殿を倒したのは、
紅白の
ふむ…カレラについては
だけどパンテーラが倒されてしまうとは…彼の足取りを掴めなくなってしまったね…
パンテーラがやられてしまった以上、それも無意味になってしまったか…
しかし…
「
「ご存じなのですか? 紫電様」
「うーん…ちょっと厄介な人だけど特に手を打つまでもないかな?
彼は組織だって動いている訳じゃないし、能力者でもない…
私怨で動いているだけの「ただの人間」だからね」
そう、彼…神園アキュラに対しては気にする必要は無い。
個人で動いている以上、少しうっとおしいけど僕ら皇神が気にする必要の無い、
取るに足らない唯の人間なのだから…だけど、この後に送られた報告でそれが覆る事となる。
「能力者でもない少年があのパンテーラ殿を?
…紫電様、その少年に対してもう一つ御報告がございます」
「もう一つ?」
「ハッ! その少年はどうやら自作の機械…
AI搭載機のバトルポッドと思われる機械を連れている模様
そしてその機械なのですが…この映像をご覧ください」
「………っ! これは…!」
「
…この機械、どういう原理なのか不明なのですが突然少女の姿に変化したのです」
この少女の姿…!
…映像を見る限りあの機械が姿を変化させた途端彼の装備の火力が目に見えて上昇している!
この現象…正にモルフォの歌その物じゃないか!
アキュラ…どうやってこんな技術を完成させた…!?
もしや彼は彼女の…
…いや、彼のあの能力者に対する憎悪は本物だ。
もしそれを彼が把握したら彼女を抹殺するか、自身が彼女の前から姿を消すかの二択だろう。
念の為彼女の行方についてはこちらも把握しているし、監視もしている。
だけど彼女にモルフォの能力が戻った様子は無いとの報告は既に得ている。
気になるのは病弱で声が出なかった状態が直っている事だけど…
少なくとも
実際に彼女の声が戻ったとの報告を受けて、僕も直接赴いて態々確認したんだ。
その報告は虚偽では無い。
だとしたら、あの現象は一体…
「そういえば
「ハッ! それは間違いありません! その際にフェザーの連中と交戦したとの報告もあります!」
「ふむ…彼はその時に
「ハッ! その時の生き残りの証言と監視カメラの解析結果を考えて、それは間違いありません!
ガンヴォルトが
…しかし、彼は本当にただの人間なのでしょうか…?
これではまるで能力者…いえ、それ以上の脅威と感じてしまいます」
…認めようアキュラ…流石、神園博士との血縁者だ。
恐らくその時に何らかの手段を用いて彼女の能力因子を回収して、
あの機械に
「世の中にはいるんだよ…ごく稀に、本物の天才っていうのがさ…
彼がフェザーと潰し合ってくれれば、こっちとしては楽なんだけどね… 予定変更だ
モルフォの捜索と並行してアキュラの持つ機械のスペックの調査をしてくれ
モルフォは「プロジェクト」にかかせない大切な姫巫女…
そしてその機械はそのスペアとなり得るかもしれないからね
但しその機械がこちらの要求基準を満たせなかった場合は即座に打ち切り、
モルフォの探索を優先してくれ」
「ハッ! 了解しました、紫電様!」
結果だけを先に言う、この機械は要求基準を満たしてはいなかった。
このお陰で僕はモルフォを確保する時間を無駄に浪費する結果となってしまった。
…今はまだ何とかこの国の状況を維持出来ている。
だけど海外の状況は日増しに悪くなり、
そろそろ輸入出来る食料品やエネルギー資源等の確保の目途が立たなくなりつつある…
このままではこの国は間違いなく維持出来なくなるだろう。
その上で戦力を蓄える必要もある。
あの多国籍能力者連合「エデン」に「フェザー」…
これらも含めたあらゆる海外の組織に対抗する必要があるからだ。
だけどこう言った悪い知らせだけでは無く、少しだけだがいい知らせもある。
来年辺りから不味そうだった食料自給やエネルギー供給の問題も、
僕も気になって何処かの能力者の仕業かと思ってこの海域を調べてみたけれど…
これでそう言った痕跡があればまだ納得は出来たのだけど…
まあ、現に海洋資源は復活しているんだ。
どういう訳か分からないが、今はこの奇跡に感謝しよう。
そのお陰で僕ら皇神はモルフォの探索を比較的余裕をもって腰を据えて行えるのだから…
モルフォは我が
…必ず確保させてもらうよ、フェザー…いや、
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。
※取りつくされた海洋資源が復活していた件について
第三十三話にて、GVが最大規模に広げた「力」の結界内で、
シアンが詩魔法を使っていたのを覚えていますでしょうか?
その場所がこのとある海域だったのです。
この場所はかつて豊富な海洋資源が眠って居たのですが、
近未来であるこの時代では取りつくされています。
そんなかつての海洋資源の宝庫ともいえる場所でシアンは偶然にも詩魔法を歌いました。
一定間隔の回復効果を、そして
そしてシアンの能力は物質の根源ともいえる素粒子にも影響を及ぼせるようになっています。
故に、この蘇生効果が枯れた海洋資源のある海域全体に作用した結果こうなりました。
その際GVはこの
皇神にもその存在を把握される事はありませんでした。
…この詩魔法があればアリスのお母さんの蘇生も、
その理由は
それを考えると今回紫電が確保した
なお、この海洋資源で食料自給問題が解決する理由は、
近未来と言う時代設定であるガンヴォルト世界の設定と、
それ以上に皇神の技術力があるからです。
エネルギーさえ確保出来れば食料はどうにかなる、そう言った感じです。