天空高く
「アメノウキハシ」
ここは黄泉から戻りし咎負い人達が守護せし
GV、アキュラ、アリスちゃん、アシモフの四人は、
軌道エレベーター「アメノサカホコ」へと乗り込んだ。
その内部にはオノゴロフロートに居た皇神兵達に加え、
スパイダー、フェイザント、マンティス、マンティスレギオン等の機械群が籠城していた。
機械群が皇神兵達の盾となりつつこちらに向かってガトリングやミサイル等で弾幕を展開し、
皇神兵達はそんな機械群の死角を埋める立ち回りをしている。
これにより、「アメノサカホコ」の入り口付近は完全にキルゾーンと化しており、
GV達は乗り込んだ矢先に想定以上の足止めを食らう事となった。
「流石に敵の数が多すぎる…!」
『
エレベーターも巻き込みそう…』
「私の場合もロロと同じように、エレベーターを巻き込んでしまいますね…」
「時間を掛ければ僕ら四人でも殲滅する事は容易いけど…」
「それでは、タイムリミットをオーバーしてしまうか…」
そう、このまま時間を稼がれてしまえば
そうなると、ジーノさんやモニカさん達も含めた能力者達が皇神の支配下に落ちる事となる。
アシモフさんやGVは「波動の力」で洗脳の歌を遮断出来るだろうけど、
フェザーの戦力の大半を失う事となってしまう上に、人質にもなってしまう。
…私達はGVにある提案をする事にした。
そう、
あの時、紫電達の前に立ち塞がっていたのはGV一人だった。
きっとここで、私達の提案が通ったのだろう。
…本当は、こんな提案なんてしたくない。
四人で乗り込んで欲しい。
GVに対してのリスクは可能な限り減らしたい。
でも、そうすると
…あの時と同じだ。
あの暗黒の空間で、GVに私達の
私達はまたあの時と同じように、GVを地獄へと叩き落そうとしている。
しかも今度は、
(シアン、モルフォ…物凄く迷ってるみたいだけど、何か提案があるのかな?
…もし良ければ話してくれないか? 今は猫の手も借りたい状況なんだ)
ああ…GVが私達の想いを察知してしまった。
GVを苦しめたくなんて無い。
傷ついて欲しく無い。
そんな提案何て無いと叫びたい。
でも、こうなった目をしたGVの意思は止められない。
GVと直接対峙し、GVを本気で監禁しようとした私でも止められなかった。
だから、私達はあの時と同じように、GVを地獄へと叩き落す決意を…
この提案を話す事を決意した。
『GV、今のGVは私達の歌のお陰でEPはいくらでも使えるはずだよね?』
『つまり、副次的に「波動の力」も無限に使えるはず…』
(つまり、「波動の力」の障壁…「波動障壁」を永続展開して強引に突破するという案か
そうなると、出来るのは僕だけという事になる…
アシモフもエターナルヴォルトを使えるから、疑似的に三十秒だけ同じことが出来るけど、
流石に諜報班でも調べ切れなかった内部構造を理解していない状況ではリスクが高すぎる
…シアン達が迷うのも分かるよ、僕を単独で行かせるのが嫌だからだろう?)
『うん…私達はGVに無茶して傷ついて欲しくないから…』
『アタシ達は、GVのリスクは可能な限り減らしたい
…でも、GVはこの提案を飲むんでしょう?』
(現状僕らが思いつく方法がこれ以外に思い浮かばないからね
…それに、そろそろ潮時だと思うんだ
アキュラは正体不明の能力者として、もう察知している
それに、オウカにはもう完全に事情を話しているらしいし、
アリスも朧気ながらにシアン達の事を把握している
アシモフだって、僕と同じ
僕には直接伝えていないけど、時々アシモフから僕の肩に…
シアン達の居た位置に視線を向けていたんだ
だから、僕は話そうと思う
…それと、皆にこの案を話せば、案外もっといい案が出てくるかもしれないよ?
ここにはアキュラ、アシモフ、アリス、ジーノ、モニカさん…沢山の仲間が居るんだ
この案をたたき台にして、もっといい案を皆に考えて貰おう)
GVは機械群に散発的に攻撃しながら、アキュラ達に事情を説明した。
そう、
とはいえ、いきなりこんな事を話してもまず信じるなんてあり得ない。
だから、GVはアキュラ達を一見守る様に「波動障壁」を展開し、
これに真っ先に反応したのはロロだった。
『……っ! この
正体不明の能力者が力を開放したみたい!
今、USドライブの出力上限があり得ないくらい上昇を続けてるんだ!』
「何だと…! この忙しい時にか! ミチルは大丈夫なのか!?」
『
寧ろ、僕の調子が上がって助かるくらいだよ』
「そうか…ならばいい…しかし、
「遂に表に出てくるのですね…」
「この
時折、GVの近くで感知出来ていた微弱な物と一致している
だが…この莫大な量の
やっぱり、アリスちゃんとアシモフさんは把握していたんだね。
私達が三割のみ力を開放したのはミチルの事を考慮したのが理由だ。
ミチルは強すぎる能力に命を脅かされていた。
そして、あの時の作戦前の会話で、ロロがUSドライブの出力上昇の事と、
それを経由してミチルに力が流れ込み、
「ここに居る皆は薄々感づいていると思うんだけど、
僕には小さい時から今に至るまで、今感じている力を持った能力者がずっと傍に居るんだ
その能力者の…
…アシモフ、僕がまだ能力を扱い切れてなかった時、
よくオーバーヒートを起していた事を覚えているよね?
これを矯正するのは苦労したよ…」
「
「
「信じられないかもしれないけど…ここに居るのは、
実際に、
その能力は電子、精神関係は愚か、物質の最小単位の素粒子にも歌で干渉出来る」
「……突拍子もない話だが、
ミチルが
『それに、このあり得ないくらいの膨大な第七波動…
僕らにとっての全ての始まりだった、何の加工もされてないあのガラス片の事を考えると…
やっぱりアキュラ君の言う通り、妥当だと僕も思う』
「私はかつて、パンテーラのコピーとして生きていました…
ですが、未来のシアンさん達と接触し、
第七波動の塊とも言える私と未来のシアンさん達の力の波動を受けて混ざり合い、
私が持っていた
そして、パンテーラが私のお母さんを殺害した事を知ったその時から、
私はエデンに対する反逆を決意したのです
…私も、この事を信じたいと思います
アリスちゃんが話している事、そして知っている事は、
既にフェザーやアキュラ達の中での情報共有は出来ている。
アリスちゃんはこうして知っている事を全てフェザーに話した事もあって、
学校に通う事も、フェザーに所属する事も許されている。
最も、アリスちゃんは最初、
自身の能力が危険だから傍に置いた方がマシ等と考えていたみたいだけど…
だけど、この会話で意外だったのが、アリスちゃんも私の姿が見えていたという事だ。
つまり、オウカと同じように霊感が…少なくとも、第四から第五の波動は確実に持っている。
アリスちゃんとは電子のサイズでしか会ってなかったから、今まで姿が見えなかったのだろう。
「アリスには未来のシアン達が見えているのだな…
未来のシアンと今のシアンの第七波動パターンは、
成長後という誤差を考慮しなくても、余りにも一致しすぎている…
私も信じさせてもらうが…GV、詳細は話してくれるのだろうな?」
「ええ、このミッションが終わって一息入れる事が出来るようになったら、
これは口で言うよりも、実際に見た方が早いから…
それに、今重要なのはこの事じゃ無い…
「なるほど、
…確かに、現状ではタイムリミットがある以上、それしか手が…いや、ここはモニカを頼ろう
聞こえていただろう、モニカ? 何かいいプランを構築して欲しい」
『そうね…GV? 「波動防壁」は四人分の空間の確保と、空間内からの攻撃は出来るかしら?』
「可能です、モニカさん」
『だったら…四人を囲う「波動防壁」をGVが展開して、
エレベーターを巻き込まない程度の攻撃でアキュラ達が攻撃しつつ、
軌道エレベーターの入り口まで目指して、
それを背にして大火力攻撃をお見舞いすれば、エレベーターを巻き込む事も無く殲滅出来るわね』
「そうすれば追撃される心配も無くなるか…サンクス、モニカ…何時も助かる」
私達は歓喜した。
これでGVを一人送る事無く皆で紫電達に挑めると。
そうしてGV達はモニカさんの出したプラン通りに行動し、
遂に軌道エレベーターへと乗り込むことが出来た。
そして、いざ「アメノウキハシ」へと向かおうとした時…
『皆、聞こえてる!? たった今諜報班から入った情報なのだけれど、
そちらに敵の増援が大量に向かって来ているわ!!
これを放置すると、今の私達の居るコントロール施設が奪還されたり、
突入班に増援による追撃を許す事になってしまうわ!』
モニカさんが敵の増援の知らせを出してきたのだ。
こうした増援が来るという事は、それだけ皇神も本気なのだろう。
あぁ…これが理由だったんだ。
これが理由で、GVは一人で「アメノウキハシ」へと向かう事になったんだ。
そうして再度モニカさんがプランを
その結果、アリスちゃんは軌道エレベーターの入り口の防衛に、
アシモフさんはモニカさんの居るチームへと再度合流し、コントロール施設の奪還を阻止し、
アキュラは遊撃に回り、可能な限り敵を減らすというプランとなった。
『つまり、僕達の役目は少しでも敵の数を減らす事だね!』
「そう言う事だ、ロロ…すまん、ガンヴォルト
俺達は付いていけそうもない…だが、必ず後で増援として向かう
だから…死ぬなよ? ガンヴォルト
お前にはミッションの後、俺と必ず決着をつけて貰わなければならないのだからな」
「ああ、僕は必ずシアンを助け出して、生きて帰ってくる
その後は、必ずアキュラとの決着を着ける…約束だからな」
「GV…どうか気を付けて下さい
これは私の予感なのですが…何だか嫌な予感がするのです
…でも、GVなら大丈夫なはずです
何故なら、ここに居る皆様と、今と未来のシアンさん達の愛を一身に受けてるのですから」
「ありがとう、アリス…皆からの愛、僕は確かに感じているよ」
「GV…もうお前に言う事は一つだけだ…必ず私達の元に生きて戻って来い」
「アシモフ…分かった、必ず生きて皆の元に戻る」
『熱くなるなよ? 負けるぜ? クールになれ、GV
お前ならこんなミッション、1500秒以内にこなせるはずだぜ!
つまり、普段のお前なら楽勝だって事さ
…流石に善処するよは無しだぜ?』
「そうだね、ジーノ…実は何時も何気なくくれるその助言、
何時も頼りにさせて貰ってたんだ
だからこれからも、その助言に頼りたい」
『おま…よくそんなセリフを真顔で言えるな! こっちが恥ずかしくなるじゃねぇか!』
『GV? 軌道エレベーターで通信限界距離を越えても、私の能力がGVと皆を繋ぐわ
だから、貴方は一人じゃない…それを忘れないでね?』
「モニカさん…ありがとうございます
その能力…今回も、これからも、頼りにさせてもらいます」
『…行こう、GV 今の私達を助けに』
『大丈夫よ、GVはアタシ達の…ううん、アタシ達と皆の想いが、貴方の
「…ああ、行こう!」
そうしてアキュラ達に未来の私達の事を話したGVは、
単独で「アメノウキハシ」へと突入する事となった。
私達は電子のサイズへと戻り、GVの傍に戻った。
GVは軌道エレベーターに乗って、上を見上げていた。
もう直ぐ、今の私達は未来の私達に届くだろう。
…ここまで来て、はっきり分かった事がある。
今、
このボーダーは、
GVはこの弾丸を「波動の力」で複製出来る為、少ない弾数でも問題は無いと踏んでいる。
だけど、それ以上にこの弾丸の危険性を考慮し、
万が一奪われた事を想定し、敢えて少ない弾数を維持しているのだろう。
…あの時、
…あのアシモフさんは、一体誰だったのだろうか?
私達はかつてのあの状況を回想している内に、
軌道エレベーターはGVを無事「アメノウキハシ」へと送り届けた。
GVは今の私達の第七波動を感じ取り、道中を阻む忍者を退けながら先へと進んでいく。
そして、GVは遂に今の私達の居る場所へとたどり着いた。
そこで待っていたのは…
この時の私とモルフォは、辛うじて機械による能力の強制に抗っていた。
そうしてGVは、
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。