【完結】謡精は輪廻を越えた蒼き雷霆の夢に干渉する   作:琉土

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Chapter:天主

ついに相見える天塔の主
高天の支配者(バベルマスター)
謡精を操り、七宝剣を従え、巨大な力が振り下ろす正義(スメラギ)の鉄槌


第七十二話

 私達は今、機械による能力の強制に抗っている今の私とモルフォを、

そしてGVが紫電と、パンテーラ以外の七宝剣の能力者達に囲まれているのを目撃していた。

 GVは今の私達が苦しんでいるのを感じ取っている様で、

GVから放たれる怒気と殺気は物理的な圧力となって敵対者にのみ降り注いでいる。

 

 だけど、紫電はそんなGVを見ても余裕の表情を崩していない。

 自身の実力もさる事ながら、この状況と、今の私達の力を掌握している事もあるのだろう。

 寧ろ笑みすら浮かべて、GVを見つめていた。

 …紫電がGVに話しかける。

 

「ようこそ、ガンヴォルト…こうして会うのは初めてだね

あれだけ僕らが用意した機械群を蹴散らしてここまで来るだなんて、

流石は皇神の最高傑作…プロジェクトガンヴォルトの唯一の適応者だ」

「紫電…!」

「あの通信のやり取りをした後から、僕はこうして君と直接話をしてみたかった

どうだろう? 今からでも皇神に付く気はないかい?

君は僕のプロジェクトの事を、外部の人間なのにも関わらずに理解してくれる、貴重な人材だ」

「僕がその誘いに乗るとでも? …紫電、話をすると言うのなら、聞きたい事がある」

「それだけの怒気と殺気を放ちながらも、理性は維持している…

いいだろう、何が聞きたいのかな?」

「どうしてお前はそこまでこのプロジェクトを成功させようとする?

確かに以前の状況…「奇跡の海域」による資源が無かった場合ならば、まだ理解は出来る

だけど今それがある以上、海外からの貿易が維持できなくなっても、

まだこの国を維持する時間はあるはず…その間に、もっといい案を出せるはずだ!」

「……これは本当に驚いた、君は本当にこの国の状況を理解しているんだね

それは僕が、この皇神で絶対の地位を得る為さ

そしてこのプロジェクトは君も知っている様に、治安と戦力の問題を解消する一手

…僕のこの行いは正義なんだよ? ガンヴォルト」

 

 私達の能力を弄んで、皇神での権力闘争が理由ですって…!

紫電は私達の事を、唯の地位を上げる道具としてしか見て無かったの!?

…GVは紫電との会話にあえて乗っている。

 これは今の私達や七宝剣の能力者達の位置等を把握しつつ、

頭の中で戦術を練っているのだろう。

 

「絶対の地位だと…いや、それ以外に何か別の理由があるみたいだな、紫電」

「…他に何かあるとでも?」

「お前は何所か冷徹になり切れていない所がある

あの時シアン達を連れ去ろうとした時、

お前はオウカ…桜咲家の事に配慮していただろう?

実際、彼女の屋敷で直接的な被害にあっていたのは、

窓のガラスが一部割られただけだった

…それに、実際にシアン達を攫おうとした時もそうだ

あの時だって、二人にもっと強引に捕まえる様に支持する事だって出来た筈だ

これは僕の予測だけど、お前が地位にこだわる理由…

ネームレスから齎された情報も吟味して考えると、

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?()

 

 GVはズバズバ紫電の甘さ…()()()()()()()()()()()()()()()

 伊達にGVは前世で百二十七年も生きてる訳じゃ無い。

 こう言った人を見る目は確かにあるのだ。

 この時のGVは何所と無く前世の時の、お爺さんだった時の姿と重なった。

 

 そしてこの事を指摘された紫電は少し表情を変化させた。

 私達が見ても、紫電の様子は驚いてるように見える。

 そして、話を聞いていた七宝剣の能力者の一部…

特にストラトスさんとエリーゼが驚きを隠せないでいた。

 

「また、ネームレスか…全く…これだから彼女は厄介なんだ

こうやって皇神の機密情報や、僕らに関わる情報を根こそぎ奪っていくんだから

…そうさ、僕が地位に拘る理由はそれさ

僕の管轄外の部署だった等と言うふざけた理由で、

多くの皇神所属の能力者達が弄ばれてきた

君もかつてはそうだったのだから分かるだろう?

それを僕は守りたい…僕の手の内に居る能力者を守りたいのさ

そして、地位を上げる事はその手の内を広げる事に繋がるのさ

…僕は間違いなく本音を語った

この本音を聞いても尚、君は僕の邪魔をすると言うのかな?」

「……このプロジェクトにシアン達が関わり、そして彼女の意思が拒んでいる以上、

僕の意思に迷いは無い」

「……本当に残念だ、ガンヴォルト…君とはもっと出会い方が違っていれば、

メラク達と同じように良き友でいられたかもしれない…

僕の隣で皇神の…この国の将来について語り合えたかもしれない…

だけど、僕の後ろに付いて来てくれる皆がいる以上、これ以上迷う訳にはいかない

ガンヴォルト…お前を殺す!

モルフォの心の拠り所であるお前をこの場で始末すれば、

彼女は間違いなく堕ちて、その身を歌姫(ディーヴァ)プロジェクトに捧げるだろうからね!

…それに、モルフォが抗っているこの状態でも、僕は彼女の力を使えるんだ」

 

 その言葉と共に、今のモルフォが紫電の後ろに出現した。

 この時のモルフォは能力の強制に抵抗し続けており、苦悶に満ちた表情を浮かべていた。

 GVが必ず助けに来てくれる事を確信していたモルフォは、全身全霊を込めて抵抗している。

 ()()()G()V()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…なんだと?」

「今モルフォが…君にはシアンと言った方がいいかな?

彼女に繋がれている機械は、電子の謡精(サイバーディーヴァ)の力を制御する為の装置さ

君は確かアキュラ君と既に会っていたよね? この装置だけじゃない…

皇神が保有する能力者関連の技術…その基盤をつくったのがアキュラ君のお父様なんだ

全く…今の皇神があるのは彼のお父様のおかげだよ…アキュラ君には今度お礼でも…」

「神園博士は、こんな事をする為に技術の研鑽を重ねて来たわけじゃ無い!」

「確かにそうだろう…彼もアキュラ君と同様に、能力者に対して憎悪を募らせていたらしいし…

そうだ、君には感謝したい事がもう一つあった…

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

お陰で、抵抗している状態でも引き出せる力が僕の想定をずっと超えているんだ

だから、こんな事も出来るのさ!」

 

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 ()()()()()()()()()()()()G()V()()()()()()()()()()()()()()()()

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 …GVは私達にあの景色を見せたかったが為に私達の能力の訓練に協力し、続けてくれていた。

 それが、こんな形でGVの足を引っ張る形になってしまった…

 私達はこの光景を見せつけられ、茫然自失していた。

 G()V()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 せめて私達の能力がまだGVの拠点に来たばかりだった頃のままならば、

こんな事にはならなかった。

 七宝剣の能力者達の攻撃は、今まで「波動防壁」で防ぎきる事が出来た。

 だけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 …今の私達の歌は、これ以上GVを強化する事が出来ない。

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 それだったら詩魔法といきたい処だけど、これはダメだ。

 あの時のGVの最大限に展開した「波動防壁」と同様に、

「アメノウキハシ」その物が崩壊する危険性があるからだ。

 

 だから、それ以外に私達が出来るのはもう、

時間の壁に減衰された謡精女王の呪歌(ソングオブティターニア)しか無い。

 先程の光景に加え、この事実を突きつけられた事で、私達は無力感に苛まれた。

 …そんな私達の無力感に呼応し、私達の第七波動が加速度的に高まっていく。

 

「皆が生き返ってからこの五ヵ月間、対ガンヴォルトを想定した訓練を続けて来た…

その成果を今見せる時だ! 必ず奴を仕留め、歌姫(ディーヴァ)プロジェクトを完遂させる!

メラク! イオタ! デイトナ! カレラ! エリーゼ! ストラトス!

行くぞ! 総ては我が国の為に! そして皇神の…皇神所属の能力者達の為に!」

「面倒臭いけど…お仕事…紫電の頼みだからね、死んでもらうよ、ガンヴォルト」

「全てはこの国の未来の為、皇神の為…我が光の奔流に飲まれ消えよ! ガンヴォルト!」

「テメェを蹴り殺し、その先にあった地獄の業火に焼き尽くされてもらうぜ! ガンヴォルト!

そして、もう二度とシアンちゃんは渡さねぇ!

この後、俺がシアンちゃんのお世話をする為になァ!」

「ガンヴォルト…小生は本来、このように一人を相手に(なぶ)る行為は好かぬで候

だが、貴殿は我が能力が通じないばかりか、我が奥義すらも正面から受けきった強者(つわもの)

そして感じるぞ…貴殿から、あの時以上に高まっている第七波動を!

小生は、このように他者と力を合わせて強者(つわもの)に挑むなど、初めての行為!

貴殿はまたしても、小生の初めてを奪ったという事になるで候!

そんな貴殿ならば、小生達全員を相手に戦えるはずで候!

さあ、ガンヴォルトよ! 小生に更なる力を! 試練を! 七難八苦を与えよ!」

「キシャシャシャシャッ!! がんヴぉるとぉ? アタシ達とみンナでアそボッカァ?」

「あっ…貴方には恨みは無いけれど…紫電さんは、わっ…私に、居場所を与えてくれました…

それに報いる為…貴方をたっ…倒します! ガンヴォルト!」

「アンタにしては上出来な啖呵よ

…ボウヤ、本当の生命輪廻(アンリミテッドアニムス)の力、とくと御覧なさい!」

「少年…あの時助けてもらった事、感謝している

だが、俺は紫電に居場所を与えられ、直接頭を下げられてしまった以上、

俺は彼に報いる必要がある…恨むなら恨んでくれて構わない…

行くぞ少年…いや、蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト!」

 

 だけど、そんな高まっていく私達の第七波動は、今のこの状況において何の役にも立たない。

 あの時の私が、転生前のGVをトラックから守ろうと、

必死に蒼き雷霆(アームドブルー)の力を振るっていた時の様に…

 そうして紫電達とGVとの戦いが始まった。

 

 初めの内はGVが圧倒していた。

 紫電達がまだ今の私達によって強化された能力に慣れていなかったからだ。

 その隙を突く事でメラクとデイトナを仕留める事が出来ていた。

 だけど…

 

「流石だね、ガンヴォルト…だけどそれは無駄な努力だ…()()()()()()()()()

廻る輪廻が生命を紡ぐ 不可逆の帳を超えて 魂よ、現世に還れ

モルフォの能力共有と謡精の歌、そしてエリーゼの能力の組み合わせ、

とくとと味わうといい…リザレクション!」

「しカたナイなァ…

死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死!

離The裂苦死ョN(リザレクション)!!」

 

 エリーゼと能力共有した紫電と三人目のエリーゼが、

先程仕留めた筈だったメラクとデイトナを復活させた。

 それならばとGVはエリーゼを狙おうとするが、

エリーゼ本人の能力による不死性も相まって、決定的な手傷を負わせる事が出来ずにいた。

 

(今はまだ紫電達が能力共有や謡精の歌での強化に慣れていないから何とかなっている

だけど、記憶共有もあって僕の動きと強化に想定よりも早く慣れつつある…

このままでは、僕は謡精の歌の支援があっても確実に負ける)

(モニカ! こっちはもう直ぐで増援が片付きそうだぜ!)

(モニカさん、私の方も敵の数が大分減ってきています)

(こちらも大分破壊して回っているが、数は随分と減ってきている

…そろそろガンヴォルトへの増援として向かいたいのだが?)

(いいわ! アキュラ、貴方は先にGVの元へ急いで!

敵の増援の数が減った今なら、私達だけでも…嘘! 増援がまだ来ると言うの!?

ごめんなさいアキュラ、まだこの場を離れるのはマズイわ!)

(了解した…! 聞いたな、ガンヴォルト? まだ俺は行けそうもない…

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

(GV、以前話した電磁場を利用した弾道変更技術…これと組み合わせるといい

上手く使えば、グリードスナッチャーの弾道を自由に変えられるはずだ

但し、銃その物に負担が大きくかかるから「波動の力」で補強するのを忘れるな)

(分かった…アキュラ、アシモフ…()()()()()()()()()()()()()!()

 

 そうしてGVは、()()()()()()()()()()()その銃口をエリーゼ達に向け、

「波動の力」で強化された簒奪の弾丸を放った。

 その弾丸は、アシモフさんから教えてもらった弾道変更技術によって、

エリーゼ達に食らい付こうとする。

 

 それをイオタが、自身が持つビットを盾にする事で防ぎに掛かろうとする。

 しかし、強化された簒奪の弾丸は、

そのビットを丸ごと食らい付くし、エリーゼ達に直進していく。

 そして、その弾丸がエリーゼ達を捉えようとした時、

紫電、イオタ、デイトナの三人が、敢えてその身を盾にする事でエリーゼ達を庇い、

簒奪の弾丸に飲まれた。

 

 そんな紫電達を、エリーゼ達は強化された能力を駆使して復活させ、また振出しに戻った。

 GVはこの様子を見て、エリーゼ達を先に倒すのは正しいと判断し、

集中して簒奪の弾丸を浴びせていく。

 そうすれば、誰かがエリーゼ達を庇わざるをえないからだ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()() 

 そして、そのパーツがどんどん大きくなっていく…

そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 あのパーツは…! 私はGVにストラトスさんへ警戒を促そうとした。

 だが、このストラトスさんの完成させたパーツに呼応して、紫電達の動きが変わった。

 ()()()()()()()()()S()P()()()()()()()()()()()

 GVは急に動きが変わった紫電達の動きに不意を突かれてしまった。

 

「さあ、テメェを仕留める為の仕上げと行こうじゃねぇか!

太陽の如く燃え盛れ熱波! 激情の灼熱、うねる猛火! 煉獄の焔に残るは灰燼!

先ずはこいつを喰らいなァ! サンシャインノヴァ!!」

「やっと終わりか…じゃあ、僕もほんの少しだけ、頑張ろうかな?

森羅万象に穴穿つ、縦横無尽変幻自在、世界を貫く破滅の光柱…

…これで僕の仕事は果たしたよ、紫電? レイジーレーザー!」

 

 周囲を埋め尽くす炎の弾幕と光の柱によってGVの動きが制限される。

 

「この五ヵ月間の特訓の成果を見せる時…! 行くぞ! ガンヴォルト!

集いし残光、輝く刃…終焉を告げる光の煌めき…地平を裂いて無へと還す!

光すら破断する一撃を、その身に受けよ! 終焉ノ光刃(ゼロブレイド)!」

 

 空間すら切り裂く次元刀が、GVの「波動防壁」に直撃し、軋みを上げさせ、ヒビを入れる。

 

「ガンヴォルトよ! ゆくぞ!

糾合せし磁力 引力が爆ぜる! 全てを望み、全てを欲し、奪い、掲げよ、その豪腕!

さあ、今一度小生の奥義を受けよ! 超重磁爆星!」

 

 前回以上の大きさの暗黒天体がGVの「波動防壁」をうち破り、一時的にGVの能力を封印した。

 

「本来は僕の攻撃は必要無いけれど…

天が意思、皇の神気、仇なす輩を狩り立てん

君の持つその銃は危険だ、手放してもらうよ? ガンヴォルト…サイコフュージョン!」

 

 四つに分かれた紫色の紫電の第七波動が、GVにダメージを与えつつ()()()()()()()()()()()()

 

「…………貪る翅蟲の羽音が響く、終わりなき飢餓の牙…全てを喰らい咀嚼せよ!

さようならだ、ガンヴォルト! デスティニーファング!」

 

 GVは即座にチャージングアップを済ませ体勢を整え、

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

運命を喰らう捕食者(デスティニーファング)を迎え撃った。

 …GVは、何とかこの紫電達の連携攻撃を()()()()()()凌ぐことが出来た。

 

 即座にGVは「波動の力」で欠損した左腕を治そうとした。

 だけど、それが叶う事は無かった。

 恐らく、あのストラトスさんのSPスキル、デスティニーファングが原因なのだろう。

 あれによって、GVの左腕が何らかの理由で再生出来なくなったと考えるのが自然だ。

 

 GVは次善の策としてリヴァイヴヴォルトによって欠損した際の出血を抑えた。

 それでも、GVはもう死に体と言ってもいい状態であり、もう完全に詰みの状態だった。

 そして、この光景を今の私は目撃してしまい、心が折れかけてしまった事で、

機械による能力の強制に逆らえなくなってしまい、意識を失ってしまった。

 

 …今のモルフォも必死に耐えていたのだが、今の私が意識を失った事が引き金となって、

機械による能力の強制に逆らえなくなってしまった。

 ()()()()()()()()()()()()G()V()()()()()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 もう、GVに勝ち目が無いのは私達でも分かっている。

 

 アキュラ達が来る気配も未だ無い。

 そう考えている内に、紫電達によるGVに対しての蹂躙が始まった。

 そして、イオタの光が貫き、GVは力尽きた。

 だけど、GVは私達の謡精女王の呪歌(ソングオブティターニア)によって、もう一度立ち上がった。

 

 …似たようなことが、何度も繰り返された。

 デイトナの炎を纏った蹴りを何度も受け、

 イオタの光やビットを何度も受け、

 紫電の紫色の第七波動を何度も受けても、GVは立ち上がり続けた。

 

 勝ち目何て、とっくに無くなっている筈なのに、

それでも立ち上がり続けた。

 この行為に、メラク、ストラトス、弱気なエリーゼ、カレラは参加していなかった。

 メラクは単純に面倒なのだろう。

 

 ストラトスは、SPスキルに全身全霊を込めたのが理由で、

その場で力なく壁に寄りかかり、この行為を見続けていた。

 弱気なエリーゼは、紫電達のしている行為に目を背けていた。

 カレラは気にくわなさそうに、GVを蹂躙し続けている紫電達を見つめていた。

 

 そうして何度も立ち上がるGVに業を煮やした紫電達は、

再びSPスキルを放つが、それでもGVは立ち上がった。

 …もう、GVは見る影もないくらいにボロボロだった。

 何故未だ立ち上がれるのかが分からなかったくらいに。

 

 GVの目は未だ諦めていない。

 だから私達は謡精女王の呪歌(ソングオブティターニア)を歌い続ける。

 GVが諦めていない以上、私達が諦める訳にはいかないからだ。

 そうして必死の抵抗を続けていたGVに対して、紫電はGVの心を折ろうとしたのだろう。

 ある行為に打って出た。

 

「全く…まさかここまで諦めが悪いだなんてね…

そんな君に敬意を表して、僕の本当の力を、君に見せて上げよう

さあ見るといい…これが僕の真の力だ…!」

 

 紫電は三本の宝剣を出現させ、今の私を近づけて、融合して一つの姿となった。

 その姿は今までの七宝剣の能力者と違い、けた外れに大きな外見をしていた。

 そして、それ相応の第七波動も有していた。

 そんな紫電の様子に他の皆も驚きを隠せないようだ。

 

「神にも等しきこの力…すべては守るべき民と国土、そして皇神の能力者達のために!

僕の正義が、悪をくじくッ!!

「精神」に干渉して操る彼女の「電子の謡精(サイバーディーヴァ)」と 「物質」に干渉して操る僕の「念動力(サイコキネシス)」…

精神と物質…全ての生物を構成するこの二つからなる要素を支配できるボクは、

まさに全能の存在だ! この力を使い、僕は全世界の第七波動能力者を支配する

能力者も、無能力者も、この僕の前では等しく弱者…

絶対なる統治が、全ての弱者(たみくさ)を守り平和へと導くだろう

そしてこの場所…ここは僕の力によって皆と貴様を引きずり込んだ

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そう、こんなことが出来る僕は…天を統べる神の皇(ザラストエンペラー)――

ボクこそが「皇神」なんだッ!!

……ガンヴォルト、何が可笑しい? この僕の圧倒的な力を見ながら、

どうしてそんな笑みを浮かべている!!」

 

 そういえば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 この場所は…()()()()()()G()V()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 だけど、その様子は以前の時とは違って、

一部の足場を除いて、それ以外が無くなっており、その背後には赤く染まった地球の姿があった。

 

 …GVは笑顔だった。

 明らかに場違いとも言える程の、狂気を孕んでいる程の、とびきりの笑顔だった。

 そんなGVの様子に、紫電達は明らかに様子がおかしいと思っているようだ。

 …あぁ、そうか、そうだったね…

 

 ()()()G()V()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 G()V()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()G()V()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 謡精(私達)は、輪廻を越えた蒼き雷霆(GV)(記憶)に干渉する機会を…

GVを直接助ける事が出来る機会を遂に得ることが出来た事に、

私達はGVと同じような笑みを浮かべながら、心の底から歓喜したのだった。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。




※デスティニーファングで左腕が直せなかった件について
この時のストラトスのデスティニーファングは、
()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
G()V()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
これを何とかするには、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
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