トータル・イクリプス Cold of united front【凍結】   作:ignorance

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stage14

『大尉、作戦開始まであと3分です』

「……」

『大尉?』

「…ん。分かった」

あくびを噛み殺しながら体を揺らし、意識をはっきりとさせる。

管制ユニットは狭いがそれでも体を動かす程度のことは出来る。

『大尉は良く寝ていらっしゃいますね』

「年かもな。足手まといになる前に引退したいところだぜ」

操縦桿を握り、網膜に投影されている地平線をみる。各部隊が配置についているが

(やっぱ戦車隊の数が足りてねぇか)

戦域図に表記されているマーカーを確認してはっきりとさせる。

しかし、報告はしない。したところで何も変わらないことくらいわかっている。

『振動波、急速に増大!波形パターンネガティヴッ!!』

『ソノブイに感有りッ!!音紋照合ネガティヴ!コード991発生。繰り返す、コード991発生ッ!』

通信回線が瞬時に沸騰する。複数の報告が飛び込み、警報がけたたましく鳴り響いた。

『大尉ッ!』

「慌てるな!主機をあげて何時でも迎撃できる状態にしておけッ!」

『『『了解!!』』』

3人からの返答を聞き、自身も戦況に意識を向けるが、一つの疑問が頭の中をよぎった。

なぜ彼女達はCPではなく自分に状況を対応させたか。

イムヤは自論を立てた。

彼女達は衛士としては自分を認めているが、指揮官としてはまだ認めていないと言うモノだった。

衛士としての技量は模擬戦でもシミュレーションでも計れるが指揮官としての技量は実戦でこそ、その真価を計られるものである。

(そういうことか。そりゃ、3人での実戦の方が多いわけだ)

簡単だが自論にも疑問にも答えが出た。

(飼い主として無能ならこっちが食い殺されるって訳か)

だからこそ

「上等だ。やってやるよ」

前の未来とは違う道を選んだからこそ、こんなところで立ち止まるわけにはいかない。

昔と何ら変わりない。ただ1個大隊が1個小隊に変わっただけでじゃじゃ馬なのも変わらない。

異端と呼ばれたあの部隊じゃなければ自分はどこかでくすぶっていただろう。最後の最後まで自分を守ったあの部隊の全員に顔向けできるように今度こそ自分の筋を通す。

CPからのカウントがゼロに近づいていくにつれ、操縦桿を握る手に力が入る。主機に火を入れる。

誰とも通信のない管制ユニットで愛機に思いを伝える。

「やれるよな?不知夜。あのクソッタレな未来を壊すために俺たちはここにいる」

愛機はうんともすんとも言わないがセンサーアイの発光が一瞬強くなった。

『ゼロッ!』

CPの一言と共に全ての部隊のどの機体よりも速く黒い戦術機が戦場を駆けた。

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