トータル・イクリプス Cold of united front【凍結】   作:ignorance

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戦闘描写難しい。


stage05

(模擬戦とはいえ、心が踊るのはいつぶりだろうな。…帝都防衛戦の時か?…違うな。あのときも悪くはなかったが。もっと古い、…そうか、アイツと共に戦ったあの時か)

心を踊らせる高揚感に懐かしさを感じ、記憶を手繰る。結果として出てきたのは二人だけで死線をくぐった記憶だった。

(だが、今は目の前に集中しろ。じゃねぇと負けちまうからな)

音響欺瞞筒(ノイズメーカー)を張りながら移動し、敵機の位置を探る。数はこっちが不利なのでせめて初手は頂きたい。

ビル街の十字路を超えた途端、警報(アラート)が鳴り響いた。

真正面から噴射滑走で突っ込んでくる機体が単騎、モーターブレードを展開し切り込んでくる。

ナイフシースを展開し、マニピュレータがナイフを掴む。すぐさま切り返し、モーターブレードと応戦する。

「やはり、クラリッサか!」

『奇襲のつもりだったんだけどね、やるね!大尉』

鍔迫り合いを外し、すぐさま後方に距離を取る。

直碁、先程まで自機がいた場所に三点、ペイント弾がついていた。

「アブねぇな。アレクサ!初手で終わらせたらつまらねえだろうが」

高層ビルの隙間から銃口が覗いていた。

『そうだよ!姉さん。やっと噛みごたえのある相手なんだよ。もっと楽しまなきゃ!』

二発、三発と撃たれる弾を蛇行して回避しながら距離を取ろうにもクラリッサがそれを許してはくれない。

背部兵装担架(ブレードマウント)から長刀を取ろうに距離が足りない。

仕方なく応戦しようとすると側面から警報が鳴り響いた。

ビルが散立する中を巧く狙ってくる。アレクサ程の精密さはないが並の衛士ならば被弾は免れない。

「メリッサか。良いコンビネーションだよ。こんちくしょう!」

三人のコンビネーションは確かに凄い。この短時間でそれを実感した。

だが、いやだからこそ

「こんなところで負けられねぇんだ!そうじゃなきゃ先に逝ったアイツ等に顔みせ出来ねえ!」

機体を垂直軸反転させ、そのまま噴射滑走。

直前の高層ビルにぶつかりそうな勢いで突撃。反転全力噴射。ビルを蹴りそのまま加速。狙撃など気にしない。狙うは目の前の機体のみ。背部兵装担架が展開され、右手マニピュレータが長刀の柄を掴む。ボルトが爆発し長刀を刺突の姿勢に構える。

「IGNIS!最大噴射(オーバーブースト)!」

跳躍(ジャンプ)ユニットを後方に展開させ、いままでの比ではない爆発力による突撃。

既存のデータ以上の速度を叩き出す。

『ちょっ!嘘でしょ!?』

おそらく、相手も同じ考えだったのだろう。

壱型乙のデータは未だない。だから壱型丙のデータで戦いに挑んだ。それなら誤差は必ず出てくる。

だが、壱型丙と壱型乙は全くの別物になっている為、壱型丙のデータでは無意味なのだ。

 

後方に離脱しようにも既に距離を縮められ、離脱できそうもないので素早く迎撃に転ろうとしたが相手は意外な行動に出た。

『ダラッシャアァァァ!!』

刺突と加速で浮いた右脚を地面に付け、訓練用長刀を投擲したのだ。

加速された長刀は勢いそのままに真っ直ぐ自機に飛んできた。

「!」

避けられない。直感でそう感じた。

長刀はコックピットブロック上部にぶつかり、後方に飛んだ。

『スコーレスト3、コックピットブロックに被弾。撃墜判定です』

システムが強制終了し、網膜センサーはなにも映さなくなった。

「…」

想定外。

そうとしか言えなかった。訓練用長刀を投げるとか、ビルを蹴って加速するとか、並の衛士なら絶対にしないことを彼はやった。

イカれてる。自分達の隊長はとんでもないイカれ者と彼女は確信した。

 

「まずは1機!」

地面に付いた右脚だけで跳躍して長刀を回収。実行しようとしたが跳躍ユニットが白い煙を吐いた。

「チッ!時間はまだだろ!冷却システムの自動発動までまだ8秒もあるはずだ!」

跳躍ユニットの火が消え、次が来る前にビル街に姿を隠す。

突撃砲もナイフも長刀を回収できていない。あるのは背部兵装担架(ガンマウント)に搭載されている突撃砲一門のみ。2機あいてには心許無さすぎる。跳躍ユニットも冷却中の今、動けば良い的になる。それだけは避けたい。

残りの二人がどう動くかが戦況の鍵になっていた。

 

アレクサは迷っていた。

前衛のクラリッサが撃墜され、予定が狂った。それだけならまだやれたかもしれない。

だが、あの機体になにが隠されているかと考えるとこれ以上戦うのは無理だと考えた。

後方に白い機体が到着する。

『お姉ちゃん、どうするの?』

「…」

これ以上戦う理由はない。いっそこのまま降伏信号を挙げて終わらせてもいい、メリッサがこの話に乗ればだが。

「どうしようかしら?メリッサ。これ以上は…」

アレクサは言葉に詰まった。長女である自分が1番に諦めるなどと、あってはならない。

「私が前衛を務める。メリッサは『お姉ちゃん、接近戦下手くそじゃん。私がやるよ』

「結構気にしているのよ?言わないでちょうだい」

『私が誘い出すから、仕留めてね。じゃないとクラリッサお姉ちゃんに怒られるよ?』

通信が終わり、ラーストチカが移動を開始した。

(ごめんなさい、こんな不甲斐ない姉で)

アレクサは心の中で二人に謝った。

再び、ライフルのスコープを覗き目標を狙い定めた。

 

(跳躍ユニット、再始動まであと15秒。なにもなけりゃ問題ないんだが)

嫌な考えは当たるのが常である。機体の警報が、うるさく鳴り響く。

ビルを背にしているため、後方からはない。側面にもビルが散立しているため狙えるはずがない。正面にも敵影なし。なら

「上か!」

すぐさま機体を跳ばし元いた場所から距離をとる。途端、先程いた場所が青く染まっていた。ビルを盾にしつつ、回避行動をとる。

(残り5秒)

たった5秒のはずなのに異様に長く感じる。

うまく誘われているように感じるが気にしてもいられない。

回避行動を続け、跳躍ユニットが再始動する。うまく迎撃しているつもりだが当たりそうにない。

目の前に2丁の突撃砲が見える。

罠にしか見えないが現状、取らなければいけなかった。そうしなければ勝つのは不可能だった。

後方のラーストチカを迎撃しつつ、突撃砲の直前まで到達した。

「こなくそ!」

直前で着地し、サマーソルトの要領で突撃砲を蹴り上げた。

『『!!!』』

勢いで空に上がり、副腕(サブアーム)の自動射撃で向かってきたラーストチカを撃墜する。空中で2丁をキャッチし、狙いを定める。

バン!

2機の撃ち合いは壱型乙の右腕を青く染め、ラーストチカの胸部を赤く染めた。

『スコーレスト2、胸部被弾。4、上半身被弾。両機撃墜判定。スコーレスト1、右腕部被弾。判定小破。スコーレスト1の勝利です』

1時間半に渡る模擬戦はイムヤの勝利に軍配が上がった。




手元に柴犬とTEの小説があればうまく書けるんだろうなと思うこのごろ。こんな調子で大丈夫かな?
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