トータル・イクリプス Cold of united front【凍結】 作:ignorance
模擬戦が終わり、4機がハンガーに帰投し、各個のコックピットブロックから出てきた途端、それは始まった。
「良佑!テメェ、
「バカ野郎!AH戦で使うバカがどこにいる!使うたび、
「元々あれは
衛士の3人はいきなりのことに立ち尽くしていたが、不知火の整備士達はまた始まったと言って気にせずに作業に取り掛かった。お互いに殴りかかりそうな勢いで口論するものだからハンガー内に響いていた。
「あ、あの隊長?喧嘩はやめてください」
アレクサが二人の口論に口を挟んだ途端何事も無かったような調子に戻っていた。
「おう!3人共、おつかれさん。すげぇコンビネーションだったがちと相手が悪かったな」
「ちゃんと互いのポジションを理解できてたしな。単独行動ばっかのこいつと違って」
二人の調子が豹変するものだから3人はなおさら慌てた。
「あの、隊長?」
「どうした?」
「さっきのは?」
「ああ、いつものこった。本音のぶつけ合いよ。衛士と整備士は一蓮托生だからな」
「は、はぁ」
イマイチ理解できてないアレクサを避けてクラリッサが口を出した。
「ねぇ、隊長?この機体、なんなの?」
クラリッサは不知火の方を向いて質問した。
「こいつか?こいつは不知火・壱型乙。壱型丙をベースにしてはいるが中身は全くの別モンさ。ま、稼動時間は引き継いでるがな」
ケラケラ笑いながら淡々と答えていく。
「最大噴射ってなんですか?」
メリッサが質問する。それに良佑が答える。
「最大噴射ってのは跳躍ユニットの設定限界を無理矢理引き出すやつでな。壱型乙に搭載されているOS【IGNIS】じゃねぇと使えねぇし、衛士にかかるGもすげぇから基本的に使えねぇ。おまけに跳躍ユニットが暴発しかねねぇからおすすめはせん」
「では、壱型乙のデータは?」
「「無いな」」
二人同時に答えた。
「それってどういうことですか?」
「デブリで一緒に教えてやるよ。とっとと行くぞ?」
イムヤは一人早足にブリーフィングルームへと足を進めた。それに三姉妹が続いた。
4人の姿が見えなくなったと同時に良佑は声を上げ指揮した。
「壱型乙の跳躍ユニットを分解整備するぞ。それと両腕部のナイフシースをモーターブレードに換装するぞ」
その言葉に整備士達が応と答えた。
デブリーフィングが終わり、適当に壱型乙について説明する。適当ではあるが嘘は言ってない。
「さてと、ちと早いが来週に極東ソビエト戦線での国連合同運用試験第一次派遣部隊に任命され、ってめんどくせぇな。わかりやすく言や、実践試験だな。護衛にジャール大隊が付くが…
まぁ、迷惑かけることはねぇだろ」
そう言うイムヤが苦い顔をしていたが3人にバレない内に表情をもとに戻す。
「隊長?どうしたんですか?」
メリッサが表情の変化に気づいたらしく、心配してくる。
「なんでもねぇよ。昔の戦友に会うかもなぁって、考えてただけだ」
「そうなんですか。会えるといいですね」
メリッサの屈託のない笑顔がイムヤには眩しかった。
「まぁ、一週間は機体の換装やらなんやらでシミュレーションくらいしか出来ねぇだろうが体調管理はしっかりしろよ。あっちについて出れませんとか笑い話にもなりはしねぇぞ?」
「「「了解しました」」」
3人が同時に答える。それを聞いてイムヤは早足にブリーフィングルームを出る。
他のことには目もくれずひたすらに自室に急いだイムヤはベッドに倒れ込んだ。
(久々とはいえ一回の最大噴射でここまでくるとはな。流石に無理は出来ねえか)
体の疲労が睡魔と共に体にのしかかってきた。その重圧に身を任せるようにイムヤは意識を手放した。
次回は過去編でいいかなって感じです。
誤字脱字、意見、アドバイスお願いします。