衝撃を受けて一夏、鈴音、セシリアの三人は吹っ飛ばされる。
謎の衝撃で白式のエネルギーも0になり解除された。
「なっ・・・・なんだ!?」
目の前で起こった出来事に一夏は戸惑い、セシリアと鈴音は一夏に駆け寄りたいが、目の前の光景に警戒していて近づく事ができない。
衝撃と同時にシュヴァルツェア・レーゲンのアーマーが溶解を始める。
レールカノンがドロドロに溶けた。
「・・・・・・・・・・・あ」
一瞬、ほんの一瞬だが、一夏とラウラの目があった。
彼女の片目の眼帯が外れて中から金色の瞳が見える。
伝わった。
伝わってしまった。
「変身!!」
『ターン・アップ』
オリハルコンエレメントを展開して一夏はブレイドに変身して黒い塊に包まれようとしているラウラに手を伸ばす。
しかし、横から飛来した鉄球に攻撃を阻まれてブレイドは地面に倒れ込む。
「がっ・・・・!」
「一夏!!」
「一夏さん!」
鈴音とセシリアの悲鳴が聞こえる中、ブレイドの視線の中にはドロドロの塊に取り込まれていくラウラの姿が見える。
「・・・・・・うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
叫びを上げてブレイラウザーを引き抜いてエレファントアンデッドに斬りかかった。
エレファントアンデッドは鉄球でブレイラウザーを弾いて強力な拳をブレイドのアーマーの腹部に叩き込む。
ドゴォンと重い一撃がブレイドに炸裂。体のくの字に折れ曲がり地面に叩きつけられる。
「あんたぁあ!」
「一夏さんからきゃっ!」
セシリアがビットを向けようとした瞬間、黒い影が刃を振り下ろした。
その一撃でセシリアはアリーナの壁に叩きつけられて動かなくなる。
「なっ・・・・なにこれ!?」
鈴音は目の前に現れた黒い塊に驚く。
それは全体的に女性のシルエットをしており、手には一本の刀を持っている。
軽装な武装だというのに鈴音は敵の動きが見えなかった。
相手は無言で刀を構える。
やられる!そう判断した鈴音は衝撃砲を放とうとするが片方の衝撃砲が爆発した。
「きゃっ!」
爆発から身を守りながら鈴音は何が起こったのか確認する。
衝撃砲の場所に黒い刃が突き立てられていた。
黒い塊は衝撃砲が発射するタイミングに刃を突き刺して破壊したみたいだ。
「ざけんじゃないわよ!!」
片方の衝撃砲を放つ前に双天月牙で相手に切りかかる。
刀を封じてしまえばこちらのもの!と判断していたのだが、相手は信じられない行動に出た。
双天月牙を足で叩き壊して発射寸前の残りの衝撃砲を破壊したのである。
「ウソっ!?」
まさかの行動に鈴音の額に冷や汗が流れた。
直後、敵の一撃を受けて鈴音は意識を手放す。
「うっ・・・・私・・・・」
簪はゆっくりと意識を覚醒する。
場所が暗く残骸も多い。
「簪・・・・ちゃ・・・・ん・・・・・・無事?」
「睦月さん!?」
簪は悲鳴を上げながら瓦礫に埋もれている睦月へと駆け寄る。
「よかっ・・・・た・・・・怪我・・・・みたい・・だね」
「喋らないでください!傷に触ります!」
「俺は・・いいから・・・・簪ちゃん・・・・これ・・を」
睦月が震える手で差し出したのはレンゲルバックル、そしてクラブスートのカテゴリーAのプライムベスタ。
「これで・・・・守る・・・・んだ」
「でも・・私は・・・・」
簪はアンデッドを前にすると体が震えて変身する事ができない。
そんな自分が戦っても邪魔にしかならない。
自分がライダーになるのは間違いだと簪は叫んでしまう。
自分よりも。
「お姉ちゃんがライダーになるべき・・・・」
「逃げるな・・・・」
バックルとプライムベスタを掴もうとしない簪の腕を睦月が掴む。
今までの彼からは想像できないほどに力が強い。
怪我人のどこにこんな力があったのだろうかと思うほどに。
『人間には一回だけ・・・・たった一回だけ逃げてはいけないときがあるんだ。それはいろいろな場面があるよ、好きな人に告白する時とか・・・・大切な人を守るために戦う時』
昔、睦月が簪に教えてくれた言葉、
たった一回だけ。
もしかしたら今がその時なのだろうか?
「・・・・・・」
『臆するな、臆せば視界を狭める』
睦月にいわれてもまだ動けない簪に声をかけたのは意外にもマンティスアンデッドだった。
「え・・・・」
『お前の恐怖が我々からくるものだということはわかった。だが、そのままでお前はいいのか?』
「・・・・・・私、は」
『封印されている間、オレを使用していた人間はいろいろな事に恐怖していた』
「・・・・あのカリスになっていた人?」
一度だけ、映像で見せてもらったカリスの強さ。
誰よりも・・・・おそらく、剣崎一真達と同じくらいの強さを有していた彼が恐怖している?
『だが、あの人間はそれでも戦っていた。恐怖よりも優先させる事があるからだ』
「何を・・・・?」
『・・・・・・キミは何のために戦う?どうしてその力を手に取る?』
「私は・・・・」
『自分の心から目を背けるな』
「くそっ、このやろ!」
ブレイドはブレイラウザーを振り上げるが鉄球を受けて、ラウザーが遠くへと転がっていく。
「甘いわ」
エレファントアンデッドの容赦のない一撃、
アーマーが大きく凹み、仮面にも亀裂が入り始める。
「くだらん・・・・この程度の実力なのか?」
エレファントアンデッドはここまで計画を練る必要がなかったか?と思いながらさらにブレイドに一撃を叩き込んだ。
寸前で動きを止める。
彼の視界に一人の少女が入った。
青い髪のメガネをかけた大人しそうな女の子。
「・・・・・・簪・・・・?」
ブレイドは倒れそうになるのを必死にこらえて現れた簪へ視線を向ける。
「まだ・・・・戦うのは怖い・・・・私以外に戦える人がいるかもしれない」
ぽつりと言葉を呟いて簪は続ける。
「でも・・・・これ以上誰かが傷つけられているのを見ているままなんて出来ない・・・・だから、私は戦う・・・・レンゲルとして!」
簪はレンゲルバックルに内蔵されたラウズトレイにプライムベスタを装填する。
バックルからカード状のベルトが自動的に伸張された。
「変身!」
『オープン・アップ』
叫びながらバックル部のミステリーゲートを開く。
音声と共にレンゲルクロスを分解した光のゲートスピリチアエレメントを装着者の前面に放出され、エレメントが自動的に簪を通過してレンゲルへと変身した。
「全く・・・・面倒だ。やれ」
エレファントアンデッドの合図と共に黒い塊がレンゲルに襲い掛かってくる。
レンゲルは慌てることなく醒杖レンゲルラウザーにプライムベスタを読み取らせた。
『スタッブ』
「こ・・・・のぉ!」
レンゲルラウザーが強化され刺突攻撃、ビースタッブが発動して塊の腹部に攻撃が炸裂する。
攻撃を受けた塊は地面に倒れ込むがすぐに起き上がった。
「お願い!」
レンゲルの叫びにアリーナの端からマンティスアンデッドが現れてカリスアローで黒い塊と立ち向かう。
「ほぉ・・・・アンデッドを使役できるのか」
「あなたを封印します」
「俺を他のアンデッドと一緒にしない方がいい・・・・」
エレファントアンデッドとレンゲルがぶつかり合う。
『キミはこのままでいいのかい?』
意識が薄れいく一夏の中に“あの声”が響く。
“俺は・・・・あのアンデッドに勝てない”
『それはあいつの力が上だからかい?それともキミの心が折れたからかい?』
“・・・・俺はなんで戦うんだっけ・・・・・・”
『キミは忘れているだけだ。それさえ思い出せばもう一度、そしてより強くなることができるよ』
“・・・・・・・・”
『キミはなんで人を守るんだい?』
“俺は・・・・”
「一夏!!」
体に衝撃が走ってうっすらと目を開ける。
視界に見えたのは目に涙をためている篠ノ之箒の姿。
いつも眉間に皺を寄せて怒っている様な普段の姿と異なり、年頃の少女の表情がそこにあった。
あぁ・・・・また箒を泣かせたのか俺、と一夏はぼんやりと考える。
女の子を泣かせるなんて最悪だなぁと思いながらゆっくりと体を起こす。
「一夏!?大丈夫なのか!」
「あぁ・・・・箒・・・・下がってろ」
「しかし、そんな傷だらけで戦えるのか!?」
「戦えるとか戦えないとかそういうことじゃないんだ・・・・」
落ちていたブレイラウザーを手に握り締めてブレイドは静かに継げる。
「俺は人間が好きだから・・・・・・人間を守るためならたとえ不利だとしても戦う。大好きな人達を守れるなら」
「・・・・・・・・」
「待ちたまえ」
ブレイドはふらふらと前に歩こうとしたが高原に止められる。
高原は額やいたるところから緑色の血を流しているが気にせずゆっくりとブレイドへ近づいていく。
「私を封印するんだ」
「どういうことだよ・・・・」
「今のキミではあいつには勝てない。キミが勝つためには僕を封印してキミの力として使うんだ」
「お前はいいのかよ・・・・・・また封印されて」
「私は敗者なのだよ。それにこのまま生き残っていても生き恥をさらすだけだ・・・・それともこの状態のアンデッドを封印するのは気が引けるかな?」
「・・・・・・」
ブレイドは静かにプロバーブランクを取り出す。
それをみて高原は微笑む。
「そう・・・・それでいいんですよ。それと約束です・・・・ヒューマンアンデッドのことを伝えておきましょう・・・彼は日本にいます。いずれ・・・・あなた方の前に現れるでしょう」
「・・・・ありがとう」
「いえいえ・・・・約束を果たしただけです」
その言葉を最後にイーグルアンデッドはプライムベスタに吸収された。
「箒・・・・安全な所に逃げてくれ」
「しかし!一夏!」
「大丈夫だから・・・・死ぬような無茶はしねぇよ」
そういってブレイラウザーのオープントレイを開く。
「きやっ!」
エレファントアンデッドの一撃を受けて地面に倒れるレンゲル。
倒れたレンゲルに追い討ちをかけるようにして黒い塊も刀を振り下ろそうとする。
『ライトニングブラスト』
振り下ろそうとした塊に向かって必殺技を放つブレイド。
ブレイドの攻撃を持っている刀で受け止めようとするが威力が強く刀に亀裂が入る。
「ほう・・・・まだ戦うというのか?」
「当然だ。人を守るのが仮面ライダーの仕事だからな・・・・それに、ラウラを返してもらう」
「この駒のことか?悪いがそれは不可能だ。コレは中々に便利だ。あの伝説のアンデッドですら歯が立たずあのザマだからな」
アリーナの真ん中に緑色の液体を流して動かないマンティスアンデッドの姿がある。
腰部のアンデッドバックルが開いている事から敗北したことがわかった。
「ラウラを駒というな」
「駒だ。お前は知っているのか?あいつが“作られた”存在だということを、そんなヤツがまともな生き方をできると思うか?」
「そんなことは関係ない!!」
ブレイドは叫んでブレイラウザーを構える。
同じようにレンゲルもレンゲルラウザーを構えた。
その時。
『フュージョン』
頭上から音声が流れてウルフアンデッドが動こうとした黒い塊に鋭い爪を叩き込んで動きを鈍らせる。
「・・・・」
「その外見・・・・貴様」
エレファントアンデッドを無視してウルフアンデッドは地面に倒れて動かないマンティスアンデッドにプロバーブランクを落とす。
吸収されてプライムベスタとなったカードをウルフアンデッドはバックルで読み取る。
『チェンジ』
ウルフアンデッドからカリスへと変身した。
「てめぇ・・・・何をしに」
ブレイドは目の前に現れた敵があの男だということに気づいて声を低くした。
カリスはそんなものをものとせずゆっくりとエレファントアンデッドへカリスアローを構える。
「ブレイド、てめぇはアンデッドの相手をしてろ、あの塊は俺が相手をする」
「なんでお前が指図する!」
「あれが織斑千冬の動きをベースにした模倣者だからだよ」
「・・・・なんだと?」
「ヴァルキリー・トレース・システム・・・・第二回モンド・グロッソの勝者の動きを完全にコピーするシステムで使用が禁止されているものだ。あの黒い塊は織斑千冬の動きをトレースしているんだよ。だから未熟とはいえ代表候補生が敗北したんだよ。鬼に人が勝てるか?」
「・・・・・・」
「まぁ、お前がやるといっても知らん。あの塊に少し用事が」
いきなりエレファントアンデッドが攻撃を仕掛けてきた。
カリスは距離をあけることで避ける。
「・・・・悪いが貴様を早急に叩き潰す・・・・・貴様は危険だ」
「そうかい!」
カリスはカリスアローで鉄球を弾き飛ばしてエレファントアンデッドに攻撃を開始する。
レンゲルもレンゲルラウザーを構えて参戦した。
ブレイドはこちらに刀を構えている塊へブレイラウザーを構える。
「千冬姉の動きを模倣しているとか、どこまで慕っているんだよ・・・・お前は」
繰り出される剣戟を交わしながら一夏は考えていた。
ラウラのこと。
まだ出会って数日しか経過していないが彼女の事がよくわかったような・・・気がする。
「(多分、俺よりも千冬姉のことが大好きなんだよな・・・・尊敬と同時に・・)」
誰とも接していなかったからちゃんと理解しているわけではないけれど、千冬と一対一で話している時に気づいた。
ラウラは言い方や考えで少し間違っている部分があるが、誰よりも千冬の事を思っているのがわかる。
といっても、昔の自分だったらわからなかった。
「お前が千冬姉を好きなのはわかった・・・・けれど、こんなことしてもお前は千冬姉にはなれないんだ!ラウラ・ボーデヴィッヒ!」
振り下ろされる雪片をブレイラウザーでいなしてオープントレイを展開して二枚のプライムベスタを読み取らせる。
『サンダー』
『キック』
『ライトニングブラスト』
雷撃を纏ったキックを黒い塊に放つが壁らしきものに阻まれた。
「ISのシールドか・・・・くそっ」
どうする?白式はエネルギーがきれていて使用することが出来ない。
かといってこのままアンデッドの力を我武者羅にぶつけていたらラウラの身が危なくなる。
どうする?
『力・・・・欲しい?』
声が聞こえた・・・・ような気がする。
「欲しい・・・・今こいつを救えるなら力をくれ!」
ドクンと何かが脈打つ。
それも一回だけではなく何度も何度も。
まるで新たな生命が命の鼓動を打ち始めるかのような。
ブレイドが白い光に包まれる。
光が消えたとき、ブレイドは白式を身に纏っていた。
いや、白式とは少し外見が異なっている。
ブレイドの背中にスラスターが装着され、左腕に雪片弐型を握り締めている。
ほとんどはブレイドアーマーなのだが、ところどころ白式の装備が付与されていた。
「行くぞ!」
黒い塊が雪片で斬りかかってくるがブレイラウザーで受け止めて雪片弐型を逆手に持って黒い塊に斬りつけていく。
雪片弐型の能力でシールドを破壊して本体にダメージを与える。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
連続で攻撃していく。雪片弐型で本体を切り裂いていく。
塊はそれから逃げようとするがその隙を与えない。
「攻撃のタイミングを合わせろ」
「わかった」
カリスアローとレンゲルラウザーの交互の攻撃にエレファントアンデッドは鉄球で反撃をするが二人は同時に距離を置いて離れる。
カリスはカリスラウザーをカリスアローに合体させた。
二人ともプライムベスタを取り出してラウズする。
『フロート』
『ドリル』
『トルネード』
『スプニングダンス』
『バイト』
『ブリザード』
『ブリザードクラッシュ』
カリスが宙に浮き上がり竜巻に包まれながらエレファントアンデッドに突撃する。
「ぐ・・・・ぬぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
攻撃を受け止めて後ろに仰け反るが手を伸ばしてカリスを押しのけた。
だが、カリスはにやりとほくそ笑む。
入れ替わるようにして冷気がエレファントアンデッドを襲い、レンゲルの両足の攻撃を受けた。
「ぐぉっぉつ!?」
二つの攻撃を受けてさすがのエレファントアンデッドもダメージを受けて倒れ込む。
「ちっ・・・・撤退だ」
エレファントアンデッドは塊が撃退されたのを見て分が悪いと判断してその場所から逃げていく。
『どうして・・・・お前は強い?』
“俺は強くないさ。もっと強い人は沢山いる”
『そうなのか?』
“強いといっても力とか技術とかそういうのじゃないぞ・・・・”
『では、なんだ?』
“心・・・・だよ”
『・・・・心?』
“確かに俺は技術とか力などからしたら強いかもしれない。でも、心はまだ、未熟だ。色々な障害にぶつかったら立ち止まるし、悩んだりする。決意したとしてもそれが正しいのか悩んでしまう。でも、俺より強いあの人は悩んでもすぐに答えを導き出して迷うことなく行動していた”
『・・・・・・』
“そういうのを強いっていうんだよ”
『私にはない強さだな』
“そうでもないさ”
『え・・・・・・』
“黒い塊に取り込まれそうになった時・・・・助けてって俺に訴えただろ?それも強さの一つだよ”
『私が・・・・強い?』
“あぁ・・・・それでも不安だというならラウラ・ボーデヴィッヒ”
暖かい何かがラウラの体を包み込んでくれているような気がする。
あぁ・・・・暖かい。
“俺の傍にいろ。お前が強くなるまで俺が守ってやる。絶対に”
そこで、ラウラは意識を手放した。
戦いの後を説明すると、大変の一言に尽きた。
来週から学年別トーナメントがあったのだが、アリーナが修復不可能寸前にまで壊れてしまっていたので今年のトーナメントは延期という結果。
各企業や代表候補生は様々なスケジュールにあっぷあっぷするという状況。
その中で、織斑一夏は特に被害もなくただぼー、っと中庭のベンチに座ってブレイバックルとスペードスートのカテゴリーAを見ていた。
「あれから既に一週間経過か・・・・・長いな」
ラウラ・ボーデヴィッヒは今日退院する予定だが千冬姉に任せてあるから大丈夫だろう。
彼女の問題は千冬が解決するべきでもあるから。
「どうして・・・・ISをブレイドが装着できたんだ」
あの後、変身した状態で白式を展開しようとするがうんともすんとも反応しない。
逆に白式を纏った状態で変身しようとすると白式が解除されてブレイドに変身すると言う結果。
つまり、あの形態は謎ということだ。
謎といえば。
「・・・・・・カリス・・・・」
あの戦いの後、カリスは姿を消していた。
敵がいなくなれば自分のやることはないと言うかのように。
「あいつは一体・・・・何がしたいんだ?」
一夏はぼんやりと空を見上げる。
富樫始を殺したカリス。
弾の話によるとアンデッドに人々が襲われている所に現れているらしい。
自分のカテゴリーしか狙っていないというのに他のカテゴリーの前にも現れた。
カリスの目的というのはなんなのだろうか?
「そもそも・・・・どうしてあいつは富樫始を殺した?」
アンデッド以外にはまるで興味のないアイツが唯一手にかけた存在。
富樫始になにかあるのだろうか?
自分の知らない秘密。
「・・・・・・調べてもらうか」
「・・・・こんなところにいたのか」
「ボーデヴィッヒ!?」
現れたのはラウラ・ボーデヴィッヒだった。
突然現れたことに一夏は驚く。
しかし、彼女は平然とした表情で。
「ラウラでいい。ボーデヴィッヒではいいにくいだろう?」
「あぁ・・・・もう、大丈夫なのか?体とかISの方とか」
「体が完治するまでに少しかかるがISの方はコアが無事だったので予備パーツでくみ上げた。また部隊から支給してもらわなければならないものが多いが」
「そうか、よかったな」
「・・・・・・」
「どうした無言っ!」
ラウラがいきなり一夏の胸倉を掴んだかと思うとそのまま口づけをした。
言い方を変えるとキス。
突然の事に一夏の思考が停止しそうになる。
それに対してラウラはしばらくして唇を離して。
「織斑一夏、私はお前が好きだ。お前を私の嫁にする。これは決定事項だ。異論は認めない!」
「・・・・・・はぁ!?いや、好きって・・・・てか、それより嫁じゃなくてそこは婿だ!」
「そうなのか?私の知り合いがこういう場面では嫁といえばいいと教えてもらったぞ?」
「そんなことを教えたやつは誰だ!?そしてなにやら殺気が!」
一夏が視線を向けるとさっきのシリアスな空気はどこにいったのだろうか?
背後に般若のオーラを具現化させている四人の恋する乙女の姿とブラコンという肩書きを手に入れた姉の姿が。
あぁ、これは大変な事になりそうだ。と一夏は思う。