感想は時間が出来次第、返します。
ラウラ・ボーデヴィッヒは軍隊で学んだスキルを生かし織斑一夏と篠ノ之箒の二人を尾行していた。
「(あれは・・・・デートというものなのだろうか?)」
尾行していながらラウラはそんなことを考えていた。二人はそこそこ楽しげに話しているし、箒は女である自分の目からして・・・・その。
「(幸せそうな顔をしている)」
ラウラはそっ、と自分の胸に手を当てる。
「(そして・・・・私は嫉妬している・・)」
少し前の自分なら興味がないといって切り捨てていただろう。
だが、今は違う。
自分は恋する乙女となっているのだから。
「あれ・・・・ボーデヴィッヒさん」
「お前は・・・・」
青い髪にメガネをかけた気弱そうな少女。
確か。
「更識簪」
「うん・・・・何をしているの?」
「嫁の監視だ」
「ダンボールで?」
「同僚からこの格好でやるのがセオリーだと教えてもらったのだ。効果的だぞ?誰も私に話しかけてこない」
「うん・・・・それは多分」
関わってはいけない雰囲気が出ていて誰も近づかないだけでは?と簪は思ったが口に出すのを止めた。
本気で信じているラウラをみていると、告げることに気が引ける。
「更識、お前はなにをしているんだ?」
「えっと・・・・DVDを買いに」
「DVDというのはテレビで見るヤツか・・・・・・何か面白いものがあったら今度教えてもらえないだろうか?」
「え・・・・?」
「・・・・ダメだろう、か?そういうものも見てみたい・・・・と思って」
不安そうに尋ねるラウラに簪は「ううん」と首を横に振ってから。
「嫁の監視が終わったら見せてあげるね」
「あぁ・・・・!」
ラウラは嬉しそうな表情をして追跡を再開する。
簪は親切心からダンボールの使用はやめたほうがいいよ、と警告して人ごみの中へと消えていく。
一夏を尾行するラウラ。
それを人ごみの中から見ている人物が居た。
「これは・・・・面白い事になりそうだ」
一夏はちらちらと周りへ視線を向けた。
「どうした?一夏・・・・」
「いや、誰かに見られているような気がしたんだが・・・・気のせいか?」
「当然だ。我々の後をつけて得をするものなどいないぞ」
後ろに約一名おられます。
ちなみに他の恋する乙女二人はというと織斑先生の指導を受けており抜け出せなかったのである。
鈴音に至っては念入りに行なわれているとかそうでないとか。
BOARD社長室で五反田弾は橘朔也と向かい合っていた。
彼らの間には机があり、机の上には彼のダイヤスートのカテゴリーが置かれている。
今までに彼らが封印したのと、封印されていたモノ。
「カテゴリーQがあれば、JとKを利用したフォームチェンジが行なう事ができる。但し、上級との融合は危険が伴う事は理解しているな?」
「融合係数が低いと弾かれるかもしれないんですよね?」
「あぁ、俺より前にギャレンに変身しようとした人は融合係数が低くて片腕を失うという結果に終わった」
「あの・・・・フォームチェンジに失敗して弾かれる時に最悪腕が飛ぶなんてこともありえますかね?」
「アンデッドのことは我々も全てを把握しているわけではない。どのようなことが起こるかちゃんとした予測は出来ない」
「・・・・はは・・・・つまり、上級アンデッドの力を引き出すのは可能な限り控えろという事ですか?」
「Jに関しては問題ないが・・・・カテゴリーKにだけは注意しろ。手にしたとしてもすぐに使おうとするなよ」
「わ、わかりました」
あまりに橘の剣幕が凄いので弾は顔を引きつらせながら応えた。
「むっ」
ラウラ・ボーデヴィッヒは角を曲がった一夏達に追いつこうと速度を上げた。
いや、上げようとした。
「よぉ、また会えたな」
「っ!」
現れた男を見て頭が動くよりも早くラウラは後ろの人通りの少ない路地裏へと逃げていく。
本能、生理的に、彼女はあいつを拒絶するために動いた。
何かにあたって躓きそうになるが気にせずに走り出す。
時間すら惜しい。
一分でも早くあいつより遠くに逃げる。
次の角を曲がろうとしたラウラ、聞こえてくるのは人の声。
あぁ・・・・もう少ししたら助かる。
人が大勢いる光り輝く場所へ手を伸ばすラウラ。
「捕まえた」
しかし、あと少しというところで後ろからエレファントアンデッドがラウラの腕を掴む。
「・・・・あ・・・・ぁ・・・・・・」
後ろをゆっくりと振り返るとそこにはエレファントアンデッドの姿が。
まるで、暗闇の中へと自分を引きずり込もうとする怪物のように・・・・。
悲鳴を上げようとした瞬間、口を塞がれた。
「ん・・・・?」
一夏はぴたりと動きを止める。
「どうした?一夏」
「いや、今ラウラの悲鳴が聞こえたような気がして」
「私は聞こえなかったが?」
「気のせい・・・・だったのか?」
「気のせいではないよ?織斑一夏君」
一夏達の前に民族衣装を纏った男・嶋が現れる。
「貴方は・・・・・・その声・・」
「あの時は失礼な事を言ったね。私の名前は嶋、剣崎君達から聞いていないかな?」
「・・・・あ」
一夏は思い出す。
昔、剣崎に戦いの話を聞いていたときに出てきたのだ、協力者嶋の存在を。
「貴方が・・・・どうして俺にあんな事を?」
嶋は一夏に黒い機械を放り投げる。
「っと・・・・これは?」
「キミの新たなる力だよ。それを受け取る資格が君にある・・・・」
「これが・・・・俺の・・・・」
「ん、どうやらヤツは懲りずに彼女にまた手を出そうとしているようだ」
「彼女・・・・?」
「・・・・銀髪で眼帯をしている」
「ラウラか!?」
「どうやら・・誰もいない廃ビルに連れて行かれたようだ」
「ありがとうございます。箒、すまないがここで待っていてくれ」
「いや、私も行くぞ!」
箒は一夏の腕を掴む。
連れて行くまで離さないというかたくなな態度に一夏は困り嶋に協力して彼女を見てもらおうと思ったのだが、そこに彼の姿はなかった。
「そんな顔で睨むな。別にとって食おうというわけじゃない。といっても俺は肉食じゃないから食べれないがな」
ラウラ・ボーデヴィッヒは廃ビルの壁に拘束されていた。
少し言い方に間違いがあった。
壁に埋め込まれている。
エレファントアンデッドの強靭な力で彼女は壁の中に半ば押し込まれるような形で拘束されていた。
そのため、逃げることが出来ない。
といっても、目の前の男に対する恐怖心が強くて“逃げよう”という概念自体が萎縮しているのが原因でもあった。
「何故私を・・・・」
「決まっているお前のISに搭載されているシステムをもう一度起動させるためだ」
「なに!?」
ラウラのISには条約で禁止されていた悪魔のシステムが搭載されていた。
しかし、それは完全に消去された筈。
「ISってのは女性にしか使えないからな。手駒が多い方が戦いに勝ち抜きやすくなる。それにお前は利用しやすい」
「断る!私はもう」
「人間じゃないヤツが戦う以外の選択肢を見つけられると思うか?」
男の言葉にラウラの体が硬直する。
何故、と搾り出すようにもらした声に男はにやりと笑う。
「人間社会に紛れ込みながらそういう情報を見つけるのは本当に苦労した。だが、手に入れたものが最高のカードになりえるなら苦労した甲斐もあるというものだ。そうだろう?」
伸ばされた手から逃げようとするラウラだが、別の方の手が頭をしっかりと掴んで抵抗できない。
男はラウラの眼帯を外し投げ捨てる。
眼帯の中から現れたのは金色の瞳。
軍の実験によって移植された“力”これのために自分は落ちこぼれとなり織斑千冬と出会うことになった。
しかし、“今”は力に固執していない。
だが・・。
「試験管ベビーであるお前が普通の人間と幸せな生活を築けると思うか?」
男はまるでラウラの心を見透かすかのように奥底に隠している不安をさらさらと言い当てていく。
「うるさい・・・・黙れ」
「人造的に造られた人間が自然の中で生まれた奴らと一緒に行動していけると思うか?いけないだろう?お前は戦うために生み出された存在だ。ただISを動かすための駒。軍という大きな枠組みの中の一部。機械を動かすための歯車」
「ちがっ・・・・」
「お前は絶対にその運命から逃れる事はできない。いや、そもそもお前にその勇気もないだろう?常に不安に包まれて生きているのだろう?そんな苦しい生活に身をゆだねる必要もないだろう?お前は戦いの中にいてこそ、存在理由を見出せる」
――そんなことない!
――ウソだ!
――お前の言っている事はデタラメだ!
ラウラは必死に男の言葉を否定する。
しかし、否定し続けた彼女の頭の片隅にそうだろうか?という言葉が浮上した。
――お前もうっすらと感じていたのではないか?
――自分は戦うために存在している。
――“戦い”こそがお前の存在理由。
――“戦い”がなければお前は生まれる事はなかったのだ。
――違う!私は普通に生活を出来る!
――造られた人間なのに?
――一夏が私を救ってくれた!私は普通の人間として生きる。
――常に“好き”だといっておかないと不安で一杯なのに?
「(・・・・・・え)」
ラウラの思考が完全に停止する。
片隅に浮上した不安。
それは織斑一夏の隣に自分がいてもいいのかという不安。
他の人間と異なる。生まれも何もかも違う自分。
そんな自分が居てもいいのだろうか?
自分の気持ちは一夏に伝わっているのか?
自分は他の人間と違う。
ファッションも知らないし、他の子とはかけ離れた自分。
そんな“普通の生活”を送ったことのないヤツが一夏の隣にいれるわけがない。
「(やはり・・・・・・私は)」
不安にラウラが支配されそうになった時バイクのエンジン音が廃ビルの中に響く。
「ラウラぁああああああああああああああああああああ!」
ブルースペイダーに乗った織斑一夏が入口のドアを壊して中に侵入してきた。
一夏の後ろには箒が乗っていた。
「(やはり、一夏は)」
どこか絶望の目をしてラウラは一夏の方を見ている。
「ほぉ、よくここがわかったな」
「てめぇ・・・・あの時の!ラウラを返せ!」
一夏はすぐに変身できるようにブレイバックルとプライムベスタを取り出す。
「返せ?お前も物好きだな」
「どういう意味だよ!」
「知りたかったら戦う事だな」
男はエレファントアンデッドへと姿を変えた。
一夏はバックルを腰に装着して変身体制に入る。
「変身!」
『ターン・アップ』
オリハルコンエレメントを潜り抜けてブレイドになると同時に拳を放つ。
拳は吸い込まれるようにしてエレファントアンデッドの顔に命中する。しかし、エレファントアンデッドは微動だにせず立っておりブレイドに向けて鉄球を放つ。
「ふん!」
「ぐあっ!」
鉄球を受けて壁に倒れ込むブレイドに追い討ちをかけるようにしてエレファントアンデッドは続けて鉄球を放つ。
ブレイドは転がるように避けてブレイラウザーでエレファントアンデッドの背中を切りつける。
しかし、エレファントアンデッドは大したダメージを受けていないのか攻撃をものとせず鉄球を叩きつけるようにしてブレイドに放つ。
「がぁぁっ!?」
「一夏ぁ!?」
一夏の苦悶の声と箒の悲鳴が重なるようにして響き渡る。
ブレイドアーマーの仮面が壊れてそこから一夏の素顔が覗いていた。
「織斑君!ボーでヴイッヒさん!?」
遅れてアンデッドサーチャーの反応に気づいて更識簪が現れた。
簪はアンデッドがいることに表情を険しくしながらレンゲルバックルを腰につけてクラブスートのカテゴリーAをレンゲルバックルの中に入れる。
「変身」
『オープン・アップ』
オリハルコンエレメントが通り抜けてレンゲルに変身した簪はレンゲルラウザーでエレファントアンデッドに攻撃を仕掛けるがあっさりとレンゲルラウザーを受け止められて壁に叩きつけられて倒れ込む。
『ふん、やはり人間は弱い。だが、お前は違うラウラ・ボーデヴィッヒ』
エレファントアンデッドはブレイドとレンゲルを見下しながらラウラへ視線を向ける。
ラウラはどこか虚ろな表情をしていた。
箒が傍に駆け寄って呼びかけてもなんら反応しない。
『どうやら思った以上に心の不安が大きかったようだな?この調子なら早く利用できそうだ』
「どういうことだ・・・・?」
『簡単なことだ。そこにいる女を駒としてバトルファイトに勝ち抜くための道具として利用する』
エレファントアンデッドはなにをバカな質問をするんだ?という表情だ。
『バトルファイトにおいて勝ち抜くことはその種の繁栄を意味する。あの時、勝者となったのはヒューマンアンデッド。故に人間が繁栄した。だが、今回の戦いは俺が勝利する。俺の種が繁栄する事となる。そのためにこいつの力が必要だ。人間として普通に生まれず戦うために存在しているコイツを利用して何の問題がある?』
「ふざけるな!ラウラは戦うために存在しているわけじゃない!」
「いや・・・・その通りだ」
「ラウラ!?」
「ボーデヴィッヒさん・・・・?」
驚いた事にラウラがエレファントアンデッドの言葉に賛同する。
その事に箒と簪が驚きの表情を浮かべた。
「私は・・・・・・普通の生活を送ることなんて・・・・・・出来ないんだ・・・・・・私は普通の人間ではない」
「・・・・・・」
「私は戦う事でしか、存在を」
「そんなことないよ・・・・ボーデヴィッヒさんは織斑君のことが好きだっていっていたじゃない。あんな顔が出来るのに戦う事でしか存在を証明できないなんてことないよ・・」
「違うんだ・・・・更識・・・・私は」
ラウラは語り始める。自分は固い鉄の中で生まれた存在・試験管ベビーだという事。
戦うために生み出されて今までずっと戦うための技術を身につけるためだけに存在していた。
ラウラの過去に簪だけでない箒も何もいえなくなってしまう。
彼女の出来事が大きすぎてどういえばいいのかわからないのだ。
「・・・・・・今さら幸せを求めてなんになる?」
彼女の言葉に誰も何も言えない。
そんな中で一人だけ、たった一人だけ、言葉を紡いだ。
「本当に」
ブレイドが、一夏がラウラへ尋ねる。
「本当にそう思っているのか?」
エレファントアンデッドは面白い余興だと思っているのか何も言わずにただ、傍観していた。
「本当にラウラ、お前は戦いの中でしか存在を見出せないと思っているのか?」
「あぁ・・・・」
「・・・・・・・・」
箒は不安だった。
一夏が黙り込んだ事に。彼がどのような答えを返すのか。
ラウラが普通ではないと思っていたが、まさか当たっているとは思わなかった。
「(一夏・・・・お前はなんと答えるんだ?)」
箒は何も言わない一夏に不安の表情を向ける。
簪はレンゲルラウザーを構えながらも一夏の答えを待っていた。
彼はなんと答えるのか?
その答えがこの先の道を決めることになる。
はぁ・・・・・・。と一夏は仮面の中で声を漏らす。
「俺はそこまでお前を不安にさせていたんだな・・・・」
「・・・・・・・・え?」
一夏の返答が自分の予想とかけ離れたものだったことにラウラが戸惑いの表情を浮かべた。
壊れた仮面の中で一夏は本当に申し訳なさそうな表情をしてラウラを真っ直ぐに見つめる。
「ラウラ・・・・お前が真っ直ぐに俺を見て好きだといわれて戸惑った。今までに好きなんて正面からいわれるなんてなかったからさ。お前がすぐに返事を求めるような態度がなかったから・・・・どっかで甘えていた。返事を先延ばして、自分の心の中で決着がついたらちゃんと伝えようと考えていたんだけど・・・・・・それがお前を苦しめていたんだな」
なら・・・・と一夏が口を開く。
「俺はまだお前に返事をする事ができない・・・・それはお前が普通の人じゃないからとかそういうことじゃない!俺の中で一つだけ、どうしても決着をつけないといけないことがあるんだ!それを終わらせない限り・・・・俺はお前に対してちゃんと答えることが出来ない、誰とも正面から向き合えないんだ」
そこで、一夏は顔を上げて。
「こんないい加減な俺だけど・・・・・・それまで・・・・・・待つことは出来るか?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
ラウラは顔を俯かせて何も言わない。
一夏も無言で待っている。
「・・・・・・・・て・・・・だな・・・・」
「・・・・」
「本当に勝手・・・・だな・・・・嫁」
最後は小さかったが一夏の耳にはしっかりと届いた。
彼女の言葉に箒と簪の顔が明るいものになる。
「ということだ。ラウラはお前の駒にならないってよ」
『ふん!』
「がっ!」
一夏が不適に笑った瞬間、エレファントアンデッドの鉄球がブレイドの装甲に命中して壁の向こうに倒れ込む。
『成る程・・・・そういう態度をとるというなら、さらに深い絶望に叩き落して駒として利用する』
「させねぇよ・・・・」
瓦礫の中からゆっくりとブレイドが現れる。
現れたブレイドの仮面は鉄球を受けて壊れていたはずなのに完全に修復していた。
ブレイドアーマーは自己修復機能を有しているがここまでの修復速度はない。
“はじめから破損などしていなかったかのように”ブレイドの仮面は元通りだった。
「絶対に、俺の前で誰かを絶望に叩き落させるなんて真似はさせない・・・・絶対に!!」
ブレイドはブレイラウザーのオープントレイを展開してそこから二枚のプライムベスタを取り出す。そして左腕に装着されているラウズアブゾーバーに一枚ずつラウズする。
『アブソーブ・クィーン』
『フュージョン・ジャック』
身体の各部が金色のアーマー・ディアマンテゴールドに覆われ、胸部にはスペードのカテゴリーJの鷲の紋章が刻印され、背中にはオリハルコンウィングが装備される。
ブレイドの新たなる力。“ジャックフォーム”
「凄い・・・・力を感じる」
「一夏・・・・」
「綺麗・・・・だ」
『なっ!?その・・・・姿は!?』
エレファントアンデッドは驚愕の表情へと変わった。
数年前に自分を倒したあの姿へとなったのだから。
ブレイドジャックフォームはディアマンテエッジが装備されて切れ味と硬度も上昇したブレイラウザーを構えてゆっくりとエレファントアンデッドへと接近する。
『くそぉぉおおおおおおおおおおおおお!』
エレファントアンデッドは鉄球を投げるがブレイドジャックフォームは鉄球を手で受け止めて鎖をブレイラウザーで斬り裂く。
切り裂かれて前のりになったエレファントアンデッドの顔に拳を叩き込む。
『がぁっ!?』
攻撃を受けて倒れそうになるエレファントアンデッド。
ブレイドジャックフォームはブレイラウザーのオープントレイを展開して二枚のプライムベスタをラウズする。
『サンダー』
『スラッシュ』
『ライトニングスラッシュ』
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
オリハルコンウィングを広げるように展開してブレイドジャックフォームは雷撃を纏ったブレイラウザーを前に構えてエレファントアンデッドに体当たりしてそのままビルの壁を壊して外に出る。
空高く上昇してブレイドは一旦、距離を置いて再びブレイラウザーでエレファントアンデッドの顔に“ライトニングスラッシュ”を放つ。
「ウェェェェェェェェェイ!!」
雷撃を体に受けて苦しげな声をあげながらエレファントアンデッドは地面に落下して大爆発を起こした。
ブレイドはゆっくりと地面に降り立って腰部のバックルが開いたのを確認してコモンブランクを投げようとする。
『俺の敗北か・・・・一ついいことを教えてやろう・・・・カリスの姿を真似ているあの偽物、早めに倒しておかないととんでもないことになるぞ・・・・といっても、他の上級がそのうち潰すだろうがなぁ・・』
無言でコモンブランクを投げる。
吸収されてワイルドベスタとなったカードをブレイドは手にとって変身を解除した。
「・・・・・・カリス・・・・」
あの時、ラウラに自分のことを伝えているとき、本来ならあの時答えるべきだった。
しかし、一夏の脳裏にはカリスの存在が頭から離れなかったのだ。
あいつのいっている真実を知るまでは自分は誰かの思いに答えるべきではない。
そんな気持ちに支配されていた。
「見つけないといけない・・・・カリスを・・・・そして」
真実を知らないといけない。
一夏は自身の手の中にあるカテゴリーAのプライムベスタをじっ、と見つめる。