黒い球と共に   作:八雲ネム

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第16話 デートと奇襲

「お疲れ~」

「おぉ、またなー」

 

 大学の講義後、俺はいつものように帰宅の途についた。

 大学のサークルには参加しない。

 そんなのに時間を潰すなら、星人対策に身体を動かしてフリーランニングをした方が効果的だ。

 サークルによっては、フリーランニングをしているサークルもあるようだが、俺達がやっているのは既存のそれとは大幅に違う。

 

 助走を付ければ、10メートルぐらいの距離は平気で飛ぶ上に同じくらいの高さだって飛べる。

 だからこそ、俺は加藤達を集めてスーツの性能を確かめさせていた。

 現状、熟練の域に達しているのは俺と西で和泉は長期間のブランクを埋めるため、単独で何かをしているようだが俺達が知るよしもない。

 そもそも、彼や西に聞いても素直な回答が来る訳でもないので疑問に思うこと自体が、おかしな話なので当面は彼らの練度を上げる。

 

 そうすれば、ある程度の人数は死ににくくなるのでこっちとしても面倒なことを彼らに、押し付けることができるのかもしれない。

 しかし、その一方である問題が発生していた。

 それは―――――

 

「新宿での事件の時に多恵ちゃんって子とメアド、交換するんじゃなかった~」

「あぁ、玄野が失踪しただのなんだので相談に乗っているんだろ?」

「そうなんだけどさ~、玄野の隠し方が下手くそすぎて何かがあると察していて嘘つくのが大変なんだよ~」

「なーる。だから彼女のメールが来たら毎度のように唸っていた訳か」

 

 そう、玄野の彼女である小島多恵からのメールについてだった。

 新宿での事件で、俺達が彼女を助けて岸本が相談に乗っていた時にメアドを交換したらしいが、その時に何でも相談に乗るという話をしたらしい。

 人間1人ができることなんて、限られている訳だから俺だったらそんなことは基本的に言わないスタンスを取っているが、岸本は違ったと言うことだ。

 

 まぁ、数ヶ月前まで普通の女子高生だったのだからそれは仕方ないとして、問題は玄野がどうしていなくなったかについての理由を作らないといけない。

 作らなくても良いだろうが、適当に話をあわせないといけないから面倒だなぁと思っていると、俺の携帯に着信があった。

 開いてみると、レイカからの電話だったために岸本に目で合図して電話を取った。

 

「もしもし、どうした?」

『竜崎くん、今って暇にしてた?』

「岸本と雑談していた」

『そ、そうなんだ………』

 

 彼女の質問に、そう答えると戸惑った感じの反応を帰ってきたがそんなことはどうでもいい。

 レイカは、有名なグラビアアイドルなのでデートなんかをすると翌週の週刊誌に、掲載される可能性が非常に高い。

 なので、少なくともデートだと思われないようにしないといけないため、適当に相づちを打っているとこんなことを聞いてきた。

 

『ねぇ、今度さ』

「おう」

『3人で映画を見に行かない?』

「映画? それは良いとして何故に3人?」

『だって岸本さん、呼ばないと怒られそうだから』

「なーる、ちょっと待ってろ」

 

 俺がそう言うと、岸本に映画を見に行かねぇかと聞いてみると理由を聞き返されたので、事実を言うとこんなことを返された。

 

「だったらどっちが誠くんの彼女なのかを示さないとね」

「あー、ほどほどにしてくれると助かる」

 

 岸本の答えと、危ない雰囲気に俺は引きながらもレイカといつ、映画を見るのかを確認していった。

 

 

 

 

 

 渋谷

 

 

「ふむ………来た訳だがどこにいるのかがわからん」

「ねー、そう言ったのをちゃんと聞かなかったの?」

「聞こうとしたら切られたんだよ」

 

 レイカと映画を見ることになった訳だが、肝心の落ち合う場所を決める前に彼女が電話を切ったので落ち合うにも落ち合えんぞ。

 そのため、駅構内でも目立つ場所に2人で待っていると後ろから声を掛けられた。

 声から察するに、レイカだとわかるので振り返ると誰だかわからない格好の彼女がいた。

 

「あー、レイカか?」

「うん、そう」

「よろしくね~」

 

 戸惑っている俺に比べて、岸本は冷静だったのでどこで何を見るのかなどを雑談しながら歩いていると、黒服の連中が俺達を囲った。

 

「オイオイ、場所と時間をわきまえねぇな」

「誠くん、この人達………」

「あぁ、吸血鬼だ」

 

 俺と岸本で話し合っていると、坊主頭の吸血鬼が俺に話しかけてきた。

 

「おう、お前。俺の仲間(ダチ)が世話になったようだな」

「全く、俺は同性愛の気はないぞ」

「そう言ってんじゃねぇ!!」

 

 俺のジョークに、そいつは半ギレで突っかかってきたが俺からすればその動きは緩慢すぎる。

 そのため、俺は着込んでいたパワードスーツの周波数を変えると同じく着込んでいた岸本は、レイカと共に地面にヘタレ込んだ瞬間に俺はガンツソードで吸血鬼に斬りかかった。

 

「うろたえるな! 周波数を変え―――――」

 

 ざわめく吸血鬼の中でまず、坊主頭の吸血鬼の頭をはねると2~3人を切り崩してから5メートルぐらいまで、刃の部分を伸ばしてから横に切り裂いた。

 すると、それに対応できなかった吸血鬼がくたばって残りは数人になったので、全く持って歯ごたえがないと思ってしまった。

 裏路地で、多数で囲めば勝てると思い上がっているならその幻想を今、ぶち壊したのだ。

 

 そのため、俺は岸本達から離れるように行動すると逆上した吸血鬼達は俺についてきたので、裏路地を移動しているとカメラを持った人物と出会ったのでそいつを斬り殺してから、吸血鬼を1人1人倒していった。

 無関係な人間を殺したのは例え、パワードスーツで周波数を変えても写真には写ってしまうのでそれだけでも頭が吹っ飛んでしまう。

 だから、仕方なくではあるが斬り殺した訳で別に和泉のように無差別殺人をする訳ではない。

 

 それに今、攻撃してきているのは俺達と敵対している組織なのでそいつらをいくら、殺しても良心の呵責に面割れる訳もない。じゃないと生き残れないし。

 そのため、ものの数分で残った吸血鬼を殲滅してから来た道を戻って殺した人間が、持っていたカメラを握りつぶして粉々にすると岸本達の元へと向かった。

 すると、岸本はへっちゃらだったがレイカは顔を青ざめていた。

 

「とまぁ、俺はある業界では人気者でね。こう言った変人共から追われているのさ」

 

 俺がそう言うと、レイカは腑に落ちない様子だったがそれどころではなかったようで、すぐにその場を後にした。

 だってねぇ、斬殺された死体が自分達の傍らに転がっているんだぜ。

 グロテスクなシーンに慣れてないと、こういったものには嫌悪感を出してしまうので場所を変えて落ち着かせると、当初の目的であった映画を見に行くことになった。

 

 そして、映画を見る時は俺の両側に彼女達が座って平気な様子で見ていたが、こういう時の女性って強かだよなぁと思った。

 岸本はともかく、レイカはほんの数時間前にスプラッタを見たのに平気な様子だったし。

 そんな訳で、俺と岸本は映画を見終わった後は無事に帰ることが出来て、レイカも帰宅してきた旨をメールで伝えてきた。

 

 それを確認した俺は、嫉妬している岸本を脇に一安心して眠りについた。

 もちろん、岸本には夜襲(意味深)されてギシアン展開になったがそれは別に良い。

 とは言え、アイドルとデートしたのだからそう言ったのを扱う週刊誌辺りに掲載される、と思っていたが翌週になっても掲載されなかったので粉々にしたのが良かったのだろう。

 

 

 

 そして、レイカとのデートから10日ほど経ってから星人討伐のミッションを受けることになった。




アンケートを見ると、復活させる方が多かったから注意しておきますが、復活させてもその後の戦闘でくたばるかもしれんからな?
ダビデ像辺りでくたばる可能性が高いからな? 原作では主人公補正で帰還できたけど。



そんな訳でアンケートは引き続き、投票できますのでまだな方は投票をオナシャス。
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