小島多恵の討伐ミッション後、しばらくしてから俺は知り合いに渡して調べてもらっていたものを郵便で受け取ったので、それを岸本の前で取りだした。
「それは………フィルムと写真?」
「あぁ。これは小島多恵の討伐時、机の上に置いてあったのが目に留まってね。転送される前に持って帰ってきたものだ」
「強盗……じゃないわね。あの時のが写真に写っている可能性もあった訳だし、これが世間一般に広まれば私達が危なくなるもの」
「だからこそ、このフィルムに載っている写真を現像して見やすくしたものを送ってもらった。写った奴は既にくたばった訳だし」
俺はそう言いつつ、写真を見ていくと夜の都会の様々な風景が写されていたがその中の1枚に、ガンツのメンバーが写っていた。
だからこそ、写った瞬間に頭が吹っ飛んだ訳でこのフィルムを持ってこなかったらもう一回、彼女を殺さないといけない戦いになっていただろう。
あの時、彼女を復活させるだけの点数が入るだろうと思ってああしたが2回目以降は、100点メニューを選べるだけの点数がないので無理に参加するつもりはなかった。
そして、小島多恵を殺さなくてもフィルムを壊せば充分だろうと後になって気が付いたが、そうすると和泉を筆頭に彼女を殺そうとするだろうから時間的猶予はなかった。
あったとしても、内部分裂で戦争になっていただろうからメンバーの中で、数名はくたばっていた可能性もあった。
となれば、ああやって強制的に殺した方が和泉達が納得しやすい上に、復活させれば加藤達からの非難も少なくなると考えた結果だ。
とは言え、桜井や坂田、風なんかはどっちでも良いといった感じだったので無理に復活させる必要もなかったかなぁと思いながらある行動をした。
それはフィルムを粉々に壊して、写真をシュレッダーダストにすることだった、
これらのデータは、あるだけでも外部に漏れる可能性がある上に現像するだけでも、他者に漏れる可能性がある。
だから俺は、闇ルートでそういった専門業者に頼んで口止め料を含んだ金額を、彼らに渡して現像してもらった。
闇ルートや裏世界では、その深淵に近づくにつれて信頼が何よりも重要視されているので金さえ、払えば無闇矢鱈に口外することはない。
まぁ、渡した分の金額以上に金額をもらったら口外するだろうが闇サイトで知り合った以上、相手側もこっちの事情を知っているので口に出さない。
他人にいう時は、カタストロフィ以降というのを看板にしているのである程度、信用して良いだろう。
そして、フィルムと写真を受け取った俺は重要な書類等が流出しないように予め、部屋に設置しておいたシュレッダーで微塵に粉砕した。
これによって、ガンツの情報は表に出る心配がなくなったので次のミッションまで、岸本と生活しながらレイカとデートをするというハーレムのような生活を送った。
別に俺が頼み込んだ訳ではなく、彼女達が競うように俺と行動して尽くしてくれるのでその行動力に若干、引きながら生活していると例の寒気が来た。
しかも、3人で寛いでいる時にだ。
「2人とも、スーツの準備はOK?」
「うん、問題ないわ」
「私も持ってきているからすぐに着れる」
「じゃあ、着込もうか。これからは楽しい楽しい戦闘の時間だ」
俺がそう言うと、岸本から転送されてレイカの次に俺が転送した。
「初参加の奴らが何人か、来て………」
「そもそも、竜崎のおかげで………」
「………岸本さん」
俺と岸本がいつも通り、話し合いながら持っていく武器について決めようとしたら、俺達が予想だにしなかった奴がいた。
そいつは前回、討伐対象になった小島多恵だった。
目立ったところに外傷はないし、服も着ているから風呂場での自殺ではないだろうがまさか、彼女がこの部屋に呼ばれるとは思っていなかった。
そのため、岸本が困惑しながら多恵にここに来る直前に何があったかと聞くと、どうやら車に轢かれてくたばったらしい。
ここに来て、復活させる意味が無くなったなと思いながら岸本にアイコンタクトをすると、多恵のケースを持って玄関に接している廊下で着替えさせた。
そして何故か、この部屋に来た子供は風を見て筋肉らいだーと叫んだのでそれはなんだ、と周囲は困惑したが俺はため息を吐くと彼にこう言った。
「今回だけ、この少年のヒーローになってやってくれないか?」
「ばってん………ヒーローなんてやったこつなかぞ」
「だが少なくともこいつには必要な存在だ。ヒーローって奴がな」
「………」
俺がそう言うと、風はしばらく考えてから少年にパワードスーツを着せることにしたようで、岸本達と入れ替わるように廊下に行った。
そのため、俺達は互いになんの武器を持っていくかを決めて討伐対象を確認してから、それぞれの武器を持っていった。
今回の討伐対象は、オニ星人で一見すると一般人と大差ない外見をしている。
その結果、和泉や西といった手慣れたメンバー以外はやや困惑しているようだが、こういうのに限って強敵フラグな感じがする。
何故なら、一般人と同じ外見で生活しているとなると隠密スキルがないとできない芸当だし、外見を変ることが出来るのなら仲間割れを誘発させることが出来る。
幸い、普段からの特訓に参加しているメンバーでは互いの癖やら思考などはある程度、把握しているのでそれを基準に相手の出方を窺えばいい。
しかし、西や和泉といった星人を熟知している奴なら良いが稲葉のように初回だけ、参加してその後はバックレている奴に関しては不意打ちに対応できないだろう。
そのため、彼のような奴は今回で死にそうだなと思いながら俺はハードスーツとZガン、ガンツソードを持っていくことにした。
Zガンとガンツソードは、岸本に持たせてレイカはXショットガン2丁とガンツソード1本、というなんとまぁ攻撃的な装備となった。
そして、俺達は転送された場所が池袋だった。
「オイオイ、マジか。こんな人混みの場所でやると流れ弾が心配だぜ」
「これだけの人数だとかなりの数、倒さないといけないわね」
「こういうものだろ? ガンツのミッションって」
などなど、それぞれの思いを口にしてから複数に分かれて行動を開始した。
まず、俺や和泉といった熟練は単独行動を取って発見次第、撃破していって風は子供と一緒に行動して岸本達は何人かのチームになった。
こうすることで、慣れていない奴らは互いをカバーし合えるし、俺達なんかは流動的に動いて支援できる。
とは言え、西や和泉は自分のことだけを考えているので支援という名の点数稼ぎに、黙々と勤しむだろうな。
そう思いながら、移動していると如何にも強そうな奴が広場に立っていた。
岸本side
「………ねぇ」
「何? 多恵ちゃん」
「あなた達はこんな夜を何度も過ごしているの?」
「………そうね。私なんかはもう5~6回は参加しているわ」
彼女の質問に、私は淡々と答えると多恵は青ざめながらも私が渡したXガンを、強く握ってからあることを独白してきた。
「少し前、私の家に強盗が押し入ってきたんです」
「………」
「その人は荒々しく玄関の扉を開けると一直線に私の部屋に入ってきたんです」
「………」
「そして、私を確認するとこう言ってきたんです」
『今夜の出来事は全て夢だ。だから安心して眠ると良い』
その言葉を聞くと、私は誠くんらしいと思って彼女の話を聞いていたけどマップで星人の位置を確認すると、1人の男性に行き着いた。
そのため、私達が囲うと普通の人なら見えていない私達を、認識したので速攻で胴体を撃った。
こういう時は、一瞬の躊躇で生死を分かつと誠くんから聞いていたので、すぐに行動することが出来た。
私が撃った後、レイカも連射したのでそいつが喋ることも無しにくたばったようだ。
それを確認してから、私達は次の目標に移っていった。
ということで、多恵ちゃんも参戦。
正直、参戦させたくはないんですが参戦しても問題なくね?と俺のコスモが囁いたので、参戦させました。
この行為に、賛否両論はあるんでしょうがこういった『if』の物語こそが、二次創作の長所だと思っています。
なので、今後もこういったことが稀にあるかもしれません。
それと、アンケートは引き続き、募集中ですよ~