加藤side
「俺は一体………どうすれば………」
俺は今、大阪の街を1人で歩いていた。
今回のミッションでは、竜崎の他にも大阪チームもいるので戦力的に言ってしまえば、東京チームは殆ど蚊帳の外である。
出来るなら、俺だって竜崎のように戦えれば良いのだが今になってもまだ、星人を倒すことに躊躇してしまう。
竜崎が、今の俺を見たら『まだ戦う覚悟が出来てないのかよ。ハハッ』とか言いそうだが、オニ星人のミッション時でさえも彼や和泉の行動を阻害しない程度にしか、動けなかったので心のどこかで引っ掛かっている。
俺が歩く道ばたには、星人によって死んだ人達が処理されずに残されていて、シャッターが閉まっている建物に身を任せるように死んだ女性の傍らに、涙を流す少年達もいた。
その光景を、目の隅で見ながらも通り過ぎたが星人にだって家族やそれに準ずるものがあるはずだ、と思った。
それなのに竜崎達は、一瞬の躊躇いもなしに引き金を引いてガンツソードを振るっている。
どうしてこんなことが起こっているのか、と疑問に思いながらも歩き続けると一組の家族が星人に襲われていた。
いきなりなので、すぐに行動に移せなかったがた打棒前とみている訳にも行かず、星人の動きをYガンで止めると男性から散々なことを言われた。
まぁ、すぐに行動できなかったのは確かなので反論できなかったが、女性から感謝の言葉を言われた時には驚いた。
何故なら、すぐに行動できなかったのにお礼を言われたからで理解が追いつかなかったが、そんな俺を見てある女性に声を掛けられた。
「君、東京のチームやね?」
「あ、あぁ……」
「うち、
「加藤……勝………」
その女性―――山咲杏―――が自己紹介をしたので、俺も自己紹介すると年まで聞かれて素直に答えると勝手にふて腐れ始めた。勝手に効いてきてふて腐れるのはとても失礼だと思うぞ。
それは良いとして、彼女は話を続けた。
「さっきから見とってんけど……何やってんのかなぁ~って」
「え? あぁ、うん」
「いやまさかな~、ありえへん。あの家族を助け取ったように見えてんけど、どうなの?」
「………あの家族が……」
「うっそ! マジ!? マジなん!?」
彼女の質問に、そう言うと俺の行動を小馬鹿にしたような言いぐさであり得ない、と大声で言っていたのでカチンときたがまだ怒るレベルではない。
「点数、稼ぎたいんやろ? 強い武器が欲しいん? いや、臆病ッぷりからして早よ解放されたいクチか」
「点数は……欲しい、さ………」
「やっぱりなぁ、
「それだけじゃない。ある人物について、考えていた」
「ある人物? どないな奴なん? 教えて教えて」
彼女の問いに、俺は竜崎の簡単な人物像を言うと大阪チームのメンバーに例えた。
「岡みたいな奴やな。戦うことしか考えへん様な奴。せやけどなんで、そいつのことを考えとるん?」
「俺達を……東京のチームを導いてくれたからだ」
「へー! そいつはすごいな! ぜひ、そいつに会ってみたい!」
どうやら、彼女の関心は彼に向いたようなのでその場を後にすると彼女まで付いてきたため、理由を聞くとどうやら俺の行動を偽善と思ったらしい。
以前、西からもそう言われたが俺は俺が正しいと思っていることをやっているだけだ。
そのため、彼女に笑われながらもスーツを着てないと呟いた彼女に、その場所を教えてもらって移動を開始した。
その現場に到着すると、老夫婦とそのお孫さんが怯えていて彼女がドS3人組と表した奴らが、星人に食われている場面に出くわした。
正確には、そいつの背中にある穴に食われているのでゆっくりと消化していくタイプだが、スーツを着ていない一般人などもいるので眺めている訳にも行かない。
そのため、まずは老夫婦のところに向かって小さな星人を動けなくさせた。
彼女が後ろで何か、叫んでいたようだがそんなのは関係ない。
俺は竜崎のように、淡々と星人を倒すことは出来ないが少なくとも動きを止めて人を助けることぐらいは出来るため、建物を障害物として利用してYガンを発射した。
1発目は、建物の天井に当たってしまったので失敗したが2発目で星人の頭を固定すると、そいつの頭はどこかへと転送されたので倒すことが出来たのだろう。
そして、俺が戦っている間に俺をギゼンシャ星人と笑った彼女が捉えられて、背中の穴に突っ込まれるのを確認していたので探して引き抜くと無事な様子だった。
そのため、他にも穴に突っ込まれた奴らを引き抜いていき、生き残った奴らに救急車を呼ばせてその場を後にした。
「なんで?」
「は?」
俺達が移動している間、彼女が俺の横に立って質問してきた。
「どーして? なんでそないに正義の味方さんなわけ?」
「は? なんだよそれ」
正義の味方? 俺が?
そんなの、意識したことがないからどう言っていいのかわからない。
俺が、そう思っているのを余所に彼女が話を続ける。
「いや…どないな育て方したらキミみたいに育つんかなァて」
「………」
「親は? 親ッて何屋さんやってるん?」
「え? 親…」
親か、そう言えばあまり意識したことがなかったな。
日頃の生活に、追われていたから昔のことについて意識が回らないのが現状だ。
そのため、振り返るつもりで話をした。
「父親………消防士だったけど車の事故で…母親も…2人とも俺が中学2年の頃、死んだよ」
その事実に、彼女は驚いて少し静かになった後でこう言ってきた。
「………そっか。兄弟は? 一人っ子?」
「弟が…小3の弟が1人」
「どっかの施設で暮らしとるん?」
「俺がバイトしてアパート借りて……今も弟…1人でアパートにいると思う」
「じゃあ……死なれへんな。弟、1人ぼっちになってまうもん」
「ああ」
俺の家庭環境を知った彼女も、ぽつりぽつりと自分の家庭環境について語り始めた。
「ウチも…3歳の息子と2人で暮らしてんねん。キミと同じ…今、アパートにおると思うわ。そやからすっごいわかるわ。キミと気持ち」
「………」
「死なれへんな。絶対」
「ああ、絶対に死ねない」
俺達がそう言うと、それまでの雰囲気が一変して彼女がこう切り出した。
「父親が消防士ってのが影響?」
「んー、そうかもな。考えたことなかったけど」
「実際、ビックリしたわ。日本にキミみたいな男、おるんやな」
「そんな変わり者かなーーー、俺って」
「ちょっとー、ほめとんのにー」
俺がそう言うと、彼女がジト目でそう言ってきたので実際に褒めているんだろう。
そんなことを話し合っていると、広場に出てそこでは星人と大阪チームとの戦いが始まっていた。
その星人は、とても巨大で四つん這いになっていながらも5~6メートルぐらいの高さがある。
しかし、大阪チームはまるで狩りを楽しむかのように声を掛け合いながら、攻撃のチャンスを待っていた。
山咲曰く、その場にいる全員が最低でも1回は100点クリアをしている猛者達で、その中でも姿を現していない奴が1番強いという話だ。
そんな話をしている間に、巨大な星人はZガンの餌食になって穴開け器で身体の節々が開けられたようになった。
ということで、加藤の過去についてでした。
まぁ、ここは原作とほぼ一緒なので乗せなくてもいいかなぁと思っていましたが、加藤の葛藤についても乗せたかったのでこうなりました。
こうでもしないと、いざという時に訳がわからなくなりそうですので。
そんな訳で、アンケートは実施中です。
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