黒い球と共に   作:八雲ネム

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第2話 説明

「……大したこと、なかったな」

「おー、お前が倒したのか」

「あぁ、結局は腕力だけの星人だった。点数も低いだろう」

 

 俺が転送され始めて、頭が例の部屋に来た時に先に来ていた西が俺のつぶやきに反応したため、俺がそう言うと西は軽く舌打ちした。

 正直な話、ネギ星人の前の星人討伐の際には多数の死者を出して結局、俺と西しか生き残らなかった。

 その結果、彼は死んでいった仲間の中で戦闘力に長けた者を再生しようとしている。

 まぁ、そうは言っても今回の点数で俺の点数がトータル100点になるはずだ。

 

 そう思っていると、俺の転送が終わったようで次の奴の転送が始まった。

 そして、全員が転送を終えると今回は俺達以外では男子高校生2人とトレンチコートを貸した女性が生き残った。

 その事実が確定すると、黒い球からアラームの様な音が鳴ったので俺はこう言った。

 

「ガンツ、採点を始めろ」

「採……点………?」

 

 俺の言葉に、何も知らない彼らは戸惑っていたが続けてこう言った。

 

「でかいあんちゃん、あんたは俺に聞いたな?何故、奴らを殺すのか、と」

「あ、あぁ………」

「それはこいつが映し出す採点結果からわかる。今からあんたらの疑問は、ある程度解消されるだろう」

 

 俺がそう言うと、ガンツと呼ばれた黒い球に画像が映し出された。

 

 犬

 0点

 やる気なさすぎ

 ベロ出しすぎ

 シッポふりすぎ

 

「そう言えば犬もいたな」

「ははは、一丁前に落ち込んでやんの」

 

 俺や西の言葉と、画像を見た犬はそれなりに落ち込んでいる素振りをしてガンツの前から退いた。

 

 

 巨乳

 0点

 ちち でかすぎ

 りゅーざきみすぎ

 

「巨乳ってやっぱり私ィ!?って、違うの!誤解だから!」

「なんだ?惚れたのか?」

「誤解なのになによこれ~~、0点だし」

 

 次は女性だったが、ガンツのネーミングセンスは妙に的確だから俺も来た当初は散々な言われようだった。

 昔のことを、思い出していると次に映し出した。

 

 かとうちゃ(笑)

 0点

 なにもしなさすぎ

 さけびすぎ

 

「………」

「………」

「次回から頑張ればいいじゃん」

 

 ガンツの受け狙いは、軽く明るくなった雰囲気を白けさせたので俺はフォローを入れる。

 

 西くん

 0点

 TOTAL 87点

 あと13てんでおわり

 

 あともう少し

 ガンバ

 

「竜崎に取られちまったからな。仕方ないか」

「次の獲物は譲ってやるよ」

「勝手にやってろ」

 

 俺達のやり取りに、首を傾げる彼らだったが次の奴が表示された。

 

 くろの

 0点

 巨乳みて ち○こたちすぎ

 

「はぁ!?あっ……あっ!」

「オイオイ、ああいう状況で発情すんなよ」

 

 ガンツからの評価で、俺がそう言うと女性はくろのと書かれた男子高校生から離れるような行動を取った。

 全く、現実逃避も良いところだぜっと、画面が切り替わったな。

 

 りゅーざき

 3点

 TOTAL 101点

 100点めにゅ~から選んで下さい

 

「100……点……」

「100点メニューって何だ?」

「ガンツ、メニューを出してやってくれ」

 

 俺がそう言うと、画面が切り替わって3つの選択肢が出てきた。

 

1.記憶を消されて解放される

2.より強力な武器を与えられる

3.MEMORYの中から人間を再生できる

 

「こいつを見ればわかるように、俺や西は100点を目指して星人を殺しまくっている訳だ。だよな、西」

「そゆこと。ついでに、そいつは俺が来た時から既に5回はクリアしている猛者だ」

「えっ……」

「なっ……」

 

 俺の言葉に、西が肯定してからそう返すと玄野や加藤達は俺から距離を取った。

 何せ、俺がこの部屋に呼ばれたのは2年ぐらい前のことだったし、何よりも神様特典であらゆる武術に精通した肉体を持って、この世界に転生してきたからな。

 そのおかげで、不良に絡まれても1発KOできる上に武道家に挑戦しても全くと言って良いほど、面白味もなく倒せてしまった。

 

 そのため、今では適度に自主トレしながら勉学に励んでアメリカで通用する英語検定で、資格を取れるほどに頑張った。

 そのおかげで、交友関係はあまりよろしくないがそれでも海外の友人は一定数、いるので年に1回は武術サークルをアメリカで開いている。

 それも、神様特典によって可能としているのでそれが無かったら今頃、この世には俺という人格は存在していなかっただろう。

 

 そして、何よりもガンツによって呼び出された俺はとにかく星人を倒しまくって7回ほど、100点クリアするレベルになっていた。

 今回みたいに、星人が弱い場合もあったが時には俺以外が全滅するほどに強かった星人もいた。

 特に、今みたいに装備が整っていなかった初期の頃はスーツ以外にXガンとXショットガン、そしてYガンぐらいしか、戦える装備がなかった。

 あの時は、戦いに出れば死が隣り合わせな状態だったからとにかく大変だったよ。

 

 それはともかく、こいつらに説明が必要だと思って話し始める。

 

「西の言う通り、100点にまで点数が達したらこうやってメニューが出てきて3つの選択肢から選べるって訳さ。ガンツ、今回も2番で頼む。次回までによろしく」

 

 俺がそう言うと、俺の点数である101点から100点分が引かれてトータルが1点になった。

 そのことを、確認した玄野達はおずおずと尋ねてきた。

 

「な、なぁ。色々と聞きたいことがあるんだが良いか?」

「俺らが知っている範囲でな。ついでに具体的な質問で頼む」

「おい、俺も巻き込むなって」

 

 彼らの質問に、俺がそう言うと西が何か言ってきたが聞こえんな。

 ネギ星人をやっつける前にバカにしたツケだな。

 そのため、玄野達はそれぞれが聞きたいことを決めてから俺達に聞いてきた。

 

「あんたらは何モンだよ」

「俺は竜崎誠、世間一般ではただの大学生さ。んで、そっちの中坊は西丈一郎。西も世間一般じゃ、ただの中学生さ」

「中坊って言うんじゃねぇよ」

「じゃあ、俺からも質問」

 

 小柄な男子高校生である玄野の質問に答えると、今度は大柄な男子高校生が質問してきた。

 

「あんたらはこの戦いになれているようだけど、どれぐらいの期間、戦っているんだ?」

「俺は2年、西は1年だったかな。俺は自動車に轢かれてくたばったが西の方は知らん。興味もなかったしな」

「言っておくけど、俺は転落事故でくたばっただけだからな」

 

 俺達がそう言ったが、玄野達は要領を得ない表情をしていたので付け加えた。

 

「昔っから繰り返してんだよ。今夜のような戦いをな。俺達が来るずっと前から、この部屋には数名ずつ送られてきては、死んだら補充される。俺が来てからもう、100人以上は星人との戦いでくたばったんじゃなかろうか」

「100人……」

「ガンツに聞いてみれば良い。ガンツ、死んだ奴の画像を出してくれ」

 

 西の言葉に、ガンツが反応して画面が切り替わると縦横20マスぐらいの写真が出てきた。

 その1マス1マスに、人の顔写真が載っていて1番右下には今回の戦闘で、くたばった奴らの写真が載っていた。

 

「そいつら全員、生き返らせようとした奴もいたがそいつが頑張る以上に人が死んでいたからな。結局、助けようとした奴も発狂してくたばっちまったよ」

「………1つ、聞かせてくれ」

「なんだい?」

「お、俺達ははっきり言って1度死んだと思った。そしてさっき、外の人間に見えてないようだった。それって…生きてんのか? それとも俺ら、本当に死んでんのか?」

 

 玄野の質問に、俺達は顔を見合わせたが西は言いたがらないので俺が言うことにした。

 

「死ぬ寸前、助けられた奴がここにやってくると思っているだろ?」

「………違うのか?」

「これは俺の推測になるが、この場にいる全員のオリジナルは本当にくたばっている」

「「「!?」」」

 

 俺の言葉に、西以外は戸惑っているがそんなことはお構いなしに続ける。

 

「ファックスって知ってるかい?」

「あ、あぁ……」

「あれとおんなじで、俺達は何かに備えて揃えるコピーのロボットみたいなものだ」

「ん? それがどうかしたのか?」

 

 戸惑う加藤に対して、玄野はバカ丸出しの質問をしてきたのでざっくりと説明する。

 

「ガンツの下で戦わされている奴らは、どんなに傷を受けようが上半身だけになろうが意識があるうちに星人を倒しきると元通りに再生されるんだよ。ガンツは差し詰め、ファックス本体だな」

 

 俺がそう言うと、玄野達は唖然としていたので話を切り上げて帰ることにした。

 

「さて、さらに詳しく説明をしても良いんだが今日の出来事が印象的すぎて、話が頭に入らんだろうから、ひとまず俺は帰らせてもらう」

「………」

「ついでに、このことを他人にばらすと頭が吹っ飛ぶから気を付けろよ~」

 

 俺がそう言うと、既に西はスーツについているコントローラーを使って透明になっているので、俺も透明になってガンツがいる部屋から出た。

 そして、俺と西は特に会話もせずに別れてそれぞれの家に帰った。

 その結果、家に帰った後でトレンチコートを忘れたことに気が付いたが後の祭りだった。

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