黒い球と共に   作:八雲ネム

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カタストロフィ編、はっじまーるよ~。

ついでに、導入ということで多少短め。


第32話 文明崩壊の序章

「なに………この空………」

「空が赤い………」

 

 岸本とレイカが窓から空を見上げて、そう呟いたが俺はついに来たかと思った。

 文明崩壊を告げるカタストロフィは、ほとんどの人達からすれば原因不明の異常気象として捉えられているが数少ない奴らからすれば身近な出来事に感じた。

 少なくとも俺や西、和泉からすれば正に文明崩壊の序章として持ってこいな展開である。

 なので、一先ずは彼女達にも声を掛けた。

 

「あー、驚いているときに悪いがスーツを着といた方がいい。星人討伐みたいな状況に陥っても大丈夫なようにな」

「竜崎くんはこの光景を想像できた?」

「いいや全く。だが文明崩壊には持ってこいって感じだぜ」

 

 俺の言葉に反応したレイカに、そう答えると岸本がこう言ってきた。

 

「じゃあ、私は竜崎くんを信じるな~。だってとても楽しそうだし」

「楽しそう?」

「だって、普段は楽しそうに笑わないのに気持ち悪いぐらい、ニヤついているわよ?」

 

 彼女に指摘されて気づいたのだが、どうやら無意識のうちに今まで以上に感情が荒ぶっているようだな。

 普段は理性で抑えているが、こういった状況や展開に巻き込まれるのはそう多くないからかなり興奮する。

 星人討伐時は、それなりに楽しめるのだがどうやって目の前にいる星人を倒そうか、という考えになるのでこういう無駄に壮大な展開には憧れていたりはした。

 そのため、彼女達にもスーツを着せてからこの数日間のことを思い返した。

 

 まず、ラストミッション後の翌日にレイカがアイドルをやめた。

 ガンツに呼び出された時から、俺に一目惚れしてたまにデートをしたり、討伐のミッションをこなして行くうちに一緒に生活を送りたいと考えるようになったらしい。

 前々から、同居している岸本との取り合いになるのは必至なのでそこら辺はカタストロフィ後に交渉するとしても、今から準備をしても遅くはないと思ってやめたとのことだ。

 まぁ、彼女が俺達の家に来てからマネージャーやらに電話やチャイムを鳴らされたが、居留守を使って無視したので暫くしたらいなくなったようだ。

 

 とは言え、カタストロフィでどうなるかは誰にもわからないのでレイカが来た日の夜は3人でやりまくったけどな。

 その一方で、桜井はCTスキャンで頭を診てもらったようで脳内の爆弾はなくなっていたようだ。

 また、和泉は彼の彼女さんと上手く行っているようでミッション後にデートをしたと言っていたな。

 風とタケシも、鈴木さんの家でお世話になっているようだし、順調にいっていたがこの空を見てしまったら今までの努力が台無しにされそうな感じになる。

 

 まぁ、なるようにしかならないので思い思いに過ごしているとテレビでアメリカがテロに遭ったことを伝え始めた。

 テレビが映し出す光景に、釘付けになっていたがふと外に目を向けると流星群のように何かが降ってきているのがわかった。

 そして次の瞬間、地震の縦揺れのような振動が家全体に襲いかかったので思わず、尻餅をついてしまった。スーツを着てなかったら腰を痛めていただろうな。

 

 振動自体は、その一瞬だけだったのですぐに立ち上がって窓から外の光景を見ると、巨大な釘のようなものが地面に突き刺さっていた。

 しかもその釘は1本だけではなく、いくつも地面に対して斜めに突き刺さっていたのでその光景に驚愕しているとそれらは動き出した。

 正確には、1本の釘が2体の巨大なロボットの様な存在になって動き出し、歩き始めたのだ。

 

 そして、動き出したそいつらは縦横無尽に歩き回って目につく背の高い建物を破壊しまくっているので、それを見ていると岸本がいつの間にか、俺の隣に立って外を見ながらこう言ってきた。

 

「誠くん。ついに始まったんだよね? カタストロフィが」

「………そうだな。だが俺達には関係ないね」

「こんなクソみたいな状況でも生き延びるから、でしょ?」

「よくご存じで」

 

 岸本の答えに、俺はキヒヒに笑うとレイカも岸本とは反対側に立ってこう言ってきた。

 

「だったら、その“俺達”に私もいれてもらえる?」

「何故?」

「彼女だったら何人いても大丈夫だからよ」

「逞しくなったことで」

 

 レイカの言葉に、岸本は驚いていたが俺はそうなって当然だと思った。

 何故なら、レイカに対しても私生活で岸本に接したように話していたので、恋愛を行うんだったら何人いても大丈夫だと判断したのだろう。

 彼女の言葉に、岸本が食い下がろうとしたので俺がストップを掛けて外を見ることを促すと、数十メートルはあるロボットの他に体高10メートルぐらいの人型ロボットのような奴らが歩き始めている。

 あれがもし、人間と同等の知的生命体が作ったものだとすると人類、いや地球人の文明を遥かに超越した文明なのだろう。

 

 となれば、米軍や自衛隊が出動しても万に一つの確率でも勝てないだろう。

 理由は奴らの母船と思われる巨大な物体が、地上に降り立とうとしているからで恐らくは他の惑星を移動するための宇宙船なのだと推測できる。

 そんな奴らが、どのぐらいの時間を掛けたのかはわからないが宇宙を渡ってこの星に来たとすれば、月や火星などの惑星に対して国家単位で幾つもの障害を乗り換えてようやく、無人探査機を送り出せるレベルの文明しか持ち得ない我々は奴らに勝てる訳がない。それこそ、ガンツの装備が無い限りはな。

 そう考えれば、ガンツの装備も他の文明から来たと考えるのが妥当だろうが、今はそんなことよりも生き残る方が優先度が高い。

 

 

 

 そのため、俺達はそれぞれのZガンを手に持って外に飛び出していった。




GANTZにおける世界最強()の米軍と高い練度()の自衛隊はホントに噛ませ犬的な感じでしたね。
まぁ、異星人相手だとボロクソにされて当然ですがもう少しなんとかならんかったのだろうか………。
例えば、世界各国でガンツの装備を正式採用………カタストロフィ前に地球の文明が崩壊しそうです(汗)

そんな訳でまた次回
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