黒い球と共に   作:八雲ネム

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週明けは辛い…辛いよ………( ;´Д`)


第34話 宇宙船の中は………

 竜崎side

 

 

「あぁクソ、こんな時に転送されるとは………」

「でもよかったんじゃない? ガンツは起動してるみたいだし」

「そうね。あのまま、戦い続けても勝ち目は薄かったと思うし」

「だからってこの人数を集めるとなると本拠地に攻め込め、なんて命令が下されそうだぜ」

 

 日没と共に俺達は一旦、家に戻って休んでいたが急に寒気がしたので岸本達を起こして待機していると、転送が始まったので行った先はどこかの公園だった。

 そして、俺達と同じようにガンツスーツを着ている奴らが100人前後もいることから少なくとも、関東近郊から召集されたことが予想できる。

 また、公園の中でも段差があって目に留まりやすい場所には複数のおっさん共がいて、ガンツと思われる黒い球がいくつかある。

 そこから考えられるのは、あのおっさん共はガンツをコントロールすることが出来ると推測できるので、ここは素直に彼らの命令に従いつつも生き残るとするかな。

 

「竜崎! それに岸本とレイカさん!!」

「………玄野達まで飛ばされてきたのか」

「あぁ、どーなってんだ?」

「わからんがあまり荒波は立てない方がよさげな感じがする」

 

 俺達はそう言いつつ、周囲を見渡すと黒い集団の中でもずば抜けて背の高い風の姿を見つけたので、彼の元に近寄ると鈴木さんの姿が見当たらない。

 そのため、彼にそのことを聞くと今回の件で巨人族の攻撃でくたばってしまったらしいので、そのことにショックを受けていると和泉を近づいてきた。

 

「和泉。無事だったか」

「あぁ、なんとかな」

「彼女さんは大丈夫かい?」

「無事に家まで送り届けたさ」

 

 どうやら、悪い話ばかりではないようなので前向きに生きようと考えていると、おっさん共からの発言があった。

 

「良く聞け! 注目!! 注目!!」

 

 その声の大きさに、ざわついていた奴らは静かになったのでおっさんは話を続けた。

 

「今から諸君に! 敵陣地の真っ只中に切り込んで行ってもらう!!」

「はぁ!? 何言ってんだてんめぇーー!!」

「ざっけんな!!」

「諸君は我々に抵抗は出来ない!! 生殺与奪の権利は我々が掌握している!!」

 

 招集されたメンバーから、拒絶の反応が出たもののおっさん共はそれを受け流して説明を続けていったので、まとめると以下のようになる。

 

 1つ目、公園にあるガンツは全て制御している

 2つ目、頭に爆弾を入れ直した

 3つ目、できる限りのダメージを相手に与えて情報を持ち帰る

 

 説明自体は、非常にシンプルではあるが俺達からすれば受け入れられるものではなく、殆どの奴らから反対の意見が出て血気早い奴らはZガンやXショットガンを構えて撃とうとした。

 しかし、おっさん共の中でパソコンを使う奴がいてキーバードを叩いてコマンドを入力すると、構えた奴らの頭が吹き飛んだのでおっさん共の命令には従わないといけないようだ。

 

 その結果、転送されながら奴らの命令を聞くことになった。

 

「我々も無闇に戦力を失いたくない!! できる限りの生還を望む!!」

「あっくっそ!!」

「ちくしょう!!」

 

 

 

 そして俺達は、始めて異星人の文明と接触することになった。

 

 

 

 

 

 ~ 巨大要塞の内部 ~

 

 

「でかすぎだろ………」

「ンだ………ここ………………どこだよ」

 

 俺達は、転送されたのは良いんだが文明が違いすぎて圧倒されていた。

 まず、要塞の内部は無機質な天井や壁で覆われているかと思いきや天井に当たる部分は、恐らくではあるが東京の建物が氷柱のように映し出されている上に、壁も外にいるのと変わらないように広かった。

 と言うより、空間を拡張する技術よって外見よりも圧倒的に広い空間が広がっている。

 その中に、建物やモノレールと思われるチューブ状の何かが通っていて、俺達が転送された場所はその中でも公園と思われる場所だった。

 

 有り体に言えば、文明のレベルが大きく違っていて火薬を使って鉛玉などを撃ち出し、化石燃料に依存しないと移動にすら困る俺達からすればまともに勝てる相手ではない。

 まさに、ガンツの装備がなければ速攻で占領されておしまいだったろう。

 しかし、冷静に分析している間にも転送されたメンバーと巨人族との間でイザコザがあり、しかも撃つかどうかさえもまとまらない状態ではダメージを与えるどころの話ではない。

 

 そんな中、巨人族の方で頭が吹き飛んだ奴がいたので撃った奴を探すと、さっきのおっさん共の中の1人がXショットガンを撃った奴に向けていたので、一瞬の沈黙の後に民間人に向けて撃ちまくっていた。

 その結果、公園にいた民間人はいなくなったので落ち着いたが、このスケールに玄野達も圧倒されているようだ。

 

「宇宙船の中ってあれ、確かにでかかったけど………」

「まじかよ………中ってこれ、広すぎねぇ…か?」

「多分……と言うより、ほぼ確実だが空間拡張やそれに類するの技術を使っているんだろうな。人類だと数百年の時間を使っても開発できるかわからんが」

「マジもんのハリウッド映画そのものだな」

 

 前世の記憶の中には、21世紀半ばには火星に移住することが可能だとか言っていた気がするが、だからといって空間に関する技術なんてF小説などのそういった類いにしかなかった。

 そのため、ガンツの最終的な目的は文明そのものの侵略に対するカウンターなのではないかと思う。

 しかし、呆然としている時間はないようで巨人族の民間人が去ってから少ししてから、東京を蹂躙した奴らが輸送機に運ばれてやって来た。

 

「相手のフィールドでやるとか、ハードすぎるだろーが!!」

「加藤!!」

「計ちゃん!! やるしかねぇってよ!!」

「多恵ちゃん、やりましょ!!」

「わかってます! 岸本さん!」

『逃げても無駄だ!! 闘って死ぬか、自力で生き延びろ!!』

 

 呼び出したリーダー格のおっさんが何か、ほざいているがそんなのは関係ない。

 俺はただ、目の前の敵を潰すまでだと考えてZガンの引き金を引いて敵を減らしていくことに専念した。

 とは言え、敵も黙っている訳ではないので相手からの攻撃にガンツメンバーは、次々にやられていくので必然的に消耗戦になっていく。

 しかも、相手の戦力がどの程度なのかがわからないので徒労に終わるだけかもしれないが、何もしないでくたばるよりかはマシだ。

 

 そう思いながら、攻撃していくと如何にも強そうなヤツが降ってきた。

 

「なんだよ! アイツ!!」

「猛者っぽいぞ!!」

「強かろうと関係ねぇよ! じゃなきゃ、やられるからな!!」

 

 俺が玄野達にそう言った瞬間、猛者がさらに2体も降ってきたのでどいつが相手だと迷っていると、リーダー格のおっさんが携帯端末で何かを言うとハードスーツの腕の部分が彼に装備された。

 どうやら、本当にガンツを制御できるらしいな。

 そして、少しの間を置いて猛者達が動き出したので公園は再び戦場と化した。

 

 猛者達が高速で動く度に、複数人のガンツメンバーがくたばっていくので俺達も動き出して迎撃に当たるがとにかく早い。

 Xショットガン程度だと、着弾までのタイムラグでまともに当たらないし、Zガンでも予め動きを予測しながら攻撃しないと掠りもしない。

 そのため、しばらくは唯々消耗していく戦力があのおっさんの攻撃で止まった。

 

 おっさんもまた、星人討伐をしてきたようで腕だけにも関わらず、顔色1つ変えずに攻撃したので猛者2人のターゲットになったらしい。

 それを確認した俺は、もう1人の金髪長髪の猛者に目を向けるとそいつと目が合った。

 ヤツの顔を見ると、表情を変えずに冷酷な目をしてみてきたので俺は俺で、あの猛者のターゲットにされたらしい。

 

 

 

 全く、今日は厄日だぜと思いながら構えるとそいつも構えを取ったので俺達は動き始めた。

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