全く、完結間際だというのにノリノリで書き進めてたらいつの間にか、休日が終わってしまった。
明日からは色々と作業があるので、次回の投稿は早くても2~3日後かな。
それまで待って頂けると幸いです。
『アァァァァァァァア!!』
『なんてヤツだ!! 動きが完全に理屈を超えてやがる!!』
『ぎゃぁあぁぁああ!!』
俺が一戦交えたそいつ、金髪ロングの兵士は精強だったアメリカのチームを圧倒して、既に3人ほどを汚いミンチに変えた。
何で圧倒しているのか、と言えば一見するとスピードのような気がするが戦闘スキルも尋常じゃないぐらいに高い。
何度か、巨人族の広告で見かけたがそれ程までに強いということなのだろう。
それを見たアメリカチームは、ワンツーマンで挑まずに全員で挑むことにしたが結果は散々たるもので、集団リンチをしようとした彼らは逆に全滅してしまった。
そして、彼らの死体の中でも頭部だけが無事に残ったヤツをつまみ出すと、それをマイク代わりにこう言ってきた。
『俺と闘ったヤツは出て来い………』
彼の要求はこうだ。
自分達は負けたから、彼と戦って負けるか来ない場合は自爆させる。勝てば生殺与奪の権利を渡すがあまり期待しない方が良いと言うものだ。
正直に言えばこのまま、名乗らなくても良いかなとも思ったのだが帰るべき故郷がないのはあまりにも寂しすぎる。
そのため、並んでいた列の中で手を挙げて顔が見えるようにハードスーツの面を開いて、彼からも直に見えるようにした。
すると、彼は目を細めて摘まんでいた物体を投げ捨てたので俺も歩みを進めて、彼の正面に立つと面を閉じて息を整える。
こういった決闘は初めてだし、オニ星人やぬらりひょん時なんかはチームで当たったし、作戦なんかを考えればなんとかなる相手だった。
だが今回の相手、巨人族の中でもトップクラスの兵士ともなれば体格差や兵器以上に、戦闘スキルが重要になってくる。
その事実が鼓動を早め、冷静さを失わせる要因になるのだが何も変わったことをする訳でもない。
普段通り、敵を攻撃して殲滅していくだけの簡単な作業だ。それ以上でもそれ以下でもない。
そう思って何回か、深呼吸をしてからこう呟いた。
「ふーーー、行くぞ」
俺がそう言うと、戦闘の突端が開いて互いの闘志を乗せた殴り合いが始まった。
殴り合いといっても、体格差が絶望的に開いているので彼の踏みつぶしやトンファーのような武器に対して、ハードスーツのパンチで返しているのだがガンツソードの方が良かったかな。
ガンツソードだったら長さ調整が出来るし、重くなった分をスーツのパワーで補えば良いからそっちの方がやりやすい。
そのため、1回は蹴り飛ばされてハードスーツをダメにした方が良いなと思っていると、勢いよく蹴りが胴体に入ったので吹き飛ばされて柱に当たった。
すると、すぐに故障したようで面の内側に移っていた画像が大きく乱れ始めた。
とは言え、その下にあるスーツにまではダメージが通っていないようなので足から着地すると、ハードスーツを脱ぎ捨てると走り込んで近くにあったガンツソードを拾い上げた。
それを確認した彼は、ニヤリと口角を上げるとスピードアップして俺を翻弄しようとした。
普通だったら、動きを止めて様子を見るんだがこの程度のスピードなら、スピードアップの装備があるので問題ない。
俺はそれを使うのと同時に、ガンツソードをかなりの長さまで伸ばしてそいつと戦うことにした。
すると、そいつは楽しそうに笑って斬り合いに応じてくれた。
種族の違いによる体格差は別にして、自分と同等の領域に到達していることが嬉しくて仕方ないのだろう。
しかし、時間というものは残酷で俺からすれば5分、周囲の時間では30秒という短い時間のスピードアップはすぐに終わりを迎えて、身体が徐々に遅くなっていくのを実感した。
そして、完全に元の世界に戻ってくると互いに息を荒くしながらも対峙していたが数秒間、向き合ってからさらに斬り合いに興じていって行く。
(剣で戦うのがここまで楽しいとはね!)
(フッ、私と対等に戦えるヤツと出会えて人生の最後にいい出会いがあったものだ!)
俺がそう思うと、彼もそう答えてくれた気がしてこの時間が延々と続けば良いのにとさえ、思い始めてしまった。
ここまで気が合い、互いの命を賭けて戦うのは竜崎誠という人生に置いて二度と無いのかもしれない、と思うぐらいに充実している。
だが互いに譲れないものがあり、何にも縛られず、誰かのためにという目的も無しにただ戦う高揚感は、体格差というものでいとも簡単に塗り替えられてしまう。
俺がそいつを真っ二つにしてやろうと居合の振り下した瞬間、そいつはしゃがみ込むと俺に向けて蹴りをいれた。
当然、回避行動を取っていなかったためにその蹴りをマトモに受けて10メートル以上、吹き飛んだがすぐに起き上がると必殺の踏みつけが既に来ていた。
回避しきれねぇ、と思いながら横に転がると入れ替わるように前嶋が、その蹴りに対してパンチを繰り出した。
その行為に、巨人族のそいつは邪魔するなと言わんばかりに前嶋に攻撃を繰り出したが、彼はギリギリの所でそれを回避して行く。
そして、その行動に勇気づけられた東京に集ったメンバーも戦いに参加して、そいつを追い詰めていく。
だがしかし、チート能力を持った俺ですらそいつと互角に戦うのがやっと、というのに他のメンバーでは足下にも及ばなかった。
「よし! もろぉた!! ………あぐぅ!!」
「撃て撃て撃てェ!! ………あばぁ!!」
「あぁあぁあああぁああ、あ"ぅ!!」
「がぁッ!! くッそぉ!!」
そいつの戦闘力に、東京のメンバーが次々とやられていく中で彼は周囲のメンバーに気を取られている。
でなければ、俺が地面に両腕をついて力を溜めていることに気が付いたはずだ。
その行動に気が付いた誰かが、そいつの注意を引くために大きくジャンプして斬りかかった。
しかし、スピードも遅くて対応可能だったのでそいつに迎撃されて吹き飛ばされたが、その直前に満身の力で飛んでいった俺への対処は出来なかったようだ。
何故なら、周囲にいたメンバーを一掃してようやく俺との戦いを再開できると確信した表情で、俺も見た瞬間に驚きの表情へと変わったからだ。
とは言え、俺の体当たりがそいつの額に当たって勢い余って壁に設置されていた階段に、激突する俺を尻目にそいつは仰向けで倒れ込んだ。
そして、そいつがピクリとも動かなくなったのでカメラを持った人が頭の方に回り込むと、そいつが戦死したことが地球上で広く知られ渡るようになった。
そのことを実感した俺達は、生き残った兵士に向かって頼み込んだ。
「自爆はやめてくれ!! これ以上、こちらも攻撃はしない!!」
「お願いだ!! もう戦闘はしたくないんだ! どこか、無人の惑星を見つけて移動してくれ!!」
生き残った兵士は、しかめっ面をしていたが生きて恥をかくよりも軍人としてくたばる方を選んでしまい、持っていた刃付きのトンファーで自分の首をかき切ってしまった。
それを見て、玄野は悲痛な声を上げたがその直後から宇宙船が大きな振動で揺れ動いた。
それが意味しているのは、この宇宙船が自爆すると言うことだろう。
「自爆!?」
「始まったのか!?」
「あぁクソ!! やりやがったぜ、クソッタレがぁぁぁあああ!!」
その事実に、双方が生き残るという道が潰された事による悔しさでそう叫んだが、そうしている間にも振動は余計に大きくなっていく一方なので、俺達はすぐに転送してもらうことにした。
『ソレなら大丈夫だ!! やッて やれるぜ。』
「死んだ人間も再生して転送できるらしい!!」
「やってくれ!」
「早く! 早くやってくれ!!」
この危機的状況下でも、多くのメンバーや死んだメンバーを転送するために、セバスが作業してくれたようだ。
そのため、死んでいったメンバーは転送先で再生されるようで彼らが転送されたのを確認すると、生き残った俺や玄野、加藤や武田、菊地さんや女性メンバーも転送が開始した。
そして残るのは俺や玄野、加藤の他にも海外のメンバーが数人で俺達も東京に転送してもらおうとして、それが出来なくなってしまった。
何故なら、爆発によって瓦礫と化した通路がガンツの上に落ちてきたからだ。
「セバス!!」
『ちくしょう! ここにきて何だよ! 潰れちまッた!!』
「どッどッどうすれば!!」
「帰れない!!」
「走れ!!」
この状況では、くたばった奴らに気を配れないので飛行ユニットがある場所まで走るしかない。
巨人族の宇宙船は俺達、地球人には広すぎるので走るだけでは到底、脱出は出来ないからだ。
自爆で起きる振動の中、走るのは困難な上に瓦礫が上から落ちてくるので走っている間にも、何人かが下敷きになってしまった。
そんな中でも、飛行ユニットがある場所まで走ると残っていたメンバーは次々に乗り込んでいき、脇目も振らずに飛び立った。
「玄野!! 加藤!! 大丈夫か!?」
「あぁあ!!」
「なんとかな!!」
全速力で飛んでいくと、出口が見えてその先には蒼き地球が見えたのであれが本当の出口なのだろう。
そして全速力のまま、出口から飛び出して地球へと向かった。
という訳でカタストロフィ編、これにて完結です。
それに伴って、次回で最終回です。
短くて長く感じた3ヶ月間、皆さんの評価や感想が励みになっていました。
本当にありがとうございます。
次回「戦後」