黒い球と共に   作:八雲ネム

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これで最終回。長かったような短かった様な3ヶ月間でした。


最終話 戦後

 カタストロフィが発生し、巨人族の襲来があったあの時から5年が経過した。

 

 崩壊した社会からの復興が進み、今ではカタストロフィの時にボロボロになった建物は取り壊されて当時の面影は殆ど見られなくなった。

 しかし、彼らの攻撃によって世界人口の2割が帰らぬ人となったため、その悲しみに包まれている人をたまに見かける。

 日本に置いても、2400万人以上の人が亡くなって一時はパニックに陥るのではないかと思われたが、総理大臣を始めとする閣僚は前もって地下施設に逃げ込んでいたので政治的空白は起こらなかった。

 

 全く、これだから金持ちと政治家は困るとぼやいたのは良い思い出だ。

 その一方で、宇宙船に乗り込んだガンツメンバーである加藤達と再会することができた。

 俺は難なく、地上へと着陸できたが加藤と玄野は洋上に落ちたらしく、3日経ってから海岸近くに漂流していたところを発見した。

 生きて帰って来た後、特に後遺症もないままで生活できていることから問題はないだろう。

 俺達が戦った巨人族のあいつ、金髪ロングの兵士との戦いで死んでしまった仲間は無事に再生されたようでそれぞれの生活を送っている。

 

 当の俺はと言うと、まずは大学を中退した。

 何故なら、俺が通っていた大学も建物や教師陣の被害が大きくてマトモに機能していなかったからだ。

 そして、中退した俺は前から持っていたコネを使って民間警備会社に就職した。

 これは元々、格闘術や武術を習得していて英語も堪能と言うことから採用はすんなりと通った。

 

 また、就職した時のコネとは別のコネを使って岸本計の新たな戸籍を習得することができて、彼女は渡辺計として新たな人生を送ることになる。

 と言っても、戸籍を取得してすぐに婚姻届を出したので今は竜崎計として共に生活している。

 しかし、レイカも俺のことを好いているのでこっちは事実婚という形になった。これは、彼女と議論をしていく中でそれでもいいから一緒に生活したいと言うのでこうなった。

 

 前々からやろうと思っていたことは比較的、穏やかに過ごすことが出来たのだが世間的にはかなり騒がれてしまった。

 何故なら、強力な兵士との一騎打ちをした挙げ句に世界を救ったことから英雄として崇められ、世界各国から取材のアポが殺到したからだ。

 そのおかげで俺の名は多くの人に知られる結果となり、レイカとの関係が発覚した時にはボロクソに叩かれることになったが今では随分と落ち着いている。

 元々、カタストロフィ前から引退していた訳だしね。

 

 そんな彼女達も、今では立派な社会人として働いている訳でそれぞれの場所で頑張っている。

 子供を設けても良いが、彼女達はまだ20歳(はたち)を越えたばかりなのでまだ3人で頑張っていこう、と言うことでまとまっている。

 そう思っていると、仕事の先輩に声を掛けられた。

 

「竜崎、今日は六本木3丁目の大(バコ)クラブだ。行ってくれるか?」

「アイサー」

 

 そう返して、俺はスーツ姿から「TOKYO SECURITY」と書かれたTシャツと長ズボンに着替えて、その週に割り当てられた店へと向かった。

 

 

 

 この星は巨人族の襲来によって、国家間でのパワーバランスが大きく変化した。

 まず、世界最強と謳われたアメリカはその中心的存在であった原子力空母10隻の内、6隻が轟沈したかドック入りしている間に攻撃を受けて修理が不可能になった。

 その結果、他国に軍艦を回している余裕が無くなったので日米同盟は形骸化して、日本は独自の力で自分の国を守らないといけなくなった。

 それでも、隣国の中国は中国共産党のトップに君臨していた人物達が軒並み、この襲撃で亡くなったということで混乱は今でも続いている。

 

 そのため、日本は日本国憲法を大幅に変更して自衛隊を国防軍に改編。陸軍と海軍の他に、宇宙航空軍とそれぞれの部隊に派遣されている統合サイバー軍が新設された。

 これは軍事費を2倍に増額して陸軍を縮小、海軍を増強するのと同時に民間の技術を積極的に空軍に導入した結果、航空自衛隊は宇宙航空軍へと変化した。

 また、巨人族との戦いでセキュリティがザル過ぎたという指摘があったため、ネットワークを自国で守ろうという考えから統合サイバー軍が新設された。

 

 その一方で何故、陸軍(元陸上自衛隊)を縮小したかというと本土に上陸するには大量の輸送船が必要な上、上陸を許した時には既に制空権を奪われているので装甲師団がマトモに運用できないとされたからだ。

 それでも、一定レベルの装甲車や戦闘車両は必要だと言うことで戦闘機動車などの導入を急ぎ、急変する状況への対応が迅速に行えるように国や軍の組織がスマートになった。

 

 しかし、圧倒的な強さを持っていたアメリカの抑えが効かなくなったために世界各国では、紛争やらなんやらが多発するようになって現代版戦国時代になりつつある。

 そのことから、当面は気が抜けない世界情勢だが一般市民である俺達からは縁遠い話なので、加藤達がどうなったかを話そう。

 

 まず、玄野と小島のカップルはこの5年で結婚までしたのだが相変わらずの相思相愛で、将来的には子供を2人以上は作りたいと言っていた。

 加藤は山咲と結婚したが、互いに弟と息子がいるので子供を新たに設けず、共に仕事をして幼い2人をしっかりとした大人にすることだ、という目標があると語っていた。

 風とメアリーはカタストロフィ後、しばらくしてタケシと一緒に歩いているところを発見したがメアリーが、赤ん坊を抱いているのを知って彼らも子供を作ったんだなぁと実感した。

 和泉も彼女さんと一緒にいるのを、たまに見かけたりしているので問題はないように思える。

 西に関しては、人命救助中にガンツがいた部屋が襲撃を受けた後に巨大なロボを使って、空間圧縮を管理している塔を破壊しようとして和泉に妨害された後、行方不明になったので恐らくではあるが巨人族の宇宙船でくたばったんだろう。

 

 また、他のメンバーもそれぞれの道を歩んでいてSNSを使ってちょくちょくと、現状報告の連絡を取り合っている。

 その中でも、俺が1番驚いたのは金髪ロングの熟練兵士と戦っている映像はかなり、高評価だったようで菊地さんの他にも幾つもの大きなテレビ業界の取材を受けた。

 あの戦いの再現を頼まれたが、俺達が地球に帰還した時点でガンツスーツは只のラバースーツになっていたし、すべての武器や乗り物は只のガラクタになっていたから無理としか言いようがない。

 

 そもそも、Xショットガンを始めとする武器のすべては対星人用の武器であって、地球人に向けて撃って良いようなものではない。

 と言っても、人間にも有効だがそれで戦争をすると想定されてない訳だしね。

 巨人族レベルの技術力になるのは、後数百年は必要だという科学者もいるから今はただカタストロフィ後の平和を享受するだけだ。

 

 

 

 そう思いつつ、今日も都会の喧騒の中を目的地に向けて移動していった。




とまぁ、これで終幕です。

全員が出ていないのに不満があるかもしれませんが、カタストロフィ編で出てきたキャラってあまり詳しく語られてないのでこれが限界でした。
後日、付け加えるかもしれませんがこれで満足していますので可能性は低いです。
作品に対して、意見があればリンクを張っておきますのでそちらにお願いします。

それでは、他の作品で会いましょう。
ではでは。


目安箱的何か
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=176707&uid=166204
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