黒い球と共に   作:八雲ネム

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ありがとうございます。
本作は完結を目的としていますので、削れる部分は削りながらオリ主を活躍させていきます。
ですので、難しい話や長ったらしい話は主人公が振り返りや概要の説明という形で、端折らせてもらいます。


第4話 初心者はやかましい

「うっ………(ゾクゾク」

「? どうしたの………っ!?」

 

 岸本と同居を始めてから、しばらくは服を買ったり、色んな本を買って勉強させたりしていた。

 家事ばかりだと退屈だろうし、彼女自身も暇つぶしに本を読んで勉強したいと言っていたので丁度よかった。

 あの部屋に行くまでは、普通の女子高生だったということで基礎知識はしっかりと身に付いていた。

 

 俺自身は、彼女に何かを求めている訳ではなく、彼女自身がそう望んだからである。

 じゃないと、一冊2~3000円する資格の本を買ったりしない。

 あまりの熱心さに、軽い気持ちで聞いてみるといつかは俺と肩を並べるほどに知識をつけたいとのことだ。

 そこまで、俺は偉くねぇぞと思いながら同居生活を送っていると、俺にとっては慣れた感覚が首筋を通った。

 

 そのため、念のために岸本に尋ねてみた。

 

「岸本、寒気を感じたか?」

「う、うん。ゾクゾクって」

「久し振りにあの部屋に行くことになった。転送されるから早めに着替えた方がいい」

「………わかったわ」

 

 俺の質問に、答えた岸本はやや憂鬱そうな表情になったので俺は1つのフォローを入れた。

 

「別に無理して倒そうとは思うな。自分のペースでいい。始めのうちはゆっくりでいいから確実に倒していけ」

「………」

「この俺も最初のうちはそうだった」

 

 俺の言葉に、彼女は何も返さなかったが自分のスーツを持って洗面台に向かった。

 そのため、俺もスーツに急いで着替えてからその上に普段着を着ると丁度よく転送が始まった。

 

 

 

 

 

「………相変わらず、と言ったところか」

 

 俺と岸本がレイの部屋に転送されると、柄の悪い奴らが4人とカップルと思わしき高校生が2人、そして老婆と孫が1人ずつ。

 柄の悪い奴らは、大声で怒鳴り散らしているだけなので問題ないとして可能なら、老婆と孫にはスーツを着させたい。

 あの人達には罪はないんだからな。……いや、これは俺のエゴか。

 

 この部屋に来た以上は、あの人達も死んでいる訳でそれをどうこうしようなんておこがましいことこの上ない。

 なので、俺は岸本と一緒に壁際で佇んでいると前回の生き残りである加藤が新入り達に、必死の助言をした。

 しかし、彼らはそれを受け取らずに逆に馬鹿にするような笑い方をしたが、黒い球から武器を取り出せるようになると玩具を見るかのように取り出した。

 

 加藤は、そんな中でも必死に訴えかけるが彼らにとってはパワードスーツはダサいと感じたようで、全くと言って良いほど聞き入れない。

 しかし、その一方でカップルの高校生や老婆と孫にはスーツを着せれたようだ。

 まぁ、柄の悪く我の強い奴ほど先に死んでいくので静かになって良いなぁ、と思っているとあることに気が付いた。

 

 それは―――――

 

「オイ、玄野。まさかだと思うが、スーツを忘れたのか?」

「あ、あぁ……どうすればいい?」

「取りあえず、生き延びることを考えろ。話はそれからだ」

「わかった」

 

 俺がそう言うと、緊張して上がっていた玄野は少し落ち着いたが西はめざとく気が付いたようだ。

 

「まさか……はははは、持って帰ったのか? はい、1人死亡。決てぇ~~~」

「まだ決まった訳じゃなかろうにそう言うなって」

「オイオイ竜崎、そいつの肩を持つんじゃねぇだろうな?」

「持たねぇよ。結局は自分でなんとかしてもらわんといけんからな」

 

 西野発言に、俺がそう言うと加藤が俺に聞いてきた。

 

「竜崎、何か方法はあるのか?」

「………(チラッ」

「………(ふるふる」

 

 加藤の質問に、俺は西を見ると答えなくて良いという合図が来たので俺はこう言った。

 

「ホラー映画なんかの鉄則を思い出すことだな」

「そ、それだけかよ」

「まっ、なんとかするんだな」

 

 俺がそう言うと、玄野は絶望的な顔になったが俺はそれを無視して壁際に寄りかかった。

 岸本は、玄野を心配そうに見ていたが俺の影響だろう。とやかく言うことはなかった。

 しかし、ここで側の悪い奴らが悪ふざけで西に対してある行為をした。

 

 

 

ギョーーン

 

 

 

「………………」

 

 玩具みたいな音だがやらかしたな。西は自分に敵意を向けられるのが大嫌いなんだ。

 だから、その象徴である銃を向けられた挙句、撃たれたともなれば黙っているはずがない。

 そのため、西は腕に隠し持っていたXガンをあっという間に取り出してから、撃った奴を撃ち返した。

 その行為に、柄の悪い奴らが騒いでいるが数秒後には撃った奴の頭が弾け飛んだ。

 

 その光景に、周りは呆然としていたが返り血を浴びた奴らは叫び声を上げて阿鼻叫喚となったが、そんな中でも俺は淡々と老婆とお孫さんの元に行ってこう言った。

 

「この光景は見ない方がいい」

「………(コクコク」

 

 老婆は顔を青ざめながらも、お孫さんに今の光景を見せまいと彼の顔を隠すように抱きつきながら俺の言葉に頷いた。

 この騒ぎの中、転送が始まったので俺は必要な武器を取りに別の部屋に行くとそこにはZガンとエアバイクがあり、Xショットガンを太もものホルスターに取り付けるとZガンを持ってエアバイクに跨った。

 今回のターゲットは田中星人で、ロボットじみた外見をしているので多数を倒さないといけないのかも、と思ったのでこの選択になった。Xショットガンは護身用だな。

 

 そして、俺が転送されると他のメンバーが橋から川を見ていたので、何事かと思って空中から見てみると西が叫んでいる。

 

「竜崎!!スーツが!スーツがオシャカになった!!助けてくれ!!」

「はぁ、何やってんだよ。あの中坊は」

 

 俺は状況を整理するために、西の周囲を見渡すと西と共に川にいるのは件の星人でその攻撃でスーツがダメになったようだ。

 一方、玄野達は西の言葉が頭にきたようで助けようとしない。それに、玄野達は俺に対して助けるなとかほざいているがそう言うのは、一人前に星人を倒して100点クリアすることだな。

 そのため、俺は持っていたZガンで田中星人を一撃で始末すると西は橋の近くの階段を使って登ってきたので俺も橋に降りた。

 

「助かったよ、竜崎」

「これで貸し1つな」

「……チッ、何が望みだよ」

「今回は援護に回れ。そしたら助かるかもしれん」

 

 俺がそう言うと、西は渋々ではあるが頷いたのでエアバイクとXショットガンを彼に渡すとすぐに飛び立った。

 それを見た俺は、一息つくと玄野が俺に突っかかってきた。

 

「おい、竜崎!!なんであいつを助けた!!あいつは仲間じゃないんだぞ!!」

「それはお前の都合だろ?俺は俺の都合で動く」

「そうじゃなくてだな!!」

「俺に指図したければとっとと100点クリアすることだな」

 

 俺がそう言うと、玄野は何も言えない様子で言葉にならない声を上げていたが加藤と岸本、そして今回が初参加となる男子高校生は俺の指示を仰いだ。

 

「竜崎、これからどうすればいい。本来は転送が始まると思うんだが………」

「さっき、コントローラを弄ってマップを見たらもう一つ、星人の反応があった」

「もう一体、いるんですね」

「まぁ、一か所にまとまっているかもしれないから注意するんだな」

 

 俺がそう言うと、今度は柄の悪い奴らが騒ぎ出した。

 内容は、走っていたらいきなり彼らの1人の頭が吹っ飛んだらしい。

 よく見れば、3人から2人に減っているのでそれは事実として子供が家に帰りたいと駄々をこね始めたので、そいつらの意識はそっちに向いた。

 

 それにしても、さっきから騒いでいるだけなのでいい加減、鬱陶しくて仕方ないな。

 もう一つ、持ってきたXショットガンを彼らの足元に撃って注意を俺に向けると、こう言った。

 

「自由になりたかったら俺についてこい!それ以外の奴らは知らん!好きにしろ!!」

 

 

 

 俺はそう言って、星人がいると示す場所へと向かった。




田中星人って、一撃や対処法を知っていれば簡単に討伐できると思っています。
ですので、次回辺りで終わることになります。
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