黒い球と共に   作:八雲ネム

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第8話 仏像戦、終了

「ちょっと待ってくれ。僕だ……宮藤だ」

 

 この声……どうやらさっきの攻撃でやられたメガネの男性らしい。

 さっきの攻撃で、そいつの身体はバラバラになっていてやや残念そうにしていたが、現在の感覚をつらつらと語ってくれた。

 それによると、千手は宮藤と言う男性の言葉と知識を得たことによって日本語を喋れるようになったが、後ろから狙い撃ちにしたところをあっさりと倒されてしまったことを残念がっていた。

 

「―――――でもね、この体……とっても気分が良いんだよ。なんていうか、全てがクリアに感じる。力もみなぎって「きめぇなぁ」……は?」

 

 宮藤と融合した千手の話を遮るように、俺がそう言うとそいつは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたので俺は話を続ける。

 

「いや、キモいわ~。星人に食われたのにそれを優越に感じるとか、真面目に気持ち悪くて吐きそうになるなぁ。そう言うのをな、世間一般では醜いとも言うんだよ」

「醜い……だって?」

 

 宮藤が、醜いという言葉に反応したので俺は話を続ける。

 

「そうそう、戦闘で顔面の半分が崩壊している上に腕の半分がない状態を醜いと言わずになんて言う?」

「………」

「それに、星人という化け物との混合体だなんて笑いものだな」

「………(ワナワナ」

「それを気分が良いとのたまうなら、全国の障害者に対してジャンピング土下座で謝るんだな。この化け物め」

「……化け物化け物ってうるさいんだよぉ!」

「おぉっと!!」

 

 俺の言葉に、我慢できないように宮藤と名乗った星人がビームを発射してきたので、俺が横にジャンプすると混合した千手星人が地面に消えた。

 その直後、「ズドン!」という大きな音が聞こえてきたので岸本を見たが、彼女はZガンを構えていなかったので俺はあることに気が付いた。

 それは、今の今まで西の姿を見ていないと言うことである。

 

「西! お前がやってくれたのか!?」

「ふん、今ので前回の借りを返させてもらう。感謝することだな」

 

 そのため、立ち上がった俺が彼の名前を呼ぶと余裕の笑みを浮かべて姿を現してからそう言ったので、俺はため息を吐いて頷いてから陥没した穴を見た。

 その穴には、血が溜まっているのでくたばったかなぁと思うと紫色の物体が出てきて、形を形成すると腕が6本で尻尾には鋭利な刃がある全長2メートルほどの怪物が出てきた。

 

「よくも僕をコケにしてくれ、グバァ!」

「取り敢えずなぁ、よりキモくなったからとっとと死ねや」

 

 宮藤だった化け物がより一層、醜くなったので俺はビームを連発して穴あきチーズよりも穴ができるぐらいに撃ちまくると、尻尾だけになったそいつは完全に沈黙した。

 そして、そのことが確かな出来事になるとガンツによる転送が始まったようだ。

 

「帰れる!帰れるぞぉ!!」

「やったぜ」

「帰ったらドライブに行きましょう?」

「あ、あぁ……」

「竜崎くん、ありがとう!」

「気にしなくていい。俺がやりたいからやったまでさ」

 

 そのことが、皆を一安心させて歓喜の声で溢れつつも俺達は例の部屋へと転送された。

 

 

 

 

 

「ガンツ、採点を始めろ」

 

 全員が転送された後、アラームが鳴ったので俺がそう言うと採点結果が表示された。

 

 

 巨乳

 19点

 TOTAL29てん

 あと71てんでおわり

 

「ふぅ、こんなものかしら」

「悪くはない結果だと思うぞ」

 

 岸本の得点では、彼女は冷静にそう言ったので俺もフォローしておく。

 実際、経験が浅いがそれを補う立ち回りをしたので悪くないし、寧ろ良い結果と言える。

 

 

 かとうちゃ(笑)

 5点

 TOTAL10てん

 あと90てんでおわり

 

「5点……」

「何とか、1体は倒せたようだな」

 

 加藤は、覚悟を決めたように感じたが未だに自分の中で葛藤しているようだな。

 とは言え、こう言った内面的な部分は本人が解決しないといけないのでとやかくは言わない。

 

 

 サダコ

 5点

 TOTAL5てん

 あと95てんでおわり

 

「おぉ、1体倒せたようだな」

「……(ペコリ」

 

 前回は、特にこれと言って活躍できなかったのだが危機的状況が功を奏したようだな。

 俺の言葉に、彼女は俺に対して頭を下げたがこんな感じで頑張ってもらいたいものだ。

 

 

 ホモ

 5点

 TOTAL15てん

 あと85てんでおわり

 

「ホモっていい加減、訂正してくれねぇかな」

「普通に女性が好きになったら変わるんじゃない?」

 

 相変わらずの渾名に、そいつが項垂れているので俺がそう言うと彼は深いため息を吐いた。

 こりゃ、時間が掛かりそうだなと思っているとガンツは次に移った。

 

 

 クロノ

 5点

 TOTAL10てん

 あと90てんでおわり

 

「俺も何とか、1体倒せたぜ」

「パシリじゃなくなったから確かなんだな」

 

 俺がそう言うと、玄野は「パシリって言うな」と突っ込まれた。

 まぁ、実際に自分の意思で戦っていたように感じられたので悪くはない方向に行っているんじゃないか?

 

 

 美形

 5点

 TOTAL5てん

 あと95てんでおわり

 

「この点数って何?」

「後でちゃんと説明するから我慢してね」

 

 今回、初参加となる別嬪さんは美形というあだ名がついたようだがそれでも、1体は倒しているのでそれなりに活躍できるだろう。

 そのため、全員の点数がで終わってから説明する。その方が楽だしね。

 

 

 自衛官

 25点

 TOTAL25てん

 あと75てんでおわり

 

「………」

「やっぱ、スナイパーは強いな。今後もよろしく」

 

 自衛官というあだ名の男性に、俺は声を掛けると彼は俺を見て口角を上げた。

 どうやら、頼られるのが好きらしいので今後に期待だな。

 

 

 西くん

 18点

 TOTAL20てん

 あと80てんでおわり

 

「ふん、最後に取られたのが痛いな」

「てかよぉ、西。最後の最後までどこにいたし」

「前回みたいにソッコーで潰されたくないから隠れていたんだよ」

 

 本人曰く、コソコソと移動しながらZガンによる一撃必殺で仕留めていたらしい。

 そう考えれば、最初の星人と普通の星人2体分と考えればこの点数なのも納得できる。

 

 

 りゅーざき

 21点

 TOTAL75てん

 あと25てんでおわり

 

 どうやら、俺も2体しか倒していないがボスらしき星人を倒したことも考えると、納得の点数と言ったところだ。

 

 そして、俺を最後に採点が終わったので初参加のメンバーにガンツのシステムについて説明した。

 今回のような出来事は、数週間に1回のペースで行われていること。

 俺と西は、このメンバーの中でも長く戦って何度もクリアしていること。

 この戦いから、解放されたければとっとと100点を取ること。

 

 これらを包み隠さず、話すと初参加のメンバーは戸惑いながらも現状を把握してくれたので、今回はお開きとなってそれぞれの家へと散っていった。

 

 

 

 

 

 帰宅途中

 

 

「そう言えば岸本はさ」

「なんですか?」

 

 例の部屋から、帰宅する時は岸本と一緒に帰ることが当たり前になった。

 家政婦として家においているんだから、当たり前ではあるが1人で帰ることの方が圧倒的に多かったので妙な感覚だ。

 そのため、普段はあまり話さないが俺は今回のミッションについて聞いてみることにした。

 

「今回のミッションで迷いなく、戦っていたようだけどどういう吹き回しさ」

「今回のミッションですか? それはもちろん―――――」

 

 俺の質問に、岸本はそう言いながら俺の前に進み出るとこう言ってきた。

 

「あなたの隣に立ちたいからですよ?」

「俺の隣に立つ? 理由を聞かせてくれるかい?」

「ふふっ、あなたは鈍感なんですね。つまりはこういうことですよ」

 

 岸本がそう言うと、俺の唇に自身の唇を重ね合わせた。

 このことから考えると、どうやら彼女は俺のことを好いているらしい。

 それがわかった俺は、ため息を吐きながらもこう言った。

 

「彼氏が俺だと苦労するぜ?」

「それでも好きなものは好きなんです。それにあなたは以前、こう言ってくれたじゃないですか」

「………」

 

『お前の好きにすると良い。お前の意思で決めたことを侵害するつもりはない。俺に不利益にならなければな』

 

 これは参った。普段から、他者のことにあまり干渉しないことを示すために言った言葉をそのまま、揚げ足で使われてしまった。

 そのことに気が付いた俺は、ヤレヤレといった感じでため息を吐くと止めていた歩みを再開して、彼女にこう言った。

 

「今日は寝かせねぇよ?」

「ふふっ、望むところです」

 

 

 

 互いにそう言って、俺達は微笑むと自分達の住処に戻っていった。




やべぇよ、やべぇよ……やらかしちゃったよ………

原作だと、玄野以外が全滅した東京チームがかなりの数で生き残っちまったよ。
当然、既に死んでいる西も生存。
ついでに、余程のことがない限りは西がくたばる可能性は原作の終盤までほぼありません。
これでチビ星人は瞬殺な上、学校が襲われることもなくなりました。
どうやって落とし前、付けようかなぁ………(汗)
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