異世界?での改変生活   作:松竹

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ものすごくお久しぶりです。以前投稿したのが1月頃なのでやく8ヶ月ぶりくらいですができれば見捨てず読んで頂ければうれしいです。

遅れた理由としましてはぶっちゃけ筆が乗らなかったと言いますか思いつきの流れになかなか内容の肉付けができなかったからです。一応思いついた時に少しずつ書いたり消したりしていたんですがその間にパソコンの調子が悪くなったり時間をおくとやっぱり違うな~と思ったりで時間がかかってしまいました。まぁ全部ただの言い訳ですが。

それではイマイチ文体?が安定しなかったりする稚拙な文ですがお楽しみいただければ幸いです。(続きも今書いてますので次はもう少し早く投稿できると思います)


ただいま準備中!

王都オスティア防衛戦から暫くの時が経ち、戦の傷も癒えていき少しずつ街にも活気が戻りつつある。そんな中、オスティア王宮の一室に集う影があった。それは王都オスティアに潜む闇の会合。彼らは光ささぬ闇の中で言葉を交わす。決して自分達の企みが表に出ぬように。

 

 

「計画の方は順調ですか?」

 

恐らくはまだ歳若い少女の声だろう。影の一つが他の影に問いかける。

 

「フフ…万事滞りなく進んでいます。」

 

楽しそうな男の声がソレに答え

 

「はい。彼が計画に気付いた様子は無いようです」

 

生真面目そうな男の声がそれに続く

 

「そうじゃの。住民への根回しも順調のようじゃ」

 

古めかしい言葉遣いの声はまだ少年の様だ

 

「そうですか。そろそろ計画を実行に移す頃合いの様ですね」

 

それぞれの言葉を聞き少女が遂に決断を下す

 

「ほう。では遂に…」

 

楽しそうな声はこれから起こる騒動に胸を躍らせ

 

「そうか…やはり実行するのか」

 

生真面目そうな声は沈痛な面持ちで

 

「まぁなるようになるじゃろ。巻き込まれるアヤツには気の毒じゃが」

 

古めかしい言葉遣いの声は人生を知り尽くした老人の様に達観して

 

 

影たちは計画とそれに巻き込まれるモノにそれぞれ思いを馳せる

 

 

 

そして遂に…

 

 

 

「それでは皆さん。只今より<*******>の開始を宣言します」

 

 

 

少女の小悪魔めいた笑みと共にとある男を不幸に陥れる計画が動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法界最古の歴史を誇るウェスペルタティアの王都オスティア。空に浮かぶ古都の町並みは美しく幻想的だ。残念ながら現在は戦の爪痕が深く刻まれ見る影もないが女王アリカ主導の下、行われている復興作業は順調であり遠からず嘗ての壮麗な町並みを取り戻すだろう。

 

そんなオスティアにあって数少ない戦の被害を免れた場所が戦時に街に残った住民の避難場所でもあったオスティア王宮だ。幾つか障壁を貫けた魔法弾による被害はあれどほぼ半壊した市街地に比べればその損傷は軽微と言っていい。アリカの方針で大規模な損傷以外の復旧は後回しにされているので所々外壁の損傷が目立つが防衛上の機能は確保されているし俺も暇を見つけては結界やら何やら仕掛けて対策を施してるのでもし今【完全なる世界】の襲撃があっても多分問題ない……と思う。

 

 

一方甚大な被害を受けたオスティアの街だがこちらも以前の活気を取り戻し始めているようだ。【紅き翼】の面々があちこち飛び回ったりアリカ達が惜しみなく国庫を開いて住民を支援しているのでさして不満も溜まらず順調に復興しているらしい。

 

らしいと言うのは俺がほとんど王宮の外に出てないから伝聞でしか街の状況が判断できないからだ。俺としてはそれなりに長くこの街に住んでいて愛着もあるので復興のために力になりたかったんだけどアルナからの命令で何時も通りアリカやアスナの護衛をしている。

 

曰く「今のオスティアは戦後の混乱にあって警備も行き届いていませんので貴方は何時も以上に力を入れて姉様やアスナの護衛に勤めてくださいね?」だそうだ。

 

確かに一理あるしアリカも「それもそうじゃな」と納得してしまったので俺は防衛戦の後も今まで通り、朝はアリカの所に顔を出し何も無ければその後はアスナの所に行って一日過ごしている。アスナも最近はある程度コミュニケーションをとれる様になってきたので色々話したり王宮内で出来る遊び(かくれんぼとか鬼ごっことか)をしてるんだがこれが中々楽しい。

 

相変わらず表情の変化は乏しいけど鬼ごっこをすると俺からがんばって逃げようとするし、アスナが鬼の時は俺の後ろをチョコチョコ追いかけてきて一生懸命捕まえようとしてくる。かくれんぼの時も本人は本気で隠れてるつもりなんだろうけどいつも髪とか服とかが物陰から見えててちゃんと隠れてないし、そもそも見つけて欲しいみたいで余り遠くにも行かないし、俺が隠れる時に手加減してすぐに見つかると「…ちゃんとかくれて」って怒るのに中々見つけられないと何となく寂しそうするから自分から顔を出すと機嫌が悪そうにするのに近寄ってきて俺の服を掴んできたりする。

 

なんて言うかこう

 

 

「か~わ~い~い~」

 

 

って感じだ。

 

 

別にロリコンでも無いし特に子供好きって訳でも無かったんだけど無垢な子供を見てると和む。故郷の村に住んでた時は今更子供の遊びなんて興味なかったし他にやりたい事もあったから同年代の子供を気にかけた事は無かったけど今思うともう少し普通の子供みたいに遊んだりしてもよかったかもしれない。今までほとんどの時間を修行に使ってたからたまにはマッタリ過ごすのも悪くない。

 

 

「ん?」

 

「あら?」

 

「お?」

 

そんなことをつらつらと考えながら廊下を歩いていると珍しい人物と遭遇した。

 

「お久し振りですね。サイ。一週間ぶりくらいですか?」

 

「よう。久し振りだな」

 

廊下の向こうから歩いてきたのはアルナとナギという最近になって結成された俺の天敵コンビだった。

 

 

 

俺がアリカとアスナの護衛についてそれなりに時間が経つが今まで俺がアルナの護衛に付いた事はほとんど無い。今の俺の立場はアリカ直属の護衛と言うか王族(アリカ、アスナ、アルナの事)の近衛みたいな物だから本来ならアルナの事も守らないといけない筈なんだけど本人から「私よりも姉様たちの事をお願いしますね?」と言われ彼女がオスティアの外に出る時も俺以外の兵を連れて行くだけで俺が護衛につく事は無かった。

 

俺としても長期間アスナの傍を離れるのは不安だったしアルナには少々(かなり?)苦手意識があったから特に不満も無かったんだけど最近その状況が少し変化した。防衛戦以降自由に動けないアリカの変わりにオスティア市街や近隣の町や村などを飛び回っているアルナがナギを護衛として連れまわす様になったのだ。

 

「おはようございます。アルナ様。あとナギ」

 

「おはよう」

 

「おう。つーかオレはついでかよ」

 

挨拶したらナギが少し不満そうに返してきた。アルナとナギのどちらを優先するかなど言うまでも無いので当然無視する。

 

「これから外回りですか?」

 

「ええ。ある程度復興の目途も立ってきましたけどまだまだ問題も多いですから。皆さんにもかなりの我慢をしいてますからあまり不満が溜まらないようにしませんと。貴方はこれからアスナの所ですか?あの子の様子はどうですか?」

 

「ええ。元気にしています。最近は少しずつ感情を表に出すようになってきましたし。今日はアスナが魔法に興味があるみたいなので昼食の後で一緒に練習してみようかと」

 

「そうですか。楽しそうでなによりです。全く妬ましいですね」

 

「はい?」

 

セリフと表情が一致して無いんだが?微笑みながら言われると怖いんだけど

 

「最近はまともにアスナの顔を見ていませんから早くあの子と遊べるようにしなければいけませんね。そろそろに私の中のアスナ分が不足してしまいます」

 

「…そうですか」

 

普通に話続けんのかよ。…なんかもういいや。いつもの事だし

 

「ナギは相変わらずアルナ様のお供なのか?」

 

「ん?ああ。急に呼び出されたんだよ。ったく俺はアルナの部下じゃねぇってのに」

 

さすがナギさん本人の目の前で遠慮の欠片もねぇな。俺とアルナが話してる時も興味なさそうに欠伸してたし。王族に対する態度じゃねぇだろマジで。こいつがまともな礼儀を身に付ける日ははたして来るのだろうか。

 

「随分な言い草ですねナギ」

 

「んだよ。本当のことだろうが」

 

「あら?貴方が言ったんですよ?護衛など簡単だと」

 

「お前がその程度もできないのかって煽ったんだろーが!」

 

「ふぅ…今更グチグチと…男らしくありませんよ?」

 

「…コノヤロウ」

 

それにしても仲いいよなこの二人。アルナは楽しそうだしナギも文句言ってる割には嫌そうじゃないし。まさかのナギ×アルナルート突入ですか?まぁ今のところ別に好き合ってるって感じじゃないけどね。しいていうなら親友?いや悪友か?あるいはからかう姉と弄られる弟?。とりあえず2人が一緒に行動する様になった影響か俺に対するナギの関心が薄れたっぽいしありがたい限りだ。今も2人で言い合ってるし今後もその調子でいて貰いたいものだ。丁度いいから今のうちにさっさと逃げよう。

 

「それではアスナを待たせてますので失礼します」

 

頭を下げつつ素早く2人の前から退散…

 

「あ!そうそう一つ言い忘れてました」

 

しようとしたら声をかけられてしまった

 

「何でしょうか?」

 

「街の復興は順調ですし住民の皆さんも落ち着いてきましたが、皆少なからずストレスを抱えているとは思いませんか?」

 

それはそうだろうけど今俺にその話をする意図が掴めんのだが

 

「そうですね。仰る通りかと」

 

「そこでですね。この辺りで一つガス抜きの為のイベントを計画していまして」

 

「良い事だと思いますよ?」

 

要するに戦勝記念のお祭り的な事かな?悪い事じゃないよな

 

「ああ!良かった。賛成して貰えると言う事は勿論協力して下さいますよね?」

 

…何故だろう。目の前で手を打ち合わせているアルナの微笑みが急に禍々しく見えてきたんだが。とはいえ実質命令なんだろうし断れないか

 

「…ええ。俺にできることなら」

 

「ではお願いしますね。そうですね…少々準備もありますから恐らく数日中には使いを寄越しますからアスナと一緒に準備をしておいて下さい」

 

「準備ですか?それにアスナも一緒にですか?」

 

アスナが一緒となるとそう無茶はしないだろうけど何をさせる気だ?

 

「ええ今回のイベントはある意味アスナが主役の様なものですから。準備についてはただ体調を万全にしておいて頂ければいいので」

 

アスナが主役?ますますわからんぞ?

 

「わかりました」

 

まぁ考えててもしょうがないしとりあえず言われた通りに体調を整えておくか

 

「では私たちは失礼しますね」

 

「じゃあまたな(・・・)

 

「……」

 

 

立ち去る2人を見送りながら考えるのはナギの残した言葉。普通に考えればナギ達も参加するだろうイベントとやらでまた顔を合わせるからだろうし何もおかしくは無いんだけど…何故こんなにも嫌な予感がするんだろう

 

「…今からでも拒否っていいかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイと別れ姿が見えなくなった辺りで少し前を歩くアルナに目を向ける。

 

 

アルナは変な奴だ。なんつーかあんまり王族らしくねぇ。いやアルナ達の他に王族なんざしらねぇけどな。最近はよく一緒に行動してるからいわゆるデキル奴なのは知ってる。部下の奴等にも信頼されてるみたいだし女王さんと同じで人の上に立つ奴が持ってるカリスマってのはあるんだろう。あんまり上手く言えねぇけどアルナの奴は女王さんと違ってどっちかって言うとオレ達に近い(・・)気がすんだよな。後はそう…見た目も性格も全然ちげぇんだけど何となくサイの野郎に似てんだよな。

 

そもそもこうやって一緒に動くようになったのもアルナの奴から言い出した事だしな。女王さんとの話し合いが終わってこれからどうするかアル達が話してるとこに来て「聞けばしばらくこの国に滞在する様ですしよければ少々お力を貸して頂けませんか?」って言ってきた。

 

オレは女王さんとの堅苦しい話が終わったばっかでめんどくさかったからアル達に任せて聞き流してたんだけどそしたらいつの間にかオレがアルナの護衛をすることになってやがった。お偉いさんの護衛なんてかったるい事なんざやりたくねぇから抗議したらアルナの奴がオレの方を見た後「出来れば他の方が良いのですが。お願いする立場で余りこう言う事は言いたくないのですが…お子様はちょっと」とかぬかしやがる。その後も「頼り無さそう」だの「足りなさそう」だの「小さいですし」だの好き勝手言われた。

 

 

「頼り無さそう」って舐めんな!これでも村を出てから今日まで無敗記録更新中だっての!

 

「足りなさそう」ってなにがだよ!頭のことか!確かに勉強は好きじゃねぇけどこれでもサイの野郎に勝つためにそれなりにがんばってんだよ!

 

「小さいですし」ってそもそも関係ねぇし余計なお世話だ!オレの成長期はこれからなんだよ!

 

 

流石にムカついて言い返したら「なら貴方にできるのですか?護衛と言うのはただ対象を守ればいいという物でも無いんですよ?」とか言われたからつい「舐めんなよ。そのくれぇ楽勝だよ」って言っちまった。そしたらそれまでの態度が嘘みたいに「ならよろしくお願いしますね?」ってあっさり納得して笑いながら部屋を出てった。そん時気付いたんだよ、嵌められたってな。後からお師匠たちに聞いたら「ずっと目が笑っておったぞ?」とか「あの方は初めから貴方をご指名だった様ですよ?」とか「ナギ…いやなんでもない」とか言われた。

 

 

お師匠とアルは気付いてたんなら言えよ!

 

詠春は何が言いてぇのかわかんねぇけどなんとなくバカにされたのはわかった。〆んぞコノヤロウ

 

 

そんな感じでオスティアに居る間だけアルナの護衛をすることになったんだけど第一印象が最悪だったから正直身構えてたんだけどなんか思ってたよりやりやすかった。いちいちからかってくんのはムカツクんだけどあんまり礼儀にうるさくねぇからな。「貴方にそんなもの最初から期待してませんから」てのはイマイチ納得いかねぇんだけどな。

 

「どうかしましたか?」

 

「なんでもねぇ」

 

っと少しアルナの方を見すぎてたな。色々思い出してたから気ィ抜いちまった。油断するとまたネチネチ言われるから気をつけねぇと。

 

「そういえば貴方は計画についてどの程度把握しているのですか?」

 

「あん?ほとんどなんも聞いてねぇな」

 

オレがアルから言われたのは「貴方が気兼ねなく彼と戦える場を用意しますので期待していて下さい」ってくらいだ。

 

「そうですか。確かに貴方にはその方がいいかもしれませんね」

 

「どういう意味だよ」

 

なんか馬鹿にされてる気がすんだが

 

「そんなことより早く行きますよ。今日中に準備を終える予定なのですから」

 

「ッチ。分かってるよ」

 

あ~早く終わんね~かな。そうすりゃ思いっきりヤリ合えんのによ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルナたちと別れた後アスナと一緒に昼食をとった俺は現在当初の予定通り王宮内にある庭園で魔法の先生をやってたりする。

 

 

「そうだなぁ~うまく説明できないけどイメージとしては水かなぁ?胸の真ん中辺りから全身に水が流れて廻るみたいな感じ?」

 

そう言いながら右手の指先に魔力を集め光を生み出す

 

「この場合は指先に魔力が流れ込んで集まるようにイメージしてるんだ」

 

生み出した光を宙に浮かべながら隣に座るアスナに目をやる

 

「……こう?」

 

俺の拙い説明を聞いただけであっさりと光を生み出してみせるアスナ

 

「…どんだけだよ」

 

昼食後から今まで座学なんかも含めて数時間ほど魔法の指導をしてみたが初歩の初歩である<火よ灯れ>はおろか初心者にはそれなりに難易度の高い魔力操作すら初見でこなすアスナの才能に世の不条理を嘆かざるえない

 

「わかっちゃいたけど俺の周りはチートばっかりだ」

 

ナギを筆頭に<紅き翼>の面々にアスナ、方向性は違うがあの若さで一国を纏めるアリカにアルナ。どいつもこいつも天才ばっかりで嫌になる。意味が無いとは分かっちゃいても少々嫉妬してしまう。

 

「……なに?」

 

「いや。それじゃあ次はその光を動かしてみるか」

 

そう言いつつ宙に浮かべた光を操り自分たちの周りを飛び回らせる。クルクルと指を動かすことでそれに合わせる様に自由自在に飛び回る光球。その動きを追うようにキョロキョロと顔を動かすアスナを微笑ましく思いながらこんな小さな子供に一瞬でもつまらない嫉妬を抱いた自分を恥じる。そしてこんな小さな子供を取り巻く世界の厳しさに顔をしかめる。

 

 

 

 

 

原作がどうこうではなく多分この子が普通の子供の様に平穏な日常を生きるのは酷く難しい。

 

 

 

 

俺はできればアスナの力に頼ることなくこの世界の問題を如何にかしたいと思っているがこの国の王女云々を抜きにしてもアスナの力の強大さや特異さは否応なく厄介ごとを彼女に引き寄せるだろうから。

 

だから俺はアスナに選択肢をを与えようと思う。無理に魔法や気の扱いを教えようとは思ってないが原作のように何もかも忘れ、過去を捨てて生きるのがいいとも思わない。別に原作の【紅き翼】の判断が全て間違っていたとは思っていない。あれも彼らなりに考えたアスナを守る最善だったんだと思うから。

 

その上でアスナの人生はやっぱりアスナの物だし彼女の生き方は彼女自身が選ぶべきだと思う。生きていく中で迷い悩んだなら手助けするのはいいと思うし道を誤ったなら叱ってやればいい。それが自分たち大人の役割だ。だけどそれ以上の干渉は正直善意の推しつけでたとえアスナの為を思っての事だとしてもするべきじゃないししていい事じゃない。

 

「…まぁ今更ぐだぐだ考えることじゃないか」

 

アスナが力を求めるなら何れ彼女が俺を超えて行くまで道を踏み外さないように導けばいい。この子にはそれだけの才能があるから。

 

アスナが平穏を望むのならその時は俺が全力でこの子を守ればいい。まぁ俺だけじゃ頼りなくてもその時はナギ達にでも協力させればいい。あいつ等なら嫌とは言わんだろうし。

 

「とはいえアッサリ追い抜かれてもムカツクし…」

 

そう言いつつゆっくりと芝生から立ち上がるとその動きに気付いたアスナが光球から目を逸らし此方に目を向けた。「……なに?」とでも言いたげなアスナの方へ顔を向けニヤリと笑みを浮かべる。

 

「…あんまり魔法が簡単だと思われるのも良くないしな。そろそろ日も暮れてきたし最後に一つ教師としての威厳を見せてやる」

 

 

 

その言葉を合図に静かに高められていた魔力は振り上げられた両手から一気に開放された

 

 

 

 

 

 

「……ふぁぁ」

 

 

 

まるで惚けた様な声を上げるアスナ。珍しく目に見えて表情を変えるアスナを見てサイは会心の笑みを浮かべる。

 

「どうだ?なかなかのモンだろ?」

 

「……すごい」

 

大きく両手を広げたサイと思わず立ち上がったアスナの周りに浮かぶのは千を超える光球たち。世界を紅く染める夕焼けの中庭園を埋め尽くすかの様に生み出された光の渦は美しくどこか幻想的ですらあった。

 

「魔法ってのはなんだかんだで戦闘に使われる事が多いけどこう言う使い方も悪くないだろ?」

 

「……わるくない」

 

庭園を舞う光の中をクルクルと踊るように駆け回るアスナ。この世に生まれてから今までの間、ただその身に宿る力のみを求められ心を殺され続けてきた彼女は光の中で踊りながら確かに笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 




本文のアスナとの魔法の練習についてですがここで出している光は<魔法の射手>の様な魔法ではありません。この作品オリジナルというか、しいて言うならただ光る玉を出しているだけです。火をつけるだけの魔法もある訳ですから光るだけの魔法もあるかな?くらいのつもりで書いただけです。(つっこみや矛盾点の指摘はできればスルーして下さい)

あと多分今まで書いてなかったと思いますし後で確認してみますがこの作品の世界観では魔法を使う際に発動媒体は必須ではありません。(原作の杖とか指輪とかのことです)理由としては後々クロスする予定の作品の世界観と矛盾するからです。まぁ何時になるやらわかりませんがチョコチョコクロス先の作品の世界観とすり合わせながら書いていこうと思いますのでかなり原作と設定が乖離するかも知れません。(まぁ今更ですが)
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