Final Fantasy ⅩⅤ Another Stella 作:虚ろな星屑
その光が見える者は、死者の国から力を得るという。
しかし、もう一つ力を得る方法があった。
死者の国と繋がった者は、星の力を得るのだという。
This is fantasy Not based on Reality.
This is story by another one.
For example, what if the purpose was not Crystal?
海底の底で、ソレは目覚めた。
暗い、昏い海の水が全身を喰らう。
なぜこんなところにいるのだろう。
ソレは、その意識を自分の内側に向けた。
死、ソレは瞬間を思い返した。
類似と既視感を伴った思考が気怠く回る。
軽くなる意識と重くなる瞼。
二度と経験できないはずの感覚は気が付けばまたソレに襲い掛かっていた。
ソレはそのまま泡沫の彼方に消えようとしたが、ふと、
『…………』
はっきり聞き取ることはできないが、声が聞こえた。
『……何かと思えば、かの者の血族か、忌々しい』
影が近づいて、声が聞き取れるようになった。
『……しかしこれは面白い』
そのすべてに嘲りと侮蔑が混ざる声。
しかしソレの反応といえば眉を歪めるくらいであった。
『おい、娘、聞こえているのだろう、王の血族でありながら王の資格を持たなかったものよ』
身じろぎ、ソレは鬱陶しいとばかりに背を向けたが、水の中で1回転するにとどまる。
『哀れな運命を迎えたものよ、この先がないはずの死者よ』
揺らぐ水の中で静かに消えたい。
そんなささやかな願いも果たされないのかとソレは嘆息した。
『答えよ、意思を持ち、自我を持たぬものよ』
ああ、不愉快だ。
雰囲気が多少変化したことに龍は気付かない。
『汝、六神の使徒となるがいい』
龍は答えを待っている。
もちろん、ソレの返す言葉は決まっていた。
「……ハッ、断る」
嘲笑、諦観、あるいは自虐。
彼女は上位者のオモチャ役に飽いていた。
『そうか、ならばこのまま朽ちるがいい』
願いは空にでも通じたのか。静かに消えるという願望が実現に近づいた。
しかし、ソレは龍の語った許されざる言葉に言葉を発せざるを得なかった。
「災い誘うバケモノめ、神名乗る不遜に然るべき裁きのあらんことを」
神を名乗り不遜を感じさせないのはソレが認めたものだけだった。
なお、ソレが認めた神が聞いているとすれば「自分で裁け面倒臭い」とでも神命を下すだろう。
『……気が変わった、今ここで死ね』
愚かしき蛇の亜種ごときがソレに殺意を伸ばす。
「ところで血族というのならば、力の一つでもくれればいいのだけれど」
どうも死ぬのはよくても痛いのは嫌がるらしい。
ソレはもう一度自らに潜った。
ソレが境界を超える感覚を感じた瞬間、硝子の砕けるような音が深海に響いた。
『欲しいか?』
また声が聞こえた。
襲い来る暴力を弾き返している。
ソレの体を包む力場がもう一度語り掛ける。
『問おう、運命を塗り替える力が、欲しいか?』
しかし、深海は生命を拒むように在るハズだが、案外生態系は豊からしい。
ソレは狼狽えるバケモノを一瞥する。
『何が起きた?その目は、その身に纏う力は、なんだ、なんなのだ!』
返す言葉など決まっていた。
「……寄越しなさい、ソレが私に相応しいというのなら!」
『ハハハ!良いだろう、自我持つ娘よ、星の運命を今砕き、星座の導きに耳を傾けるがいい!』
瞬間、海が、砕けた。