酔いどれサーヴァントを召喚した!?   作:小此木

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まずは胃袋を掴めと教えられました!!

 

 

 

第四次聖杯戦争が終結して早数年。

 

最後まで残ったマスターの名は間桐雁夜。

 

そして、聖杯から流れ出したアンリマユ(この世全ての悪)は、雁夜の召喚した()()の次郎のパンチによって大気圏で消滅した。

 

しかし、聖杯を出現させる為にアイリスフィール・フォン・アインツベルンは死亡。その夫であるセイバー(アーサー王)のマスター衛宮切嗣は、今回敗北してしまった為アインツベルンに娘のイリヤを奪われた。そして、孤児だった赤髪の少年『士郎』を養子に久宇舞弥を妻とし、最後まで娘を思いながら士郎達に看取られながらこの世を去った。

アーチャー(ギルガメッシュ)のマスター遠坂時臣は、娘である桜が間桐臓硯に『調整』させられそうになった事実を知り激怒。間桐家に今後一切の魔術の使用と研究を禁止しその権限を永久凍結した。桜の調整を未然に防いた雁夜とそのサーヴァントである次郎に感謝し、桜が雁夜になついている事からそのまま養子として預けている。

 アサシン(ハサン・サッバーハ)のマスターだった言峰綺礼は(この世界では)ギルガメッシュにそそのかされる事無く、父とそのまま教会で神父をしている。

 ライダー(イスカンダル)のマスターウェイバー・ベルベットはイスカンダルに誓った言葉を胸にランサー(ディルムッド・オディナ)のマスターケイネス・エルメロイ・アーチボルトの元へ戻り魔術を学んでいる。

ケイネスはウェイバーが触媒を盗んだことで激怒していたが、自身が早々に負け弟子であるウェイバーがイスカンダルとギルガメッシュに認められたことを真摯に受け止め、ウェイバーへ3カ月の謹慎とその間身の回りの雑用でそれを許した。だがウェイバー曰く、『今後絶対やらない』と言っていた。余談だが、ディルムッドはアーサー王との一騎打ちで負けその時ソラウへの魔眼は解除された。今では、夫婦円満で稀に時計塔へ愛妻弁当を持ってくると云う…リア充爆発しろ(おぉっと、作者の本音が…

キャスター(ジル・ド・レェ)のマスター雨生龍之介は、(原作同様)切嗣に狙撃され死亡した。

 

 

 

 

 

 

■□■□

 

 

 

 

 

 

「舞弥おば様、下準備終わりました。」

「流石桜ちゃん!最近、美遊にも懐かれてるし…これなら士郎を任せても大丈夫だわ!!」

「そ、そんなおば様!?」

 

此処は衛宮家。衛宮切嗣と地味婚(婚姻届けを出しただけの結婚)した久宇舞弥(ひさうまいや)と切嗣の養子になった士郎、切嗣と舞弥の娘である美遊が三人で住んでいる。今日は士郎の通う穂群原学園の後輩である桜が家に来ていた。

 

「か、家庭料理を習いに来ているだけですって!!」

「その反応、隠したって無駄無駄ァ!!大河ちゃん達を呼んで式は盛大に挙げるわよ!…私は出来なかったからね。」

「おば様…」

 

桜は義父である雁夜にサプライズで家庭料理を食べさせたいと同じ部の先輩だった士郎に相談し、士郎とその義母である舞弥に家庭料理をここ最近学びに来ていた。

 

「でも、今日は先輩遅いですね。」

「う~ん、そうね。新しい部活に入ったって言ってたし、それ関係じゃない?」

「…新しい、部活、ですか。」

 

しかし、今日は士郎の帰りが何時もより遅い。

 

「ま、そのうち帰って来るでしょ!桜ちゃん、晩御飯は家で食べて行きなよ。」

「で、ではお言葉に甘えて。(先輩に何かあったんでしょうか?)」

「じゃ、決まりね!美遊!桜お姉ちゃんが晩御飯一緒に食べるってー!!」

「本当!?やったー!!」

 

桜と舞弥、美遊の三人は楽しい会話をしながら夕飯を食べ、周りが暗くなってきたので桜がそろそろ帰る時間になってしまった。

 

「うぅ、桜お姉ちゃん…」

「こらこら、桜お姉ちゃんを困らせないの。」

「また明日も来るから。ね。」

「――――ぜ、絶対だよ!!」

「もぅ、この子ったら。ごめんね桜ちゃん。それと、帰り道気を付けるのよ。」

「はい。では、失礼します。」

 

 

 

 

 

 

「セイバー避けて!!」

「クッ!!」

 

人気の無い公園で大きな爆発が起きた。

 

「大丈夫か遠坂!セイバー!!」

「衛宮君は来ちゃダメ!ほとんど一般人なんだから、これ以上近づいたら死ぬわよ!!」

「でも!!」

 

桜が待っていた人物、衛宮士郎はそんな公園で二人の少女を心配していた。

 

「でもも、へったくれもないわよ!私達魔術師の問題に巻き込まれただけのアンタが此処で死んだら寝覚めが悪いってだけ!だから早く逃げなさい!!」

 

士郎がつい最近知り合った少女、遠坂凛。世話焼き体質が災いし、彼女の態度が最近おかしいと彼女の友人に相談を受け快く受けたのが運の尽き。彼女が今住んでいるという遠坂家の別荘に行き、玄関の鍵が閉まっていなかった事で泥棒が入ったと勘違い。(ただ単に鍵をし忘れていただけの遠坂家直伝?のうっかりである。)その泥棒を捕まえようと屋敷に侵入し、ある部屋で何かブツブツ言っていた凛を発見。泥棒が潜んでいる可能性があったので、彼女を守る為部屋に突入し…魔法陣の真ん中に立ってしまった。

 そして、召喚されたのがセイバー(アーサー王)だった。士郎は簡単な説明を凛から受け、此処まで知ってしまった以上手伝うと言い出した。テコでも動かない士郎に凛は半ば呆れ、それを受け入れた。危ないときは身を潜め絶対に出てこないとを言い聞かせ、渋々聖杯戦争の相棒兼弟子と云うことに落ち着いた。それで今二人は相手サーヴァントの襲撃に逢っていた。セイバーと対峙しているのは巨漢のバケモノ。大木の様な武器を軽々と振り回し、理性のかけらもない雄叫びをあげセイバーに襲い掛かっている。

 

「え、みや…衛宮!お前は衛宮切嗣を知っているか!!」

「切嗣って、親父を知っているのか!?」

 

そして、そのマスターと思われるのが紫を主とした服に包まれた純白の少女。

 

「お、親父ですって!?お母様とイリヤを捨てたくせに!何もかも奪ったくせに!!」

「ど、どう言う事だよ!?お母様?イリヤ?分かるように説明してくれ!!」

 

彼女は士郎に言う。捨てられたと。何もかもを奪い目の前から忽然と消えたと。母を、楽しかった家族の時間を、大切な思い出を、奪ったと。

 

「そ、そんな事親父はしない!何かの間違いに決まってる!!」

「なら、お母様を殺した事実は?何年経ってもイリヤに会いに来ない理由は?」

「そ、それは、何か事情が!!」

「なら!本人に聞いて「…んだよ…」ん?何?聞こえないわ。」

「…死んだよ。3年前だ。」

「…そう。」

 

意気消沈の二人。そして、

 

「完全に蚊帳の外だわ…」

 

話に付いて行けず、置いてきぼりの凛。

 

「マスター!早く指示を!これ以上戦いを長引かせたらこっちが不利になる!!」

「バーサーカー!逃げられたらまずいわ!此処でそのサーヴァントは仕留めて!!」

「ウォォォォォォォォォォ!!」

「ッ、分かったわ!此処は私と衛宮君を連れて撤t<シュコン!!>い?何今の音!?」

 

荒々しい戦場に乾いた音が響いた。

 

「マ、マスター!か、体が動かない!!」

「ど、どう言う事!?」

「どうしたのバーサーカー?早く殺りなさい!!」

「ウゥゥゥゥゥ。」

 

両者のサーヴァントは何故か動けなくなってしまった。

 

「…何だか凄い事になっていますね。先輩。舞弥おば様と美遊ちゃんが心配していましたよ?」

 

そして、暗闇から姿を現した人物に士郎と凛は驚愕した。

 

「「桜!?」」

 

 

 

■□■□

 

 

 

先輩の事だからまた誰かの相談やお願いを聞いているのでしょうけど、ちょっと心配です。一応何をやっているか見て帰りましょう。

 

「えっと、先輩にあげたストラップに特殊な臭いを付けてて良かったです。臭いは…こっち?公園がある方角?夜、公園………夜のデート!?」

 

ど、何処の誰ですか!?()()先輩は絶対渡しませんよ!!

 

「ハッ!まさか、相談やお願いを口実に呼び出され…襲われているのかも!!直ぐ貴方の桜が駆けつけます!先輩(の貞操)無事でいて下さい!!」

 

見ツケマシタ!()()先輩ヲ(たぶら)カス売女ハドコデスカ!!

 

「あれ?何で姉さんが?それに綺麗な騎士さんと、野獣?が戦っている?ん?どういう状況ですかこれ?」

 

う~ん、考えても分からないですし、聞いてみましょう。まずは、ノッキングして大人しくしてもらいますね。

 

「ノッキングライフル、ノーマルタイプです。」

 

ノッキング箇所は、そこと、そこ!!

 

<シュコン!!>

 

ふぅ、女騎士さんはいいとして、あの野獣下位のデビル大蛇並みの難しさでした。でも、次郎お爺様の言いつけ通り、二体以上ノッキングする場合の条件。ほぼ同時のノッキングは成功ですね。

 

「では、事情を聞きに行きましょう。流石にこの状況はデートじゃないですよね。良かった。」

 

姉さんでも先輩は譲りません!数年かけて(ようや)く胃袋を掴める距離になったんですから!!

 

「…何だか凄い事になっていますね。先輩。舞弥おば様と美遊ちゃんが心配していましたよ?」

 

あ、そう言えば義父さんに遅くなる旨を連絡し忘れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さ、桜ちゃんが居ない!?こ、これが反抗期!?JC、JK特有の感情か!?俺は喜べばいいのか、悲しめばいいのか…」

 

今日初めて一人で夕食を食べた雁夜は、そんな頓珍漢なことを考えていた。

 

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