デュエ魔法少女マジカル☆ベル   作:モノクロらいおん

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 筆が乗ってきた。


50話「再活です Ⅲ」

 朧とアヤハの対戦は、まだ立ち上がりの段階。

 アヤハは既に《海郷翔天マイギア》を展開。ムートピア主軸のデッキというのはいつも通りだが、水文明の単色ではなく、火文明が混じっていた。

 一方で朧はまだ動いていない。じっくりとマナの色を増やしている。

 多色マナを連続で置いた、3ターン目。

 

「そろそろ、少し動いておこうかな。《天災(ディザスター) デドダム》を召喚。山札から3枚を捲り、それぞれ手札、墓地、マナへと振り分ける。ターンエンドだよ」

「…………」

「お姉さん? あなたのターンだ」

 

 黒藻に埋もれた生気のない貌が、虚ろに反応を示す。

 

「ゥ……ワタシ、の、ターン……?」

「……そうだよ」

 

 なんとか発音はできているが、喋るのも覚束ない様子。

 やはりほとんど壊れている。リサイクルなどとのたまっていたが、これは修理や治療、延命などではなく、遺骸を弄くり回して無理やり動かしているに過ぎない。

 とても、醜悪だ。今の彼女も、姉をこんな醜い姿のまま生かしている、あの少女も。

 

「ワタシ……ターン……ドロー……」

 

 

 

バチバチッ

 

 

 

「? 今、なにか……」

 

 小さな火花が散ったような、火種が弾けるような、そんな破裂音が耳に届いた気がした。

 

「……《海郷翔天 マイギア》の、能力で、1マナ……《一番隊 ザエッサ》……もう1マナ、《ザエッサ》……1マナ――」

 

 いつものように、順当に《ザエッサ》を並べていくアヤハ。

 そして、

 

 

 

バチバチバチッ!

 

 

 

「! 今、引いたカードが……っ」

 

 聞き間違いではなかった。

 さっき引いたカードが、熱く、激しく、艶やかに、鮮やかに、炸裂している。

 彼女は残った赤いマナをひとつ、捻り出すと、爆弾の如きそれを、放り投げる。

 

 

 

「――ビビッドロー!」

 

 

 

 カードが爆ぜた。

 そして、硝煙の中から、クリーチャーが這い出てくる。

 

「《絶対悪役 ヴィランヒ()ル》!」

「っ、ドローターンのみのコスト変動か……!」

「登場時、バトル……《デドダム》、破壊!」

 

 《ヴィランヒヰル》は《デドダム》に組み付くと、そのまま組み伏せ、手足を逆向きにへし折った。

 

(今まで使ってこなかった文明、能力、カード……これは本格的に中身を弄られてるな。ムートピア軸である以上、切り札はきっと“アレ”だろうが……)

 

 

 

ターン3

 

 

場:なし

盾:5

マナ:4

手札:4

墓地:2

山札:25

 

アヤハ

場:《ザエッサ》×2《マイギア》《ヴィランヒヰル》

盾:5

マナ:2

手札:4

墓地:0

山札:28

 

 

 

 

「オレのターン」

 

 相手の場には、既にムートピアが4体。手札は4枚、《ザエッサ》2体に《マイギア》と、コスト軽減のクリーチャーも揃っている。

 

(《Iam》が出るなら、そろそろだ。隙は大きいが一撃で全部持って行かれかねない、注意しないと)

 

 相手はあと一手でエースまで漕ぎ着けると判断する朧。

 妙な改造を施されてしまったが、あれが自分のよく知る姉である以上、次に打つ手は読める。

 手札は揃っている。相手に仕掛けられる前に、こちらが仕掛ける。

 

「こういうの、ガラじゃないんだけど、そうも言ってられない。生き残った弟として、あなたを討つ」

 

 そして、せめてその身と、魂を、解き放つ。

 

「2マナで《月光電人オボロカゲロウ》を召喚! オレのマナゾーンには5つの文明が揃ってるから、5枚ドローして、5枚手札を入れ替える!」

 

 たった2マナで5枚のカードを一気に入れ替える朧。

 手札の総数はまったく増えていないが、ここで重要なのは、“カードを引いた”という事実のみ。

 

「行くぞ、お姉さん。オレがこのターンにドローしたカードは6枚、よってコストを6軽減し、1マナで《絶海の虎将 ティガウォック》を召喚!」

 

 そのターンに引いたカードの枚数だけ召喚コストが軽減される《ティガウォック》。

 姉の切り札、《Iam》のようなわかりやすい爆発力や突破力はないが、それは朧らしく、柔軟で応用が利く。

 1体の《ティガウォック》を呼び水に、さらなる手札を引き込んでいく。

 

「《ティガウォック》の登場時、オレはカードを3枚ドローする。続けて2体目の《ティガウォック》を召喚! ターンエンド!」

 

 5文明をすべて備えた基盤に、《ティガウォック》を起点にした盤面展開。

 純粋な手数の多さでは敵わないが、代わりに朧は、多様な色を取り込んだ応用力と質の高さがあった。

 

(お姉さんの切り札――《Iam》は強力だけど、ブロッカーを立てるだけで破壊力は抑えられる。《ティガウォック》で抑えながら時間を稼いで、反撃に転じられる時を待つ……!)

 

 手札は十分。質も悪くない。《Iam》による単騎突撃にせよ、小型ムートピアを展開するにせよ、しばらく持ちこたえられるはずだ。

 そう。朧の想定通りに、進むのなら。

 

「……ビビッドロー」

「! またか……!」

「《ヴィランヒヰル》……《オボロカゲロウ》とバトル!」

 

 今度は《オボロカゲロウ》が、地面に叩き付けられ全壊する。

 しかし《ティガウォック》の呼び水となった時点で《オボロカゲロウ》の仕事は終わっている。小型クリーチャーの1体や2体を破壊されたところで、まだ大勢に影響はない。

 

「さらに、ドロー……《空中南極 ペングィーナ》を、召喚!」

「ここで《ペングィーナ》……!? 嫌な予感がしたきたな……!」

 

 《空中南極 ペングィーナ》は、自分の他のムートピアの数だけドローできるクリーチャー。

 アヤハの場には《マイギア》に、《ザエッサ》と《ヴィランヒヰル》が2体ずつ。5体のムートピア。

 たった1体のクリーチャーから、彼女は一気に5枚もドローしてしまった。朧のような、見かけだけのドローではない。実のある潤沢な手札を、彼女は貪り尽くす。

 そして、

 

 

 

バチバチバチッ!

 

 

 

 爆ぜるような音が、響き渡る。

 それは呵責のない爆熱。炸裂し続ける焦熱。堕落するほどの情熱。

 暗く黒い深海の底で冷め切った熱愛に支配された彼女は、我を失い暴徒と化す。

 

 

 

「ビビッドロー――《傾国美女 ファムファタァル》!」

 

 

 

 そして、国をひとつ傾けるほどに、彼女の狂気は滾っていた。

 

「《ファムファタァル》の登場時、自分のクリーチャー……すべて……パワー+6000、パワード・ブレイカー、スピードアタッカー……ッ!」

「っ……!? フィニッシャー……《Iam》じゃないだって!?」

 

 彼女は、《Iam(ワタシ)》を捨てた。それは、つまり。

 

「お姉さん、あなたの自我は、もう――」

 

 

 

 ――どこにも、ないのか?

 

 

 

 死者を再び動かしたのではなく。

 骸になったものを、ただ都合よく利用しているだけ。

 本人の意志は、縛るどころか。

 最初から、立ち消えていた。

 

「《ヴィランヒヰル》でTブレイク……ッ!」

「くっ、まずいか……!」

 

 絶望に打ちひしがれてる場合ではない。悲壮に浸っている状況ではない。

 姉の姿をした虚ろな骸を相手に、自分は正に、殺されてもおかしくないような事態なのだ。

 

(ここはブロックするべきなのか? Tブレイカー2体を防いだところで、Wブレイカーが5体も控えてる。打点をひとつ分ずらして、どれだけ効果がある……? クリーチャーを失ったら、オレには反撃手段もなくなるぞ……!)

 

 ハッキリ言って自分は強くない。このデッキも半ば持て余している。だから最善手なんて、すぐにはわからない。

 それでも必死に頭を回す。脳が焼き千切れるほどに、一瞬のうちに試行を巡らせる。彼女の凶手が届く前に、答えを出す。

 

「ブロックしても、焼け石に水……! なら血肉を捧げてでもあなたを倒してみせるさ。ブロックはしない、受けるよ!」

 

 《ティガウォック》を失えば反撃の手はない。相手の手数も打点も多すぎる。

 天運に委ねる。そんな神頼みが、最も合理的な一手だった。

 神なんて、邪神しか知らないというのに。

 

「ぐぅ……!」

「《ザエッサ》で……W、ブレイクッ!」

「ぐ、がはっ! 痛いな。後方支援員のオレには、キツすぎるな……!」

 

 一瞬で朧のシールドは消し飛んだ。

 大型単騎なら耐え切れた。小型展開なら打ち払えた。

 しかし、すべてが強大な力を持つ異形(クリーチャー)に変貌して襲いかかってきては、弱小な少年ではとてもじゃないが手に余る。

 

「だけど、この痛みの対価くらいは、貰えたかな」

 

 ある程度の打算はあった。なにがあるだろうと、予想は立てていた。

 しかしながら、これも皮肉か。叛逆を選んだこの手で、支配の具現を唱えるというのは。

 

「まあでも、使えるものはなんでも使うよ。こっちもなりふり構ってられないんでね! S・トリガー《支配のオラクルジュエル》!」

「ッ……!」

 

 その瞬間、アヤハのクリーチャーに、重圧が掛かる。

 

「アンタップ状態の《一番隊 ザエッサ》を破壊! 残りのクリーチャーはすべてタップだ! ここで攻撃は打ち止めだよ、お姉さん」

 

 

 

ターン4

 

 

場:《ティガウォック》×2

盾:0

マナ:5

手札:11

墓地:4

山札:18

 

アヤハ

場:《ヴィランヒヰル》×2《マイギア》《ザエッサ》《ペングィーナ》《ファムファタァル》

盾:5

マナ:4

手札:4

墓地:1

山札:20

 

 

 

「間一髪……ってところか」

 

 しかし次はない。いくら手札があってもマナがない。朧にあの数のクリーチャーを捌ききれるはずがなく、仮に殲滅できたとしてもスピードアタッカーで首を狩られる可能性も高い。

 つまり今ここで考えるべきは、守りではない。もう粘って隙を窺う、などという段階はとっくに消滅している。

 今上げるべきは、反撃の狼煙だ。

 

「呪文《超次元ガロウズ・ホール》! 《海郷翔天 マイギア》を手札に戻し、超次元ゾーンから《勝利のガイアール・カイザー》をバトルゾーンへ!」

 

 朧の場には《ティガウォック》が2体。そこに《勝利のガイアール・カイザー》を加えて合計5打点。

 もう一押し。あと一手。

 届かない残りの一歩は、《ティガウォック》が引き込んでくれた。

 

「《勝利のガイアール・カイザー》で攻撃する時、侵略発動! 《革命類侵略目 パラスキング》!」

 

 溜め込んだ手札を即座に破壊力に変換。

 数はギリギリだが、際どくとも致死圏内(キリングレンジ)

 ここで決めなければ後がない。後がなければ退くに退けない。相手の出方を見誤ったツケだ、愚直でも付け焼き刃でも、ただ攻める。

 

「行け……! 《パラスキング》でTブレイク!」

 

 《勝利のガイアール・カイザー》の身体を乗っ取り、巨獣の豪腕が3枚の盾を纏めて叩き潰す。

 

「続け! 《ティガウォック》でWブレイク!」

 

 追撃に2枚。これで相手も、シールドはゼロ。

 

(あと、一撃……!)

 

 それで終わる。

 果ててなお、突き動かされる憐れな姉を、支配の軛(くびき)から解き放つことができる。

 寿命で終わるわけでもなく。最期を看取ることもできず。この手で生ける死体の如き姉に引導を渡すなど、およそ残酷な話だが。

 最悪に最悪を、劣悪に劣悪を重ねて、醜悪極まったどん底なのだ。

 そんな地獄の中で、ほんの僅かでも、救いがあれば。

 朧は、そう願う。

 

「最後に《ティガウォック》で――」

「……ぼ……ろ……」

「! お姉さん……?」

 

 微かに姉の声が聞こえる。呻きでも唸りでも嘆きでもない、彼女自身の声。

 

「お……ろ……ハ……はや、ヤ……はや、く……」

「お姉さん……」

 

 この土壇場で、自我が戻ったというのだろうか。まだ彼女は完全には壊れていない。完全には死んでいない。

 ――救いはあった。希望は見えた。取るに足らない微弱な光明だが、それでも、朧にとってはかけがえのないものだった。

 

「……お姉さん。待っていてくれ。今すぐ、あなたを悪逆なる女王の支配から解放するよ」

 

 最後に残った《ティガウォック》。これで、とどめ。

 解放と、決別と、清算と、家族愛(自己愛)

 

「あ……あ、ァ、アァ……はやく、は、やく――」

 

 ヤングオイスターズとしての、離別を込めて――

 

 

 

「――はやく、死ね」

 

「え――?」

 

 

 

 ――その離別は、望まぬ形にねじ曲げられる。

 

 

 

「S・トリガー――《選伐!美孔麗MAX》!」

 

 

 

 刹那。

 《ティガウォック》が、爆散した。

 

「っ……そ、んな……!?」

 

 最後の一手は届かない。

 見出した希望は、刹那のうちに絶望に反転し、失墜する。

 

「くっふっふー、物語は起承転結。特に“転”が大事、なのですよ?」

 

 舞台の外、天幕の特等席から、青い少女が嘲り嗤う。

 

「どん底から転じて這い上がる。絶望の渦中に希望を見出し。追放されたら才能開花! 状況転換こそ舞台の醍醐味! なーのーでーすーがー」

 

 ざわめく黒い観客たち。その喝采の中、少女は続ける。

 とても、楽しそうに。邪気のたっぷり籠もった、爛漫で愉悦に満ちた貌で。

 

「今の流行りはズバリ“鬱展開”! 闇の性癖こそニーズ! 無惨に、残酷に、退廃に! 零落させて堕落させて、不幸という奈落に突き堕としちゃう! そうして見られる貌が、最高のエンタメなのですよ」

「…………」

「ほらその眼! その貌なのです! 観客の皆さんも大盛り上がり! 光を喪った瞳の需要は計り知れないのですよ!」

 

 少女は満面の笑みを浮かべている。

 しかしすぐに、彼女は軽蔑するような冷たい眼に変わる。

 

「っていうかぁー、まさかメルちゃんの改造が、思いの力とかそんなふわっふわしたものでどうにかなると思ったのです? そう思うなら、その脳ミソは役に立たない機械なのです。あんまりあたしを舐めんじゃねーですよ」

 

 それは、その通りだ。

 相手は女王の権能を強く受け集いだ眷属。女王から離反し、女王の恩恵を自ら断った不思議の国との力の差は歴然。

 そんなことは、わかっていたはずなのに。

 甘い考えだと、わかるはずだったのに。

 それでも目の前の希望に縋らずには、いられなかった。

 

「ま、でも安心するのです。その人、あなた方がどう足掻こうと、もうどうにもならないほどに“壊した”ので! 無駄な努力とか、悪足掻きとか、そーゆー非効率的なこと、本当に意味ないのでしなくていいのですよ?」

 

 冷淡になったかと思えば、彼女はまた笑った。コロコロと表情が変わる。なんと喜怒が激しいことだろうか。

 水のような冷血も、炎のような情熱も、歪みに歪んでまぜこぜに。

 それはやはり、女王の落し子らしく、狂気であった。

 

「いやー、いい劇なのでした。“試作品”はもうちょっと強めに壊してもいいかなって感じなのですが、見世物としては悪くなかったですよ、あなた」

「さっきから黙って聞いてれば! 人のお姉ちゃんをなんだと……!」

「あ、そういえば妹さんもいたのですね。雑魚すぎて見逃してたのです。これは失敬」

「こいつ……!」

「まあまあ。どうどう、狭霧ちゃん」

「でも、お兄ちゃん!」

 

 朧は、落ち着き払っていた。

 先ほどまでの必死さも、決意も消え失せて、悟ったように平静でいつもの調子。

 しかしそれは、絶望からじゃない。

 

「……ひとつだけ、聞かせてくれないか?」

「なのです?」

「君たちは今まで、どれだけオレたち仲間を屠った?」

「えぇー、屠るなんてとんでもない! ちゃーんと回収して保管しているのですよ。それがお姫さまの望みなのですし」

「……やっぱりか」

「で、なんでしたか。えーっと、どれだけと聞かれるとデータベースを参照しないといけないのですけど、まあほとんど回収は終わっているのです。後はあなた方の長男さんと、鼠の彼と、帽子屋さんと……あ、マジカルベルと愉快な面々もきっちり収めないとですね。扱いが面倒で後回しにしてたのですが、そろそろ頃合いなのです!」

「ふぅん……」

「……なんなのです? その知ったか顔。ちょっとムカつくのですよ」

「別に。無様に敗れた端役の戯言だよ。どうせオレたちのやってることは無意味なんだろう? 舞台監督様なら聞き流しておくれよ」

「はぁー、生意気なのです。サクッと殺してやりたい気分になったのですが、メルちゃんは賢いので主命は違えないのですよ。死なない程度に、とっとと潰すのです」

 

 それは明瞭で、明確な、指示だった。

 

「ぅ、u,og,オ、ォォ、あ、gァ、ァァァ――《ファムファタァル》!」

 

 姉だったものは、この世のものとは思えない咆哮を上げ、朧に牙を剥く。

 その最中、朧は、顔だけ妹へと振り返った。

 

「狭霧ちゃん。3つだけ、お願いを聞いてくれ」

「お兄ちゃん……?」

 

 迫り来る暴威を避けようともせず――逃げられるはずもなく――朧はひとつひとつ、妹に托していく。

 

「1つ。生きろ」

 

 それが姉の願いだった。自分達もそれを信じて生きてきた。泥水啜りながら必死になって、それでも楽しかった頃の目的は、そうだった。

 その裏側にある温もり共々、かつての営みを、忘れないで欲しい。

 

「2つ。諦めるな」

 

 それは残酷で、冷酷な嘆願だった。妹に重責を背負わせるなど、兄失格だ。

 しかしそれでもどうかと希う。諦めないで、最後まで戦って欲しいと望む。自分に、霜に、眠りネズミ。短い間のささやかな足掻きでしかないが、自分や彼らの紡いだものを、本当の意味で無意味にしないためにも」

 

「3つ。水早君に伝えてくれ。「早く香取さんと仲直りしろ」ってね」

「え? な、なにそれ……」

「いいから。やはりマジカルベル、彼女の手がなければどうにもならなさそうでね。後輩の女の子に縋るなんて業腹だが、手段は選んでられない。オレたちが彼女と繋がる点はそこだけだ。頼んだよ」

 

 伝えるべき事は伝えた。託せるものは託した。

 と思ったところで、ふと、朧は思い出したように付け加えた。

 

「そうだそうだ。おまけでもう一つだけ」

 

 くるりと、朧は身体を翻して、狭霧と向き合った。

 

 すぐ後ろには、姉だった何かの凶手が迫る。

 それでも“兄”は、笑っていた。

 

 

 

「ごめんね。最後まで一緒にいてあげられなくて」

 

 

 

 

 

 ――こうして【不思議の国の住人】が、また一人消えたのだった。




 わりと今回は好きなデッキ。手数や対応札の選択肢が広いデッキって好きなんですけど、ミラクルとか使う5Cコンはパワーの塊すぎてちょっとソリが合わないんですが、オボロティガのコンボ性は好み。まあ5色使う時点でデッキパワーは高いんですけどね。実際の好みはコントロール型のオボロティガじゃなくて、オボロセカンドinティガウォックみたいなビートダウン寄りですし。
 それと青赤ムートピア、アリだと思います。ザエッサでコスト軽減しつつ、ペングィーナで一気に引いて、展開した小型をファムファタァルで纏めてフィニッシャーに変換。わりと楽しく遊べると思う。でも気付くわけですよ。「これ基盤がメタリカサザンとあんま変わらなくね?」と。メタカードの質が高くほぼ白単で完結するメタリカの方が強くて使いやすいまである。ムートピアで強いメタカードなんてカマスくらいだし。ドローと小型展開は、わりと水文明の十八番みたいなところあったのに、なんかもう自信なくしちゃいますね。やはりムートピアは新章の敗北者じゃけぇ。
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