デュエ魔法少女マジカル☆ベル   作:モノクロらいおん

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 二日目AM、つまり午前の回の始まり。午前と言いつつほぼ深夜零時ですけど、嘘はついてません。
 今回は小鈴がまったく出て来ないとかいう特殊な回ですが、まあたまにはそういうこともありますよね。


25話「林間学校だよ ~2日目・AM~」

 こんにちは……じゃ、ないですね。こ、こんばんは……亀船代海こと『代用ウミガメ』です……

 今は消灯時間で、皆さん、寝ています。

 アタシですか? アタシは、その……なんだか、寝付けなくて……

 小鈴さんが友達になってくれてから、まだ日は浅いです。夏休み中でしたし、実際にお会いする機会は少なくて、今まではなあなあでなんとかなりました。

 でも今、こうして、寝食を共にして、数多に、濃密に、深く触れ合ってしまった。

 だからこそ、今まで誤魔化していた“彼らと彼女らの狭間”を強く意識しているのだと思います。

 

「少し……落ち着きたい、です……」

 

 ほんの少しでいいから、考えたい。

 頭を整理するなんて言えるほど、整然としたことはしないけど。

 ただこの、胸の奥から湧き上がる、ざわざわとした感覚をどうにかしたかった。

 消灯時間に部屋を出るのは、本当ならいけないことなんですが……

 

「ちょっとだけ……し、失礼、します……」

 

 誰に言うでもなく、音を立てないよう静かに開錠、扉を開ける。

 見回りの先生とか、いないといいんですけど……もし見つかってしまったら、素直に謝りましょう……

 暗い廊下を覗き込む。誰かがいる様子も、誰かが歩いている気配もない。今なら大丈夫、でしょうか……?

 皆さんを起こさないように注意して扉を閉め、真夏の闇夜に駆り出します

 

 

 

「…………」

 

 

 

                     ☆ ☆ ☆

 

 

 

 合宿所って、意外と抜け道があるものなんですね……

 流石に玄関の扉は閉じられていましたが、窓から簡単に外に出られました。

 外に出る必要性は特にありませんけど、少し、夜風を浴びたかったんです。

 合宿所の外。ちょっとした庭のようになっている敷地。

 そこに申し訳程度に置かれている、雨風に晒され朽ちかけたベンチがありました。月の光に淡く照らされ、神秘的なような、不気味なような、なんとも言えない様相を呈していましたが、とりあえずそれに腰を下ろします。

 

「ふぅ……」

 

 涼しい風が、じんわりと身体に染み渡る。

 冷ませば、混沌とした、ぐちゃぐちゃなものでも、少しずつ形を整えていく感覚がある。なぜでしょうね、不思議です。

 思い返せば、この短い間に、色々ありましたね。

 誰にも気づかれず、ひっそりと紛れて、ずっと隠遁の生活を送っていたアタシたち。けれどある日、帽子屋さんが聖獣なる存在を見つけてから、アタシたちの歯車の動きは変わっていったのだと思います。

 

 バタつきパンチョウさんたちに、聖獣の存在がどういうものかを調べてもらって、それがアタシたちの“目的”を果たすために使えそうな存在だったとわかって、帽子屋さんは動き出した。

 最初は、実子さんを利用して、小鈴さんに接触した。あれは帽子屋さんが一人で動いてたから、アタシは直接は関わらなかったけど、本当に申し訳ないことをしたと思います……小鈴さんは、気にしてないって言ってましたけど。

 実子さんとのやり取りを通じて、やっぱりアタシたちが自ら出向くしかなさそうだって、皆さんの間で決まって……それで、先兵としてアタシたちは遣わされた。

 聖獣の存在は、帽子屋さんの、アタシたちの目的のためには欠かせないもの……って、帽子屋さんは言ってましたけど、アタシはその聖獣さんがどういう存在なのか、よくわかりません。ネズミくんは「せーじゅー? いやいや、せーちょーじゃねーか」って冷めた目をしてたけど。

 その聖獣を巡って、小鈴さんたちと出会って……最初はなんでもない、ただの遣いとしての接触でしたけど、学校で出会ってしまって……あれは本当に驚きました。

 同じ学校に通っているのは知ってましたが、干渉しないように、意識しないようにしてましたし……学校でのアタシは、亀船代海。『代用ウミガメ』ではないもの。

 そういうものとして振る舞い、そういうものであろうとしました。けど、小鈴さんと出会って、小鈴さんとお友達になって、その殻はぐちゃぐちゃに混ざり合ってしまった。

 小鈴さんは、亀船代海としての、本当じゃないアタシを見てくれる。だけど、本当のアタシでも、区別はない。

 変な感じだった。帽子屋さんたちも、そしてアタシ自身も、そのルールは厳格なものだったから。

 規定はされないけど、そうあるものだったから。

 混沌としている。混ぜっ返されている。

 アタシの拠所は、アタシの本心は、どこにあるのか。

 だんだん、わからなくなってくる。

 けれど、だからといって、

 

「なかったことには……したく、ありません……」

 

 小鈴さんが歩み寄ってくれたこと。友達になろうって、言ってくれたこと。

 全部、全部、嬉しかったんです。その気持ちに偽りはありません。

 だけど帽子屋さんへの恩義も……そして、そこでの思い出も、忘れられるわけがない。

 どっちが長いとか、そういうことじゃないって思います。

 なにが正解とか、合理的だとか、そんな定規では測れないものが、そこにはある。

 ならアタシは、どうやってこの気持ちに整理を付けたらいいのでしょう。

 

「……頭を冷やすつもり、だったのに……これでは、逆行してます……」

 

 アタシは、小鈴さんたちと一緒にいてもいいのか。いるべきなのか。

 それとも、帽子屋さんと一緒に、帽子屋さんたちだけに導かれるべきなのか。

 

「アタシは……なにを信じれば……いいのでしょうか――」

 

 誰に言うでもなく、虚空に向けて放った言葉。

 

 

 

「――なにを信じても……間違いじゃ、ない……」

 

 

 

 それは、意外な人に、受け取られました。

 

「ひゃぅ……っ!」

 

 突然、声がしました。

 小さく、静かで、か細い、それでいてはっきりとした言の葉。

 振り向くとそこには、月光を浴びて儚く佇む、華奢な矮躯の少女の姿。

 

「こ、恋さん……!? どど、ど、どうして、ここに……?」

「出て行くのが……見えた……から」

「み、見てたん、ですか……!? そ、その、これは……」

「あと……話したいこと……あったし……できれば、二人きり、で……」

「え……?」

 

 アタシと、話したいこと?

 な、なんでしょう……皆目見当がつかないのですが……

 恋さんはアタシの返事なんて待たずに、マイペースにトコトコ歩いて、アタシの隣に座る。

 

「あ……そ、その、恋さん……さっきは、ありがとう、ございました……」

「……?」

「えっと、その……で、デッキ……」

「あぁ……別に……私が、したいようにした、だけだし……」

「は、はい……えと、それで、お話って……?」

「ん……」

 

 恋さんは感動のない瞳で虚空を見つめている。少し、考えてる……?

 奇妙な静寂の間が続いて、やがて恋さんは、小さな口を開いた。

 

「……悩んでる……?」

「え?」

 

 単刀直入に、まっすぐ、恋さんは切り込んでくる。

 正々堂々と、真正面から、アタシを見つめてくる。

 それは暗い闇を打ち払う光のように眩しくて。

 だけど無遠慮とも言えるほどの豪胆さで。

 アタシの中に、入ってきました。

 

「悩んでるかな……って、思った……」

「そ、それは、その……な、なんで、そう思った……の、ですか……?」

「……しろみは……ちょっと、私に似てた……から」

「に、似てる?」

 

 アタシが、恋さんに?

 無表情で無感動で、なのに傲岸不遜で大胆不敵で、冷淡で、毒舌で……だけど優しい、恋さん。

 それとアタシが似てるなんて、そんなこと、あるはずがない。

 

「性格は、さておき……そういう……境遇……?」

「き、境遇、ですか」

「……ちょっと、昔話……する」

 

 唐突に、恋さんはそう切り出しました。

 話の流れがいまいち読めないのですが……恋さんは、アタシになにを伝えたいのでしょう……?

 

「今……私には……大切な人が、いる」

「大切……小鈴さん、ですか?」

「間違ってない……こすずもだけど、違う……あれは、そう……私を……“救ってくれた人”」

 

 救ってくれた……

 救済。絶望の淵にあり、希望を見出せなくなったものに届ける、希望の光。救世主。

 たとえばそれは、鈴の少女だったかもしれない。

 あるいはそれは、帽子を被った彼かもしれない。

 そんな人が、恋さんにもいたんですね。

 

「……でも、私を救おうとしてくれた人は……そして、少しでも私の救いになった人は……二人、いるの」

「二人……? あ、ひょっとして、話に聞いた、こ。恋さんの、お兄さん、ですか……?」

「……つきにぃ、じゃ、ない、けど……でも、つきにぃも、救い……? わかんないけど……違う、人」

「はぁ……」

「ここじゃない別の世界、別の物語……もう語ることはないけど……冷たくて、厳しかったし、あの人はなにもしてくれなかった、けど……私を受け入れてくれた、ことは、事実。あれは確かに、救いだった、かも」

 

 よくわからない。パンチョウさんみたいなことを言う恋さん。

 彼女は、さらに続ける。

 

「でも、私は、その人を……裏切った」

「え……うら、ぎり……? こ、恋さんが、ですか?」

「うん……裏切り。寝返って、反目して……敵対して、対立して……戦って……そして、失った」

 

 淡々と語る恋さん。いつもと同じトーン、同じ口振り、同じ口調なのに、さっきまでの恋さんとは全然違く見える。

 どこか物憂げで、悲しげなのに、誇らしげで、気高いような、相反する姿を見せている。

 

「私は、それを区切りにできた……踏ん切りがついたし、清算もできた……でも、しろみは、そうじゃない……つらいと、思う……板挟み、だし……」

「えっと……」

「こすずは、最大級のお人好し……私も、邪険にはできない……こすずを、切り捨てることは、無理……あなたも、そうだと思う……」

「…………」

 

 ハッキリと、容赦なく、まっすぐに。

 なのに、とても優しく。

 恋さんは、アタシに言葉を投げかけてくれる。

 

「でも、だからって……“もう一つの居場所”を……“最初の場所”を……どちらかを選ぶ、なんて……残酷なこと……」

 

 答えは示さず、ただ語るだけ。

 無表情で、無感動で、冷淡なのは、この人の殻でしかない。

 その本質には、慈悲と慈愛があって、その心が、アタシの深層に少しずつ、入り込んでくる。

 その姿は、慈愛に満ちた語り手だったのです。

 

「どっちが正解じゃない……どっちかを選ぶんじゃない……どっちも、あなたを形作るもの……どっちも、信じてもいい……あなたが……しろみが、信じるなら……それでいい……」

「アタシが……信じるなら……」

「大丈夫……なにを、選んでも……こすずは……あなたが大切だと、思う人なら……応えて、くれるはず、だから……」

 

 ……アタシは、信じていなかった?

 帽子屋さんも、小鈴さんも。

 そんなことはない、と言いたいですけど。

 事実、アタシの心は揺れていた。

 どちらに着くべきかを。どちらが正しいのかを。どちらが最善なのかを。どちらを信じるべきかを。

 判断、しかねていた。

 進むか退くか、立ち止まり続けるか。

 小鈴さんたちと、一緒にいてもいいのか。

 ほんの少しでも、アタシの心が、帽子屋さんたちの共同体から離れてもいいのか。

 絶対に忘れられない、アタシの中に巣食う負の坩堝があろうとも。

 アタシは、この一歩を踏み出しても、いいんですね……

 なぜでしょう。しっちゃかめっちゃかになっていた胸の内が、気持ち悪いくらいにもやもやした混沌が、スゥッと消えて、楽になった気がします。

 とても、不思議な感覚です。

 恋さんの言葉があっただけなのに……いや、その言葉が、あったからこそ……?

 このどこか清々しい気持ちは、恋さんのお陰、なのでしょうか?

 ……人間って、やっぱり不思議ですね。

 であれば、アタシも、ちゃんと言わなければなりません。

 少しでも小鈴さんたちに歩み寄るなら、せめて、代用品でも、仮初でも、偽りでも。

 人として振舞うことが、アタシなりの礼儀です。

 

「……あ……ありがとう、ございます……恋さん……」

「ん……」

「その……こ、恋さんも……アタシがどんな選択をしても……応えて、くれますか……」

「……ん」

 

 恋さんは、短く声を発する。

 よく恋さんは、こうやって言葉を返していたけれど……その真意が、今なら少しだけわかる気がします。

 慈悲があって、感謝があって、歓喜がある。

 こういう人間は、素敵ですね。

 こういう人間も、いるんですね。

 なぜだかそれが嬉しくて、それだけで満たされそうです。

 この気持ちだけは、どうしたって代わりを用意できなさそうな気がします。かけがえのない気持ち、です。

 ですが、ちょっとだけ疑問が浮かびました。

 

「あの、恋さん……なんで、アタシにその、お話を……? わざわざ、アタシなんかの、ために……」

「……難しい……」

「えっ。む、難しい、ですか?」

「なんか、そうしなくちゃいけないと、思ったから……そうすべきだと、感じたから……心と、衝動を、理屈で、理由を、言葉にするのは……難しい……」

 

 衝動的なことだったんですか……落ち着いているようで、感情的なんですね、恋さん。

 

「いや……理由は、わかる……私も、しろみと同じ、だったから……昔の話、だけど。もう終わった話、だけど……でも、だからって、シンパシーだけで行動に移す理由は……うぅん……」

 

 首を捻る恋さん。

 シンパシー……恋さんも、アタシみたいな悩みを抱えていたことがあったのでしょうか。

 だから、アタシを心配してくれた?

 しばらく考え込んでいた恋さんは、ふとその言葉を漏らす。

 

「……正義」

「え?」

「無理やり、言葉にするなら……“あの人”なりに、言葉にするなら……私の“正義”が、そう告げた、から……かな……」

「せ、正義、ですか……?」

 

 ちょっと意外な言葉です。

 恋さんの正義。

 それは一体、なんなのでしょう……?

 

「……そろそろ……戻る……」

「そ、そうですね。体も、ちょっと、冷えてきちゃいました……し――」

 

 最初は刹那の悪寒。

 次は視覚的な陰り。

 その二つの異変を経て、ギリギリ気づくことができた。

 

 ――巨大な黒影が、アタシたちへと迫ってくることに。

 

 

 

                     ☆ ☆ ☆

 

 

 

「こ……恋さんっ!」

「っ……!」

 

 慌ててその場から飛び退く。すると、さっきまでアタシたちが座っていたベンチは、木くずに成り果ててしまいました。

 無我夢中でその脅威から逃れようとしてたアタシたちが、正気を取り戻して初めて、その存在を知覚できた。

 

「でか……」

 

 月夜に浮かぶ巨大な影。本当、すごく大きいです……

 話に夢中になりすぎていたのか。なぜ見落としていたのか、自分でもわからないくらい、“それ”は巨体でしたが、同時に、こうして相対してもなお、存在感が薄らいでいくような感覚がありました。

 理由はどうあれ、原因はなんであれ、アタシたちは“それ”の接近を許してしまったのです。

 そう――クリーチャーの、接敵を。

 

「なにこの虫……キモイ……」

「あ、《阿修羅ムカデ》、というクリーチャー……だと、思います、けど……」

 

 毒々しい外殻に覆われた体。生理的嫌悪感を醸し出しながら蠢く、針金のような無数の手足。

 ……どう考えてもそれは、地球上に存在する生命体ではありません。それに、こんな姿のカードを、見たことがあります。

 

「これが、異星から流れてきたという、く、クリーチャー、ですか……本物は、初めて見ました……」

「……私だって……地球に、こんなヤバいのもいるとか……思っても、みなかった……」

「……ヤバいのも?」

「なんでもない……それより、どうしよう……これ……」

 

 どうすればいいんでしょう、アタシも聞きたいです。

 

「こすず、呼びたいけど……携帯とか、部屋だし……」

「ちょ、直接、呼びに行のは……無理そう、ですね……」

 

 慌てて逃げてしまったせいで、立ち位置が最悪です。ムカデさんは建物側に陣取ってしまい、アタシたちの退路が断たれています。

 これでは部屋に戻ることができません。小鈴さんたちを呼ぶことも。

 それなら、取れる手段は一つだけです。

 恋さんも同じことを考えていたようで、コクリと頷いてくれました。

 

「こすずたちは、呼べない……逃げるのは、無理……なら、ここで返り討ちに……あれ」

「ど、どうしました?」

「デッキ……ない……」

「あ……そ、そうですよね……」

 

 よく考えたら、今は就寝中にこっそり抜け出してきたんでした。

 普通、寝てる時までデッキを持ったりしませんし、ここまで持ってくることもないですよね……

 アタシも、デッキなんて持って来てませんし……

 

「……困った」

「で、ですね……これ、実は物凄く絶体絶命なんじゃ――」

 

 ――ザクリ。

 

「ひ……っ」

 

 ムカデさんの鋭利な足が、槍のように地面に突き刺さりました。

 たったそれだけで、アタシの恐怖心を煽るには、十分すぎます。

 生き物としての本能が、生命的危機を知らせる信号を送っているのがわかりました。

 怖い、と。

 

(小鈴さんは……皆さんは……い、いつも、こんなのを、相手にしているの、ですか……?)

 

 怖くは、ないのでしょうか。

 いや、怖くないなんて、そんなはずはありません。これに恐怖を感じないなら、それはこの世界の生物ではないか、よほどの狂人としか思えません。

 絶対に恐ろしいはずなのに、傷つくかもしれないのに、それでも戦うのは、なぜなんでしょう。

 どういう気持ちで、皆さんは戦えるのでしょう。

 

(……人間の営みを、人間の心を、人間の意志を……人の世に紛れることで、帽子屋さんは人間を知ろうとした……それを生命線に……そして、目的の手掛かりに、するために……)

 

 アタシみたいなボンクラには、皆さんの考えも、勇気の根源も、戦う意志も、なにもわかりませんし、想像もつきませんが……

 

(もし……アタシが、皆さんのような……小鈴さんたちのような……“人間”みたいに、なれるのだと、すれば……)

 

 その手掛かりは、ここにあるのかもしれない。

 そのためにはまず、信じることからだ。

 恋さんが、言っていたように。

 

「……恋さん……今、何時ですか?」

「え……いや、知らない……」

「一時くらい、ですか?」

「たぶん……消灯が、十時、だったから……そのくらい、だと、思う……」

「一時過ぎ……ですよね?」

「確証はない、けど……」

「一時過ぎってことに……な、なりませんか?」

「……なにが言いたいの……?」

 

 怪訝そうに見つめる恋さん。その態度は当然です。

 でも今は、申し訳ないですが、ちょっと押し通します。

 

「恋さん……あなたを、信じさせてください……」

「……よくわかんないけど……わかった……」

 

 恋さんは、静かに頷いてくれた。

 

「ここを出る前に……確認した……現時刻は、午前一時半……これで、いい……?」

「はい……十分、です」

 

 ……時間とは、本来、人間が生活の上で便利だから創り出した概念です。ゆえに、本当の意味でその存在を決定づけることはできません。

 その曖昧模糊な概念ならば、強く信じることができれば、ちょっとくらいの“ずれ”は無視できる。

 今、時計の針は一時過ぎを指している。恋さんはそう言った。

 ならばアタシは、それを信じます。

 そして、この名を告げましょう。

 

「アタシの名前は『代用ウミガメ』……理想の代わりの偽物……本来あるべきものの代用品……本物にはなり得ない偽りの代行者……」

 

 12時から1時の時間以外なら、アタシは代用ウミガメとして在れる。代用ウミガメとしての個性(力)を振るえる。

 これは誰のためでもない。自分が、前か、後ろか、どこかに足を踏み出すための行い。

 代用ウミガメの名にかけて、亀船代海として。

 アタシは――戦います。

 

「偽物でもいい、代用品でもいい……アタシに、戦う力をください……!」

 

 では「代わりを用意します」。

 定義するのは『本来戦うべきものの代理』。

 代用者はアタシ、『代用ウミガメ』――亀船代海。

 小鈴さんに代わり、代用品となりましょう――

 

「――んぅ……これ、ですか……」

「しろみ……それ……」

 

 手に握られていたのは、少し硬い紙の束――見るからに、デッキです。

 なんとなく予想はしていましたが、やっぱりこういう形になるんですね。

 

「……なにが、あった……?」

「その、アタシは……“代わり”を、創れるんです……」

「代わり……?」

「は、はい。代用品、です……」

 

 これがアタシの、生き残るための力であり、個性(力)。バタつきパンチョウさんは、“複眼”によって自身の認識範囲を変化させることができますが、アタシの個性(力)はもっと物理的で直接的です。

 本来必要な道具を、少し違う形で生み出す力。

 アタシが望んだ必要なもの。それと似た機能を有するもので“代用”する。必要なものを定義し、それの代用品を創造する力。「本当に必要ものは手に入らない」という代償をもって、限定的ながらも、森羅万象を創造します。

 そして今は、小鈴さんの“代わり”に、戦う力を貰いました。

 どういう形で代用するのかまでは、実際にやってみないとわからないのですが……予想通り、デッキという形で出てきましたね。

 

「こ、これで……戦え、ます……っ」

「……大丈夫……?」

「は、はい……たぶん……」

 

 ちょっと、自信はないですけど。

 でも、動かないと。首を引っ込めていたら、どうにもならないから。

 恋さんが教えてくれた。恋さんの正義に従って、アタシはきっかけを掴めた。

 ならアタシも、それに応えなきゃ。

 自分の正義なんて、そんな高尚なものはわからないけれど……

 

(少なくとも、ここで逃げ出すことは正義じゃない、はず……)

 

 ここで逃げたら、このクリーチャーにも、自分にも、すべてに逃げることになる。

 怖いのは怖いけど、それでも。

 アタシはアタシとして。

 小鈴さんに代わり戦い。

 

(なにかを……変えてみせます――!)

 

 

 

                     ☆ ☆ ☆

 

 

 

 かくして、小鈴さんに代わって、アタシ、『代用ウミガメ』――亀船代海が、戦うことになりました。

 ……は、話には聞いていましたけど……実際にこうして、戦の場に立つと、その……やっぱり、怖い、ですね……

 

「しろみ……しっかり……」

「こ、恋さん……はい、頑張ります……」

 

 デッキがセットされ、手札が配られ、シールドが展開される。

 あぁ、それと、超次元を確認しておかないと、いけませんね。

 

 

 

[代海:超次元ゾーン]

《百獣槍 ジャベレオン》×1

《不滅槍 パーフェクト》×1

《龍魂教会 ホワイティ》×3

《革命槍 ジャンヌ・ミゼル》×1

《無敵剣 プロト・ギガハート》×1

《熱血剣 グリージー・ホーン》×1

 

 

 

[阿修羅ムカデ:超次元ゾーン]

《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》×1

《勝利のガイアール・カイザー》×1

《勝利のリュウセイ・カイザー》×1

《勝利のプリンプリン》×1

《激天下!シャチホコ・カイザー》×2

《激沸騰!オンセン・ガロウズ》×1

《激相撲!ツッパリキシ》×1

 

 

 

「これ……私の次元……」

「そ、そうなんですか……?」

「ちょっと違うけど……かなり、似てる……」

 

 恋さんがドラグハートを使ってるところって、見たことないですけど……

 えーっと、アタシは小鈴さんの代わりとして、アタシ自身を戦う者の代用品にしたはずです。代用品は、しょせんは代わりです。代行者です。本来の力の“質”は、アタシに由来するはず。現にこのデッキも、アタシがよく使うカードが多く見えてます。

 だけどその認識が、厳密に“アタシ”だけじゃなくて、“アタシたち”となったのならば。

 アタシが無意識のうちに、恋さんのことも勘定に入れてしまったとしたら。

 この力の本質は、アタシと恋さん、二人の分が混じり合ったものになる、ということになる……と、考えられますが……

 

(が、頑張って、決意して、勇気出して、見栄張ったのに……最後の最後で、た、他人頼り、なんて……)

 

 情けないにもほどがあります、アタシ。

 

(……でも)

 

 アタシ一人じゃ心細いですけど……恋さんと一緒なら、勝てる気がします。

 それでは――対戦を、始めましょう

 

「《ギャリベータ》をチャージし、2マナで《禁断X ナーグル》を召喚。ターンエンドですよ」

「あ、アタシのターン……《翔天》をチャージして、《一撃奪取 アクロアイト》を召喚します……ターン終了、です……」

 

 2ターン目。お互いに動き出しました。

 このデッキがなにをするデッキなのかは、手札で概ね理解できました。この動きも悪くはありませんが、不気味なのは相手のムカデさんです。

 一体なにをするデッキなのか、次元を見ても、マナを見ても、まだよくわかりません。闇と火のカードが見えてはいますが……

 

 

 

ターン2

 

阿修羅ムカデ

場:《ナーグル》

盾:5

マナ:2

手札:3

墓地:0

山札:29

 

 

代海

場:《アクロアイト》

盾:5

マナ:2

手札:4

墓地:0

山札:28

 

 

 

「私のターン。ふむ、これは仕方ありませんね。《ジェニー》をチャージ、3マナで《ボーンおどり・チャージャー》を唱えます」

 

 墓地に堕ちたのは《ギャリベータ》と《ナーグル》。

 まだ、ムカデさんのデッキの本質は、見えてきません。

 

「これにてターンエンドです」

「アタシのターン……えっと、《エナジー・ライト》をチャージして、3マナで《コアクアンのおつかい》を唱えます……さ、三枚、めくりますね……」

 

 ハンデスが見えたので、少しでも枚数を多く稼いでおきたいところです。不確定ですが、《エナジー・ライト》よりも《おつかい》を優先させます。

 そうして捲られたカードは、《翔天》《アクロアイト》《カーネル》。

 

「! や、やりました……! 全部、光を含むので、手札に加えます……! これでターン終了です!」

 

 

 

ターン3

 

阿修羅ムカデ

場:《ナーグル》

盾:5

マナ:4

手札:2

墓地:2

山札:26

 

 

代海

場:《アクロアイト》

盾:5

マナ:3

手札:6

墓地:1

山札:24

 

 

 

 

「私のターン。いい具合に単色カードが引けていますね。マナチャージし、5マナで《超次元リバイヴ・ホール》を唱えましょう。墓地の《ギャリベータ》を回収し、《激天下!シャチホコ・カイザー》をバトルゾーンへ。ターンエンドです」

「アタシのターンです……これなら……行けます……っ!」

 

 さっきの《おつかい》でキーカードは揃いました。

 ここから攻めますよ。

 

「マナチャージ! そして4マナで、召喚ですっ! 《太陽の精霊龍 ルルフェンズ》!」

「……手札から、コスト6以下の、光のクリーチャーが出せる……しろみ」

「は、はいっ……出すのはこれですっ! 《星の導き 翔天》! 《ルルフェンズ》からNEO進化!」

 

 最速4ターン目の《ルルフェンズ》、そして《翔天》へのNEO進化。とても順調です。

 あとは、切り札を呼び出すだけ。

 

「でも《ナーグル》が、いるんですよね……なら、まずは《アクロアイト》で攻撃ですっ」

「《ナーグル》の能力発動。《ナーグル》を破壊し、そちらの《アクロアイト》も破壊しますよ」

「わかってます……でも、それなら平気です。《翔天》で攻撃、シールドをブレイクです……っ」

「……トリガーはありません」

「では、ターン終了です」

 

 

 

ターン4

 

阿修羅ムカデ

場:《激天下!シャチホコ・カイザー》

盾:4

マナ:5

手札:3

墓地:3

山札:25

 

 

代海

場:《翔天》

盾:5

マナ:4

手札:4

墓地:2

山札:23

 

 

 

「私のターン」

「相手ターンの初めに、《翔天》の能力を……」

「お待ちなさい。まずは私のクリーチャーの能力解決からです」

「そ、そうですね……ごめんなさい……」

 

 ムカデさんのターン開始時。焦って先走ってしまいそうになるのを、ムカデさんに制され、諌められる

 デュエマは、そのターンを進行するプレイヤーから能力を処理し、解決する。だからムカデさんのクリーチャーの能力が先に発動します。

 

「では、ターン初めに《シャチホコ》の能力を解決します。墓地のコスト3以下のクリーチャー、《ナーグル》を復活。では、そちらの番ですよ」

 

 出て来るのは《ナーグル》のみ。それなら大きな問題はありません。

 

「えっと、アタシの《翔天》の能力、です……《翔天》がタップされているので、手札からコスト8以下の光のクリーチャーを一体、出します……っ!」

 

 こちらは早速、切り札を出させていただきます……!

 

 

 

「すみません、迷宮入りです――《大迷宮亀 ワンダー・タートル》……っ!」

 

 

 

 アタシの力を定義づけるカードは、やっぱりこれなんですね……安心しました。

 これならいつものように、やれそうです。

 

「《ワンダー・タートル》の、ら、ラビリンス、発動です……次のアタシのターンまでアタシのクリーチャーは、バトルゾーンを離れません……!」

 

 迷宮構築完了です……恋さんの力も借りて、早い段階でアタシのラビリンスが完成しました。

 《ナーグル》と《シャチホコ》が少し厄介ですが、そこさえ上手く対処できれば、《ワンダー・タートル》のパワーで押し切れるはずです。

 

「ふむ、厄介な亀ですね。ではこういうのはどうでしょう? 《閃光の守護者ホーリー》をチャージ」

「っ、光のカード……?」

 

 ここで初めて見せる、光のカード。

 てっきり闇と火のデッキだと思っていましたが、違ったようです。

 

「迷宮と言えば番人、しかし番をするのは番兵だけではありません。獣も番をするのです。まあ、首が一つばかり足りませんが、そこはお許しください――6マナタップ」

 

 黒い闇、赤い火、白い光。

 その三つを掛け合わせ、混ぜ合わせて生まれるものは――

 

 

 

「《シャチホコ》を進化――《豪獣王ディス・オルトロス》!」

 

 

 

 ――双頭の狗(オルトロス)

 暗黒と大火、それぞれの性質を宿す頭を持つ番犬。

 凶暴で、凶悪で、粗暴で、粗野で、危険極まりない獣ですが、その本質は守護獣。

 悪性でも、衝動的でも、気高い使命を背負った双頭の獣です。

 でも正直、こんなクリーチャーいたんですね、ってレベルで知らないクリーチャーです……どんなことをするのでしょうか……?

 

「ターンエンドです」

「あ……えっと、《ワンダー・タートル》の能力で、攻撃していないので、クリーチャーを全部、タップしてください……」

 

 それに結局、《ナーグル》も《オルトロス》も、タップされました。

 ならあとは《ナーグル》をケアしつつ、《オルトロス》も殴り返して盤面制圧……と、行きたいところでしたが。

 

「アタシのターン……」

「ではこの時、《オルトロス》の能力発動。お互いのプレイヤーは、自身のターンの初めに、自身の多色でないクリーチャーを破壊しなければならない……さぁ、お選びください?」

「え……っ?」

 

 クリーチャーを破壊する能力、ですか?

 しかも、このタイミングって……

 

「ターン初めの効果処理は、アタシが先だから、《ワンダー・タートル》のラビリンスは切れちゃってます……破壊はイヤですけど……じゃ、じゃあ、《翔天》を破壊、します……」

 

 優先権が悪い方向に働いてしまいました。

 効果が処理されるのが先ということは“効果が切れるのも先”ということです。そのため、《オルトロス》の能力が発動するより先に、《ワンダー・タートル》のラビリンスが切れてしまいます。

 それさえなければ、無敵状態で破壊を免れることができたんですけど……その隙を狙われてしまったようです。

 まだ《ワンダー・タートル》こそ残されていますが、この状況は、あまり良くありません。

 

(《ワンダー・タートル》で攻撃したい……け、けど、《ナーグル》がいるから、攻撃したら、破壊されちゃう……だけど、このまま残してても、《オルトロス》の能力で、破壊されちゃう、から……)

 

 殴り返せると思った《オルトロス》は《ナーグル》に阻まれ、《ナーグル》除けのクリーチャーは《オルトロス》で破壊されてしまいました。

 このデッキはほとんどが単色クリーチャーで構成されているので、《オルトロス》が存在する限り、破壊を受け続けます。

 だからなんとしてでも《オルトロス》を処理したいのですが、《ナーグル》がそれを許しません。

 《ナーグル》と《オルトロス》。この二体の布陣を突破するのに必要なのは……

 

「手札が心もとない、ですけど……やるしか……《ルルフェンズ》を召喚、します……能力で、《龍覇 エバーローズ》を、ば、バトルゾーンへ……」

 

 クリーチャーを展開するしかありません。

 《ナーグル》と共に自爆してしまう身代わり。そして、《オルトロス》へと捧げる供物。

 すべて《ワンダー・タートル》の代わりとなって消えてしまうもの。とても、申し訳ないですけど……

 でも、簡単には破壊させませんよ。

 今はアタシだけじゃない。恋さんも、いるんですから。 

 人様のカードを使うのは、少し抵抗がありますが……

 

「……遠慮なく、使えばいい……それは、しろみのデッキ……」

「恋さん……わ、わかりました。では、《エバーローズ》に、《百獣槍 ジャベレオン》を、装備です……っ」

 

 シールド一枚を犠牲に、破壊を免れる獅子龍の槍。

 アタシのラビリンス戦術とはあまり相性がよくないですが、今だけは別です。今重要なのは、破壊されないこと。

 使い続ければシールドが消費されてしまいますが、これで《オルトロス》を攻略できます。

 

「こ、これで……ターン終了、です……」

 

 

 

ターン5

 

阿修羅ムカデ

場:《オルトロス》《ナーグル》

盾:4

マナ:6

手札:2

墓地:2

山札:24

 

 

代海

場:《ワンダー・タートル》《ルルフェンズ》《エバーローズ+ジャベレオン》

盾:5

マナ:5

手札:1

墓地:4

山札:22

 

 

 

「私のターン。《オルトロス》の能力が発動し、私もクリーチャーを破壊しなくてはなりませんが、私の場には多色クリーチャーのみなので、なにも破壊しません」

 

 《オルトロス》の能力は両プレイヤーに影響をおよぼしますが、破壊するのは単色クリーチャーのみ。

 ムカデさんは多色クリーチャーを軸にすることで、そのデメリットを自ら回避しているようです。

 と、思ったのですが。

 

「《ジャベレオン》ですか。なかなか面倒な代物ですが、まあ、私の前ではあまり関係ありませんね」

 

 その認識は、少しだけずれていて、ちょっとだけ違っていて。

 確かに多色クリーチャーは多いのですが、彼の本質は、そこにはなかったのです。

 

「あなたに絶望を教えて差し上げましょう。マナチャージし、7マナタップ」

 

 デメリットを回避するなんて、そんな生易しいことで終わるはずもない。

 赤い火で燃えようと、白い光に照らされようと、その根幹は黒い闇。

 破壊と暴虐、生贄と供物、、衰退と死滅、利己と寄生。

 凄惨を生産する闇の意志は、自らに降りかから災厄さえも、利用するのでした。

 

 

 

「這い寄り喰らい、貪り殺しなさい。召喚――《阿修羅ムカデ》」

 

 

 

 もぞもぞと蠢く、黒い影。

 生理的な嫌悪感と、生命的な恐怖感を煽る、醜悪で凶悪な黒蟲。

 盾の後ろから、盾の前へ。

 黒い蟲の闇医者が、戦場へと現れました。

 

『《阿修羅ムカデ》の能力で、《エバーローズ》のパワーを9000マイナス。パワー0以下のクリーチャーは破壊されますよ』

「う……《ジャベレオン》の能力で、し、シールドを一枚、手札に加えて……破壊を、防ぎます……」

『しかしパワー低下は残留します。そのまま破壊ですよ』

「もう一枚、手札に加えます……三枚目は、く、加えません……」

『ではターン終了。えぇと、攻撃はしていないので、タップされるのでしたか』

 

 《ワンダー・タートル》の能力でブロッカーでも関係なく寝かせることはできましたが、これでは前のターンの同じです。

 《エバーローズ》は《ジャベレオン》を装備しても、その守りを貫通されて破壊されてしまいました。

 残るクリーチャーは二体。しかし、

 

「アタシのターン……《オルトロス》の能力で、《ルルフェンズ》を、破壊します……」

 

 そのうちの片方は、《オルトロス》への生贄として差し出さなくてはなりません。

 また、アタシの場には《ワンダー・タートル》のみが残されます。

 

「しろみ……」

「ま……まだ、大丈夫、です……も、もう一度、《エバーローズ》を召喚……っ」

 

 少し無理して、シールドを減らした甲斐はありました。

 アタシまだ、もうちょっとだけ、頑張れます。

 

「《エバーローズ》に《ジャベレオン》を装備……ターン終了する時、アタシのシールドが三枚以下なので……つ、2D龍解、です……《百獣聖堂 レオサイユ》……っ!」

 

 《阿修羅ムカデ》の破壊は、あらゆる守りを貫通する。

 それなら、武具ではなく要塞として、守りの拠点を張るまでです……!

 

 

 

ターン6

 

阿修羅ムカデ

場:《オルトロス》《ナーグル》《阿修羅ムカデ》

盾:4

マナ:7

手札:1

墓地:2

山札:23

 

 

代海

場:《ワンダー・タートル》《エバーローズ》《レオサイユ》

盾:3

マナ:6

手札:2

墓地:6

山札:21

 

 

 

『私のターン。《オルトロス》の能力で《阿修羅ムカデ》を破壊します……が、《阿修羅ムカデ》は破壊された時、バトルゾーンに舞い戻ります』

 

 ターン開始時、最悪の悪夢の始まりです。

 薄々気付いてはいましたが、やはり、そうやって使うんですね……

 《オルトロス》のデメリットを、《阿修羅ムカデ》で“利用”する。

 デメリットは、回避するのではなく利用するもの。それが闇の精神。

 破壊されても《阿修羅ムカデ》は蘇り、そのたびに衰弱の破壊をもたらす。自分のターンでも、相手のターンでも関係なく、アタシのクリーチャーは破壊され続けます。

 

『《修羅ムカデ》が場に現れたことで、相手クリーチャーのパワーを削ぎ落す。《エバーローズ》のパワーを9000マイナスしますよ』

「《レオサイユ》の効果で、シールドを一枚、手札に……っ」

『さっきと同じですよ。破壊は続行です』

「もう一枚、手札に加えます……っ」

『これであなたのシールドは一枚。それはどうしますか? まあ、流石にトリガーの望みすらも潰すような真似はしないでしょうが――』

「手札に加えます……」

『……なんですと?』

 

 ここで初めて、ムカデさんは余裕の笑みを崩し、怪訝な視線を向けてきます。

 でもすぐに、納得したような表情を見せました。

 

『……あぁ、成程。革命0トリガーを抱えているのですね』

 

 う……や、やっぱり、ばれちゃいますよね……

 ムカデさんの言う通り、アタシは《ミラクル・ミラダンテ》を抱えています。

 かなりギリギリになってしまいますが、こんな布陣を作られてしまったら、少し無理をしてでも、押し通るしかありません。

 今一番困るのは、中途半端な状態で《レオサイユ》が龍解してしまうこと。これが今のアタシの生命線ですから。

 それに、ここで攻撃されれば、それは反撃のチャンスにもなり得ますし……ただ、狙いがばれてしまったのが、とても痛いですけど……

 

『もしそうであれば、少々厄介なことになってしまいますね。しかし私の引き運もなかなかのものです』

 

 ムカデさんは焦りを微塵も見せません。狙いがわかって、対処する手段があるということでしょうか。

 

『5マナで《リバイヴ・ホール》を唱えます。墓地の《ナーグル》を手札に戻し、《勝利のガイアール・カイザー》をバトルゾーンへ』

 

 追加の打点を用意されてしまいました。

 少しきついですが、でも、それならまだなんとか……

 

『これで終わらせましょう。《勝利のガイアール》でプレイヤーを攻撃する時、侵略発動。《復讐 ブラックサイコ》です。登場時に、あなたの手札を二枚、捨てさせてもらいます』

「っ、《ミラクル・ミラダンテ》が……!」

 

 こ、これは困りました……手札に抱えていた《ミラクル・ミラダンテ》を、叩き落されちゃいました……

 これじゃあ防御札が足りません……ど、どうしましょう……!

 

『ダイレクトアタック。どうしますか?』

「あ、ぅ……か、革命0、トリガー……《ミラクル・ミラダンテ》、です……っ」

『たった一枚ですか。それでは防ぎきれないのでは?』

 

 その通りです……

 抱え込んだ防御札を叩き落されてしまい、単純に見れば、アタシはこれだけの攻撃を防ぐ手段がありません。

 こんなことなら、無理してシールドを手札に加えるんじゃありませんでした……カウンター狙いだっていうのは、すぐにばれてしまうのに……

 シールドを保持して、盾の――迷宮を構築する壁の数で勝り、圧倒するのがラビリンスデュエルの戦い方。

 それとは真逆のプレイングをした時点で、アタシの本質から外れた行動です。

 いつもと違うことをすると、こうも狂わされてしまうものなのですね……

 

「しろみ……早く、捲らないと……」

「は、はい、そうですね……あ」

 

 《ミラクル・ミラダンテ》の進化元にするカードを捲る。

 もうダメかと思いましたが、これなら、まだ戦えそうです。

 

「《ミラクル・ミラダンテ》を、し、進化……進化元は……《太陽の精霊龍 ルルフェンズ》、です……」

『《ルルフェンズ》? それでなにを出すというのです? 《翔天》は無意味、《エバーローズ》でも足りないのでは?』

「ぎ、ギリギリ、足りますよ……《青寂の精霊龍 カーネル》を、バトルゾーンへ」

『っ……!』

 

 ムカデさんは、露骨に苛立ったように眉間に皺を寄せます……眉間も皺も、よくわかんないですけど。

 

「《カーネル》の能力で、《オルトロス》を、こ、拘束します……《ブラックサイコ》の攻撃は、《ミラクル・ミラダンテ》でブロック、です……」

『小癪な……ターンエンドです』

 

 な、なんとか耐え切れました……シールドに埋まっていた《カーネル》のお陰です。

 ここで耐えられたということは、あの時の無理が報われるということ。

 さぁ、行きますよ。

 

「アタシのターン。ま、まずは、《レオサイユ》の処理から、ですね。アタシのターンの初めに、アタシのシールドが一枚以下、なので……3D龍解、です……!」

 

 先に発動させていただきます。

 そちらの獣も、番犬としてご立派ですが。

 こちらの獣は百獣の王。そして、天頂に座す正義の執行者です。

 代行者で、代用品で、偽物のアタシに、力を貸してください……!

 

 

 

「3D龍解――《頂天聖 レオザワルド》……っ!」

 

 

 

『ぐぬぅ、龍解されてしまったか……!』

「つ、次にあなたの《オルトロス》の能力を、解決、します……アタシが破壊するのは《レオザワルド》……で、ですが、シールドがゼロなので、《レオザワルド》は場を離れません……っ!」

 

 これで《オルトロス》は封じました。番犬に捧げる供物はありません。

 シールドが一枚でも残っていたら《レオザワルド》が破壊されてしまう恐れがあったので、無理してシールドを全部回収しましたが……その甲斐はありましたよ。

 

「そして、も、もう一度、《エバーローズ》を召喚、です。《龍魂教会 ホワイティ》を出して、《オルトロス》をフリーズ、です……」

『! こいつ……!』

「《レオザワルド》で《オルトロス》を攻撃……《ナーグル》の能力が発動、しますが……《レオザワルド》は、は、破壊されません……そして、《オルトロス》と、バトルです……!」

 

 《ナーグル》も非常に厄介でしたが、《レオザワルド》がいればそれも無視できます。強制効果なので、《レオザワルド》が動くだけで、自滅していきます。

 アタシの作った迷宮で、随分と勝手気ままに動かれてしまいましたが……これで、本来のアタシを、本来の迷宮を、取り戻せました。

 迷宮に巣食う番犬、《オルトロス》、撃破です……!

 

「……これで、《阿修羅ムカデ》を破壊する手段は……なくなりました、よね……?」

『小娘が……!』

「ターン終了……です」

 

 

 

ターン7

 

阿修羅ムカデ

場:《阿修羅ムカデ》

盾:4

マナ:7

手札:1

墓地:5

山札:22

 

 

代海

場:《ワンダー・タートル》《ミラクル・ミラダンテ》《エバーローズ》《レオザワルド》《ホワイティ》

盾:0

マナ:6

手札:2

墓地:9

山札:19

 

 

 

『ちぃ、私のターン! 《ナーグル》と《ベルリン》を召喚! 《阿修羅ムカデ》でとどめだ!』

「わわっ……え、えっと、《レオザワルド》の、の、能力発動です……アタシのドラグハートでないクリーチャーを破壊して、敗北回避、です……《エバーローズ》を破壊します……」

『ターンエンドだ!』

 

 きゅ、急に口調が乱暴になりましたね……ちょっと怖いです。

 盤面を盛り返したといっても、アタシのシールドはゼロですし、相手には不死身の《阿修羅ムカデ》もいますし、全然油断はできないのですけれど……

 

「あ、アタシのターン……《アクトパッド》と《カーネル》を召喚、です……《カーネル》の能力で、《阿修羅ムカデ》を拘束、して……ターン終了、です……」

 

 

 

ターン8

 

阿修羅ムカデ

場:《阿修羅ムカデ》《ナーグル》《ベルリン》

盾:4

マナ:7

手札:0

墓地:5

山札:21

 

 

代海

場:《ワンダー・タートル》《ミラクル・ミラダンテ》《アクロパッド》《カーネル》《レオザワルド》《ホワイティ》

盾:0

マナ:7

手札:0

墓地:10

山札:18

 

 

 

『私のターン……まだだ、まだ終わっていない……! 5マナで《ナーグル》を進化! 《天下統一シャチホコ・カイザー》!』

「そのクリーチャーは……」

『その忌々しい亀のせいで殴らなければならないのが癪だが、ただで死ぬものか! 《シャチホコ・カイザー》でダイレクトアタックだ! さぁ、どうする!?』

 

 これは……考えないといけませんね……

 ここで《レオザワルド》でブロックすれば、《シャチホコ・カイザー》が破壊されて、エイリアンのサイキック・クリーチャーが出て来ちゃいます。選択肢は《オンセン・ガロウズ》《シャチホコ・カイザー》《ツッパリキシ》《プリンプリン》の四択ですが、ここで出すならきっと《プリンプリン》。あるいは《シャチホコ》です。

 なにを出されたとしても、次のターン、ダイレクトアタックまでの打点は揃っていますが、出されると少し厄介かもしれません。

 でも、ここで《シャチホコ》を破壊しなければ、《ベルリン》も倒しづらくなっちゃいますし、やっぱりここは《レオザワルド》でブロックするしか……

 

「れ……《レオザワルド》で、ブロック、です……」

『《天下統一シャチホコ・カイザー》が破壊されたことで能力発動! 《激天下!シャチホコ・カイザー》をバトルゾーンへ! ターンエンド!』

 

 《シャチホコ》の方で来ましたか……どちらにせよ、トリガーに賭けるしか、ないとは思いますが……

 ここで決めなかったら、またクリーチャーを増やされて攻めあぐねてしまいそうですし、流石にそろそろ攻めないと……

 

「アタシの、ターン……」

 

 もしトリガーを――《ホーリー》なんかを踏んでしまったら、ブロッカーも寝てしまい、こちらのクリーチャーを減らされてしまうので、困ったことになってしまいます。

 アタシの生命線は《レオザワルド》です。ですが、《レオザワルド》で敗北を回避するには、クリーチャーを犠牲にしなくてはなりません。手札もかなり枯れていますし、大量展開は望めない。数にものを言わせて殴られたら、かなり厳しいです。

 トリガーを踏んでも、防御力が落ちないようにできればいいんですけど……

 

「あ……こ、これですっ! 《アクロパッド》をNEO進化! 《星の導き 翔天》!」

 

 と思ったところで、いいカードを引きました。

 攻撃を曲げられる《翔天》。これなら、《ホーリー》が来ても防御手段になります。

 やっぱり、単なるブロッカーよりも、アタシにはこっちですね……

 

「《翔天》でシールドをブレイクです!」

『ぬぅ……S・トリガーだ! 《閃光の守護者ホーリー》! クリーチャーをすべてタップしてもらうぞ!』

「ほ、ほんとにあったんですね……ターン終了、です……」

 

 まさか本当に、しかも一枚目からトリガーなんて……アンラッキーですけど、そのための《翔天》です。

 まだ、耐えられます。

 まだまだ、戦えますよ。

 

 

 

ターン9

 

阿修羅ムカデ

場:《阿修羅ムカデ》《ベルリン》《ホーリー》

盾:3

マナ:7

手札:0

墓地:7

山札:20

 

 

代海

場:《ワンダー・タートル》《ミラクル・ミラダンテ》《翔天》《カーネル》《レオザワルド》《ホワイティ》

盾:0

マナ:7

手札:0

墓地:10

山札:17

 

 

『ターン開始時、《シャチホコ》の能力で墓地の《ナーグル》を復活! そしてドロー! 《黙示護聖ファル・ピエロ》を召喚! 自身を破壊し、墓地の《リバイヴ・ホール》を回収! 《阿修羅ムカデ》でダイレクトアタック!』

 

 《リバイヴ・ホール》に《ファル・ピエロ》……

 これは……もしかして、急いで攻め切るよりも、時間をかけて盤面を盛り返す選択をしたのでしょうか……?

 ど、どうしましょう……《翔天》で攻撃を曲げたら、《ワンダー・タートル》でクリーチャーは出せますが、《翔天》が破壊されかねません……かといって、このままクリーチャーを失うだけというのも……

 

「……しろみ」

「こ、恋さん……?」

「ちょっと……ウザい」

「え、えぇっ!?」

 

 ちょくちょく声はかけてくれましたけど、今まで概ね静観していた恋さんが、急にアタシを糾弾する。

 な、なんでこのタイミングで、そんなことを言うんですか……

 

「黙ってようと、思ってた……けど、流石に、ぐだぐだしすぎ……もう、決めても、いいと思う……」

「そ、それって……」

「攻めていい……守りに入りすぎると……崩してくる……こすず、みたいに……」

「小鈴さん、みたいに……」

 

 確かに、小鈴さんは、アタシの固めた守りを、何度も何度も攻めて、突き崩してきました。

 今は互いに膠着しかけている状態ではありますけど、これがずっと続けば……?

 守ってばかりでは、勝利は勝ち取れない。

 首を引っ込めていては、勝利は遠のくだけ。

 待っていても、勝利はやって来ない。

 だから――前に、進むしかない。

 

「……はいっ。《翔天》の能力を、発動します」

 

 ありがとうございます、恋さん。

 決心、つきましたよ。

 

「《翔天》をアンタップして、攻撃を《ワンダー・タートル》へ、ま、曲げますっ!」

『《ワンダー・タートル》とバトルか……《阿修羅ムカデ》は負け、破壊されるが、蘇る!』

「ですが、ば、バトルには勝ったので《ワンダー・タートル》の能力発動! 山札の上から四枚を見て、コスト6以下の光のクリーチャーを……だ、出します」

 

 ここで捲れるカードに、賭けてみましょう。

 分のいい賭けとは言い難いですが、悪い賭けでもありません。数の上ではプラスマイナスゼロです。

 《翔天》を、守りの一部を失っても、攻めきれればいいんです。

 そして、捲れた……

 

「出すのは……《龍覇 エバーローズ》、です」

『またか……!』

「《エバーローズ》の能力で、《ホワイティ》をバトルゾーンへ! 《ホーリー》を、フリーズ、します……っ」

『《阿修羅ムカデ》の能力を解決だ! 《翔天》のパワーを9000下げ破壊する! そして……ターンエンドだ』

 

 やはり追撃はなく、ムカデさんはそのままターンを終えました。

 これ以上長引かせたら、相手に盤面を整えられてしまうかもしれません。

 シールドがある限り、トリガーの恐怖は消えませんが……でも、それでも、前に進みます。

 

「アタシの、ターン……一応、《エナジー・ライト》を唱えて、ドロー……《アクロアイト》を召喚します」

 

 このターンで決着をつけると仮定して、少し、攻撃の順番は考えなければなりませんが……

 トリガーがなければ、押し切れます……!

 

「まずは、《レオザワルド》で攻撃です……《ナーグル》は、効きませんよ……!」

『ならば《ベルリン》でブロック!』

 

 これで守りは崩せました。

 今度こそ……!

 

「《ミラクル・ミラダンテ》で、Tブレイクです……!」

『ぬ、ぐぅ……!』

 

 ムカデさんは悔しそうに呻くだけ。シールドからなにかを繰り出す様子はありません。

 ということは、なにもない。

 つまりこれで、アタシの勝ち。

 ならば――とどめです。

 

 

 

「《大迷宮亀 ワンダー・タートル》で、ダイレクトアタック――っ!」

 

 

 

                     ☆ ☆ ☆

 

 

 

「か、勝てました……恋さん……!」

「ん……よくやった……しろみ……」

 

 ムカデさんの身体は淡く光り、少しずつ綻んでいく。

 そんなムカデさんに、恋さんは静かに歩み寄ります。

 なにをするのかと思ったら、恋さんはムカデさんを見下ろして、口を開きました。

 

「……ずっと、聞きたかったんだけど……」

「なんだ、ヒトの小娘……」

「どうして……クリーチャーが、こっち来てるの……?」

 

 恋さんが、今にも消えてしまいそうなムカデさんに、問いかけます。

 その問いかけにムカデさんは、苦しそうなのに、どことなく余裕そうに、嘲るような笑みを浮かべました。

 

「どうして、とな。秩序と統治の消えた世がどれほど荒廃するか、貴様は知っているか? 住み難い世界を捨て、より住みやすい世界へ移住する。それはおかしなことか?」

「……じゃあ、わざわざ私たちに、なんの用……?」

「愚問にもほどがあるぞ、人間。貴様らとて同じだろう。腹が減れば飯を食う。他者を喰らうことが生きることだ。まさかそんなことも意識せずに生を貪っていたのか?」

 

 あ、アタシたち、食べ物だったんですね……

 ムカデさんはどんどんその身が薄く、透き通っていく。

 今にも失われてしまいそうなほど、その存在は儚いものへと変わっています。

 

「人間は我々を、特異な存在と、誤解しているのではないか? 確かに相互理解など不可能な領域もあろうが、我々とて生命、意志を持った生物だ。本能的な繁栄を望み、種の存続を願う。その点は貴様らと変わらんぞ」

 

 ムカデさんの身体が、いよいよ消えていく。

 肉体の半分は粒子となって放出し、その端から綻んでいく。

 ムカデさんは消えかかる寸前まで、声を振り絞っていました。

 

「驕るなよ、人間共。この世界で生きるのは、貴様らだけでは……ない、ぞ――」

 

 最期にそう言い残して、ムカデさんは完全に消えてしまいました。

 さっきまで確かな命としてあったものが、光る残滓として蟠って、けれどもやがては闇夜に放たれる。

 そして、静寂の暗夜が、再び訪れました。

 恋さんは変わらぬ無の面持ちで、虚空をひたすら見つめ続けています。

 

「…………」

「こ、恋さん……」

「……ごめん……なんでも、ない……帰ろう……しろみ」

「は、はい……」

 

 恋さんは、なにを思ってあんなことを問うたのでしょうか。

 そしてムカデさんのあの言葉は……

 

(繁栄と存続……それって、アタシたちの――)

 

 

 

 ――帽子屋さんの目的と、同じです。




 ちょっと邪魔は入ったものの、ほとんど代海と恋の二人語りです。恋の昔話については、たぶんマジカル☆ベルで語られることはないでしょうね……
 対戦の方は、《ディス・オルトロス》とか誰が知ってるんだよ、という感じの白黒赤ムカデオルトロス。わりと気に入ってるんですけどね、これ。リソースが稼ぎにくい白黒赤ですが、墓地回収を絡めれば意外と回りますし、《ナーグル》や各種メタカードで守りも意外と堅い。一度嵌ったら相手の盤面をズタボロにしていく様子を見ていると、ちょっと邪悪な気持ちになれます。
 誤字脱字、感想、その他諸々、なにかありましたら、遠慮なく仰ってください。
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