彼女達が笑うために   作:怠さの塊

2 / 17
高校1年
1話


「なあ、俺らと遊びに行かない?」

 

「私たち予定があるので」

 

「まあ、そう固いこと言わずにさー楽しましてあげるから」

 

「ちょっと、手を離して下さい」

 

二人の男が女子二人を誘っているが、女子二人は一切相手にせず立ち去ろうとするが、男の一人がギャル風の女子の腕を掴んで離さなかった。

男の一人の肩に手を置き、振り向かせる。

すると、男の顔はみるみる青ざめていった。

 

「なあ、俺前に言ったよな 次ここら辺で会ったら潰してやるってなのに、お前ら何でこんなところウロついてんの?」

 

「あ?誰だよテメーナンパの邪魔なんだよ。痛い目に遭いたくなかったら失せろよ」

 

男の一人が女子から手を離し、凄んだがもう一人に止められる

 

「おい、なんだよ」

 

「や、やめとけ!アイツには絶対に手を出すな。中学のときに三年の先輩がボコボコにされて病院送りにされた話があっただろ。それやったのアイツなんだよ 」

 

「な、マジかよ。す、すいませんでした。次からは気をつけますから勘弁して下さい」

 

男の一人が謝り、慌てて後退りしていく。

 

「次は無いからな」

 

そう言い放つと、男二人は怯えて走っていった。

 

 

女子に目を向けると、明らかに警戒した目でこちらを向いている。

 

「そんな、警戒しないで下さいよ。別に見返りとか求めないし、何もしませんから。いつも、知り合いが世話になってるからその恩返しってところなんで」

 

そう言って、歩いていこうとすると

 

「ありがとう 助けてくれて」

 

 

そう言って、凛とした態度を崩さない女子に驚いた

 

「どういたしまして」

 

そう言って足早に目的地に向かう事にした。

 

「それにしても、こんな ヤンキーにお礼を言うなんて良い人なんだろうな」

 

従姉妹の話では、とても歌が上手く彼女となら頂点を目指せると息巻いていた。あんな風に楽しそうに笑う彼女を見たのはいつぶりだったろうか、あのまま妹との確執も無くなったなら彼女は更に笑うだろうか そんな風に考えながら目的地に向かった

 

 

 

side 紗夜

「今井さん 湊さん 練習時間に遅刻してますよ 何かあったんですか?」

 

「ごめん 紗夜 ちょっと、男の人に絡まれててさー 」

 

「え、大丈夫だったんですか?」

 

「ああ、うん それがね うちの学校の一年生にさ とっても喧嘩の強いって有名なヤンキーの子がいてさー その子が助けてくれたんだ 」

「羽丘で一番喧嘩の強い一年生ですか?」

 

「あ、リサねぇ あこ その人知ってるよ 日高 巧って人だよね お姉ちゃんがいつも話してくれるんだー アイツは確かに喧嘩っ早いけど、悪い奴じゃないって」

 

「へー そうなんだー ところでさ、別れ際にさ 私たちにいつも知り合いが世話になってるお礼って言ってたんだけど、誰かの知り合いだったりする?」

 

「それより、早く練習を始めましょう 白金さん 湊さんも準備は終わりましたか?」

 

「ええ、問題無いわ」

 

「わ、私も大丈夫です 」

 

「今井さんも宇田川さんも準備が出来たなら早く練習をしましょう 私たちは頂点を目指しているのですから」

 

「あ、待って下さいよー 紗夜さん」

 

ドラムの彼女の号令と共にそれぞれの楽器の音が重なり、音楽になる。そして、その音楽にボーカルの彼女の歌が合わさりその曲は沢山の人を魅了する楽曲に早変わりした

 

 

 

「ゆきなー今日もいい練習だったね 」

 

「そうね でも、私たちが目指すべき場所は更に上よ こんな演奏じゃ満足なんて出来ないわ」

 

「そうですよ 今井さん 私たちは頂点を目指しているんですからこれで満足してたらいつまでも上には進めません 」

 

「そうだよね じゃあ、そろそろ帰ろうか 」

 

入り口を出ると、辺りは暗くなっており時計を確認したら時刻は午後八時を回っていた。

 

「んー もう 7月だからやっぱり暑いね 」

 

今井さんが伸びをしながら立ち止まっていると、大通りからフードを被った人が走って来るのが見えた。

 

「今井さん 危な」

 

言い終える前に彼女と走っていた人は、ぶつかり彼女は倒れてしまった。

 

「す、すいません 大丈夫ですか?」

 

「あ、大丈夫 立ち止まってた私が悪いから」

 

ぶつかってきた人物は声音と体格から男性だと分かった しかし、その声には聞き覚えがあり体格にも見覚えがあった

男は慌ててフードを外し再度頭を下げた。

その顔には、見覚えがあり相手もそれに気づいた。

 

「いえ、俺の前方不注意ですよ それにしても、さっきぶりですね」

 

こちらに目もくれず、今井さんに深々と謝る彼は普段の態度とは違っていた。

 

「その事なんだけどさ さっきは、ホントにありがとね あの二人しつこくて困ってたんだ そうだ 何かお礼したいんだけど今度時間ある?」

 

「いえ、気にしないで下さい たまたま見つけただけなので じゃあ、俺ロードワークの最中なので失礼します」

 

「タクミ あなたまだボクシングなんて 続けてるのね」

 

「え、紗夜の知り合いだったんだー」

 

「今井さんは少し静かにしていて下さい 巧 あなたはいつまでそんな野蛮なスポーツ続けるつもりかしら それに、喧嘩までして だからいつまでも不良のままなのよ」

 

「ごめん 紗夜さん でもさ、俺にはボクシングしかないんだよ 紗夜さんだって私にはギターしか無いって言うのと同じようようにさ」

 

「私とあなたを一緒にしないで下さい あなたみたいな不良と あなたのような社会に出たらやっていけないゴミ屑と呼ばれるような人たちと一緒に」

 

「あ、そうだよね ごめん 紗夜さん 俺ゴミ屑だから人の気持ちもよく分からないみたいだ ホントごめん じゃあ、俺行くよ 紗夜さんはギター頑張って 応援してるから」

 

慌てて走りさる彼の背中にやるせない憤りをぶつけてしまう自分に苛立ちを感じる。

 

「紗夜 今のは言い過ぎだと思うよ 流石に」

 

「今井さんには関係のない話です それに、今井さんだってタクミの行いを聞けば言われても仕方ないと思うでしょ」

 

「だけど「今井さん タクミは私の従兄弟なんです これは、身内の問題なのであまり口を挟まないで下さい それでは、私は失礼します」

 

先程の出来事に苛立ちを感じ早々と帰宅することにした。夏になったと感じさせる暑さが残る夜道を一人歩いて帰った。小さい頃に自分達の後を追ってくる彼のことを思い出しながら。

 

 

 

 

巧side

ゴミ屑とは違うやはり、紗夜さんには頭が上がらないと改めて思う

ジムでのトレーニングを終え、帰路につきながら考える やはり、自分は彼女たちには追いつけない 日菜さんにも同じように言われたらきっとあの二人の前に出ることは無くなるだろうな そんな風に考えてたら後ろから抱きつかれた。

 

「タクミ 今日も練習だったの?」

 

「日菜さんは仕事だったんですか?」

 

そう言った瞬間彼女はあからさまに不機嫌な表情に変わる

 

「昔みたいに 日菜お姉ちゃんって呼んでくれないんだね」

 

「そりゃあそうですよ 俺は 日菜さんや紗夜さんとは血の繋がりがない連れ子なんですか、 いくら従兄弟同士とはいえそんな風に呼べないです」

 

そう言って視線を逸らした瞬間頰を掴まれ、無理矢理日菜さんの方を向かせられた。

 

「タクミ 私その言い方嫌いって前にも言ったよね」

 

「でも、俺は不良って言われてるゴミ屑ですよ そんな、奴が気安く話しかけるなんて無理ですよ」

 

「ねぇ もしかしてお姉ちゃんにまた何か言われた?」

 

そう言われて、心臓が掴まれた感覚に陥ってしまう 天才少女はどこまでも天才なのだろう たった少しの会話で察してしまうあたりは流石としか言えない

 

「仕方ないですよ 紗夜さんが言う通り俺はゴミ屑なんですから 反論のしようがない 日菜さんも俺が居て迷惑があったら言って下さい 俺は二人の邪魔にはなりたくないから」

 

後ろから抱きついていた彼女は正面に回り抱きしめてくる。

 

「巧は別に邪魔じゃないし、ゴミ屑じゃないよ 昔から私やお姉ちゃんが困ってたら助けてくれたんだからさ」

 

彼女は離れると優しく微笑み

 

「じゃあ、またね」

 

その言葉だけ残して彼女は、家の中に入っていった。

彼女のその言葉は弱い自分を励ましてくれる 昔なら紗夜さんも同じように言ってくれたのだろうか それを考えると自分がこうも変わってしまったから彼女は自分を見放したのだろうなと納得してしまう 昔のように笑い合うことは、自分がいたら無理なのだろう だから、せめて彼女たち二人の仲が前のように戻って欲しかった。

 

 

 




主人公の試合などの話も盛り込むかもです。
アドバイスとか欲しいです 国語力ほぼ無いので、あと、紗夜と日菜をベースに書いてますが、一番の推しキャラは巴です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。