とある鎮守府の日常。   作:アラタ。。

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すいません。執筆が進みませんがとりあえず、キリのいい所で投稿したいと思います。
読みやすいように6000字以上行かないように心掛けます。


1日目

 襖の間から朝日が差し込み鳥の鳴き声が聞こえ、もう朝だと知られせてくる。暖かい優しい光が体を包みこみ夢から現実へと連れ戻してくれる。

 時刻は朝の五時。少し早く起きてしまった。二度寝をしようと布団の中でくるまるが目が冴えてしまって寝つけない。俺はくるまった状態で、今日見た夢をもう一度思い出す。

 あの夢を見るのは久しぶりだった。以前は頻繁にあの夢を見て魘されていたと思い出す。

 

(薄暗い部屋にあの写真、軍服と白衣の大人。もうあの時から10年近くも経つのか…)

 

 人は1度体験した出来事を脳が無意識に記憶し恐怖や感動、興奮、後悔1つではなく様々だ。この中で1番記憶されやすいのが恐怖であり、俺があの時感じたものだ。そして、今でも夢を見るということは後悔も根強く脳にへばりついているんだろう。

 もう一度時計を見る。時刻は5:10を指しそれほど時間が経っていない。いちいちあの夢を思い出すのは気持ちが暗くなるし余りしたくは無い。俺はすることが無くなりどうしたもんかと、考えていると床からパタパタと足音が聞こえてくる。その足音は忙しなく動き回り時たま嬉しそうにリズムを刻んでいるみたいだった。それを聞いてクスリと笑い、俺は布団から出ることにした。

 

 足音のする元へ移動すると、美味しそうな食べ物の匂いがしてくる。

 

(これは…焼き魚かな?)

 

 そんなことを思いながら台所へと足を進めた。調理場には、一人の女性が料理をしさっきまでの足音の主が判明した。入ってきた俺に気が付いたのかくるりと体を反転させ笑顔でこっちを向いた。

 

 「おはよっ、今日は早いんだね。」

 「おはようございます。たまたま早く目が覚めてしまって、何か手伝うことありますか?」

 「いいよいいよ、座ってて。」

 「いや今は特にすることがなくて。それにいつも美味しい料理をご馳走になっているだけじゃ割に合わないですよ。」

 

 女性は少し照れくさくなったのか、前を向き少し考えた様子を見せ再度こちらに向き笑顔で答える。

 

 「そかそか、じゃあこっちに来て料理を手伝ってくれる?」

 「分かりました。」

 

 袖をまくりさっそく料理の手伝いをする。今日の朝食は思った通り焼き魚がメインだ。近くの海で取れた魚を開にし焼いていた。俺は、味噌汁に入れる具を切りながらダシを決めていく。小皿に汁を掬い味を確かめる。

 

(うん。美味し。)

 

 すると、女性が私にも味見させてと目で訴えかけてくる。小皿にもう一度掬い渡す。

 

 「どれどれー。うん、美味しくできてるね。これならどこへ行っても恥はかかないわね。」

 

 どうやら、女性からのお墨付きをもらったようでなによりだ。

 

 「婿に行っても文句は言われないね。」

 「いや、行きませんから。」

 「えー、絶対君が婿に来たら毎日美味しい料理が食べられて絶対幸せなのに。」

 「まだ婿に行くとか結婚するとか考える年齢じゃないですし、俺をもらっても相手に迷惑をかけるだけですよ。」

 

 そう言い、味噌汁に具を入れ完成させる。謙虚や遠慮とかではなく俺自身本当にそう思っている。すると、女性は手を一旦止め俺に向き合ってくる。

 

 「私は、そんな事ないと思うな。料理は美味しいし他の人が気づかない細かい事まで気が利く。それに優しくてしっかりと感謝の言葉が言えたりするも素敵だと思うの。ほかの人が真似して中々できる事じゃない。」

 

 女性はそう言って俺との距離を縮め手を優しく握ってくる。俺は、ドキッとし顔が熱をおびたように熱くなり後にたじろいてしまう。

 

(え、ちょっ…。近い近い)

 

 「だからね私が、もらって、あげる。」

 

 女性はそう言い満面の笑みを浮かべた。世の中の男性ならこれでイチコロだろうがそれは免疫がないからであり、長く一緒に住んできたものだからわかる事もある。

 俺は、一瞬「はい、喜んで。」と言いそうになりつつも冷静になり思考を落ち着かせ、ジト目をしていつも通りの会話へと軌道修正させる。

 

 「…またからかってるんですか。」

 「またとは何よまたとは。私は本気なのに〜。」

 「とか言いつつも、最後には俺の慌てぶりを見て楽しんでいるじゃないですか。」

 「あれ?バレちゃったかー。」

 「ほらやっぱり。」(めっちゃドキドキした〜)

 

 女性は俺の手を離す。柔らかくて暖かい温もりの感触が無くなるのはちょっとだけもったいないような気がするのは気のせいだろう。

 

 「あれれー、今一瞬ざんねんがってなかった?」

 「違います。そんなこと微塵も思ってません。」

 

 俺はそう言いすぐに料理の続きをする。別に、女性の手の感触が柔らかかったとか、いい匂いがしたとか、口説き文句にまんまと乗せられるところだったとか?全然そんなことありませんからね?でも、ちょっとだけ良いなとか期待するのは仕方の無いことだよね。男の子だもん。

 

 「ふふ、、」

 「なんですか?」

 「べつに〜♪」

 

 女性も料理の続きを再開し完成へと近づける。何だかこのやり取りを沢山してきたけど未だに勝った事が無い。勝ち負けでは無いのだろうが、女性には俺の考えている事が見透かされているような気がしてちょっとだけ悔しい。

 

 

 

 

 料理が出来上がり、食器をテーブルに並べ器に料理を盛っていく。それにしても、今日の魚はやけに大きいし立派だな。いつもの朝ごはんじゃ今まで出たことが無い。

 すると、丁度食器を並べ終わタイミングに奥の部屋から1人の老人が入ってきた。

 

 「あ、おはようおじいちゃん。」

 「おはようございます。おじさん。」

 「二人ともおはよう。今日もいい匂いがして美味しいじゃの。」

 

 おじさんが来たことにより家の人全員が集まり朝食を食べ始めた。

 おじさんはこの家の主で女性はおじさんの孫にあたる。俺は元々、この家の子ではないが訳あって10年ほど前からこの家で暮らし始めている。最初は、環境の変化についていけず慣れるまで苦労したが、おじさんも女性も優しく俺の事を向かい入れてくれて今ではとても感謝している。

 どうして、俺の事を引き取ることになったのか。その理由を聞いても言葉を濁すばかりで「時が経てば分かる」の一点張りだった。受け入れてくれただけでも有難かったのでそれ以上追求はしなかった。ただ、その話をすると決まっておじさんの顔はとても難しいというか、悲しい表情になった。

 

 「今日の魚美味しいねー。脂がのって味が濃厚。」

 「そうですね。美味しいです。でも、どうしたんですか?この魚。とても高そうなんですが…」

 

 気になったので聞いてみた。

 

 「この魚か?なんじゃ言ってなかったのか。」

 「あ、ごめんなさい。すっかり忘れてたわ。」

 

 何かあったのだろうか。誰かの誕生日?いや、俺が把握している限り誰もいないはずだけど。それにやるなら朝ではなく夜のはず…

 おじさんは少しため息をし俺と目を合わせて話してくる。

 

 「今日はお前さんの海軍上級学校の卒業式じゃろう。祝ってやらんでどうする。それに家族揃って食べるのも、お前さんが移動してからじゃそうそう機会がなかろう。」

 「でも、それなら昨日の夜にご馳走になりましたし…」

 「バカもの、祝い事は何回やっても罰は当たらん。それと高そうだとか変な気を回すな。いつも遠慮とかしなくていいと言っているじゃろ。」

 「はい。」

 

 おじさんは分かればいいと言って微笑む。

 

 「もう、説教はそこまでにして食べちゃきましょう。時間が無くなっちゃう。」

 「そうじゃな、次はお前の説教が残っているからなここまでにしておこうか。」

 

 女性はビクッと体か震え箸を持つ手の動きが止まる。よく見ると汗も少しかいている。

 

 「何かやったんですか。」

 「そんな、あれは完璧だったはずなのに…」

 「ほほほ、まだまだ儂の目は誤魔化せんぞ。」

 

 何をしでかしたのかは分からないが、あの女性がここまでの動揺を見せるのは中々見られない。今のうち拝ませてもらおう。

 

 「して、お前さんの作った味噌汁は中々の出来じゃのう。出汁も整っておるし風味も良い。」

 「ありがとうございます。」

 

 急に話題をこっちに振ってきて俺もつい身構えてしまった。おじさんは箸で味噌汁の具を引っ張り上げ俺の方を見る。

 

 「じゃが、まだ甘いのぉ。」

 

 それは、見事なまでに綺麗に切られた幾何学模様のワカメが味噌汁の中から姿を現したのだった。

 

 




ここで登場人物の紹介。

おじさん・家の主で大酒豪でもある。怒ると怖く顔には
シワが目立つがとても気さくで優しい一面も
持つ。

女性・おじさんの孫で髪を後ろで一つ縛りしている。
(ポニーテール)少々男勝りの所もあるが大和撫子
のような雰囲気もあり男女問わず人気者である。

主人公・提督です。
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