急いで書いたので誤字脱字が非常に多いかと思いますがよろしくお願いします。
『どうしてこうなってしまったのだろう』俺はその問を考え必ず正解を導かなければならない、そんな使命感にかられていた。
元を辿れば、と言うより元を辿らなくても俺は何も悪くないはず。とりあえず、状況の整理として昨日からの出来事を思い出す。
鎮守府に到着してから俺はまだ一睡もしないで鎮守府の館内掃除と修復作業に追われていた。外観は時間が経ってはいたけどそこまで酷く壊れていなかったが、中は意外にもあちこちガタが来ている。窓や扉のガタツキは酷いし床は腐って踏み抜いたし、通信機やモニター等実際に使う精密機器は全部埃をかぶり放置されていた。
それに1番苦労したのが掃除で風呂から廊下、各部屋、布団、壁の汚れは数え切れない。会長さんは鎮守府内を掃除したと言っていたけど掃除されていたのはほんの一部に過ぎないようだった。
これを、鎮守府に着いてから1人で作業を進めたけど未だに4割と言ったところだろう。本当は鎮守府内の施設を全部見たいけど、まずは生活スペースをどうにかしないとこの先の仕事に移っていけない。本館だけでもここまで時間がかかるとは思ってもみなかった。
船での移動にあわせてこの掃除の疲労感は今までで一番疲れていると思う。ほんとうは会長さんや島の人達に手伝って欲しいところだけど、まだ島に来て1日しか経ってない。いきなり鎮守府の掃除手伝って欲しいと言っても皆が素直に了諾してくれるとは思わない。こう言ったお願い事はもう少し時間をかけてからするべきだと思った。
そんな訳で、俺は不眠不休での鎮守府大掃除を1人で決行していたわけ。
うん。ここまでの話の流れで今の所悪いことは何もしていないはず。仕事とは言え1人で鎮守府の掃除と修復作業をした俺を労ってもいいと思う。
それと、俺は決して今までの疲労感から今回の出来事について怒っている訳では無い。むしろ、こっちがただ気が付かないだけで、何かしらの落ち度があるのかもしれないと思った程だ。
しかし、その落ち度は全くもって分からないし疲れた頭では思いつかない。だから俺はこう思った。『運が悪かった』そう思えば不思議と納得がいった。それじゃぁどうして俺は『運が悪かった』のだろうかと疑問が自然と浮かび上がってくる。昨日の自分の行動からしてそう言った原因を大きく引き寄せるものは無しそういう体質なわけでもない。
ただただ運がなかったとしか説明のしようがないが、その運も確率の1つとして捉えることができる。
世の中には様々な『確率』が存在し良い事と悪い事に分類される。例えば、運命の人と出会い、宝くじの当選、天気予報の当たり、不慮の事故に成功率数%の手術、同じ誕生日がいたりと上げていけば出てくる出てくる。
その良い事と悪い事をさらに分けていくと、『普通と特別』に分岐する。普段の生活の中で人と衝突する、段差でつまづく、物忘れに電車やバス映画の座席に座れるなど高確率なこと。
逆に特別な確率とは結婚する人と合ったり、雷に撃たれたり、宝くじに当選等だ。おまけにぶっ飛んだ例を上げれば隕石にぶつかる確率や飛行機が墜落するなど普段の生活では縁の遠い事を指す。
では問題。Q『初対面の美少女にグーパンで殴られる確率は?』
自分の中でもわけのわからない問だと理解している。でも今回の『どうしてこうなってしまったのだろう』の答えを導くのには必要だ。
世間では運命の人に出会う確率は0.000034%らしく、とても少ない確率だと言うことが分かる。運命の人と会うのにこれ程まで少ないと言うのに、美少女に殴られる確率はこれよりもっと低くなるだろう。
では、この限りなくゼロに近い確率を引き当てた俺は、今日美少女に殴られるのはもはや運命なのではないかと思った。
だが、俺は運命なんて不確定要素が多すぎるものは信じない。人は確率という言葉の前にウロウロしチャンスを逃すことが多い。それに起こってしまった事に対して確率何てものは必要ない。100か0のどちらかだ。
だから、あなたの成功率は~%で失敗率は~%ということは考えてもしょうがない事なんだ。全ては行動した結果によるもの。だから成功すれば100%で失敗したら0%と考えればいい。物事の前にある確率は人生を切り開くのには邪魔な存在なのかも知れない。
つまり俺が何を言いたいかと言うと。
答え。A『今日俺が初対面の美少女にグーパンで殴られる確率は100%である』これが答えだ。
今日はそういう日なのだと、俺は美少女のグーパンを甘んじて受け入れ凄まじい衝撃と共に自分の目線が目まぐるしく変わりなが飛んでいるのを自覚する。一瞬の出来事だったが、朦朧とする意識の中ではこのような意味のあるのか無いのか分からない問をする時間があった。
答えはでた。疲労感MAXだった俺の体と心は限界。これで心置きなく休息に入ることが出来る。そう思い俺は意識を手放した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
やってしまった。私は目の前で倒れている男性を見ながら自分の意識が後悔と罪悪感で埋め尽くされる感覚を覚えた。自分の手には殴った痛みの感覚が生々しく残りもうどうしていいのか分からない状況だった。
だけどこのままという訳にはいかない。深呼吸をし荒くなった息を整える。それなりに時間がかかったが少しずつ冷静さを取り戻せていた。
まずは状況の整理から始めよう。
1つ私はこの男性を殴ってしまった。
2つこの人は人間であること。
3つ鎮守府に居るということは軍の関係者であること。
4つこの人が持っているのは武器ではなく工具である。
こうして冷静に物事を推測していけば今回の件について整理できる。廊下を見れば夕日の光だけが入り込み奥は見ずらい。私が見たのはあくまでも人影であってそれを確かめるのを怠ってしまい勝手に逃げだした。
つまり、私の勘違いから起こったのだ。私は両手で顔を抑えながら俯く。この事がバレたら解体処分は待った無し、せっかく貰ったチャンスを自分で棒に振ってしまった。冷静さを取り戻したせいかこの後自分に待ち受ける処遇を容易に想像することができる。軍の関係者を殺してしまったのだ解体処分だけでは済まされない。そう考えるだけで顔の血の気が引き胃が痛くなる。
とりあえず、この人を放置するわけにも行かない。鎮守府からの定期連絡が無ければ本土やここの島民からも怪しまれバレるのは時間の問題だが、もとより隠すつもりは無い。
まずは、遺体の確認から。ほとんど手加減しなかったからどうなっているか分からない。
「こちらから殴っておきながら言うのはアレだけどあまり酷いのは勘弁願いたいわね。」
私はそっと男性に近づき体を確かめる。
「え?」
男性の体を見て思わず声が出てしまった。
「そんな嘘でしょ…傷がない。」
私はそのことに驚き目を見開いた。もう一度殴った部分を見ても少し赤くなっているだけでどこにも、大きな怪我が無いのだ。
奇跡が起きたと思い、すぐさま男性の息があるか耳を胸に当て確認する。トクントクンと聞こえ上下に心臓は動いていて息もしている。もしかしたら無意識に手加減していたのかもしれないが、今は急いで彼を安静にさせ回復を待とう。私は彼の肩を持ちベットがある部屋に移動した。
運がいい事に、1階に医務室がありそこで寝かせることにした。男の人だからもっと重たいと思ったけどそうでもなかったみたい。
彼は今、静かに寝息をたてながら眠っている。右目に眼帯を着けているけど目でも悪いんだろうか。それに、見た限りだと彼の容姿は大人と言う訳ではなく、私と変わらない年齢が近いように感じた。
気がつけば夕日は沈み外は暗くなっていた。今は4月だけあって部屋の中でも息がほんのりと白くなりとても冷える。私は部屋の中にあったストーブを着け暖かくなるのをじっと待つ。
彼の容態を見ている限りでは問題なさそうで気持ちよく眠っている。時々、彼の寝顔と寝がいりをうつ仕草を見て不思議と心がリラックスしていて、こんな気持ちは初めてだった。
思えば、人間の顔をこんな近くで見たのは初めてかもしれない。鎮守府にいた頃はいつも私たちを見る目は恐怖や狂気の目を向け気持ち悪い好奇の眼差しをし、私はそれが嫌で極力人とは関わらず遠ざけた。いや、正確には人に対して期待を捨てたんだと思う。
私だって最初から人間が嫌いだったわけじゃない。私達とは違う存在である事は分かってはいた。甘い考えではあったけど少しずつでいいから良い関係を築きたかったし個人的に興味もあった。でも、現実は上手くいかずこちらから歩み寄ろうとしても人との溝は深まるばかりだった。
そこからだと思う。人と艦娘の関係はこういうものなんだと思い、いつしか私は心を完全に閉ざし胸に抱いた理想を捨て偽物の心で人に接した。
期待するだけ傷つくのは自分自身。今でも心の片隅にある理想を否定されるのが怖くて一線を引いている。だから私は貴方になんの期待もしない。もし、期待して裏切られたら私は立ち直れないかもしれないから。
私は彼の髪をゆっくりと触りながらそう考える。髪はサラサラして触り心地が気持ちい。
(そう言えば、会長さんがここの提督は私と同じくらいの年齢だって言っていたけど、まさか彼じゃないわよね)
彼の髪を触り過ぎたのか嫌そうに寝が入りで手を弾く。私はクスッと笑い寝ている妹に同じことをしていたのを思い出す。
ストーブは段々と熱を帯び部屋が暖かくなる。私も島への移動や今日の事で疲れが溜まっていたのだろうかウトウトし始めた。
今頃あの子達どうしているのだろう。ふと、遠くにいる姉妹達の事が頭に浮かぶ。最近は迷惑ばかりかけてきちゃったけど大丈夫だろうか…。窓には不安な表情をした自分の顔が写っていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
瞼に光の刺激を感じる。薄くなった意識を暗い闇の底から引き上げるかのように徐々に明るくなり強制的に現実へと戻された。
目を開けると、陽は昇り朝になっていた。俺は一度伸びをして目線を下に向ける。そこには、昨日会った女の子がベットにもたれ掛かるように寝息をたてていた。
自分がベットに寝ている様子から、昨日はあのまま寝てしまいこの子がここまで運んで来てくれたんだろう。後でお礼を言わないと。でも殴られるとは思ってもいなかったけど無事でいられたのはこの体のせいだろう。
(まさか、この体に感謝する日が来るとはね。複雑だ)
んで、この子が『叢雲』でいいんだよね。先輩から貰った資料に乗っていた写真と一致しているから間違いなさそうだけど、今の寝顔とは全然雰囲気が違う。気持ち良さそうに寝てるしこのままでいいか。
俺は、叢雲が起きないようにそっとベットから抜け出し布団を叢雲に被せる。
「ん〜よく寝ねた。」
体の節々からボキボキと音をたてながらもう一度伸びをしついていたストーブを発見する。1日中つけっぱなしだったらしく喉がガラガラで若干汗をかいている。あんまり乾燥すると良くないから一応廊下側は開けておこう。
それから、今日の仕事について考える。と言っても内容的には昨日の続きになるから壊れている箇所の把握や掃除と修復作業が主になるけど、その前に腹ごしらえだ。腹は減っては戦はできぬ。食料や調理道具は昨日見た限りだと揃っていたしあと数日は大丈夫だろう。
「じゃぁやりますか。」
俺は叢雲を寝かしたまま食堂の調理場へと向かった。
元々鎮守府だけあって食堂は広い。縦長と丸型の机が並び100くらいは座れる数がある。調理場も大きくここに来てから1番に掃除をした。幸運にも調理道具や機材は問題無く使えたが一応、水道はさび臭さが抜けるまで1日中流しておいたが、米を炊くことができなかった。
俺は洋食よりも和食の方が好きだが今ある材料だと簡単たんなものしか作れない。前日から用意してあれば作れたかもしれないが時間が無かった。となると、自然に洋食で手間がかからない物となる。
「とりあえず、必要な道具はどこかな…」
俺は必要な調理道具を探し大きな冷蔵庫から材料を取り出す。冷蔵庫には会長さんが前もって買い揃えておいた野菜や肉、調味料等が置かれており中には魚もあり、漁が盛んなだけあり見るからに立派な鯛で脂がのっててとても美味しそうだ。
たぶん会長さんが気を利かせて鯛にしてくれたんだろう。今日の夕食は鎮守府に就いた祝い事で鯛を使った料理にしようとそう思った。
朝食は簡単にトーストとプチトマトとスコーンを乗せたサラダにスクランブルエッグやソーセージにコンソメスープとthe洋食になった。もちろん叢雲の分も含めて2人分だ。あとは、昼食と夕食用にご飯を炊いておきもし余れば冷凍し後日また食べればいい。
使った道具は水に浸しておいて、できた料理を適当なテーブルまで運びそろそろ叢雲を起こしに行こうかなとした時、食堂の外の廊下から走ってくる足音が聞こえ、勢いよく開かれたドアの方に視線を向けると少し息を切らせた叢雲と目が合った。
叢雲は驚いたと言うか焦った様子で何かを言いたそうに見てきたがうまく言葉が出てこないのだろうか、2人の間で沈黙が続いた。
別に無理して問いただす必要も無いけどせっかくの朝食が冷めてしまう。俺は少し息はいてから沈黙を破り叢雲へと声をかけた。
「おはようございます。えっと、朝食作ったんだけど食べますか?」
俺は少々声を抑え気味にし低姿勢で挨拶する。この時実家で女性が言っていたことを思い出す。
(女の子の機嫌はいつ損ねるかわからないんだよ。たまたまこの瞬間に怒っているだけで本当の原因は他にあったりするの。だから、常に女性への配慮や心構えを改めて持たないとダメなの。)
そう。時に女性は理不尽な理由で怒ってくる時がある。それを男性はどうして怒っているのか分からないことが多い。日常生活で常に溜まった不安や不満が爆発するととても手をつけられる状況ではなくなってしまう。
それに原因が分からない事には修復のしようがないため、鎮守府で働くということは必然的に艦娘(女性)との接触が多くなる。鎮守府運営を迅速かつ的確に進める為に、そして自分の命を守るために女性の持つ爆弾を点火させないようにしなくてはいけない。
だから常日頃から彼女らに失礼のないよう敬語で低姿勢で優しくをモットーにやって行こう。俺はそう心に決めたのだ。
俺は改めて叢雲を見る。目は若干すわっていてずっとこちらを凝視してくる。それに機嫌が悪いのか叢雲の雰囲気が少しだけ怒っているように感じる。今俺たちの間には気まづい雰囲気が漂う。
どうやら早速機嫌を損ねてしまったらしい。多分だが、気持ちよく寝てる最中に何かしらの音で目を覚ましてしまったかもしれない。あるいは、あの姿勢のまま放置してしまったのがいけないのだろうか…。1度ベットに運んでおけば…いやいや勝手に女性の体を触るなんてダメだ。それこそ自体の悪化に繋がる。
叢雲を見て苦笑いをする。どうしてこうなったと、朝からこんなにも頭を使うとは思わなかった。とりあえず、これ以上悪くならないように接するしかない。
「いや〜、今日は寒いですね。」
「ええ…そうね。」
「朝食作ったので良かったら食べて下さい。あ、味は保証しますよ。」
俺はそう言ってテーブルの椅子を引き叢雲を席に誘導する。
「あ、ありがとう。」
叢雲は一言いい席に来るがその際俺とは目を合わせてくれず目線は下を向いていた。
叢雲が席に座ったのを確認し朝食を食べ始める。
「「いただきます。」」
そこからは終始無言だった。静かな食事は嫌いじゃない。賑やかすぎるのも食事に集中できないがそれでも少しは会話があったほうがいい。
食堂は静まり返り外から聞こえる鳥のさえずりに僅かに聞こえる波の音だけ。
(静かだけど非常に気まずい…)
俺はチラチラと叢雲を見るがずっと下を向いたままで表情もあまり変わってなく食事も進んでいない。
「あの口に合わなかったですかね…」
「…今日は少し食欲がないだけ。」
「そうですか。今の時期は風邪が流行りやすいですからね。」
「……」
(会話が進まないィィ~)
あれ、コミニュケーションってどうやってとるんだ。学校じゃあ話す友達あの二人がほとんどで少なかったけど普通に会話のやり取りはできていた方だし特別口下手や人見知りな訳でもない。
『コミニュケーションは言葉のキャッチボール』という言葉があるがこれは完全に送球が無視されている。初対面だからいきなり話すのは無理もないけど、このままだとずっと気まずい雰囲気で過ごすことになるのはさすがに避けたい。
それから、ちょくちょく話題を振ってはみたけど叢雲の反応は薄く会話が成り立たないまま朝食を食べ終えてしまった。
俺は自分と叢雲の食器を片付ける。叢雲も手伝うと言ってきたが、丁寧にお断りした。その間も叢雲の事を見ていたけど何か思い詰めた表情をしてそのまま座っている。なにか悩みでもあるのか…
そう思い、片付けが終わるとお茶を注ぎ叢雲に渡す。ここに来てまだ1日しか経ってない為いろいろと不安なのかもしれない。悩みを聞くのも提督である自分の仕事だ。
「なにか悩み事でもあるのですか?もし良かったら聞かせて下さい。」
俺は叢雲の正面に座り彼女を見据えた。叢雲は一瞬体をこわばらせたが1度深呼吸をし俺に視線を合わせた。
「ごめんなさい!」
叢雲は頭を下げよく通る声でその言葉が食堂に響いた。『やはりか』そう思った。これは何の謝罪なのか俺はすぐに気がつく。それはこの鎮守府では働けないという事だ。
俺は、どうして叢雲がそう思ったのか皆目見当がつかない。叢雲と会ったのは昨日が初めてだ。とう言うことは昨日何かが起こったか、もしくは本土から離れたこの鎮守府が嫌だったかだ。どちらにしてもまずは話を聞いて、もし引き止められるようだったら粘り強く交渉するしかない。数秒間の沈黙が続き俺は1度息を吐いてから話を進める。
「どうしてもこの鎮守府には残れませんか。」
「はい。」
「理由を聞いても?」
叢雲は話すのを一瞬躊躇ったが力のない声で少しづつ言葉を紡ぎ答えてくれた。
「あなたの、、顔を、、、、殴っ、てしまったからです」
叢雲は言い終えたあと顔を伏せたまま泣いていた。声を上げまいと気付かれない様にと我慢していたが今の食堂は残念ながら少しの音でも分かるような静けさだった。
次はもう少し短く書きたいです。