マスターはおるか!!」
「あん?
なんか用かロリノブ」
「ワシ可愛いから是非もないよネ!!って違う!!
聞いたぞ、主なんでもしゅーてぃんぐなる何某を持っているとな!」
「あーアレな。
つってもゲームだぞ?
迫り来るドスケベ女たちがエグい弾幕ぶち込んできて、イライラする高笑い聞きながら黙々とビーム打っていって、無駄に脱衣要素が豊富な奴だぞ?
マジで開発社ぶっ飛んでるよ。
未来に生きてるなんてレベルじゃねぇよ。
もはや別次元で生きようとしてる新手のクリーチャーだよ」
「おお!新たな邂逅を望めるかもしれんな!
アーチャーたるワシがやらんで誰がやる!
ワシそれやりたい!」
「だってよー猫。
どう?1面クリア出来た?」
「出来ねーよクソがっ!!!!
なんなんだこのクソゲー!!
何もかもがオレへの当てつけみてぇにイライラする!!」
「イライラするならやらんでもよかろうに」
「いや、アレ多分持たざる者の」
「オイ!シスケ!!聞こえてんぞ!!
ちくしょうふざけやがって!!
どいつもこいつもそんなにあの脂肪の塊がでけぇ方がいいのかよ!!」
「需要あるし、あ」
「ようし盛大にブッ潰す!!!」
「やめろゴラァ!!!俺の部屋だぞ!!
チャンバラ感覚で聖剣出すな!!」
「次ワシがやるんじゃぞ!!
壊すのならマスターかそこの藤子・F・不〇雄にせい!!」
「俺〇ーマン顔ってこと!!?」
「よかった......先輩も大きい方が......」
「フォーウ......」
第12話 祭りって言っときゃ大概許される
「ふはははっ!!
落ちよ貧相なトカゲどもめ!
ワシの艦隊が火を噴くその有り様を、死の間際までしかと目に焼き付けい!!」
「数にもの言わせ過ぎだよ......。
戦国の連中ってやっぱりすごい人ばっかりだ」
「おもしれぇ!
おいロリノブ!オレにも1個貸せ!
オレもハンティングやりてぇ!!」
「よし!見たな野郎共!
敵は空飛ぶトカゲの集団、銃も弾も的も腐るほどある!
日頃のストレス発散から晩飯の確保までできて一石二鳥だ!
更に一番多くのトカゲを撃ち抜いた奴には豪華商品もつける!
至れり尽くせりの盛大な祭りだ!
気ぃ引き締めて存分に撃てよ!?
でも浮かれすぎてテメェの玉撃つんじゃねぇぞ!!?
分かったらとっとと働けテメェら!!!」
「「「「「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」」」」」
「フォウフォー!!」
「言わないで下さいフォウさん。
私はもう考えることを止めました」
「よっしゃああァァァ!
ケツの穴にまで響くいい返事ありがとよぉぉぉ!!!
“春のトカゲ打ち放題肉祭り”ここに開催じゃあァァァ!!」
どこまでも響く雄叫びと鳴り止まない発砲音が、ここフランスに際限なく広まっていく。
イカレにイカれた謝肉祭が、イカれた男の先導の元に開催される。
小話として、街の者たちはつい最近までトカゲことワイバーンに怯え逃げ惑っていた者とついでに付け加えておこう。
話はこれより前のことになる。
───────────────
西暦1431年、ここフランスでは百年戦争の爪痕がまだ真新しく残る中、新たな問題に直面していた。
救国の聖処女であるジャンヌ・ダルクが、異端審問にかけられ火刑に処されてから間もなく、突如として現れた人智を超えた力を持つ者が出現。
懐より取り出したソレは、この世の物とは思えないほどの眩い光を放ち、あらゆる願望を形にすると言われるほどの有名な聖遺物。
本来であれば、それは傷だらけになってしまった人々の心の拠り所となるはずであったが、その聖杯は人々に恩恵をもたらさなかった。
それもそのはず、物そのものに意思はなく、使い手の心の有り様によってその価値が変わってくる。
善なる心の持ち主であれば、それは清く美しい世界を体現させる。
反面悪しき心の持ち主であれば、その輝きは黒々とした邪なものにうって変わり、欲望の限りを尽くした混沌を体現させる。
そしてその輝きは希望ではなく、フランス中の国民全てを恐怖させる者を誕生させる。
───聖処女が悪に堕ち
禍々しい竜を従えて蘇った。
竜の魔女、誰かがそう呟いた。
彼女はその遍く憎しみを炎に変え、かつて自身が救った祖国を焼き尽くすために奇跡の力を振るった。
城が小さく見えるほどの巨体な黒竜を筆頭に、次々と生み出される竜の眷属たち。
空を埋め尽くし、破壊の警鐘を吠えながら人々を蹂躙する。
本来の正史には存在しないはずの神秘の生物。
勇敢にして国の誉れたる精鋭たちですら、襲い来る竜たちには無力だった。
画してフランスは前代未聞も危機に直面することとなる。
自分たちが正しく正義であると主張し、身勝手な都合で一人の農家の娘を焼き討ちにした故に引き起こされたif。
竜の魔女は、奪い取った城の最上階より下界を見渡す。
一時ではあるものの、安寧と平和をもたらした我が祖国。
今ではその美しかった姿は見る影もない。
悲鳴と怒声が入り交じった阿鼻叫喚の有り様。
憎しみに塗り潰された夢の跡。
それでも、このままで終わるわけにはいかない。
自国を焼いた程度では収まらない。
国の現状に背を向け、一人呟く。
誰に対して放ったものではなく、これからの自分の行動の指針を再確認するため。
───我らが憎悪に喝采を
─────────────
「はい、なんやかんやあったわけで現在フランスこと、オル......オル、ガマリー?に来ております。
ここで中継です、現場のメガネちゃーん?」
「はい!!ここ!!現在!!
オルレアンに向けて落下中です!!!
以上!!中継終わります!!」
「おいおいなんだよコレ!
もうちょい座標軸なんとかならなかったのかよ!!」
「失礼、野良猫が紛れ込みました。
誠心誠意謝罪致します。
大変お見苦しいものを見せてしまい、申し訳ありませんでした」
「何も見苦しくねぇだろ!!」
「いや!!確かに現状見苦しいと思うよ!!
衝撃映像待ったなしだもの!!」
「フォォォォォー!!!」
「うっはっはっは!!
れいしふと早々に非常事態か!!
運がないのうマスター」
紫助と藤丸率いる一行は、無事レイシフトに成功したが、着地地点の座標軸がズレたため大空に放り出されている。
約数名緊張感が欠片も存在しないが、危機に直面していることだけは確か。
考えるまでもなく、このままではスプラッタ映像の激写待ったナシだからだ。
『あぁぁぁぁ!!!
最初から盛大にコケるなんてついてない!!
レオナルド!どうする!?』
『まぁ落ち着きなよ、モードレットと信長がいるんだから大丈夫でしょ』
「物理法則を無視できるワシらにも限度があるのぅ」
「クソっ!めんどくせぇな!
シスケ!!」
「ロリノブ、仕事だ」
「任せよ!」
モードレットが紫助の腕を強引に引き寄せ、紫助もまた信長の体を強引に引き寄せる。
藤丸たちより早く地上へ落ちるように隼姿勢で急降下。
着地寸前で魔力放出により落下時の衝撃を緩和し、バタつくものの何とか着陸。
休む暇なくそれぞれが落下中の二人と一匹を確保する。
最初のグランドオーダー早々スリリングな体験をすることとなった。
「す、すみません皆さん......助かりました、本当に」
「ありがとう......貴重な体験だった」
「藤っ子も言うようになってきたな」
「涼しい顔でワシら側に立つマスターが言うと違和感半端ないの」
「コイツを人間の枠組みで考えるのやめた方がいいぞ。
ただのイカれたワンちゃんだ」
「荒っぽい猫に言われたかねぇな。
猫みたくもうちょい綺麗に着地できねぇのかよ」
「あ゙ぁ!!?
ワンちゃんはお礼も言えないんですかねぇ?!」
「せんきゅーせんきゅーベリベリマッチング」
「テメェやっぱりおちょくってんだろ!!」
どこでも変わらず騒ぎ立てる二人を尻目に、マシュは状況を分析しダ・ヴィンチたちに報告する。
天候自体は穏やかなもので、耳をすませば鳥の囀りさえ聞こえる。
一見すると、戦後であったのか疑わしいほどに静かだった。
少し歩いて遠くを見遣れば、何やら城門のような建造物を発見。
門そのものは所々劣化や荒々しい傷はあるものの、複数人の門番がいるところ問題なく機能しているらしい。
「ふぅ......では皆さん、そろそろ行きましょうか。
まずはあの街に向かい、情報収集をします。
道中に村があるようなので、そちらでも同じく情報を探ってみます。
いいですか、先輩?」
「うん、現状自分たちにはこの特異点で何が起きてるのかさっぱりだし、いいと思う。
ただ戦闘がないとも限らないから気をつけよう」
『いいねぇ立香くん!
冬木のときに比べたら飛躍的な成長だよ!
でも焦らず、着実に経験を積んでいって欲しいな』
『一時はどうなる事かと思ったけど、ひとまずはその街で一休みするといいよ。
霊脈はスキャンできてるから、召喚サークルの設置はそれからでもいい。
レオナルドも言った通り、焦らず着実に行こう』
「はい!行きましょう先輩!皆さん!」
「よし!腹は決まったみてぇだな!
ダ・ヴィンチ!アレを出せ!」
『オッケー!
ジャーニィー号試作機、発進準備完了だ!』
「come on!J.A.〇.V.I.Sくん!」
「「えっ?」」
紫助が慣れた手つきで指をひとつ鳴らすと共に、彼らの上空より簡易的術式が展開される。
一拍置いた後に轟音を響かせて着弾されるは、どこか見慣れた黒塗りの大型車。
細部に
事前に打ち合わせしたのだろう。
紫助のドヤ顔からタイミングの良さが妙に良く見えるのが非常に腹立たしい。
『お初にお目にかかります、皆様。
今日より皆様の身の回りのサポートを仰せ仕りました、サポート用AI“ J.A.〇.V.I.S”と申します。
無礼を働くかもしれませんが、精一杯アシストさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いします』
『いやー紫助くんがたまには良い注文するものだからつい熱が入っちゃってね。
完徹して作っちゃったよ!人工知能!』
「ふっ」
よく分からず爆笑している信長を除いた全員が、同じ箇所に青筋を立てている。
だがそれでも、彼女はすぐに興味の対象を移した。
かつて自分の手足のように動かした愛車に飛びつかずにはいられない。
「おぉ!あん時の乗りモン!
なんだなんだ!シスケもなんだかんだ言ってオレのドラテクが好きか?!
しょうがねぇな!!
またこのモードレット様がテメェらを地平線の彼方まで連れて行ってやるよ!」
「これが近代の駕籠かのう?
乗るならワシ真ん中がいい!」
「あぁ......また魂の綱引きをしなきゃいけないのか」
「大丈夫です先輩。
こんなこともあろうかと、ちゃんとエチケット袋を用意してあります!」
「フォーウ......」
「心配すんなフォウ公、手は打ってある」
『ルートを設定します。
紫助様、準備完了です』
「あぁ、一つよろしく頼むぜ」
若干ズレた気遣いをするマシュの足元で、フォウは心配そうに見上げてくる。
無理もない、気を抜けば何処ぞへと吹き飛ばされてしまう経験を味わってしまったのだから。
だが、そんな心配なぞ無用だと言わんばかりに紫助は落ち着いている。
フカフカとした毛並みを人撫ですると、彼はとても良い顔で笑っていた。
悪戯を考えついた悪ガキのような顔で。
──────────────────
ここはジャンヌ・ダルク誕生の地ドンレミ。
決して裕福な村ではないが、生活する分にはあまり苦労を知らない。
休戦中のため今では侵略者の類は見えないが、未だ痛々しい傷はあちこちに残っている。
そんな中警戒中の門番二人は、侵入者がいないかと目を光らせている。
交代が来るまで気を抜いてはいけない。
張り詰めた空気ではあるが、人間はそんな完璧な存在ではない。
どうしても気が緩んでしまう時もある。
「......ふぁ」
「おい、警戒中だぞ。
混乱に乗じて乗り込む輩もいるんだ。
気を抜くなよ」
「すまん。
だが今日は特に天気が良くてな。
こんな状況でなきゃ家族揃って出掛けにでも行きたいぜ」
「気持ちは分かる。
それでも我慢しておけ。
ただでさえ厄介なワイバーンが時折彷徨いている。
避難誘導の号令を遅らせるわけにはいかないんだ」
「あぁ、とんでもねぇ話だ。
まさかあの子が蘇り、竜を従えてこのフランスに舞い戻ってくるなんてよ」
「言うな、私たちは未だに納得していないし、死ぬまでするつもりもない。
何故あの清廉潔白で優しい彼女が処されなければならなかったのか......処罰に走った者たちが許せないよ」
「声が届かねぇってのは、もどかしいもんだな。
どうしようもなくよ......」
何もフランス国民全てがジャンヌ・ダルクを疑った訳では無い。
少数ではあるものの、彼女の潔白を疑わない者たちだっている。
ここドンレミは彼女が産まれた故郷。
人柄を知っている者たちは、いくら周りが彼女を悪だと罵ろうと乗せられたりはしない。
とはいえ、力無き者がいくら声を張り上げようと届くことは無い。
何時の時代も、少数派は多数派には適わない。
声を上げればたちまち国家反逆罪として彼女の後を追わせられることになるだろう。
「薄情者だと罵ってくれてもいい。
私たちは、肝心な時に彼女を守れなかったのだから」
「俺たちに出来ることっていえば、こうしてこの村を守ることだけだ。
今はそれでいいだろ?」
やりきれない気持ちを抑え、今自分に出来る使命をこなす。
出来ることといえば、こうして彼女の故郷を精一杯守ることぐらい。
出来ることは限られている。
贖罪紛いのことでもある。
それでも何か報いたい。
門番の心を動かしているのはその一心だ。
「おい」
「.....早速仕事か?」
「みたいだな、俺たちの手に負えるかどうかは分かんねぇけど」
目の前に広がる光景は、先程と変わらない。
砂煙を巻き上げ、異国の音楽を掻き鳴らしながら突き進んでくる黒い物体が追加された事以外は何も変わらない。
少なくとも馬ではないことは確かだ。
そして、闖入者であることも確かだ。
「んだよこのやろぉ!!
なんでアクセル踏んでんのにスピード変わんねぇんだ!
なんでハンドル切ってんのに行きたい方向に曲がらねぇんだ!
運転席の意味がまるでねぇじゃんか!!」
「おぉう、こりゃ楽チンじゃのう。
まさしく快適などらいぶじゃな!」
「あぁ......普通って素晴らしいなぁ」
「フォーウ!」
「先輩!野生動物が走り回っていますよ!」
『まもなく目的地に到達します。
皆様、お降りの際はお気をつけ下さい。
紫助様、私は入口付近にて
御用の際はお声掛け下さい』
「あーぁっ............了解。
あぁよく眠れたわ、なんで車とか乗り物って乗ってると眠くなるんだろうな」
「紫助さん、特に電車は一定の振動がリズムになって体に伝わることから、座っている人は特に眠くなるそうです。
前に本で読んだことがあります」
「マジか、そんな理屈があったのか。
考えたこともなかったわ。
んーこれぞ車旅だなぁー!
静かだし眠れるし会話弾むしいい事づくし!
どっかの誰かさんも見習って欲しいなぁ!!」
「うるせぇ!!!
ドライブってもっと激しく飛ばすモンだろうが!!」
観光がてらに立ち寄ったかのように、連中の緊張感は相変わらず皆無だった。
最早誰も突っ込もうとしない辺り、既に誰かによって何処かが毒された後なのだろう。
欠伸を漏らしながら紫助たちはのそのそと降り立つ。
警戒心上がりまくりの門番たちを前に、警戒心などどこにも存在しない男はあっけらかんと言い放つ。
「あ、お忙しいところすみません。
どーもどーも、僕達ただの物好きの旅人なんです。
ネタ探しにここら彷徨いてて、なんかネタになりそうなToLOVEるとかって起きてたりします?」
「は?いやToLOVEるがどうとかは分からんが、トラブルは確かに起きているな、目の前に」
「そうっすよねーこの格好どう見てもToLOVEるですよね。
ホラメガネっ子、初見さんから見てもやっぱりToLOVEるだってよ。
だからハレンチメタモルフォーゼはやめとけって言ったろ?」
「まだ引っ張るんですか?!
もういいじゃないですか!
私だって好きでこんなピチピチの服装してる訳じゃないんです!」
「ピチピチじゃとぉ!?
ピチピチならワシも負けとらん!
待っておれ!今ピチピチの肌着姿のぷりちーなワシを披露してやる!
これを機にドル箱の立ち位置を貰うぞ!!」
「やめてそんな不毛な争い!!」
「よく分かんねぇけどトップはこのオレだ!
藤沢!オレもその戦い乗るぜ!!」
「乗らないで!
これ以上は自分の容量を越えてる!!
そして間違っても俺は土地名じゃない!!」
「なんなんだお前たち?」
「フォーウ......」
──少年少女説明中──
「成程、事情は理解出来んが納得はした。
要するに君たちはとある機関より派遣された勇士たち。
このワイバーン飛び回るオルレアンを調査、もといその原因を撤去する。
この解釈で間違っていないかな?」
「はい、凡そその解釈で問題ないです。
それにしても、神代から大きく離れているこの時代で幻想種が蔓延っているとは妙な話ですね」
「うん、前の冬木でもそうだったけどやっぱり聖杯が関与してる時点で、自分たちの知ってる状況じゃないのかも」
「何が起きてるかなんて不思議じゃねぇだろ?
聖杯は文字通り破格の代物だ。
オレたち英霊を呼び込むなんざ朝飯前、大規模な殲滅も簡単にこなしちまうヤバい代物だ。
常識で考えるなよ、聖遺物なんだからな」
「うむ、日の本にも似たようなものは多々ある。
万能の願望器程ではないが、まさしく神の御業を実現させる武具や品物があったのう。
そういった類を神器と呼ぶが」
万能の願望器である聖杯を持ってすれば叶わない道理はない。
無尽蔵に湧き上がる魔力を使えば、幻想種を再び呼び寄せる事も容易。
死んだ者でさえ甦らせるのだから。
「成程ねぇ、そっちの都合も大体把握したぜ。
ハエみてぇに飛び回るトカゲに苦労してるか。
んでそいつの大元が城を占拠してるってわけか」
「簡単に言えばな、それにヤバいのワイバーンたちだけじゃない。
人の形をした化け物もいるって話だ。
目撃者の大半が殺されてしまって、ホントかどうか分からないけどな」
「サーヴァントの線が濃厚ですね。
この特異点を修正するためには、間違いなく交戦は避けられません」
「うん、正直クーフーリンさんたちを呼んでも戦力は心許ないかな。
ワイバーンの大群にサーヴァントが何人か」
「普通に無理じゃの」
「分かりきっていた事ではありますが、流石にコレは厳しいです」
「ほれほれ落ち込むでないマシュマロ。
ワシが言ったのはあくまでも“普通にやり合えば”の話じゃ。
戦において戦力が拮抗することはほぼほぼ有り得ん。
自軍より敵軍の戦力が勝っている状況なぞ腐るほど。
目に見える戦力ばかり気にしていては勝てるものも勝てん」
「目に見える戦力だけが、全てではない?」
かの第六天魔王は、恐れることなく経験を告げる。
それどころか、笑みさえ浮かべながら戦況を整理し、勝利への道筋を組み立てていく。
侮ることなかれ、彼女は怒涛の戦乱を生き抜き極東を統べた英傑。
苦境を嘆くのではなく、全てを笑って受け止める。
負ける様を悲観せず、勝利する様のみを想像し実現させる。
総じて英霊と呼ばれた者たちの根幹は似通っている。
劣っているのならあらゆる手を使ってそれを補う。
逆境こそ、彼らの真価を発揮するための舞台なのだ。
「だからこそ、軍師と呼ばれる者たちがある。
敵軍を攻略するため、あらゆる手法を持ってしてこれを打破する。
敵に予想できる手段で対抗するでない。
間者、騙し討ち、飢餓、奇襲に奇策。
勝つための手段なぞいくらでもあろう。
少なくともワシは数手思いついたぞ!」
「こ、この短い間でそんなに?!」
「ワシを誰と心得るか!!
第六天魔王、織田信長であるぞ!
軍略の一つや二つ、習慣が如く考えつくわ!
であろうマスターよ!!
いつぞやの狩りの続きといこうではないか!」
「え、マジで?
アレやってくれんの?」
「ふははははっ!!
良い良い、他でもない貴様の頼みじゃ!
今回は特に許そう、何せ戦国自体以来の戦に成り得んかもしれん大舞台!
大船もとい、鉄甲船に乗ったつもりでいれば良い!」
「あ?シスケ、お前なんか企んでんのか?」
「また妙なことする気じゃないでしょうね......」
「とにかく心配だよ」
「フォウフォー!」
「「作戦名、名付けて」」
ここで冒頭を思い出して欲しい。
画して季節の名だけ借りた祭りが始まることとなる。
その場の勢いだけで全てを乗り切ろうとする馬鹿者どもの選択。
吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る。
この場合、行動自体が凶であることは明白になるお約束である。
「「春のトカゲ打ち放題肉祭り!!
遅ればせながら済まない......。
可能なら笑ってやってくれ......。
また次のベージでry