「............」
「なぁってば」
「............」
「聞こえてんのかよシスケ!」
「んだようっせぇなぁ......。
寝みぃんだから邪魔すんなよ。
こちとらレイシフトで疲れてんだよ。
今から寝るの。
夢の世界にレイシフトすんの。
布団という名のコフィンに入って準備万端なの。
黙ってマンガでも読んどけ」
「読み終わっちまったから呼んだんだろ。
なぁなんかしよーぜー。
シュミレーターでもゲームでもなんでもいいからしよーぜー」
「1人でやってろってだから」
「ひーとーりじゃーつまらねぇー!!」
「ぐほぉ!
分かった!分かったから!
人の腹の上で駄々こねんのはやめろ!」
「とても邂逅初日に殺し合いをしていた2人とは思えない」
「ここのところずっとあぁですよ先輩」
「えぇ......」
「暇だー!
暇過ぎてどうにかなりそうだー!」
「誰かぁぁぁぁ!
誰か保健所の人をお願いします!
猫が腹の上から離れません!
大至急撤去を要請する!!」
号外、5名を乗せた軍用車両が轢き逃げ。
冬木市にて発生した痛ましい事件として、大々的に一面を飾る。
某時刻に青髪の青年を轢き、そのまま逃走した模様。
目撃者は運転していた人物はひどく若く、まるで少女のようであったと証言。
同乗者は訳の分からないことを喚いており、後部座席に同乗していた他の3名はパニック状態に陥っていたとのこと。
目撃者によると、運転していた少女は“今のオレは風だ!止められるモンなら止めてみやがれ!”と叫びながらアクセルを踏みしめていた模様。
また、目撃者の最近の冬木にてコメントをもらったところ、治安はあまりよろしくないと骨をカタカタ震わせながら不安げに口にしていた。
現在も犯行グループは逃走を続けており、住民の間でも不安が広まっている。
「まぁ、多分こんな感じで取り上げられんだろうな。
そりゃそうだよ、何処の一般ピーポーが軍用車両乗り回して普通の街を走る?
もう悪目立ちだよ。
目撃者がいないわけないよね」
「オイ!
オレはこんなこと言ってねぇぞ!
ねつぞーにも程があんだろうが!」
「それどころじゃないでしょう!!
今あからさまに誰かを轢きましたよ!?
なんかどうしようもなく聞き慣れたかのような悲鳴とともに!」
「どうしたのマシュ?
あぁ、ようやく着いたの?
そっか、今からそっちに行くから」
「先輩!?
着いてません!着いてませんからそっちには渡らないで!」
「新聞会社も生きてりゃきっとこうなったって。
無免許で爆走する少女ってか、こりゃ重罪だわな」
「オレは地平線の向こうに行こうぜって言ったんだよ!
載せるならもっとカッコよくしろよ!」
「そういう問題じゃありませんから!
早く助けに行きますよ!」
不憫な男救出中。
「あぁーただの車でよかったぜ。
神秘纏ってりゃ結構ヤバかったかもな」
「本当にすみませんでした。
あのバカたちに変わって謝罪します」
「気にすんなよ嬢ちゃん。
こんな些細なことで怒りゃしねぇって。
寧ろ助っ人が来てくれて有難いと思ってたところだぜ。
ま、出会いが衝撃的過ぎておかしかったがな。
それよりお前さん方の事情を聞かせてくれ。
どうも無関係には思えなくてな」
「はい、掻い摘んで説明します」
轢かれたこと等些細なことと切り捨て、豪快に笑い飛ばす青年。
真名はクーフーリン。
ケルト神話において最も有名で、母国であるアイルランド以外の多くの国々にもその名を轟かせる偉大な大英雄のうちの1人である。
サーヴァントの肉体はエーテルによって構成されている。
エーテルは神秘の部類に属するため、サーヴァントにダメージを与えるためには同じ神秘を纏うものでなければならない。
つまり、神秘を纏っていなければ最新型の現代兵器をもってしても致命傷はおろか、傷一つ付けることは出来ない。
つまり神秘さえ纏っていればダメージ足り得るということになる。
「なるほどなぁ、人理が燃やされる寸前でお前さんたちはそれを阻止しにここまで来たと。
人理修復の為にはいくつか原因となっている場所とそれぞれ聖杯があり、それを取り除かねぇと俺らの築いてきた歴日は抹消。
なかったことにされるってか。
かぁー話がぶっ飛びすぎて現実感がさっぱりだが、どうも嘘じゃねぇみてぇだな」
「はい、その解釈で問題ありません。
私たちも奮闘してはいるのですが、戦力が乏しく途方に暮れていたところです。
もし宜しければ力を貸して頂きたいです。
ケルト神話きっての大英雄、クーフーリン殿」
「よせよせそんな畏まんな!
祭り上げられんのは柄じゃねぇ、一つ砕けた感じで頼むぜ。
俺もその方がやりやすい」
「あ、ありがとうございます!
戦力が増えるのは心強いです!」
「んで嬢ちゃん。
ちょっと聞きたいんだけどよ、アレもお前さんの連れってことでいいのか?」
「アレ?」
クーフーリンの指さす方角には紫助とモードレッドの2人。
見た感じ揉めているようだが、これまで嫌という程そのやり取りを見てきているので正直どうでもいい。
マシュはため息を着くことすら忘れ、表情を固まらせながらクーフーリンに向き合う。
「なぁ、なんか食うモン持ってねぇのかよ」
「あるわけねぇだろ、ここ何処だと思ってんの?
草も残らず燃えるような場所よ?
ましてや食いモンなんて持ち歩くわけねぇだろ」
「チッ、使えねぇマスター様だなぁオイ」
「ワガママなサーヴァント様にゃ言われたかねぇよ」
「あ”ぁ?
もう第2回戦ご希望ですか?
また冷たいところで寝てーのか?」
「おう、やってやろうじゃねぇか。
こっちもワガママな猫にそろそろお灸を据えてやろうかと思ってたところだ。
たまにゃいいこと言うじゃねぇか」
「あぁ、スカした面してる犬と遊ぶのも悪くねぇと思ってな。
骨の代わりにいいモン叩き込んでやるよ」
「ちょっと二人ともストーップ!!
またケンカ始めちゃうの!?」
「何言ってるの藤丸?
人間がサーヴァント相手に適うわけないでしょ。
いくら魔術が素人だからって、そんな当たり前のことを忘れたわけじゃないでしょ?」
従来の常識ではサーヴァントに太刀打ちできる人間は皆無である。
無論様々な条件下では可能であるが、基本的には身一つでやり合える者はいない。
だがこの目の前の青年はそれができる。
何やら色々隠し玉を持っており、謎多い人物であるためその胸中は伺えないが、紛れもなくサーヴァントに匹敵する戦力とみて間違いない。
それを目の前で見てきた立香たちだからこそこうして止めるのだ。
「紫助さんにはそれが出来るから止めてるんですよ!
ちょっと二人とも待ってよ、殴り合いで解決するなんてやっぱりよくないよ。
そんなの戦争と何にも変わらないじゃないか」
「はぁ?」
「......確かに、殴り合いばっかだと芸がねぇな」
「オレは全然いいぞ」
「ばっかお前、同じことしてっと飽きんだろ?
たまには趣向を変えて勝負といこうじゃねぇか」
「まぁなんだって構わねぇぜオレは。
どうせ勝つのはオレなんだからな!」
「ハッ笑わせんなクソ猫。
俺の圧勝に決まってんだろうが」
「「あ”ぁ!!?」」
「あぁ、また始まっちゃうよ。
なんかもうちょっとこう、マシなものはないの?
少なくとも血を流すようなものじゃなくてさ」
「............今考えられるとすりゃ、そうだな。
1つあるぜ」
重々しい雰囲気を醸し出してはいるが、考えている内容が内容なだけに深刻そうには全く見えない。
この空気でまともなことを言った試しがないからだ。
「よし、“あっち向いてホイ”で決めようぜ」
「なんだそりゃ?」
「ねぇ藤丸、アイツ本当に大丈夫?
レイシフトの影響でより一層おかしくなったんじゃない?」
「ま、まさかぁ......少なくとも最初よりかは断然マシですよ」
「ルールは簡単。
互いにじゃんけんをして、勝った方が“あっち向いてホイ”の掛け声と共に上下左右どちらか一方に指を指す。
反面負けた側は指を指された方向と違う方向を向けばいい。
同じ方向に向けば負け。
同じ方向に向かせるまで続ける。
どうよ、簡単だろ?」
「ハッ、なんだそりゃ。
ガキの遊びじゃねぇか。
下らねぇ、そんな勝負オレはお断りだ」
「あっそ、怖いんだあっち向いてホイが」
「............はぁ?」
突如として怒気が強まった。
召喚時に紫助がモードレッドの地雷を踏み抜いたものと同じものを立香は感じ取ったからだ。
モードレッドの怒りなど気にもせずに紫助は続ける。
「ヒッ!
ね、ねぇ藤丸!本当にアイツおかしくなったでしょ!?
サーヴァント相手にケンカ吹っかけるとか正気の沙汰じゃないわ!
もう完全にあのセイバー殺す気満々よ!?」
「最初カラデスヨ、最初カラ」
「お前はあっち向いてホイの奥深さを何にも分かってねぇな。
いいか、一見簡単そうに見えるこのゲーム、お前が思っている以上に難関だ」
「なに?
どういうことだよ?」
「フツーは運試しとかで勝敗が決まっちまうのがこのゲームだ。
だがな、達人クラスになると、もうあっち向いてホイは別モンの領域になる。
文字通り次元が違うんだよ」
「へぇ......いいぜ、続けな」
「確かにあっち向いてホイは昔ガキが思いついて、いつの間にか日本中に広まったもんだ。
ガキは基本的に運が悪かったから負けたとかほざくが、これを極めた奴らが始めると話が変わってくる。
相手が指す方向の予測、それを躱し続ける気力、根性、攻勢に回り続けるためのジャンケン勝負の制圧、指差しのパターンの把握等を限られた短時間でこなす必要がある。
一勝負にかかる時間は、ジャンケンが1発で決まる前提で考えて凡そ2~3秒。
だがジャンケンは連続で続く可能性もある。
自分が負かす勢いでいても、ジャンケンで負けてその後パニクって自滅なんてこともザラにあるゲームだ。
どうよ、これを聞いてもまだガキの遊びと言うか?」
「......おぉ、なかなかに奥深いじゃねぇか。
なるほど、極めれば児戯も高度なものになるな」
「ふっ、漸く理解出来たかよ」
「えぇ.........」
「バカね。
骨の髄から腸までとかじゃなくて魂レベルでバカね」
起源さえ知らなければその通りなのだと錯覚してしまうほどの弁舌。
基本的に口は回る方なので、一度飲まれてしまうともう彼のペースになってしまう。
であるため主導権を握られてしまうといいように言いくるめられ、煙に巻かれてしまうのだ。
傍から聞けば“うむ、なるほど”と思ってしまいがちだが、実際はそれっぽくでっち上げてその場をテキトーに切り上げているだけ。
詐欺師の素質でもあるのではないだろうか。
「なんだぁ?
あの兄ちゃん結構面白そうな感じだな。
嬢ちゃんの仲間なんだろ?」
「無関係と言いたいのですが、そうですね。
彼も一応協力者です。
後、一緒に張り合っているのがその彼のサーヴァントです」
「ははっ、なんだなんだ随分と賑やかな連中だな!
気に入った!俺も1枚噛ませてもらうぜ。
こっちの方が面白そうだしな」
「は、はぁ......それは有難いです」
マシュからすればいい迷惑でしかないが、事が事だけにここはグッと堪えて飲み込むことにした。
クラスがキャスターになっていようと彼は偉大な大英雄クーフーリンそのもの。
単騎で何万人もの軍隊を相手取ったことから、戦士としての逸話が色濃く目立つが、彼は師であるスカサハより原初のルーンの教えも受けている。
そのためキャスタークラスの適正を持っている。
別の話では剣を持って戦ったという逸話も存在するためセイバーとしても呼ばれる可能性がある。
その性質上、誇り高く遠距離攻撃を好まないため、アーチャーとアサシンクラスにだけは適性を持たない。
だが、それを抜きにしても本来の力を持つ彼は正に規格外。
こと戦うことに関しては万能と呼べるレベルであり、知名度補正が低い極東で呼ばれたとしても、その輝きがくすむことは無い。
「まぁそんな暗い顔すんなよ。
嬢ちゃんは断然笑ってた方がいい」
「それは、何故ですか?」
「いい女は何をしても様にはなるが、陰気は例外だ。
心まで暗くなっちまう。
女はな、基本的に笑ってた方がもっと美人になるんだよ。
笑顔こそ最高の化粧ってな」
「それは聞いたことがある気がします」
「そいつは真実だ。
誰かが笑顔になりゃそれが周りに伝わってくる。
そんで、いつしかそいつの周りには輪ができんだ」
「“輪”ですか?」
「あぁ、嬉しいことから辛ぇことまで分け合える連中のことさ。
実際それがあるかどうかでそいつの価値が決まる。
何ものにも変え難いってな。
死んでも残り続けるそいつはこの世の何よりも貴重な宝だ。
金銀財宝はあの世に持ち込めねぇが、いい思い出の一つや二つは持ち込めるかもしんねぇだろ?」
「.........理屈は、理解出来ます」
それはあまりにも楽観的な考えだとマシュは思う。
死後の事など考えたこともなければ、自分がその最期を迎えた時のことなど考えたこともなかったからだ。
クーフーリンの考えであるそれは、きっと魂の存在を信じているからだろう。
魔術師のような概念的に囚われたものではなく、身近に感じる当たり前のような存在に彼らは考えているのだ。
事実、魂があるからこそ彼らは死後もこうして現世に呼び出され、仮初の生を繰り返している。
一概に否定することは間違っているかもしれない。
だからこそ、マシュは否定をしなかった。
「なんだ、嬢ちゃんも随分と堅物みてぇだな。
ンな難しく考える必要なんてねぇよ。
ホラ、アイツら見てみろよ」
「えっ?」
「あっち向いて......ホォォォォイ!!」
「フン!
だァァァァァァ!また負けた!!
なんでだよ!
シスケ!お前なんかズルしてんだろ!
なんかタネとかあんだろ!
正直に言えよ!」
「ブッブー、タネも仕掛けもありませーん。
にしてもお前よえーな。
お前が次どっちに向くか手に取るように分かるわ」
「このやろ調子乗りやがって!
もっかいだもっかい!
次こそ負けねぇ!」
「待て待て選手交代だ。
俺は次に所長と勝負する。
勝ったらあの話は言いふらさないでやるからよ」
「その話は生涯するんじゃない!
勝負に乗ってあげてもいいけど、その賭けは認めないからね!」
「あ、オイ!
まぁいいか、勝ち重ねてリベンジだ。
オイ藤高やろーぜ」
「藤丸だよ!
いいよ、勝負しようか」
「へっへー経験を積んだこのモードレッド様にもう負けは有り得ねぇ。
フルボッコにしてやんよ!」
そこには子供の遊びを和気藹々と繰り広げる青年達の姿があった。
恥ずかしくて周囲に誇らしげに語るようなものではないが、同じ時間を共有している和やかな雰囲気だ。
いつの日かこの出来事を思い出し、語り合えるための機会のように彼らは無邪気に楽しんでいる。
「あの兄ちゃんのお陰なんだろうな。
嵐みてーに周り巻き込んでかき乱すタイプだろありゃ。
ガキみてーに思えんだろ?
でもありゃ大切なことだぜ。
バカ騒ぎして、バカみてーにはしゃぎまくって、揃って明日を迎える。
それが叶えばこれほど嬉しいことはねぇぜ」
「笑って明日を迎える......」
「戦う理由はそれぐらいシンプルな方がいい。
分かりやすいし、それは嬢ちゃんが1番望んでることなんだろ?」
「はい」
「ならあの連中に身を委ねてみな。
退屈しねぇなら生きてる間楽しめるぜ」
クーフーリンは快活に笑ってそうマシュに告げた。
物事を難しく考える必要は無い。
考えという深みに嵌ればはまるほど、それは自身の視野や意識、考えを狭めてしまう。
時折物事に耽ることもまた必要だろう。
だが、人生の大半はそれぐらい気楽に構えていた方が意外と上手くいったりする。
運や縁の問題もあるだろうが、そこは考えるだけ無駄。
今ある時を十分に噛み締めて、シンプルな目的の為に動けとクーフーリンは背中を押してくれた。
「んじゃ嬢ちゃんの指針が少しまとまったところで、これからの話といくか!」
ケルト神話の大英雄クーフーリン。
クラスが変わろうと、彼の根幹が変わることは無い。
誇りと矜恃を軸とし、戦いを好んだ男。
生前もこうして、友と呼べる相手と語り合い、怒涛の生涯を遂げたのだろう。
そんな豪快に生きた男の在り方に、マシュは少しだけ触れることが出来た。
─────────────────────
「改めてクーフーリンだ。
クラスはキャスター。
見ての通り古参兵だが、重宝してくれんなら死力を尽くすぜ」
「え、アンタキャスターだったのか?」
「最初にそう紹介してくれたでしょ」
「いやいや、どう見たってキャスターにゃ見えねぇよ。
だって見ろよ、ゴリゴリのマッチョマンだぜ?
服装は確かにぽいけどよ、とても杖振りかざして戦うタイプにゃ見れねぇな」
「お、兄ちゃんなかなか鋭いな。
確かに今はキャスターだが、俺は本来槍兵でな。
槍ぶん回して敵地に突っ込むのを生業としてきたことの方が長いんで、俺自身もしっくりこねぇが......まぁ適性があったんじゃ仕方ねぇな。
だが安心しな、俺は以前にルーン魔術を修めてな、後衛支援もできるから心配すんな」
「ハイスペック過ぎんだろ。
英霊ってのはどいつもこいつもすげぇ奴ばっかだな。
どっかのバカ以外」
「当たりめぇだろ、英霊ってのはどいつも逸話を残すほどの奴らばかりだ。
お前らの尺度で図ろうとすんな。
つか、今オレのことバカにしなかったか?」
「てことはアレか?
なんもねぇところから炎とか出せたりすんの?」
「おう、俺のルーン魔術なら詠唱ひとつでボンだ。
他にもおもしれぇモン持ってっから期待していいぜ兄ちゃん」
「頼もしいねぇ。
うし、戦力も増えたところだしそろそろ親玉にご対面と行くか。
さっさと終わらせて帰ろうぜ。
俺腹減ってきたわ」
「おい、無視かおい。
シカトなのか?怒るぞ?
テメェの頭に1発かましたっていいんだぞ?」
「問題は場所だな。
なぁメガネっ子、場所が山だけってのはちょっと抽象的過ぎんな。
もっと絞り込めねぇの?
例えば山頂とか」
「あの山が一番有力な場所なのは変わりません。
ですが、クーフーリンさんの話によると、山ではなくその地下に大きな魔力の反応があるみたいなんです。
そこに門番の役割をしてるサーヴァントがいるんですよね?」
「あぁ、切っても切れねぇ腐れ縁の野郎が入口にずっと張り付いていやがる。
俺が呼ばれるところにいつもあの顔があるんだ。
いい加減運命とか感じちまうぜ......うぉぉぉヤダヤダ。
野郎との運命なんざ御免こうむるぜ」
「ならまずそいつをぶっ倒さねぇとな。
一気にぶっ潰してから突破した方がいいな後半的に。
なぁ、アンタにはそういうなんか大技的なやつあんの?
宝具ってやつがよ」
「おぉーい!完全にシカトか!
構えやゴラァ!
終いにゃ駄々こねんぞ!」
「応とも、英霊なら必ず宝具を1つは持ってる。
俺のはちとばかしデカいが......てか嬢ちゃんのは方はどうなんだ?
お前さんも一応サーヴァント扱いなんだろ?
宝具の一つやふたつ持ってねぇのか」
「確かにクーフーリンさんの言う通りあるにはあるのですが、なんと言いましょうか......その、なんか私にはうまく扱えなくて」
「やっぱりマシュも持ってるんだ?」
「あぁー、そいつは多分霊基が上手く同調してねぇのかもな。
無意識に魔力の放出に制限掛けてんだろ。
うし、それは俺がどうにかしてやるよ」
英霊は基本的に、必ず宝具と呼ばれる切り札的存在を有している。
それは名のある有名な武具の全力解放であったり、英霊の持つ力の解放、又は逸話や伝説が宝具として昇華したものであったりと形は様々である。
更に種別化すると細かくなる。
一人を対象とする対人宝具。
軍隊を相手取れる対軍宝具。
城塞をも破壊できる対城宝具。
世界そのものに干渉する対界宝具。
中でも対界宝具は別格で、概念そのものを消し飛ばしてしまったりとスケールが大きい。
これを持つサーヴァントは限られており、一度使えば文字通り戦局を覆し、圧倒的不利な状況でも勝利へと導く必殺の代物。
サーヴァントによっては特異的な宝具も存在するため、一括りにするだけ無駄なのかもしれない。
「ちょっと待て!
その役目、オレがやってやるよ」
「はぁ?
なに、無視され過ぎておかしくなったの?
癇癪起こして訳わかんねぇこと言ってる自覚なくなったの?
脳筋のお前にンなこと出来るわけねぇだろ」
「バカかお前!?至極真っ当だわ!
サーヴァントは必ず宝具を持ってるって言ったろ。
舐め腐ってるお前への当てつけとついでに見せてやるって意味だよ」
「理由がストレート過ぎていっそ清々しいわ」
「ん?お前さんがやってくれんのか?
なら俺の宝具はお預けだな。
嬢ちゃんが宝具を解放する流れを簡単にまとめるぞ。
さっきも言った通り、魔力の流れを堰き止めてるのは嬢ちゃんが無意識に自分でセーブを掛けちまってるからだ。
そいつを取っ払うには窮地に放り込むのが一番手っ取り早い。
セイバーの宝具をその盾で受けろ。
俺の見立てじゃあその盾は生半可な攻撃じゃあ傷一つつかねぇ。
加えて宝具を解放できりゃ多分受けきれる」
「た、多分ですか?」
「どうせ今やっとかなきゃ近いうち死ぬんだ。
ここらで腹括っておきな。
セイバーの宝具を受けきれなきゃお前さんは死ぬ。
分かってんだろ?サーヴァントの死はマスターの死に直結する。
坊主を死なせたくなきゃ、文字通り死ぬ気でやりな」
「......先輩のため。
分かりました、死ぬ気で頑張ります!」
やぁ皆さんどうも。
いつもの私です。
更新めっちゃ遅れたね、申し訳ない。
始まって半年足らずで仕事に嫌気が指して転職考え中でストレスがマッハですが、気を取り直して頑張ります。
自覚はあまりないんですが、ストレスチェックシートを見てみたら判定がA☆で、とりあえずお前のストレスはヤバいとの通達を受けました。
だいたい☆って何ですか?
キラっとした感じで濁してるんでしょうけど、書いてることエグいですからね。
医師と面談して下さいって紙も同封されてましたよ。
自費じゃなければ行きます。
結局自費なので絶対行きません。
まぁストレスがヤバいことと仕事がクソめんどくさいこと以外は何も変わってません。
皆様も変わらずにお過ごしください。
そして、温かい声援を下さい。
頑張ってやっていきますので、よろしくです。
ではでは、また次のページでお会いしましょう。