IS~存在しない者の戦い~   作:shin-Ex-

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今回は以前やった二年生編の話をします。

「本編進めろよ」

・・・・・ごもっともな意見です。

ですが本編は修正が必要ですしこの話はどうしてもやりたかったものでして・・・・

「はあ・・・・・もういい。とっとと話に入れ」

わかりました。

それではどうぞ!


第2話

ここはIS学園の生徒会室。今のこの部屋の有り様を一言で説明するならばおそらく・・・・・・

 

「もう・・・・・無理」

 

「私も・・・・・これは流石に・・・・・」

 

「お菓子食べながらでも辛いよ~・・・・・」

 

「あはは・・・・・これは予想以上だよ」

 

死屍累々という言葉が相応しいであろう。

 

一夏、簪、本音、シャルロットは自分の机の上で突っ伏していた。そして彼女たちを囲むようにいくつもの書類が山となって置かれている。

 

IS学園が新年度を迎えて1週間、IS学園生徒会は多忙を迎えていた。部活動の部費の割り当てや年間行事の調整といった年度開始時期にやらなければならない仕事が数多くあるからだ。

 

4人は代表候補生ということもあり、優秀な人物ではあるが、あまりの仕事量の多さにまいってしまっているのだ。

 

そんな中・・・・・

 

「はいはい。皆絶望するのは仕事を片付けてからにしてくれよ」

 

ただ一人。生徒会長であるルミナだけは全く堪えていないようで、高速で書類に目を通しながら手にしたペンを走らせていた。

 

「ルミナ・・・・・お前なんで平然としてるんだよ」

 

「オーティー・・・・・私達の倍近く仕事してるよね?」

 

一夏と本音が顔だけ上げてルミナを見ながら問う。

 

「俺は生徒会長だからな。これくらいで根を上げてしまっては務まらないだろう」

 

ルミナは書類から目を逸らさずに答えた。

 

「・・・・・お姉ちゃんだったら根を上げてたと思う」

 

「・・・・同感」

 

簪とシャルロットは前会長である楯無の事を思い、苦笑いを浮かべた。

 

・・・・・・まあ実際、サボり癖のあった楯無なら根を上げていたであろう。

 

「ともかく、皆ももう少し頑張ってくれ。終わったら何か奢ってやるからさ」

 

「「「「・・・・・了解」」」」

 

ルミナから励まされ、再び自分の仕事を再開しようとする4人。

 

そんな時・・・・・

 

「失礼」

 

生徒会室に来訪者が現れる。

 

来訪者は白い肌にセミロングのブロンドヘアの少女であった。

 

「(制服のリボンは赤・・・・・今年入学してきた新入生か)生徒会に何か用かな?」

 

「ええ。まあ正確には生徒会にではなくて生徒会長であるあなたにですけれど」

 

少女は挑発するような目でルミナを見ながらいった。

 

「俺に?」

 

「ええ。要件を言う前に自己紹介からさせてもらいます。私はイリア・ハールティ。今年このIS学園に入学したベルギーの代表候補生です。どうぞお見知りおきを」

 

少女・・・・・イリアは礼儀正しくお辞儀をしながら挨拶をした。しかし、それはあくまで形だけのものであり、その場にいた全員がイリアから敬意を感じ取れなかった。

 

「自己紹介ありがとう。俺は・・・・・って、名乗る必要はないか。俺に用があって来たわけだし。それで?俺になんの用があってきたのかなハールティさん?」

 

ルミナは柔かな笑顔をイリアに向けて聞いた。

 

「単刀直入に言います。私はあなたがこのIS学園の生徒会長であることに納得がいきません」

 

イリアはルミナを睨みながらキッパリと言い放った。その目からはルミナに対する敵意が見て取れる。

 

「納得がいかないって・・・・どういう事?」

 

イリアのあまりの物言いに簪が尋ねる。

 

「どうもこうもありません。聞けば生徒会長とは学園最強の称号でもあるのでしょう?その生徒会長の座に男が居座っているという事実に私は納得していないのです」

 

(((((・・・・・・ついに来た)))))

 

イリアの発言を聞いてルミナ達は同時にそう思った。というのもルミナが生徒会長になった時に、不満や文句を言ってくるものがいずれ現れると生徒会メンバーの全員が予感していたのだ。

 

ルミナや一夏、そして今年IS学園に入学してきた数人がISを動かせる男性だからといって世間の『女尊男卑』の風潮はなくなったわけではない。今でも男性を下に見る女性は数多く存在するのだ。

 

故に・・・・・学園最強の生徒会長の座にルミナが着いていることに意見をいう人物が現れることは容易に想像することができたのだ。

 

「そもそもISとは女性だけに与えられた至高の力。それを男性如きが動かすことが出来るだけでも私にとって許しがたいのです。それなのに男性が学園最強?初めて知ったときは何かのジョークかと思いました」

 

イリアは馬鹿にするような笑みを浮かべながら言った。

 

(((・・・・・・入学当初のセシリア(セッシー)に似てるなこの子)))

 

「・・・・何を笑っていますの?」

 

イリアの言動から入学当初のセシリアを思い出したルミナ、一夏、本音が苦笑いを浮かべるとイリアは不機嫌そうにジト目になった。

 

「ごめん、なんでもないよ。それで?俺が生徒会長であることに納得がいかないって言うなら・・・・・ハールティさんはどうするつもりなんだい?」

 

「そんなの決まっています。私は・・・・・」

 

「し、失礼します!」

 

イリアの言葉を遮るようにして生徒会室の扉が開かれ、まともや来訪者が登場した。

 

今度の来訪者は淡い桃色の髪を両サイドに括った少女であった。

 

「・・・・・あ、あれ?もしかして私・・・・・ものすごいタイミングで来ちゃった?」

 

少女は生徒会室に漂うただならぬ空気を感じ取り、少しおどおどしている。

 

「ははは・・・・・ごめんなライナ。今ちょっと立て込んでてね。用があるなら後で聞くから少しだけそこのソファに座って待っててくれるか?」

 

「は、はい。わかりましたルミナさん」

 

少女・・・・・ライナは返事をして生徒会室に備え付けられた来客用のソファに腰を下ろす。

 

彼女の名はライナ・ファルス。ルミナと同じくカナダの代表候補生だ。ちなみにルミナとの関係は良好であり、ルミナのことを純粋に尊敬している。

 

「・・・・・コホン。招かねざる来客がありましたがまあいいでしょう、話を続けさせてもらいます。私は・・・・・・あなたに生徒会長の座から辞職して欲しいと思っています」

 

「じ、辞職!?」

 

イリアから告げられた解任という言葉に一番反応したのはライナであった。まあ事情の知らない状態でそんなことを聞けばこの反応は至って普通であろう。

 

ちなみに当の本人はというと・・・・

 

「ハールティさん・・・・・人を指差すのは褒められた行為ではないよ?」

 

結構のんきであった。また、他の生徒会メンバーも特に大きなリアクションを起こしていない。

 

「え?あ、すみません・・・・・ではなくて!あなた私の話を聞いていました?」

 

「聞いてるよ。つまり俺に生徒会長を辞めて欲しいっていうことだろう」

 

「わかればいいです。というわけでさっさと辞めてくれませんか?」

 

「・・・・・・はっきり言うけどさ、それは無理だよ」

 

ルミナはきっぱりとした口調でイリアに言い放った。

 

「無理?どうしてですか?」

 

「元々俺は自分の意思で生徒会長になったわけじゃあない。前生徒会長含め今の2年生と3年生、昨年度の卒業生やこの学園の教師が俺を学園最強だと判断したから俺を生徒会長に就任させたんだ。だから君の・・・・・ましてや俺の一存で生徒会長を辞することはできないんだよ」

 

ルミナはイリアに理由を説明した。その説明には破綻はなく、尤もすぎるものだ。イリアとてバカではないため、ルミナの説明には納得した。

 

それ故に・・・・・

 

「・・・・わかりました。つまりあなたが学園最強でないことを証明できればいいんですね?」

 

「・・・・・まあそうなるけど」

 

「でしたら・・・・・・私がそれを証明してみせます!私、イリア・ハールティはあなたに決闘を申込みます!」

 

このような展開になってしまうのであろう。イリアはルミナを指差しながら宣戦布告してしまった。

 

「ハールティさん・・・・・人を指差しちゃダメだってさっき言っよね?」

 

「あなたごときの指図は受けません!」

 

今度ははっきりとルミナに言い返すイリア。

 

すると・・・・

 

「・・・・・ねえ、さっきから聞いてれば何様のつもりなのかな?」

 

先ほどまで話を黙っていたシャルロットが口を開き、イリアに指摘した。表情は笑顔であるのだが身に纏う空気が酷く黒々としている。

 

「な、なんですかあなたは?」

 

「僕はシャルロット・デュノア。生徒会の会計だよ。それよりも僕の質問に答えてよ。1年のくせに敬意の欠片もない態度でルミナを罵倒していきなり決闘を申し込むなんて・・・・・・何様のつもりなの?」

 

「ッ!?」

 

イリアはシャルロットの雰囲気に気圧され、後ずさりする。

 

「はあ・・・・・シャルロット。その辺にしておけ」

 

「ルミナ・・・・・でも!」

 

「でもじゃない。ハールティさんが萎縮してるだろ。それに俺も気にしていないから」

 

「・・・・・わかったよ」

 

ルミナに諭され、シャルロットの雰囲気は常のものへと戻った。

 

「わかればいい。そういうわけだから他の皆もハールティさんを睨むな」

 

ルミナは先ほどからイリアを睨んでいた一夏達(ライナ含む)に促す。すると一夏達もイリアを睨むのをやめた。

 

「やれやれ・・・・・俺の身内が失礼をしたね。すまなかった」

 

「べ、別に構いません。それよりもどうするんですか?決闘を受けるんですか?受けないんですか?」

 

先ほどまでこの場にいるルミナ以外の全員に白い目を向けられていたというのにイリアはルミナとの決闘を辞めるつもりはないらしい。意外とタフなようだ。

 

「(これも刀奈から教わった生徒会長の責務・・・・・かな)わかったよ。その決闘承諾する」

 

「「「!?」」」

 

ルミナの一言に、イリアを除く一同は驚愕した。

 

「あら?物分りがいいのね。その点に関しては少しは認めてあげましょう」

 

「それはどうもありがとう。場所と日取りはこっちで決めていいかな?生徒会長って立場上、アリーナの使用とか色々と融通が利きやすいからね」

 

「構いません。それが最後の融通になるでしょうし。詳細が決まり次第連絡をお願いしますね」

 

「わかった」

 

「それでは失礼します」

 

イリアはペコリと一礼して、生徒会室をあとにした。

 

「・・・・・お義兄ちゃん、どうして決闘引き受けたの?」

 

「そうだよオーティー。わざわざ決闘なんてしなくても良かったと思うけど?」

 

イリアが去った後、簪と本音がルミナに尋ねた。

 

「仕方がないさ。不本意でなったとはいえ俺はIS学園の生徒会長・・・・・その責務を果たす義務が俺にはある」

 

「決闘を受けるのも義務なのか?」

 

「ああ。楯無も生徒会長だからって理由でよく勝負を挑まれていたからな。俺もそれに倣わないと。それに・・・・・・決闘受けなきゃハールティさんてこでも動かなかっただろうしな」

 

「あはは・・・・・そうだね」

 

容易に想像できたのであろうか、シャルロットは乾いた笑みを受けべた。

 

「でもまあ・・・・ハールティさんには悪いけどちょうどいい機会かもしれない。今年入った新入生に生徒会長の力を見てもらうにはおあつらえむきだ」

 

ルミナは苦笑いを浮かべながら言った。

 

今年入った新入生のほとんどはルミナの実力を知らない。故にイリアと同じように考え、生徒会長であるルミナのことを軽んじているものも少なくはないであろう。

 

故にこの決闘は・・・・・ルミナの実力を新入生に見せるのにちょうどいい機会となるのだ。

 

・・・・・まあルミナ本人は甚だ不本意に思っているのだが。

 

「さて・・・・と。待たせちゃって悪かったなライナ」

 

一通り話は収束したので、ルミナはライナに声をかけた。

 

「い、いえ。急に来た私が悪かったので気にしないでください」

 

ライナはにこりと笑みを浮かべながら言った。

 

「それでライナはなんのようなんだ?もしかして・・・・ライナも俺に決闘を挑みに?」

 

「そ、そんなことしません!私は・・・・・その・・・・・生徒会に入れて欲しくてお願いに来たんです」

 

「え?生徒会に・・・・」

 

「「「「本当!?」」」」

 

ルミナの言葉を遮って、一夏達4人は食い気味にライナに聞き迫った。

 

「え?あ、あの・・・・」

 

「よかった・・・・・これで負担が減る」

 

「少しは気が楽になるね~」

 

「ファルスさんだったよね?君は僕たちの救世主だよ」

 

「・・・・生徒会へようこそ」

 

「え?え?・・・・・・あれ?」

 

戸惑うライナをよそに勝手に話を進める一夏達。それほどまで仕事にまいってしまっているようだ。

 

「・・・・・お前らは新人に仕事を押し付ける気なのかよ」

 

そんな様子をルミナは呆れた様子で見ていた。手で額を抑えているところを見ると頭痛がしているようだ。

 

 

 

 

 

IS学園生徒会・・・・・・新年度は早々に波乱に見舞われてしまったようだ。

 

 

 

 

 

 

 




今回登場した二人の簡易設定を載せます!

それではどうぞ!


名前
イリア・ハールティ

クラス
1年3組

役職
クラス代表、ベルギー代表候補生

容姿
東方Projectのアリス

性格
真面目で基本的には優しいのであるが少々傲慢で女尊男卑に染まっている。入学当初のセシリアに似ている

備考
ISの操作技術は同国の代表候補生の中でも頭一つ飛び抜けており、実力は高い

専用機持ち

近距離、遠距離どちらもそつなくこなすオールラウンダー

ISの詳細は未定




ライナ・ファルス

クラス
1年4組

役職
生徒会庶務(新人)、カナダ代表候補生

容姿
まどかマギカのまどか

性格
誰にでも優しくて思いやりがあるが恥ずかしがりやでいつもおどおどしている。

備考
カナダの代表候補生でルミナのことは同じ代表候補生として尊敬している

ルミナが会長を務めているため生徒会に入ることを決めた

天生のドジっ娘でIS戦闘でもよくミスする

しかしIS適性はSであり、ルミナいわく戦闘の才能は自分よりも上らしい

遠距離戦を得意とする

IS詳細未定



とまあこんな感じです。

ちなみにこの続きの話ですが・・・・・そのうちやるかもしれません。

いつになるかわかりませんが・・・・・



次回からは本編に戻ります。

お待たせして申し訳ありません・・・・・




それでは次回もまたきてくださいね!
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