この話はルミナさんと現在までのヒロイン候補、楯無さん、千冬さん、本音さんとのお話です!
結構甘めにしているつもりなのでブラックコーヒー準備を推奨します。
それではどうぞ!
今は12月24日の20時。つまり聖夜だ。
実のところ俺はクリスマスに特別なこだわりはなかった。日本独自のお祭り、デパートの書き入れ時、普段よりも金をぼったくる日。そんな欠片も夢のない認識をしていた。
生前には女の子とそういった関係になったことはある。だが・・・・・・はっきりと言ってしまえばどの子も本気ではなかった。本気で愛した人はただの一人もいなかった。だから恋人と過ごすクリスマスに興味など欠片もなかったし、意味があるとも思わなかった。
でも今は違う。なぜなら・・・・・・今寄り添ってくれている人は俺にとって・・・・・・たったひとり心から愛する人だから。
そんな人と共に過ごす聖夜には意味があるのだと思うようになった。
ルート 更識刀奈
「なあ、本当によかったのか?」
俺の膝の上にちょこんと座る俺の恋人・・・・・・更識刀奈に尋ねた。
「なにが?」
「せっかくのクリスマスなのにこんなところにいて」
俺達が今いるのは寮の俺の部屋だ。刀奈にクリスマスだからどこかにデートに行こうかと聞いたのだが・・・・・
「だってあなたって人ごみが苦手なんでしょう?」
こう言って断ったのだ。確かに俺にとっては助かるのだが・・・・・
「・・・・・・刀奈はそれでいいのか?」
刀奈が気を使っているのではないかが気がかりだ。
「ええ。私にとって大事なのはこの日をあなたとふたりで過ごすことだから。それだけで十分幸せよ」
刀奈は俺にもたれかかりながら微笑んでそう言った。
「・・・・・・そうか」
全く、刀奈は・・・・
「・・・・・本当にお前はいい女だな」
俺は刀奈を抱きしめる。刀奈の体温を感じて非常に心地よい。
「なっ!?もう・・・・・・不意打ちなんてずるいわよ」
刀奈は恥ずかしそうに顔を赤らめた。心なしか抱きしめている体が少し熱くなったように感じる。
「ごめんごめん。刀奈って本当、普段は飄々としてるくせに攻められると弱いよな」
「し、仕方ないでしょ・・・・・好きな人にこんなことされたんだから恥ずかしくもなるわ///」
「ははは、まあそりゃそうか」
俺の恋人は本当に可愛いな。
「む~・・・・・・その余裕がちょっと癪に障るわ」
「俺は刀奈よりも経験豊富な年上ですから」
「前世から換算してでしょ?少なくとも『ルミナ』は私よりも年下よ」
「それは・・・・・まあそうだな。でも年下に攻められるのは嫌いじゃあないだろ?」
俺は刀奈に意地悪く聞いた。きっと今俺は悪い笑顔をしているのだろうな。
「嫌いよ。年下に攻められるのは嫌い・・・・・・・・あなたを除いてだけど」
「そうか」
最後ちょっと小声になったな・・・・・せめてもの抵抗ってところかな?
「それにしても・・・・・・・不思議な感じ」
「何がだ?」
「こうしてクリスマスにあなたとふたりでいることがよ。私はあんなにあなたに嫌われていたのに」
「正確には嫌っていたんじゃない。気に食わなかっただけだ」
「それって違うの?」
「俺にとっては全然違うさ。むしろ刀奈には一目惚れしてたんだぞ?」
これは本当のことだ。初めて会ったあの時から・・・・・・俺は刀奈に惹かれていた。
「そうなの?それは初耳ね。でも一目惚れした女の子にあの態度は酷いんじゃない?」
「一目惚れはしていたけど初めて会った時の刀奈のあの態度は本当に嫌だったからな」
「辛辣ね・・・・・・でもまあそのことに関しては本当に反省しているわ」
「でもああいう態度をとった一番の理由は・・・・・刀奈に惹かれていたからなんだよな」
「え?」
「惹かれていたから俺は・・・・・刀奈のことがとにかく気に食わなくてああいう態度をとったんだ」
「・・・・・・どういうこと?」
「俺は・・・・・・『存在しない者』だからな。本来この世界にいるはずのない人間だ。だからこそ、この世界の人間を好きになってはいけない、好きになるなんて許されない。そう思っていたんだ」
「・・・・・・」
「それなのに刀奈は俺に近づいてくる。俺に声をかけくる。俺に笑顔を向けてくる。だから・・・・・・刀奈が万が一にも俺のことを好きになるだなんてことがないようにああいう態度をとっていた」
まあ、結果的にそれが刀奈の俺への興味を引く更なる要因になってしまっていたようだから本末転倒だけど。
「・・・・・・今はどうなの?今も・・・・・・そう思っている?」
刀奈がこちらを向いて聞いてきた。今にも泣き出しそうな顔で。不安そうに、悲しそうに。
「・・・・・・それは」
ボフッ
俺は刀奈をベットの上に横たえさせ、その上に覆いかぶさった。
「今からゆっくり・・・・・・教えてやるよ」
「ルミナ・・・・・」
「刀奈・・・・・・愛している。何よりも・・・・・誰よりも」
俺は刀奈を愛した。今の俺の想いを余すことなく全て伝える為に、
深く、深く・・・・・・・
愛おしい刀奈を愛した
ルート 織斑千冬
「ふぅ・・・・・やはり寒いな」
IS学園の校門前、俺はここで人を持っていた。
「ルミナ!」
声のする方へと振り返るとそこには小走りで駆けてくる人がいる。俺の恋人、織斑千冬だ。
クリスマスイブの夜、いわゆる聖夜に俺は千冬とデートをする約束をしていた。どうも千冬は恋人と共に聖夜にデートをすることに強い憧れを持っていたようだ。一ヶ月以上も前に顔を真っ赤にして誘いにきた千冬の姿は脳裏にしっかりと焼き付けられている。基本的にあまり人ごみは好きではない俺だが愛する千冬の願いを叶えるためだ。全く嫌とは感じなかった。
「待たせてすまない」
彼女は申し訳なさそうな表情で俺に謝ってきた。
「いえ、仕事だったんですから仕方がないですよ織斑先生」
というか聖夜に仕事を押し付けるって・・・・・・IS学園はマジで鬼だな。
「そうか。そう言ってもらえると助かる・・・・・ところでルミナ、その・・・・・」
「なんですか?」
「・・・・・今はプライベートの時間だ。だからその・・・・・織斑先生ではなく・・・・敬語も・・・・・」
恥ずかしそうに頬を赤く染めて、小声でぼそぼそといっている俺の恋人。普段学園で見ている凛々しい姿とは全く違ういじらしい彼女は本当に可愛らしい。
「・・・・千冬」
「!!」
「ふふ、これでいいんだろ千冬?」
「あ、ああ。それでいい」
俺が敬語をやめて呼び捨てにすると、千冬は満足げに笑みを浮かべた。
「それじゃあ行こうか、千冬」
俺は千冬に手を差し出した。
「あ、ああ」
おずおずと千冬は俺の手を握る。まだ手を繋ぐのは慣れていないのだろう。冬だというのに千冬の手はすごく熱かった。
「ふふっ」
となりで歩く千冬は急に頬笑みを浮かべた。
「どうした千冬?」
「いや、今でも少し信じられなくてな」
「何がだ?」
「こうしてお前と・・・・ルミナと手を繋いで聖夜を過ごすことがだ」
千冬は俺を見つめながら言う。
「ルミナも知っているとおりその・・・・・・私はあまり女っぽくはないだろう?言い寄ってくる者もほとんどが女で男からは声をかけられることなどなかった。だから私は一生恋人ができないのではないかと思っていた」
「一生って・・・・・ちょっとオーバーだぞ?それに女っぽくないだなんてこと全然ないさ」
それに男が言い寄ってこないのは十中八九、千冬が高嶺の花だからだろうしな。千冬はかなりの美人だし。それこそ間違いなく今まで俺が会った中ではベスト5に入っているほどだ。まあ俺は・・・・
「それに少なくとも俺は千冬の女らしい可愛いいところをたくさん見ているしな」
「なっ!?茶化すなルミナ!」
千冬は顔を真っ赤にして狼狽えた。前世から換算して考えても千冬は年上だけど・・・・・本当に可愛いな。
「茶化してなんかないさ。本当のことなんだからな」
「う、うぅ・・・・・」
千冬は恥ずかしそうに俯いてしまった。本当に学園で見る千冬さんとは大違いだ。多分一夏も知らないんだろうな。このギャップを知ってるのが俺だけだと思うと・・・・・・・すごく嬉しい。本当に俺はどうしようもないくらい千冬のことが・・・・・好きなんだな。
「・・・・なあ千冬」
「な、なんだ」
「俺さ・・・・・誰も好きになっちゃいけないと思っていた」
「え?」
「俺は・・・・・『存在しない者』だから。この世界に元々いるはずのない俺が誰かを好きになることなんて許されないと思っていた。でも・・・・・・千冬はそんな俺の柵を壊してくれた。馬鹿みたいに自分の考えに囚われていた俺を開放してくれた・・・・・・・だから千冬には本当に感謝してる。ありがとう」
俺は胸に秘めていた想いを包み隠さず千冬に伝えた。
「急にどうした?」
「なんか・・・・言っておきたくなってさ。聖夜の空気に当てられたのかな?」
「ルミナでもそういう時があるんだな」
「・・・・・千冬」
俺は立ち止まって千冬の肩に手を置いた。そして千冬と正面から向き合う。
「ルミナ・・・・・」
俺と千冬は見つめ合う。互の顔が少しずつ近づいていき、そして・・・・
スッ
俺と千冬の唇が重なった。
「千冬・・・・・愛してるよ」
「私も・・・・・愛している」
「・・・・・ふふっ」
「な、なんだ?」
「千冬顔真っ赤。本当に可愛いな」
「!?ル、ルミナ!!」
「はははは!さて、ちょっと急ごうか。もうすぐでレストランの予約時間になっちゃうし」
「あ、ああ。そうだな」
俺と千冬は再び歩き出した。解けることがないように、しっかりと手を繋いで
ルート 布仏本音
今日は食堂の一角を貸し切ってクリスマスパーティを開いていた。1学年のほぼ全員が集まっているのでかなりの数の人がいる。そんな中俺は・・・・・
「はい、本音。あ~ん」
俺はフォークでケーキを本音の口元に運んだ。このケーキはこの日のために作った俺のとっておきだ。
「あ~ん」
本音はケーキを口に含む。
「美味しいか?」
「うん!すっごく美味しいよ!やっぱりルーミンはお菓子づくりの天才だね~!」
本音は幸せそうに満面の笑みを浮かべる。その笑顔を見ると俺まで幸せだと強く感じた。やっぱり本音の笑顔は最強だな。
「ありがとう、本音」
「・・・・・おい」
「ん?なんだ一夏?」
「なんだじゃねえよ。お前ら・・・・・・・周り見てみろ」
一夏に言われるままに周りを見るとその場にいるほとんどの子は顔を真っ赤にしていた。
「わ~皆顔真っ赤だね~」
「そうだな」
「そうだなじゃねえよ!お前らには恥じらいってものがねえのか!」
「大丈夫だ。これは想定の範囲内だから」
「わかっててやってたのか!?余計にタチわりいよ!」
一夏は渾身のツッコミを炸裂させた。
「別にこれくらいいいだろ?俺と本音は恋人同士なんだから。な本音?」
「ね~♪」
「これくらいって・・・・・つうかルミナキャラ変わり過ぎてねえか?」
「別にそんなことはないぞ?ただ好きな子に対しては積極的なだけだ」
「積極的すぎるだろ・・・・・」
一夏は呆れた様子で額に手を置いた。
「ルーミン、はい、あ~ん」
今度は本音が俺にケーキを差し出してきた。
「ん。あ~ん」
俺はそのケーキを口に含む。うん、我ながらいい出来だ。
「美味しい~?」
「ああ。本音が食べさせてくれたからすごく美味しいよ」
「えへへ~♪」
「「「「もう勘弁してください!!」」」」
そんな俺と本音の様子を見ていた皆が一斉にツッコんで来た。どうやら耐えられなくなったようだ・・・・・・・まあこれも想定内だけどな♪
「ふふふ、皆の反応楽しかったな」
「そうだね~」
あれから少しして、俺と本音は寮の中の俺の部屋に来ていた。パーティーはまだ続いているのだが俺と本音はせっかくの聖夜だから二人で過ごす時間が欲しくて抜け出してきた。ちなみに俺達のことを止める者はひとりもいなかった。むしろ早く行ってください的な目を向けてくる子の方が多かった。
「ねえルーミン」
「なんだ?」
ポスッ
本音は俺の体を引っ張り自分の膝に俺の頭を乗せた。
「本音?」
「ルーミン・・・・・頭撫でていい?」
「ああ」
ナデナデ
本音は俺の頭を撫でてきた。
「ルーミンの髪の毛・・・・・すごく柔らかいね~。それにすっごくツヤツヤ~」
「猫っ毛だからな・・・・・雨に日とかは癖がひどくて大変だよ」
「でも羨ましい~」
「そうか。というより急にどうしたんだ?なんで俺の頭なんて撫でてるんだ?」
「今日は聖夜だから~」
・・・・・聖夜だから?
「・・・・・ごめん。話に整合性が全然取れてないからわからないんだけど?」
「えっとね?私っていつもルーミンに色々なものもらってるでしょ?せっかくの聖夜だから今日それを返そうと思ったんだ~。それでまずはいつも頭撫でてくれるから今日は私が頭撫でてあげようと思って」
「へえ」
俺が本音にか・・・・・・・そんなことはないと思うんだけどな。むしろ・・・・・
「だったら逆だよ」
「え?逆?」
「そ、俺の方が本音からたくさんもらってる。戦いに疲れた時には本音から安らぎと癒しをもらった。本音がいたから俺は・・・・・俺の心は壊れないですんだんだ」
「ルーミン・・・・・」
「だから・・・・・返すとしたら俺の方だよ本音」
「・・・・・違うよ」
ガバッ
突然本音が俺に覆いかぶさってきた。
「やっぱり違うよ。返すとしたら私の方。ルーミンはいつも私の頭を撫でてくれる。美味しいお菓子を作ってくれる。心地いい優しさをくれる。そして・・・・・・私のことを愛してくれる。私にとってそれはすごく嬉しいことで・・・・私はいつもルーミンからもらったもので心が幸せでいっぱいになる」
本音が俺の目を正面から見ていう。その表情はいつものおっとりしたものとは違う。非常に大人っぽく見える。雰囲気もまるで包み込むかのように暖かいものだ。
「本・・・音?」
「だから・・・・・今日は私がルーミンをいっぱい幸せにする。いっぱい・・・・・・・ルーミンを愛してあげる」
そう言って本音は俺に口づけをする。深く深く・・・・・・優しい口づけを。
「ルーミン・・・・・・愛してる」
「俺も・・・・・愛してるよ」
この日俺は本音の愛を感じた。
そして俺の心は・・・・・
幸せでいっぱいになった
愛するものと過ごす聖夜、どこにいるのか、何をするのか、それもきっと大事だと思う。
でもそれ以上に・・・・・・
その時を共に過ごすこと自体に意味がある
俺はこの聖夜でそう思うようになった
どうかこの幸せを・・・・・・
多くの人が感じていることを俺は願う
「メリークリスマス」
あ、あとがき座談会の・・・・・カハッ(大量の砂糖を吐く)
「・・・・・・やはり耐えられなかったか」
「まああんだけの甘々な展開だったんだからな。甘いもの苦手な主には相当きつかっただろう」
「ここまで持ったのが奇跡だからな。仕方がない。座談会は主抜きで進めよう」
「そうだな・・・・・でも俺ってここに居る意味あるのか?今回出番ほとんどなかったじゃねえか」
「本音ルートでちょっと出ただけだもんな」
「本当にな」
「ちなみに主が言うには一夏の話も考えてはいたらしいのだがうまく思いつかなかったらしい」
「それは・・・・・怒るべきなのか恥ずかしい思いをせずに済んだとホッとするべきなのかわからないな」
「心中は察する。さて、それじゃあいい加減座談会を始めよう」
「正確には今回の話の補足だな。時間があまりないから手短にだけど。まずは楯無さんルートの話からしよう」
「この話では刀奈と二人きりで過ごすというものだな。ちなみに読者の皆はわかっているとは思うが俺はこの話では楯無の本名が刀奈っていうことは知っている」
「まあ恋人なんだからある意味当然だよな。あとルミナが転生者っていうのも知ってる感じだったな」
「俺が話したということだろう。まあそれに関しては3つの話全てに共通しているところだがな」
「そしていい雰囲気になって・・・・・」
「・・・・・何をしたのかは読者の想像に任せよう」
「次は千冬姉とルミナがデートに行く話だけど・・・・・あれって本当に千冬姉?俺あんな千冬姉見たことないんだが?」
「まあたしかに普段とはかなり違うな。主が意外性を狙った結果ああなったらしい」
「俺から見たらかなり新鮮だったな。それにしても・・・・・千冬姉が3人の中で一番年上なのに一番清い関係な気がする」
「まあそれは千冬さんがそういうことに耐性があまりなさそうだっていう主の考えから来ているな。まあそれにしたってまさかあそこまで狼狽するとは思わなかったが」
「確かにな。んで最後はのほほんさんとの話だけど・・・・・」
「前半はクリスマスパーティーに出ていて後半からは二人きりだったな」
「ああ。というより二人共なんかお互いの名前の呼び方が変わってたな」
「恋人になったからということだろう。思えばお互い苗字をあだ名にして呼んでいたからな。恋人になったのを期に俺は呼び捨てに、本音はルーミンって呼ぶようになったということか」
「みたいだな。そしての二人きりの時の話だが・・・・・・のほほんさんがまるで別人のようだったな。これも主の考えか?」
「ああ、千冬さんと同じくギャップ萌えを狙ったらしい。幸と出たかどうかは知らないけどな。さて、話すことももうないし締めるか」
「そうだな。と、最後に言っておくことがあった。ここでの話はあくまでもしもの話だ。今後の話とは多少関係しているが確実にそうなるとは限らないからその辺はわかってくれよな」
「それじゃあ今度こそ・・・・・・・」
「「次回もまたきてくれ!!」」
皆さん・・・・・・・良いクリスマスを・・・・・・(ガクッ!)