IS~存在しない者の戦い~   作:shin-Ex-

37 / 102
第33話!

さて!今回は一夏さん&シャルルさんVSルミナさん&ラウラさんの戦闘です!

「はっきり言って俺は・・・・・ちょっとかっこ悪いんだよな」

「それは・・・・どんまい」

「いや、まああんまり気にはしていないけどな。それよりも本編に行こう」

そうですね!それでは本編どうぞ!


第33話

noside

 

「よっ、ボーデヴィッヒ」

 

試合が始まる20分前、ルミナはラウラに声をかけた。

 

「・・・・何のようだ?」

 

「つれないな・・・・一緒に組んで試合するんだから挨拶くらいしてくれてもいいんじゃないか?」

 

ルミナは苦笑いを浮かべて言う。

 

 

今のルミナにはラウラに対する敵意はなかった。もちろんアリーナで友人を傷つけたラウラに対して怒りは感じていた。しかしその怒りはその時の戦いで全て水に流しており、ラウラと敵対する気持ちは一切全く欠片も微塵も存在していない。

 

そもそもルミナはラウラのことを評価しており、好ましい者だとさえ思っている。形は歪んでおり、暴走気味ではあるが彼女は織斑千冬という一人の人間を強く想い慕う彼女の姿勢はルミナにとってある意味では尊敬に値するものなのだ。

 

今のルミナは一人の・・・・いや、特定の個人に思いを馳せることは・・・・・できなくなってしまっているから。

 

「・・・・・ふん」

 

ラウラは苦笑いを浮かべるルミナを見て顔を顰めた。ただ・・・・・その表情とは裏腹にラウラはそこまで不機嫌にはなっていなかった。

 

 

実を言うとラウラはルミナとペアを組むことになったと知ったとき安心していた。

 

ラウラは以前のアリーナでの戦いでルミナの実力を知った。いくら相性が悪いとは言え、あそこまで自分を追い詰めたルミナの実力の高さは十分に把握している。故にもしも彼と戦うことになれば・・・・以前のように醜態を晒すことはなくとも確実に自分が負けてしまうだろうと悟っているのだ。

 

彼と戦わずにすんでよかった。彼女の心にはその安心感が芽生えていた。

 

さらに言えばラウラはルミナのことを認めている。ルミナがあの戦闘の時に言っていた言葉は全て事実だ。それは彼女にとっては屈辱的なものであるが同時に自らを諭したルミナにある種の尊敬の念を抱かせた。

 

否定したいがラウラにとって強く、冷静であり、大人びた雰囲気を持つルミナは・・・・・織斑千冬程ではないが自分に敬意を抱かせる存在となっていた。

 

 

「・・・・試合が始まる前に言っておくぞルミナ・オーティアス」

 

ラウラはルミナの方に向き直り言う。

 

「私の邪魔をするな。邪魔さえしなければ・・・・私も貴様に手を出したりはしない」

 

それはラウラにとっては最大の譲歩の言葉だった。

 

「・・・・了解。というよりはなからそんなつもりはないから安心しろ」

 

ルミナは頬笑みを浮かべていう。

 

「・・・・そうか」

 

それを聞くとラウラは顔を逸した。その表情はどこか満足気である。

 

「こっちからも一応一つ言っておくことがある」

 

「・・・・なんだ?」

 

「俺は相手が一夏とシャルルでも全力を尽くす。だが・・・・・俺をあまりあてにしないほうがいい」

 

「・・・・・わかっている。私とてはなから貴様の力などあてにしてはいない」

 

自分の目的は織斑一夏を倒すこと。それぐらいなら自分ひとりで容易だとラウラは考えている。

 

「あ~・・・・・多分お前が思っている意味と少し違うぞ?」

 

「・・・・どう言う意味だ?」

 

「俺はお前が思っているよりも弱いっていうことだ」

 

「・・・・・は?」

 

ラウラにはルミナが何を言っているのか理解できなかった。ルミナは間違いなく強い。それなのになぜそんなことを言うのかと。

 

「まあ試合が始まればわかると思う」

 

「・・・・そうか」

 

それ以降、試合が始まるまで二人が会話を交わすことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか・・・・こんな形でルミナとやりあうことになるとはな」

 

「あはは・・・・言っておくが加減はしないぞ?」

 

試合開始直前、一夏とルミナは笑いながら会話していた。

 

「私を差し置いてのんきにおしゃべりとは・・・・・随分と余裕だな織斑一夏」

 

ラウラは一夏を睨みながら言う。

 

「そう言うなよ・・・・・俺にとって本命はお前なんだからな」

 

一夏もまたラウラに視線を向けながら言う。

 

『両ペア準備はよろしいですね?それでは試合・・・・・始め!』

 

「「叩きのめす!!」」

 

試合開始を告げるアナウンスが流れるのと同時に一夏とラウラは叫ぶ。

 

「おおおお!」

 

一夏はラウラに特攻を仕掛ける。

 

ピシイ

 

しかしその攻撃はシュヴァルツェア・レーゲンのAICによって阻まれてしまった。

 

「開幕直後の先制攻撃か・・・・わかりやすいな」

 

「それはどうも・・・・以心伝心で何よりだ」

 

「ならば・・・・私が次にどうするかもわかるだろう?」

 

ラウラはレールカノンの砲身を一夏に向ける

 

「ああ、わかってるさ。慌てることもないってな」

 

「させないよ!」

 

バババ!

 

シャルルが一夏の背後から現れてマシンガンをラウラに放つ。

 

「ふん」

 

ラウラはそれを容易に回避した。

 

「逃がさないよ!」

 

ドンッ!

 

続けざまにアサルトライフルを展開しラウラを狙い撃つが・・・・

 

「甘い」

 

キイン!

 

それをルミナのセンチネルが阻んだ。

 

「悪いなシャルル・・・・そう簡単にはやらせない」

 

「やっぱりルミナが来るんだな・・・・一夏!」

 

「わかってる!」

 

一夏はラウラから距離を取った。

 

「逃がすか!」

 

ラウラはその後を追いかける。

 

「はあ・・・・やはりこうなったか。作戦通りか?」

 

「そうだよルミナ。ルミナは・・・・・僕が倒す」

 

シャルルは両手にマシンガンを構えた。

 

「ははは・・・・・お手柔らかに」

 

ルミナは苦笑いを浮かべて言った。

 

「冗談!ルミナ相手でも手加減しないよ!」

 

ババババ!

 

シャルルは両手に持ったマシンガンを斉射する。

 

キイン!

 

ルミナはそれをシールド・ビットで防ぐ。そしてブレード・ビットを展開してシャルルに攻撃する。

 

「受けないよ!」

 

シャルルはスラスターを全開にしてルミナに接近しながらブレード・ビットを回避する。そして武器をブレードに持ち替えて斬りかかった。

 

「喰らうか!」

 

ルミナは月架を展開してシャルルに斬りかかるが・・・・

 

「かかったね」

 

シャルルはスラスターをオフにしてバックステップしながらその斬撃を回避。いつの間にか持ち替えたていたアサルトライフルでルミナを狙い撃った。

 

「くっ!」

 

ドン!

 

ルミナはその攻撃を回避できずにモロに受けてしまった。

 

「本当に厄介だな・・・・シャルルの高速切替(ラピッド・スイッチ)

 

「それはどうも!」

 

シャルルは再びアサルトライフルを撃つ。

 

「ちっ!」

 

辛うじてそれをシールド・ビットで防ぐことができたが・・・・

 

「はあ!」

 

ザン!

 

今度は接近してきたシャルルのブレードで切り裂かれる。

 

(砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)・・・・わかってはいたけどやっぱりシャルルとは相性が・・・・)

 

ルミナは再び月架で斬りかかる。しかしそれはシャルルのシールドに阻まれ、同時に手榴弾を放たれる。

 

「ヤバッ!」

 

ドカン!

 

手榴弾が炸裂してルミナは吹き飛ばされる。

 

「これで終わりだよ!」

 

ドンドンドン!

 

シャルルは連装ショットガンをルミナに連射する。

 

(あ~・・・・・終わった)

 

数撃は月架によって弾き飛ばしたがそれでも何発も体にヒットしてしまいそして・・・・

 

ビー!

 

イクリプスのシールドエネルギーはそこを尽きてしまった。耐久の低いイクリプスではこの連撃を耐えきることができなかったのだ。

 

「あ~・・・・やっぱり負けたか」

 

動けなくなったルミナは苦笑いを浮かべながら空を仰いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~管制室~

 

「あ、あのオーティアスくんがあんなに簡単に負けてしまうなんて・・・・」

 

戦いの様子をモニターで見ていた山田先生は驚いていた。無人機襲撃事件の折、あれだけの大立ち回りをしたルミナがあっさりと敗北を喫してしまったことが信じられないからだ。

 

「ふん、驚くことではない。ある意味当然の結果だ」

 

ただ千冬はこの結果を予見していたようで全く動じていない。

 

「ある意味当然?どういうことですか?」

 

「オーティアスにとってデュノアは相性が悪い相手だったのだ」

 

「相性が・・・・ですか?」

 

「そうだ。オーティアスは自身の戦い方でルールを決めていたのだ。一定の間合いに入った場合は月架で戦い、間合いから外れたときは陽乱で戦うといった具合にな。それは間合いによって的確な対応を取るための処置なのだろうが今回はそれが裏目に出ている」

 

「裏目に・・・・」

 

「デュノアの戦い方は高速で武器を持ち替え、間合いを変えながら戦うものだ。そのテンポが早すぎるためにルミナはついていけずに、自身の間合いで戦うことができなかった。現にルミナはこの戦闘で陽乱を展開できていなかっただろう?」

 

「そういえば・・・・」

 

「しかもデュノアの武器は全て第二世代・・・・つまり実弾兵器のみでレーザー兵器は一切持ち合わせていない。レーザー攻撃ならば月架とシールド・ビットで反射することができるが実弾ではただ防ぐだけ・・・・その時点でルミナの攻撃手段は限られる。故に攻めあぐねたのだ」

 

「なるほど・・・・そういうことですか」

 

「ルミナは確かに強い。単純な実力のみならば一年で最強と言っても過言でないだろう。だがだからといって必ず勝てるとは限らない。戦闘とは相性や状況と行った強さ以外の要素が大きく絡んでくるからな。ちょうど今のあいつらのように」

 

千冬はモニターに映された3人の戦いを見ながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くらえ!」

 

ドン!

 

「グッ!」

 

ラウラは一夏がシャルルから受け取ったアサルトライフルの一撃を受けて仰け反ってしまった。

 

現状はラウラにとって非常に悪いものであった。

 

2対1という状況下では自慢のAICがまともに使用することができず、一夏とシャルルのコンビネーションに翻弄されていた。

 

さらに・・・・ルミナがシャルルに敗北したという事実がラウラに大きな動揺を与えた。

 

自分が容易に追い詰めることができた時代遅れの第二世代の操縦者が自身よりも強いルミナを下した・・・・・それは戦いでは強さこそが全てだと謳う自分にとって受け入れがたいものであった。・・・・・だからこそ大きく動揺してしまったのだ。

 

(なぜだ?なぜこの程度の奴等にあいつが負けた?なぜこのような奴等に私が追い詰められている?)

 

ラウラにはわからなかった。一人しか戦わず、仲間と共に戦うことを知らないラウラには・・・・・強さのみを信条としているラウラには・・・・・なぜこのような状況になっているのかが理解できなかった。

 

(私が・・・・弱いからか?だから・・・・勝てないのか?)

 

ドンッ!

 

「カハッ!」

 

データにはない瞬間加速(イグニッション・ブースト)によってシャルルの接近を許してしまったラウラは第二世代最高クラスの威力を持つ武装、灰色の鱗殻(グレー・スケール)の一撃を受け後方に大きく吹き飛ぶ。

 

「負け・・・る?私は・・・・こんなところで負けるの・・・か?」

 

ラウラはフラフラと立ち上がる。

 

(嫌だ・・・・嫌だ嫌だ嫌だ!負けたくない!私は・・・・私は!)

 

思い出されるのはかつて、出来損ないの烙印を押された自分自身・・・・何よりも許せなくて何よりも憎らしい自分自身の姿。

 

(あの人のようになりたい・・・・・あの人のように・・・・強く!)

 

『私には弟がいてな・・・・あいつを見ていると分かる時がある。強さとはどういうものなのかを・・・・その先に何があるのか・・・・』

 

次に思い起こされるのは憧れ慕う織斑千冬の姿。だが脳裏に浮かぶ彼女の顔はラウラの求めたそれとは違う。優しく慈愛に満ちたその表情・・・・・自分の知らない感情を現すその表情・・・・彼女が憧れた織斑千冬ではない。

 

(許せない・・・・許せない許せないユルセナイ!アノヒトに・・・・あんなカオをさせるキサマを!)

 

憎しみが募る・・・・織斑千冬をあんなふうにしてしまう織斑一夏に対して。

 

(オリムライチカ・・・・キョウカンのオトウト・・・・キョウカンのエイコウにドロをヌッたオトコ・・・!)

 

ラウラは求める・・・・力を、織斑一夏を完膚無きまでに叩き伏せるための力を。

 

(ホシイ・・・・イマヨリツヨイチカラ・・・・・・ヒルイナキサイキョウノチカラガ!!)

 

「うああああああ!!」

 

アリーナ中にラウラの叫びが木霊する。それに応えるがごとくシュヴァルツェア・レーゲンの姿が変容し、ラウラを飲み込む。

 

「な、なんだ!?」

 

突然のことに一夏は驚きの声をあげる。

 

(チカラ・・・・チカラチカラチカラ!!)

 

力を求めるラウラ、それに応えるIS。

 

そして・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女は自らを捨て、最も憧れた存在と同じ・・・・・『織斑千冬』の姿を形どった。

 

 

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INIS!!

今回はゲストなしで進めていきます!

「今回は俺達の戦闘だったわけだが・・・・まさかルミナがあんなに簡単にシャルルに負けるとはな」

「まあ前から言っていたがシャルルとは相性が悪かったからな。ある意味仕方がないことだ」

ですね!どんなに強くても相性が悪くては勝てません!例えるならレベル100のギャ○ドスでも電気タイプにの攻撃で容易に負けてしまうようなものです!

「なんでポ○モンで例えるんだよ・・・・・まあわかりやすくはあるが」

「まさにその通りだな・・・・・シャルルみたいに器用に武器と間合いを変えて戦うタイプには俺は致命的に弱い」

逆に戦い方が定まっている人には無類の強さを誇りますけどねルミナさんは。

「確かに・・・・作中では語られなかったがシャルル以外の相手と模擬戦したときは圧勝してたもんな」

「ちなみに一番勝ちやすいのは一夏だな。動き読みやすいから」

「ぐっ・・・・・反論できねえ」

あはは!ドンマイです!

「つうかさ、思ったんだけど・・・・ルミナここで退場しちまったから・・・・次回では全く役立たずになるんじゃないか?次回でラウラの件は佳境を迎えるのに・・・・」

「いや?そうとは限らないぞ?」

「え?」

「確かにシールドエネルギーは底をついたが・・・・まだ出来ることはある」

「できることって・・・・」

「まあ・・・・イクリプスの機能の一つを使うっていうことさ」

とうとうですね・・・・今までひた隠しにしていたイクリプスの機能の一つがようやく明かされます。

「あの間違ってもお勧めできないって言ってたやつか・・・・・どんなのなんだ?」

それは(予定では)次回わかります。さて、少々短いですが今回はここで締めましょう。それでは・・・・


「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。