さて!今回は・・・・前半と後半のギャップが激しいです。
「あの人が出るとどうしてこうなるんだなろうな?」
「・・・・知るか」
な、何やら空気が重く・・・・ええい!とっとと本編いきますよ!
「・・・・本編どうぞ」
noside
IS学園の屋上にて
「見つけましたよ」
ルミナは目の前にいる少女・・・・・更識楯無に向かって言った。
「・・・・・・ふふっ、見つかっちゃったわね」
楯無は儚げな表情を浮かべてこちらに振り返る。
「でも・・・・・嬉しいわ」
楯無は自分からルミナに近づいてきて、そして・・・・
「あなたが・・・・・私を探しに来てくれた。これほど嬉しいことはそうはないわ」
楯無は上目遣いでルミナを見つめながら頬笑みを浮かべる。
「そうですか・・・・・・・」
そしてルミナは・・・・・
「それでは生徒会室に帰りますよ
清々しいほどの笑顔を浮かべながら楯無を地獄に突き落とす言葉を言い放った。
「いやぁぁぁぁぁ!!」
ルミナは楯無の首根っこをつかみながら生徒会室にズルズルと引きずっていった。
「あ、でもルミナに引きずられるのはいいかも♪」
「馬鹿言ってないでちゃんと自分で歩いてください」
「全く・・・・・何をやっているんですか会長!」
「ご、ごめんなさい虚ちゃん!反省しています!だから許して!」
生徒会室にて、虚は楯無を正座させて説教していた。
「いいえ、ダメです!今回ばかりは許しません!」
「そんな~・・・どうせ説教されるならルミナにしてもらうほうが・・・・・」
「虚先輩。説教時間30分追加してあげてください」
「わかりました」
「殺生な!?」
「それでは俺は自分の仕事に戻らさせてもらいます」
「はい。お疲れ様ですルミナくん」
「いえ」
ルミナは自分の席に戻り書類の処理を始めた。
「お疲れ、ルミナ」
「お疲れ様~」
そんなルミナにシャルロット本音が労りの声をかけてきた。
「はいこれ」
「ん。ありがとうのほほんさん」
ルミナは本音が差し出したチョコを受け取って口に含んだ。ルミナの口にチョコ独特の甘さが広がっていく。
「あ~・・・・やっぱりお菓子はいい。疲れた体に染み渡るよ」
「やっぱりお菓子は最強だよね!」
「ああ」
「あはは・・・・二人共本当にお菓子好きなんだね」
美味しそうにチョコを食べる二人を見ながらシャルロットは頬笑みを浮かべる。
「それにしても・・・・会長には困ったものだよ」
「そうだね・・・・よくあることなの?」
「そうだね~・・・週二でサボってたよ」
「週二って・・・」
シャルロットは楯無の体たらくを知り苦笑いを浮かべた。
(というか虚先輩に聞いたけど本音も前まであんまり仕事してなかったんだよね・・・・・前まで生徒会の仕事ってほとんど全部虚先輩がやってたってこと?)
今でこそ毎日生徒会室に来て仕事をしている本音だが以前までは週に2,3日しか生徒会室に来ず、仕事もほとんどしていなかった。楯無もよくサボっていた事から生徒会の仕事はほとんど虚が一人で切り盛りしていたも同然なのだ。ちなみに今現在本音がきっちりと仕事をしているのはルミナが来ているからというのは言うまでもない。
(虚先輩・・・・心中察します)
シャルロットは進行形で楯無に説教をしている虚に同情の視線を向けた。
「ちょっと待ってくれ。週二と言っていたが・・・・・俺はその度に探しに行くのか?」
「それも副会長の仕事だよ~」
「そもそもなんで俺が副会長なんだよ・・・・・」
ルミナは思わず頭を抱えた。
シャルロットの一件に決着がついた後、ルミナとシャルロットは楯無との約束通り生徒会に入った。そして与えられた役職はルミナが副会長、シャルロットが庶務であった。
「俺も庶務が良かった・・・・」
「え~?適任だと思うよ~副会長」
「僕もそう思うよ副会長」
シャルロットと本音はいたずらっぽい笑顔を浮かべながらルミナに言った。
「その呼び方はやめてくれ・・・・・」
「「あははっ♪」」
「うぅ~・・・・えらい目にあった」
虚の説教から解放された楯無はヨロヨロと自分の席に座って俯せになった。
「ねえルミナ~・・・・慰めて~」
楯無は顔を上げて涙目でルミナに訴え掛ける。
「会長。机の上にある書類全部にサインお願いします」
そんな楯無にルミナが与えたのは無常な言葉であった。
「それが慰め!?ていうか書類ってパッと見200枚近くあるんだけど!?」
「サボったツケです。あ、ちなみに俺が処理する予定だった書類も何枚かそっちに回してありますので」
「なぜに!?」
「俺はあなたのせいで仕事やる時間が削れたんですから。それぐらいいいじゃないですか」
「本当に辛辣ね・・・・・でもそこがいいわ♪」
「早く仕事やってくださ~い」
「・・・・はい」
楯無は渋々と書類の処理を始めた。
「・・・・ねえデュッチー」
「なに本音?」
「前から思ったんだけど・・・・オーティーとたっちゃんって仲いいよね~?」
「そうだね・・・・でもルミナは先輩のこと苦手って言ってたんだよなぁ」
「でもオーティーよくたっちゃんに構ってるよね?あの書類だって押し付けるどころか実はオーティーが半分位処理してあげてたし~」
実は今楯無が処理している書類は本来は倍近い枚数あった。ルミナがその半分を処理していたりするのだ。
「そうなんだよね・・・・・一体ルミナって楯無先輩のことどう思ってるんだろ?」
「・・・・わかんな~い」
シャルロットと本音はルミナを眺めながら言った。
(二人共・・・・そういうことは当事者に聞こえないように言ってくれ)
(ルミナと私が仲いいか・・・・嬉しいこと言ってくれるわね♪)
ちなみにシャルロットと本音の会話は当時者達に聞こえていたりする。もちろん2人は聞こえないように小声で話していたのだがルミナと楯無のスペックは普通の人間よりも遥かに高いので耳に入ってきてしまっていたのだ。
(でも・・・・ルミナって私のこと本当はどう思っているのかしら?)
「ようやく終わった~」
本日の生徒会の仕事を全て終えたルミナは寮の自分の部屋へと戻る道中にそう呟いた。
「全く・・・・あの人のせいで余計な時間食ったな」
あの人というのはもちろん楯無のことだ。今日のルミナの仕事の割合は自分の仕事が4、楯無の捜索、及び尻拭いが6という感じで明らかに自分以外の仕事の割合が多かった。
「これからこれが続くのか・・・・はあ」
ルミナが今後のことは思ってゲンナリとした。
そうこうしているうちに自分の部屋の前についた。
「とっととシャワー浴びて飯食って寝よ」
ガチャ
ルミナはドアノブに手を掛け扉を開ける。
「お帰りなさい♪ご飯にします?お風呂にします?それとも・・・・ワ・タ・シ?」
バタン
ルミナはソレを目にした瞬間にドアを閉めた。
(・・・・・・今目の前に裸エプロン・・・いや、水着エプロン姿の楯無先輩がいた気がする・・・・いや、確実にいたな)
ルミナは思わず頭を抱えたくなった。今日自分はまだあの人から解放されないのかと考えると・・・・かなり気分が落ち込ませた。
(大方会長と副会長で交流を深めようとかそんな理由で俺の部屋に押しかけてきたっていうところなんだろうな・・・・・)
まさにそのとおり。もはやルミナはエスパーなのだろうか?と疑うほどに鋭かった。
(本当に・・・・・面倒な人だ)
ルミナは心の中で悪態を付いた。
そもそもルミナは楯無のことを快く思っていない。自分と似ているが故に自分のことを理解できてしまうであろう彼女を・・・・・忌々しく感じているのだ。
そして何よりルミナは・・・・・楯無に惹かれている。彼女の容姿、雰囲気はルミナの好むものであり、初めて会った時に一目惚れしてしまっているのだ。
その事実が忌々しさに拍車をかけている。今のルミナには・・・・・人を愛そうという気など微塵たりとも存在しないのだから。
だからルミナは彼女を・・・・更識楯無をとにかく自分から遠ざけたかった。
自分に失望して欲しかった。
自分を突き放して欲しかった。
自分を・・・・・蔑んで拒絶して欲しかった。
「・・・・・・」
ルミナはもう一度ドアノブに手をかけて扉を開いた。
「お帰りなさい♪ワタシにします?ワタシにします?それとも・・・・ワ・タ・シ?」
「・・・・・」
満面の笑みを浮かべてからかってくる楯無をルミナは無言で抱きかかえた。
「えっ!?ちょっとルミナ!?」
ルミナは楯無を抱きかかえたまま部屋に入り、楯無をベッドに放り投げた。
「キャッ!」
ギシッと音を立ててベッドは楯無の体を受け止める。突然のことに楯無は短い悲鳴をあげてしまった。そしてルミナは・・・・
「楯無先輩」
楯無に覆い被さった。ルミナの瞳は楯無の瞳を正面から見据える。
「ちょっ・・・え?ルミ・・・ナ?」
「ご要望通り・・・・あなたをいただきます」
そう言うとルミナの顔が楯無の顔に近づいていく。
「え?嘘!?そんな、待って!」
楯無の抗議の声を聞き入れずにルミナの顔は少しづつ近づいていく。
(ひゃ、ひゃ~!!)
間近に近づいてくるルミナの顔が直視できずに楯無は思わずギュッと目を瞑ってしまった。そしてまさにルミナの唇が楯無の唇に触れようかというその瞬間・・・・・
「・・・・」
ビシッ!
「イタッ!」
ルミナは楯無にデコピンを食らわせた。
「全く・・・・あなたって飄々としているくせにいざ自分が責められると弱いですよね」
「え?・・・・え?」
「その格好で誘惑すれば俺が慌てふためくとでも思ったんでしょうが・・・・甘いですよ。悪いですが俺はあなたの思惑通りになんてなりません。残念でしたね」
「う、うぅ・・・・・」
「これに懲りたら・・・・・もうこんな真似はしないでください」
「・・・・・」
とうとう楯無は俯いて言葉を発しなくなった。
(まあこれだけやれば今後スキンシップは少なくなるだろう)
そう思い楯無から離れようとすると・・・・
「・・・・待って(スッ)」
楯無はルミナの首に手を回して引き寄せてきた。
「・・・・楯無先輩?」
「・・・・いいわよ。あなたが望むのなら・・・私をあなたの好きにしていいわよ?」
楯無はルミナを正面から見据えて言う。ただその体は少し震えており・・・・表情からは若干の恐怖が見られる。
必死なのだ。ルミナが楯無を引き離したいと思うのと同じように・・・・・・楯無はルミナに近づいたいと願っている。
「そうか・・・・わかったよ」
ルミナは再び楯無に覆いかぶさる。
「そんなに望むんだったらあんたを傷モノにしてやる。あんたを犯し尽くして心に一生消えないキズを刻み込んでやる。どんなに泣き叫んだって止めない。あんたを・・・・・滅茶苦茶に壊してやるよ」
ルミナはまるで感情のない機械のように淡々と楯無言い放った。楯無を傷つける言葉を・・・・楯無に拒絶されるための言葉を。
「・・・・・あなたは本当に優しいわね」
だが楯無はそんなルミナに対して穏やかな頬笑みを浮かべながら言った。
「・・・何?」
「そんなこと・・・・わざわざ言う必要ないもの。犯したいなら・・・・黙って犯せばいい」
「ッ!?」
「そうやって自分を悪役にしてあなたは私を守ろうとしている。私を・・・・気遣ってくれてる」
「・・・・違う。そんなんじゃない」
ルミナは否定する。だが・・・・彼女には通じない。
「違わないわよ。だってあなた・・・・・苦しそうな顔してるじゃない」
「・・・え?」
楯無の言うとおりルミナの顔は・・・・苦しみで染まっていた。
「本当は・・・・私のこと傷つけたくないんでしょ?酷いことしたくないんでしょ?」
(・・・・黙れ)
「あなたは優しい人。誰よりも他人のことを思う優しい人。どれだけ自分を犠牲にすることになっても他者を救おうとする優しい人」
(黙れ)
「でもあなたはそれを誰にも理解されたくない。理解されてしまえば・・・・そんな自分を救おうとする人が現れてしまうから」
(黙れ!)
「だからあなたは私を遠ざけようとした。私は・・・・・あなたを理解できる人だから」
(黙れ!!)
「あなたは救いを求めていない。まるで・・・・自分を恨み、憎んでいるかのように」
(黙・・・・・れ!!)
「ルミナ・・・・あなたが何を抱えているのかは私にはわからない。あなたが何に苦しんでいるのかは私にはわからない。でも・・・・」
(だ・・・ま・・・・れ!)
「私はね・・・・・あなたを救いたいの」
「黙れ!!」
ルミナはとうとう楯無を怒鳴りつけた。
「うるさいうるさいうるさい!!あんたに何が・・・・俺の何がわかるって言うんだ!何も知らないくせに・・・・勝手なこと言うな!」
「・・・・そうよ。私はあなたのことを理解していても知ってはいない・・・・・だから知りたいの。あなたのことを・・・・・ルミナ・オーティアスのことを私は知りたい」
「俺は・・・・俺はそんなの望んじゃいない!俺は・・・・自分のことを知って欲しいなんて思っていない!」
「それでも・・・・私は知りたい。だって私はあなたを・・・・」
「鬱陶しいんだよあんた!」
ルミナは楯無の言葉を遮った。その先を・・・・聞きたくないから。
「人の心にずかずかと入ってくんなよ!だから俺は!俺はあんたのことが・・・・・あんたのことが・・・・・」
ルミナはそこから先の言葉を出すことができなかった。そこから先に言おうとした言葉は・・・・彼の本心ではなかったから。
「ルミナ・・・・・たとえあなたが私のことをどう思っても・・・・私の心は変わらない。私はあなたを・・・・ルミナを知りたい。知って・・・・救いたいの」
楯無は優しい頬笑みをルミナに向ける。まるで聖母のように包み込むかのような優しい笑みを。
「・・・・・・・チッ!」
ルミナは舌打ちをしながら楯無の手を振りほどいて離れた。
「・・・・・楯無先輩、今日からこの部屋で暮らすんでしょう?」
「そうよ。生徒会長権限で引っ越してきたの♪」
「・・・・俺はシャワーを浴びてきたいんですけど先に使っても?」
「いいわよ」
「・・・・・それでは失礼します」
ルミナは着替えを持ってシャワー室へと向かった。
side ルミナ
『私はあなたを・・・・ルミナを知りたい。知って・・・・救いたいの』
「・・・・クソッ!」
俺は浴室の壁を殴りつけた。
俺の気持ちなんてお構いなしに勝手なことを言う楯無先輩の存在が腹立たしかったから。
そして・・・・・彼女の言葉で救われている自分が心の中に確かに存在していたから。
「・・・・畜生」
俺は力なく呟いた。
side 楯無
「・・・・はあ、またやってしまったわね」
また彼を怒らせてしまった。本当はそんなつもりなかったのに・・・・ただ彼を救いたかっただけなのに・・・・
でも・・・・・
「ムキになるっていうことは・・・・・彼の心に響いているっていうことよね」
ルミナ・オーティアス
誰よりも優しくて誰よりも他者を思いやれる人。
でもその為に自分を犠牲にする愚かで哀れな人。
「ねえ・・・・私はどうすればあなたを救えるの?」
私は涙を流しながら彼のいるシャワー室を見つめて呟いた。
あとがき座談会のコーナー!INIS!!
今回のゲストは更識楯無さんなんですけど・・・・
「例のごとくルミナはいないのね」
はい・・・・まあ。
「ルミナも結構頑なだよな。あとがきは本編に反映されないんだから切り替えればいいのに」
「いいのよ織斑くん。私は彼を追い詰めてしまったんだから・・・・仕方ないわ」
「でも・・・・」
一夏さん。気持ちはわかりますが・・・・・楯無さんの言っていることはもっともですしこれはお二人も問題なんです。一夏さんが首を突っ込んでいい話ではありません。
「そんな・・・・」
「ごめんね織斑くん」
「・・・・・いえ、気にしないでください。確かに俺がどうこう言っていいことではありませんでした」
「ありがとう・・・・」
ということでこの話はここまでです。
「ごめんなさいね。暗い空気にさせちゃって」
大丈夫です。この空気を一気にぶっ壊す方法を思いついていますから。
「え?その方法って?」
皆さん思い浮かべてください。本編は後半とてつもなくシリアスでしたが・・・・・・
楯無先輩は水着エプロンでした。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・恥ずかしい!水着エプロン状態であんなこと言っていたなんて恥ずかしすぎる!!」
「それは・・・・確かに。イメージするとシュールだな」
「どうして・・・・どうして私は水着エプロンなんかに・・・・///」
原作に沿ったために起きてしまった事件ですね。私も書いているときイメージして・・・・ちょっと笑ってしまいました。
「ルミナはずっとその姿の楯無先輩を目にしてたんだよな?・・・・・よくシリアスを貫き通せたものだ」
「私は話に夢中でそのことをすっかり忘れていたわ・・・・・」
本当に恥ずかしいですよね・・・・・今なら顔から火が出るんじゃないですか?
「やめて!これ以上私を追い詰めないで!」
・・・・ちょっと同情しますね。そんな楯無さんに免じて今回はここで締めにしましょう。それでは・・・・・
「「「次回もまたきてくれ(きてちょうだい)(きてください)!!」」」
「ああ、もう・・・・本当にどうして私はあんな格好を・・・・」