それでは本編どうぞ!
「「スランプだからっていきなりそれは無いだろう・・・・・」」
noside
自由時間が終わって現在は・・・・・・
「うん、おいしいな」
旅館で夕食の時間となっていた。
「流石は本ワサビだな。いい風味だ」
「本わさび?それって普通のワサビと違うの?」
ルミナの右隣に陣取ることに成功したシャルロットが尋ねた。
「一般的に出回ってるのは練わさびっていうのでな。セイヨウワサビを混ぜたものなんだよ。本ワサビっていうのは混ざりけなしの純度100%ワサビのことで分風味が強いんだ」
「へえそうなんだ・・・・」
ルミナに本ワサビの説明を受けたシャルロットは・・・・ワサビの山を全て直接口に含んだ。
「んん!?」
「って、何やってんだシャルロット!」
「ら、らいじょうぶ、らいじょうぶ・・・・・」
笑顔で言っているが呂律がうまく回っておらず明らかに大丈夫には見えない。
「ほらこれ飲め!」
「あ、ありがと・・・・」
シャルロットはルミナに差し出されたお茶を飲み干した。
「はあ・・・・・本ワサビっておいしいね♪」
「満面の笑みで『♪』つけてもダメ」
「・・・・はい」
・・・・・一体なんなんのだろうか?このやりとり。
「ねえオーティー」
「ん?何のほほんさん?」
ルミナの左隣に陣取ることに成功した本音が声をかける。
「食べさせて~♪」
本音は満面の笑みを浮かべて自分の箸をルミナに差し出してきた。
「・・・・・・えっとのほほんさん?どうして急にそんなことを?」
「あれ」
「あれ?」
本音が指さす方向を見るルミナ。そこには・・・・・セシリアに『はい、あ~ん』をしている一夏の姿があった。
「人の目がある中何をやっているんだあいつは・・・・・」
その光景を見たルミナは思わず頭を抱えたくなるほどに呆れていた。
「ねえ食べさせてオーティー」
本音は相変わらず満面の笑みを浮かべている。その笑顔は非常に逆らい難いものであり・・・・
「・・・・・はい、あ~ん」
結局やってしまうルミナであった。
「あ~ん(パクッ)」
「・・・・美味しい?」
「うん!美味しいよ~♪」
本音さんはかなりご満悦な様子である。喜んでもらえて何より。
「(いいな~)ねえルミナ。僕にも・・・・」
シャルロットが自分にもして欲しいとルミナに言おうとしたその時・・・・
「お前たちは静かに食事できんのか!」
千冬の怒号が部屋の中に響き渡った。一夏とルミナの行為を見て周りの女子たちが我も我もと騒いでしまっていたのが原因だ。
「織斑、オーティアス。あまり騒ぎを起こすな」
「は、はい」
「すみませんでした」
「まったく・・・・(ルミナに食べさせてもらうなど・・・・・私がやってもらいたい)」
口ではしかりつつも若干邪なことを心の中で考えていた模様。やはり千冬も恋する乙女らしい。
その後は千冬に怒鳴られたらたまったものではないと思った一同は静かに食事を進めていった。
食事が終わり、各々が自分の部屋で寛いでいる中・・・・・
「ね、ねえ本音・・・・本当に行くの?」
「だってデュッチーも行きたいんでしょ?」
「まあそうだけど・・・・」
シャルロットと本音はある部屋へと向かっていた。
その部屋というのはもちろんルミナのいる部屋だ。ルミナに恋焦がれる二人としては少しでも一緒に居たいのであろう。だが問題は・・・・・
「・・・・織斑先生に怒られないかな?」
「・・・・大丈夫だよ。多分」
そのルミナがいるというのは教職員の部屋・・・・・それも織斑先生の部屋であった。
姉弟なので一夏は千冬の部屋で寝泊りする事となっており、ならばルミナも一緒にという経緯でルミナは千冬と同じ部屋にいるのだ。
断じて千冬がルミナと一緒にいたいからというわけでは・・・・・・少しあるかもしれない。
「?ねえデュッチー」
「なに?」
「あれ」
本音の指さす方を見るとそこには箒、鈴、セシリア、ラウラが何やら聞き耳を立てているのが見えた。しかも・・・・千冬の部屋の前でだ。
「皆何やってるの?」
「「「「シ~」」」」
シャルロットが声を掛けると皆は人差し指を口元に持ってきて静かにするように指示した。そしてちょんちょんと部屋の方を指さす。
なんだろうとシャルロットと本音が聞き耳を立てると・・・・・
『んっ・・・・もう少し優しくしろ』
『ゴメンゴメン。千冬姉もしかして久しぶりで溜まってる?』
『うるさい』
『って言いながらも気持ちよさそうですよ千冬さん・・・・一夏、あとで俺にもやってくれるか?』
『ああ、いいぜ』
部屋の中からそんな声が聞こえてきた。
「え、えぇ!?」
「こ、これって・・・・・どういうこと?」
中から聞こえてくる声に反応を示すシャルロットと本音。今二人は・・・・・なんとも官能的で不謹慎な想像をしている。
もっと様子を伺おうと耳を近づける。すると・・・・・
ガラッ!
「「「ワァッ!?」」」
部屋の襖が開いた。襖に耳を傾けていた6人は部屋の中に流れ込んでくる。
「・・・・お前らな」
倒れている6人を見下ろしながらルミナが呆れたような表情で言った。どうやら彼が襖をあけたようだ。
「「「ア、アハハハハ・・・・」」」
聞き耳を立てていた6人は千冬の前で正座させられている。
「全く・・・・・何をしている馬鹿者が」
千冬は6人を叱りつけた。
「マ、マッサージだったんですか・・・・」
「よかった。てっきり・・・・」
「てっきり?何やってると思ったんだよラウラ?」
「それはもちろん・・・」
「「「「言わなくていいから」」」」
一夏の問いに答えようとしたラウラの口を残り5人全員で塞いだ。
「はあ・・・・・思春期」
「「「うっ・・・・」」」
ルミナは察したようで一言言い放った。箒たちは(ラウラ除く)思わずたじろぐ。
「はあ・・・・一夏、もう一回温泉入りに行こうぜ」
「え?」
「俺達風呂なんて滅多に入る機会ないんだから。堪能しようぜ」
「それもそうだな。それじゃあ千冬姉。俺達いってくるな」
「ああ」
「それじゃあ皆・・・ごゆっくり」
ルミナは含みのある笑みを皆に向けて一夏と共に部屋を出た。
「・・・・全くルミナは。本当に気のきく奴だ」
「え?あの千冬さん。気がきくというのは?」
箒は千冬に尋ねた。
「あいつらがいると話しにくいこともあるからな。それを察して一夏を連れて行ったのであろう」
「一夏たちがいると話しにくいことですか?」
「ああ、単刀直入に聞こう。お前達一夏のどこがいいんだ?」
「「「「なっ!?」」」」
千冬は箒、鈴、セシリア、ラウラの方を見て聞いた。突然のことに驚く4人
「確かにあいつは役に立つ。家事は万能だしマッサージも上手いからな」
千冬はまるで自分のことかのように誇らしげに言った。なんだかんだ言って一夏は自慢の弟なのだろう。
「どうだ欲しいか?」
「「「「くれるんですか!?」」」」
4人は目を輝かせる。
「誰がやるか」
「「「「えぇ・・・・」」」」
だが千冬はきっぱりと言い放ち、4人を落ち込ませる。
「欲しいならな。奪ってみろ思春期」
後に『奪えるものならばな』という一言がついそうな勢いである。
「アハハ・・・・でも織斑先生は人のこと言えないんじゃないですか?」
そんな中シャルロットが意地の悪い笑顔を浮かべて千冬に言う。
「え?それってどういう意味ですかシャルロットさん」
「それは・・・・んぐっ!」
「デュノア・・・・お前という奴は・・・・」
千冬はシャルロットの口を塞いで止めるが・・・・・
「織斑先生はオーティーのことが好きなんですよね~」
「なっ!?」
・・・・・本音が言ってしまった。
「「「「・・・・・えぇ!?」」」」
衝撃の事実を知って箒、セシリア、鈴、ラウラは驚きの声をあげる。
「きょ、教官がお兄ちゃんのことを!?」
「う、嘘!?」
「し、信じられませんわ!」
「まさか・・・・あの千冬さんが」
「そ、そんな目で見るな!」
4人は信じられないものを見るような目を千冬を見る。視線を向けられた千冬は顔を真っ赤にさせた。その姿からは普段の威厳が全く感じられない。
「というか本音知ってたの?」
「うん。織斑先生のオーティーを見る目がたまに熱っぽかったから」
「そ、そうだったのか・・・・」
千冬はがっくりと肩を落とした。
「でも言われてみれば・・・・なんとなく距離が近いような気がしていましたわ」
「一緒に暮らしていた時期もあったって言うし・・・・少し考えればその可能性には気がつけたわね」
「ああ。それに相手がルミナだとどこか納得できる」
「頑張ってください教官!教官がお兄ちゃんを嫁にできるように応援しています!」
「うぅ・・・・」
この手の話の当事者になることに慣れていない千冬は少し戸惑ってしまった。
「ところで・・・・三人はルミナのどこを好きになったの?」
鈴が素朴に疑問に思ったことを聞いた。
「僕は・・・・やっぱり優しいところかな?僕が本当は女の子だってバレちゃったときに僕のことを思って色々と気を遣ってくれて・・・・・本当に嬉しかったんだ」
「私は暖かいところだな~。オーティーと一緒にいると本当に安心するんだ~」
「私は・・・・・あいつの雰囲気だな。明らかに年不相応なあいつの魅力に当てられた」
シャルロット、本音、千冬は各々のルミナの好きなところを語った。
「なるほど・・・・確かにそれはよくわかりますわね」
「ルミナって本当に優しいもんね・・・・・一夏が居なかったら私ルミナに惚れてたと思う」
「・・・・・私もだな」
「私も・・・・・一夏がいなかったらお兄ちゃんを嫁にしていたかもしれない」
箒たち4人も妙に納得した様子だ。ここまで思われているとは・・・・・ルミナはある意味ですごい。
「そうだね~。なにせたっちゃんも好きになるぐらいだもんね~」
「たっちゃん?誰それ?」
「楯無先輩のことだよ」
「えぇ!?あの方もルミナさんのことが好きなんですか?」
「というより~・・・・・ベタ惚れ?」
「物凄くアプローチかけてるもんね~」
「・・・・本当に・・・・よくもまああそこまでやるものだ」
一体どんなアプローチをかけているんだろう?と箒たち4人は気になった。
「オーティーはよく邪険にしてたけどね~。最近はそうでもないけど」
「ルミナは楯無先輩のこと苦手って言ってたし・・・・でもその割に一緒にいるときは楽しそうなんだよね」
「・・・・私は一緒にいるところをそこまで頻繁に見ていたわけではないが・・・・話を聞く限りでは楯無は一番ルミナと距離が近いようだな」
そう、楯無は今ルミナに想いを寄せる女性陣の中では一番ルミナに近い。というよりもルミナ自身、楯無のことをが好きだったりするのだ。
「・・・・まあ負けるつもりはないけど」
「私も相手がたっちゃんでも負けないよ~」
「・・・・私も譲る気はない」
三人は楯無に対して闘士を燃やす。
そんな三人を見て箒たち四人も絶対に一夏の恋人にしてみせると闘志を燃やしながら互いに牽制し合っていた。
一方その頃ルミナと一夏は・・・・
「あ~・・・・気持ちい~」
頭にタオルを乗せて物凄くだらけきった状態で湯に浸かっていた。
「ルミナ・・・・お前すっげえだらけきってるぞ?」
「んなこと言われたって仕方ないだろ~。俺は温泉大好きっ子なんだから~♪」
「そこまでかよ・・・まあ俺も好きだけどさ」
「あ~・・・そうそう。俺一夏に聞きたいことがあったんだけどさ~」
「なんだ?」
「お前って好きな子とかいないの~?」
「なっ!?何いきなり聞いてんだよ!?」
だらけきった表情のままとんでもないことを口にしたルミナ。実は彼があの状況で一夏を温泉に誘ったのはこれを聞くためでもあった。それにしたって・・・・・よくもまあここまで自然体で聞くことができるものである。
「どうなんだ~?」
「い、いねえよ!」
一夏は明らかに動揺した様子で答えた。普通ならこの反応は好きな人がいる者がするものであるが・・・・・一夏の場合これを素で行っているからある意味タチが悪い。
「第一俺なんかを好きになってくれる子なんているわけ無いだろう?」
一夏は苦笑いを浮かべながら言った。
「・・・・・お前それ本気で言ってるのか?」
ルミナは先程までとは打って変わって真剣な表情で聞き返してきた。
「そ、そりゃ、本気だけど・・・・」
突然真剣になったルミナに戸惑いながら一夏が答える。
「そうか・・・・・お前、その考え方改めたほうがいいぞ?」
「どういうことだ?」
「お前のその考えは・・・・お前のことを好いている子に対する侮辱だ」
「え?」
「お前はその子の・・・・・想いを侮辱しているに等しいんだよ」
「俺が・・・・・侮辱している?俺そんなつもりは・・・・大体俺のことを好きな子なんて」
「まだ言うのか・・・・もういい、この話はここまでだ。でも・・・・・今言ったことの意味をしっかり考えろ。でないとお前は・・・・いつか傷つけることになるからな」
そう言いながらルミナは湯船から外に出た。
「・・・・一体どういう意味なんだ?」
一夏はルミナに言われたことの意味を考えていた。
え~・・・・・すみません。
今回の座談会は私がスランプのためなしです。
次回はちゃんとやるつもりなんでどうかご容赦ください。
あと、次回からの更新は物凄く遅くなりますので・・・・・本当にすみません。
それでは次回もまたきてください!