・・・・・本当にオリジナル展開は書くのがきつい。
「本当に苦手なんだな・・・・」
「それでもここからは物語にとって重要な局面なんだ。しっかりやれよ?」
・・・・・善処します。
「それじゃあ本編行くか」
「そうだな。本編どうぞ」
福音撃墜作戦被害状況
織斑一夏
作戦実行中に福音の攻撃を受け意識不明の重体に陥る
現在治療中
ルミナ・オーティアス
突如乱入した所属不明の5機に接触、直後に通信不能状態に陥る
その後、織斑一夏撃墜と同時期にレーダーからロスト
現在消息不明
「ル・・・・ミナ」
旅館にある一室・・・・シャルロットはそこで涙を流して蹲っていた。
「ルミ・・・ナァ」
シャルロットの涙は止まらない。
ポロポロポロポロ・・・・頬に大粒の涙がつたう。
シャルロットにとってルミナは・・・・かけがえのないたった一人の特別な存在
誰よりも強いルミナ
誰よりも優しいルミナ
誰よりも暖かいルミナ
誰よりも・・・・愛してやまないルミナ
そんなルミナが・・・・消息不明
彼を失うのは彼女にとって・・・・身を引き裂くほどの苦痛であった。
「・・・デュッチー」
深い悲しみに苛まれているシャルロットに本音が声をかけた。
「本・・・・音?」
シャルロットは顔を上げて本音の顔を見る。
いつもと同じように癒されるようなほんわかとした笑顔を浮かべている本音。
だが・・・・・本音の目は赤く、腫れていた。
彼女もまた・・・・・泣いていたのだろう。
「本音・・・・・ルミナが・・・私・・・」
「うん・・・・わかってるよ。私も・・・聞いたから。オーティーが行方不明だってこと」
本音はシャルロットの隣に腰掛けながら言う。
「私・・・・これからどうすればいいのかな?ルミナがいなかったら・・・・私・・・・私は・・・」
シャルロットはまら蹲って顔を伏せてしまう。
「デュッチー・・・・・・こら~」
コツン
「痛っ」
本音はシャルロットの頭を叩いた。
「え?・・・・ほ、本音?」
突然の事にシャルロットは唖然として目をパチクリさせる。
「ダメだよデュッチー。そんなこと考えたらオーティーに失礼だよ~」
「ルミナに・・・・失礼?」
「うん。だって・・・・・オーティーは絶対に帰ってくるから。だから・・・・いなくなったらなんて考えたら失礼だよ~」
「本音・・・・・でもルミナは・・・・」
「デュッチーだって知ってるよね?オーティーはすっごく強いって。だからオーティーは簡単に負けたりなんかしないよ。私は・・・・・そう信じてるよ」
本音は頬笑みを浮かべる。
ルミナが消息不明になったと知ったとき、本音は泣いた。
人目をはばからず、大声で泣き叫んだ。
泣いて泣いて・・・・シャルロットと同じように悲しみに打ちひしがれた。
だが・・・・本音は思い出した。
ルミナが強いということを。
ルミナは簡単に負けないということを。
だから本音は信じることにした。
ルミナは・・・・無事に帰ってくると。
「だから・・・・デュッチーも信じようよ。オーティーが帰ってくるのを信じて・・・・笑って待ってようよ」
「ルミナを・・・・・信じて・・・・」
シャルロットは目を閉じる。
そして思い返す。ルミナとともに過ごした日々を・・・
ルミナの笑顔を・・・・
ルミナの優しさを・・・・
ルミナの強さを・・・・
(ルミナ・・・・そうだね。君は・・・・)
シャルロットは目を開く。その瞳は先ほどのように悲しみを孕んだものではなく・・・・・決意を秘めた瞳だ。
「そうだね。本音の言うとおり・・・ルミナは強い。簡単に負けたりしない」
「うん。そうだよ」
「でも・・・・・私は待てない」
「え?」
「私は・・・・ルミナを待つことなんてできない。私は・・・・・ルミナを迎えに行く」
ただ帰りを待つだけだなんてシャルロットにはできなかった。
ルミナは絶対に無事だ。
そう信じているからこそ・・・・シャルロットはルミナを迎えに行こうと決めた。
「・・・・そっか~。うん、それでいいと思うよ~」
「私・・・・絶対にルミナと一緒に帰ってくる。だから・・・・帰ったら私たちで思いっきり説教しよう」
「うん!」
シャルロットは立ち上がり、部屋から出て行った。
「・・・・オーティーのことお願いね。デュッチー」
本音は一人になった部屋で静かに呟いた。
「皆!」
シャルロットは海岸に集まっている箒、鈴、セシリア、ラウラの下に着た。
「シャルロット・・・・大丈夫なのか?」
ラウラが心配そうな表情でシャルロットに声をかける。ラウラはこの場にいる誰よりもシャルロットの事を心配していた。
「うん。僕は大丈夫だよ。皆は・・・・これから福音と戦いに行くんだよね?」
「・・・・ああ。今度こそ負けない」
「絶対に落としてやるわ!」
「一夏さんの敵を打ちます!」
「この任務・・・・必ず遂行してみせる」
箒たちは決意と覚悟を秘めた目をして言い放つ。
「・・・・シャルロットはどうする?」
「僕は・・・・僕はルミナを迎えに行く。ルミナが無事だって信じてるから・・・・・散々心配をかけさせたルミナをお説教するために迎えに行く!」
「・・・・そうか。ならその説教には私達も付き合おう。こんなにも心配をかけさせたお兄ちゃんに私も一言言ってやりたいからな」
「まったくもって同感ね」
「ですわね」
「ああ・・・・それじゃあ行こう!」
箒、鈴、セシリア、ラウラの4人は福音を堕とすために・・・・
シャルロットはルミナを迎えに行くために・・・・
5人の少女はISを展開して飛び立った。
福音との距離が残り5kmになった地点で・・・・
ピーピー!
5人のISに通信が入った。
発信したのは・・・・
『シャルロット、箒、鈴、セシリア、ラウラ・・・・5人とも聞こえるか?』
消息不明となっていたルミナであった。
突然のルミナからの通信に5人は驚きを隠せなかった。
「えっ!?ル、ルミナ!?」
「お兄ちゃん・・・・今どこにいるのですか!」
『お前たちがいるところから7kmほど離れた沖合だ』
「どうして今まで連絡しなかったんですの!?」
「そうよ!心配したのよ!」
『すまない。ジャミングされててな。今はあいつらに頼んで通信が繋がるようにしてもらってる』
「あ、あいつらって・・・・」
『所属不明のIS5機の操縦者。ちなみにまだ交戦中で相手は5人とも健在だ』
「「「「「はぁ!?」」」」」
5人は驚きのあまり大声を上げてしまった。
「交戦中って・・・・反応がロストしてからもう何時間も経っているのだぞ!」
「というよりも・・・・反応がロストしたということはISは解除されているのでは?」
「あんた大丈夫なの!?」
「お兄ちゃん!現状を詳しく教えてください!」
「ルミナ!詳しい現在位置を教えて!すぐに行くから!」
『一辺に話しかけるな。処理に困るから』
「「「「「なんでそんなに冷静!?」」」」」
あまりにも冷静且つ、淡々と語るルミナに思わず5人はツッコミを入れてしまった。
『とりあえずそっちの状況はだいたい把握している。一夏のこともな。ただあんまり時間がないから手短に最低限のことだけ言わせてもらう。確認するがシャルロット以外は福音を撃墜しに、そしてシャルロットは俺を迎えに来た。それでオッケーか?』
「う、うん・・・そうだよ」
『それじゃあはっきり言うがシャルロット、迎えは必要ない』
「え?」
『お前はそのまま箒たちと福音を撃墜しろ』
「ちょ、ちょっと待って!ルミナもまだ交戦中なんだよね!?」
『ああ、今は通信のために向こうは待ってくれてるけどな』
「相手は5人もいるんでしょ?だったら僕もルミナの援護に・・・・」
『大丈夫。その必要は全くないから』
「でも・・・・」
『でもじゃない・・・・はあ、仕方がない。シャルロットには悪いがはっきり言うぞ。今シャルロットに援護に来られても困る。足でまとい』
「え?」
「ちょっとルミナ!その言い方はないでしょ!」
きっぱりと足でまといだとシャルロットに言い放ったルミナに対して鈴が怒鳴った。
『だから悪いと言ってるだろ・・・・・・だが事実だ。シャルロットに限らず今誰かに援護に来られたら困る。こっちは俺一人で十分・・・・むしろ俺一人の方がやりやすいんだよ』
「そんな・・・・・」
『本当に悪いとは思ってるよ。でも本当に俺は大丈夫だ。信じてくれていい。だからシャルロットはそっちに集中してくれ。任務の本命はあくまで福音の撃墜だからな』
「ルミナ・・・・絶対に大丈夫なんだね?」
『ああ、絶対にだ』
「・・・・・わかったよ。僕は箒たちを援護する」
渋々ながらもシャルロットはルミナの言うことを了承した。
シャルロットはルミナが変に頑固なところは理解している。
これ以上言っても無駄だと判断のだ。
『わかればいい。それじゃあ俺は戦闘に戻る。終わったらまた連絡する』
「待ってくださいお兄ちゃん!まだ話が・・・・」
プツン
通信は切れてしまった。こちらから繋げようとするがジャミングされているようで通信できない。
「全く・・・・勝手なんだから」
「本当にそうですわ。シャルロットさんがどれだけルミナさんを・・・・」
「もういいよ。ルミナは無事だった。それがわかっただけでも十分だから」
シャルロットは笑顔で皆を宥める。
ルミナの無事が確認できた。それはシャルロットにとって何より嬉しい吉報であった。
だからシャルロットの心には大きな喜びが芽生えた。
だが・・・・
(でも・・・・なんだろう?胸騒ぎがする。それにさっきのルミナの声・・・・あれはまるで・・・・・
感情のない機械みたいだった)
同時にシャルロットは一抹の違和感を抱いた。
電波に乗せて送られた声だからではない。
先程のルミナの声からは全くといっていいほど感情と呼べるものを感じることができなかったのだ。
(・・・・ううん、そんなことない。きっと私の思い違い。私の・・・・気のせいだよね)
シャルロットは自分にそう言い聞かせた。
そして5人は福音の下へ・・・・・
福音から数km離れた沖合にて
「・・・・・さて、必要なことは伝え終わったし、続きといこうか」
通信をきったあと、ルミナは敵機に向き直る。
その表情はまるで人形のように感情が篭っておらず、眼差しは冷酷なまでに非常に鋭い。
一方ルミナと相対する5人は・・・・
「「「「「はあはあはあ・・・・・」」」」」
全員肩で息をしていた。
5人が身に纏うISの装甲は一様にボロボロになっており、中には武装が一部欠損している者もいる。
「・・・・随分と辛そうだな。5対1だっていうのに情けない」
ルミナは5人に対して抑揚のない機械のような言葉で淡々と言い放った。
「はあはあ・・・・あんた・・・・なんなのよ?」
「ん?」
「あんた一体なんなのよ!」
5人の内の一人はルミナに怒号を放つ。
「途中までは私たちが圧倒してたのに!それなのに・・・・・・どうしてシールドエネルギーが
彼女の言うとおりルミナのシールドは尽きていた。
イクリプスの反応がロストしたときにだ。
にもかかわらずイクリプスは活動を停止していなかった。
それどころか、シールドエネルギーが尽きたとたん、今度はルミナが5人を圧倒するほどの力を発揮し始めたのだ。
「・・・・答える義理はないが特別に教えてやるよ。イクリプスは俺が開発した特殊な機能を有していてな。シールドエネルギーが尽きても動けるのはイクリプスの機能を利用しているからだ。まあ便利だが決してお勧めできない機能だがな」
ルミナは表情を一切変えずに、両手を広げながら言う。
「なら・・・・シールドエネルギーが尽きてから急に強くなったのは?」
「別に強くなったわけじゃあない。最近の生ぬるい戦いに慣れすぎたせいで鈍っていた感覚が戻ってきただけだ。これもシールドエネルギーと絶対防御が無くなったおかげだな」
「どういう・・・・・・ことですの?」
「思い出したんだ。命を守るものなんてない・・・・一撃でも受ければ死ぬ。殺される前に殺さなければならない・・・・・・俺はそういう世界で生きてきたんだってことをな」
ほんの僅かな隙も許されない
少しでも気を抜けば死ぬ
殺さなければ殺される
残酷なまでに命のやりとりする闇の世界
そう、それがルミナが・・・・否、彼の前世のナルミが生きてきた世界であった。
「さて、これまでの戦いでようやく貴様らの正体がはっきりとしたことだし、ここからは本気で・・・・・・
貴様らを殺しにいかせてもらう」
「「「「「ッ!?」」」」」
5人は戦慄した。
なんでもないといった様子で口にしたルミナの『殺す』という言葉。
その言葉に・・・・・圧倒的な恐怖を感じたために。
「さて、冥土の土産がわりに見せてやろう。このイクリプスの・・・・最後の機能をな」
「最後の・・・・機能?」
「トランスシステム・・・・・機動」
キュイン
システムが起動し、ISは鈍い輝きを放つ。
そしてその輝きが消えるとそこには・・・・・・・
イクリプスとは全く違う形状のISを身に纏ったルミナがいた。
「さて・・・・・死ぬ覚悟はできているか?」
冷たく・・・・夥しい殺気を込めてルミナは言う。
ルミナは戻る
ナルミであった時の自分に・・・・・
――――としての自分に
あとがき座談会のコーナー!INIS!
今回のゲストはシャルロット様なんですけど・・・・
「(まだ様付けなんだ・・・)けど何?」
・・・・ルミナさんと一夏さんがお休みです。
「えぇ!?どうして!?2人はこの座談会のレギュラーでしょう!?」
理由は・・・・・まあ以下のとおりです。
一夏
本編にて現在意識不明の重体
ルミナ
本編にてなんかかなりヤバイ状態になっている
とまあこんな感じからです。
「な、なるほど・・・・というか一夏はともかくルミナはどうしちゃったの?」
その・・・・シールドエネルギー、絶対防御が無くなって命懸けの戦闘になったせいで・・・・昔の感覚が戻ってきたようで・・・・物凄く危険な状態になりました。
「昔の感覚・・・・それって人を殺していたっていいう?」
そうです。その辺りの事情はまだ全て話せないですけど・・・・命懸けの殺し合いをしていたので色々と感覚が敏感になっているんですよね。
「そうなんだ・・・・」
はい・・・・
「「・・・・・」」
えっと・・・・とりあえず次の話にいきましょう。
「そうだね。それじゃあイクリプスの機能についてだけど・・・・今はシールドエネルギー0の状態で動いてるの?」
そうですよ。これはルミナさんがイクリプスにつけた二つの機能を応用することによって可能になったことです。
「一つはエネルギー・コンバータだよね?もう一つは?」
・・・・ルミナさんがイクリプスを動かすと尋常じゃないくらい消耗してしまう理由となっている機能ですね。どんな機能かは・・・・この戦いが終わったら説明する予定です。
「そっか・・・・それじゃあ最後の機能・・・・トランスシステムって」
この機能はまあ・・・・文字通りのシステムですよ。これはルミナさんが追加した機能ではなく秋菜さんが付けたイクリプスが持つ本来の機能です。
「姿が変わったってみたいだけど・・・・・それってVTシステムと同じようなものっていうこと?」
いいえ。VTシステムとは全く違うものですよ。これはVTシステムとは違って危険なものではありませんから。
「ならいいけど・・・・それじゃあ最後にもうひとつだけ・・・・ルミナはあの5人の正体がわかったって言ってたけど・・・・」
・・・・ええ。ルミナさんは戦闘を通じてあの5人の正体をはっきりとわかりました。故に殺そうとしているんですよ。
「正体を知ったから・・・・殺そうとしている?」
はい・・・・まあこれも詳しいことはまだ言えませんが。ですが・・・・勘のいい人ならわかるかもです。ちょっとしたヒントは出してありますので。
「本当に何なんだろう・・・・」
・・・・さて、今回はここで締めましょう。
それでは・・・・・
「「次回もまたきてね(きてください)!!」」
次回!黒幕の正体が判明・・・・・するかもしれません。