IS~存在しない者の戦い~   作:shin-Ex-

52 / 102
第48話!

ここからは今まで秘密にしてきた事を明かす話になってきます!

「まずは俺のIS、『イクリプス』についてだな」

「『イクリプス』って結構ブッ飛んだISだもんな・・・・」

まあ他のISとは一線を画すものですからね。さて、それではそろそろ本編にいきましょう!

「それでは本編どうぞ」







なお、今回の話ではルミナさんの出番はほぼありません。


第48話

臨海学校から三日後

 

福音撃墜作戦は後処理をIS委員会に委ね、()()に解決した

 

 

 

 

だが・・・・・

 

作戦中に発生した所属不明のISによる襲撃事件

 

襲撃者の目的がルミナであること以外は詳細は殆ど判明していない

 

IS委員会はルミナを事件の重要参考人として認定し、身柄を確保しようとした。だが、学園側は特記事項第二十一を主張しそれを拒否。

 

特記事項第二十一の内容は『本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家、組織団体に帰属しない。本人の同意がない場合それらの外的介入は原則として許可されないものとする』。かいつまんで言えばルミナの許可がないため、IS委員会はルミナに手を出すことができないのだ。

 

そして当事者たるルミナは・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依然眠り続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

noside

 

IS学園の医務室。現在この部屋は厳重に監視されている。

 

今この部屋に居る人物は二人。

 

一人は事の重要参考人のルミナ。ベッドに横たわり、目を固く閉ざしている。

 

そしてもう一人は・・・・・

 

 

 

 

 

「・・・・ルミナ」

 

少女・・・・更識楯無はベッドの傍らに置かれた椅子に腰掛け、眠るルミナの頬に手を当て、その名を呼びかける。

 

・・・・だがルミナが目を覚ます気配は一切ない。

 

ルミナは静かに寝息を立てて安らかに眠っている。

 

だが楯無の目には・・・・・・なぜかルミナが苦しんでいるように、悲しんでいるように見えた。

 

そして同時に楯無は・・・・ルミナがこのまま目を覚まさないのではないかと思ってしまっていた。

 

「・・・・お願い。目を覚まして」

 

楯無は涙を流した。

 

 

 

どうしてこうなってしまったのだろう?

 

どうしてルミナは目を覚まさないのだろう?

 

ルミナに何があったのだろう?

 

襲撃者はルミナとどんな関係なのだろう?

 

ルミナはどう感じていたのだろう?

 

ルミナは何をひた隠しにしているのだろう?

 

楯無には何もわからない。

 

愛しいルミナに何があったのか。それがわからないことが・・・・・ただただ恐ろしく、悲しく、苦しくて・・・・・辛かった。

 

「・・・・楯無先輩」

 

楯無が悲しみに打ちひさがれていると、シャルロットが部屋に入ってきて声をかけた。

 

ベッドに横たわっているルミナの姿を視界に捉えたからであろう。その表情は暗い。

 

「・・・・・何、シャルロットちゃん?」

 

楯無はシャルロットの方に振り返らずに、ルミナに視線を向けたまま返事をする。

 

「その・・・・・来ました」

 

シャルロットは短く、楯無にそう伝えた。

 

「・・・・わかったわ。呼びに来てくれてありがとう」

 

「いえ・・・・行きましょう」

 

「・・・・ええ」

 

楯無は椅子から立ち上がる。

 

「・・・・・ルミナ」

 

そしてルミナの名を呟いた後、シャルロットと共に医務室から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園内の応接室の扉を開き、楯無とシャルロットは入室した。

 

「・・・・・これで全員ですか?」

 

二人が部屋に入って来たのを見て千冬に確認を取ったのは・・・・新月研究所の所長、真月秋菜であった。

 

「はい・・・これで全員です」

 

秋菜の問に千冬は答えた。

 

部屋に居るのは一夏、箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロット、楯無、本音、千冬・・・・そして束。ルミナと関わりを持ち、ルミナのことを知りたがっている10人だ。

 

「それじゃあイクリプスのこと話してくれないかな~?」

 

「・・・・・わかりました」

 

束に尋ねられ、秋菜は表情を暗くさせながら応じた。

 

秋菜がここに呼ばれた理由、それは・・・・・『イクリプス』のことを説明するためにだ。

 

現在深い眠り伏しているルミナ。

 

その原因は身体的なダメージと脳のダメージにあった。

 

ただ脳のダメージについては以前の無人機襲撃事件の時と同様に酷使しすぎたためであろう。

 

だが問題は身体的なダメージの方にあった。

 

ルミナの身体を精密検査にかけた結果、まるで数日間もの間全く休みなく動き続けていたかのような疲労が蓄積されており、さらに全身13ヶ所の骨折、18ヶ所の筋繊維損傷、5ヶ所の靭帯損傷が発見された。

 

断続的とは言え僅か数時間ただISを操縦しただけでこのような状態になるなどありえない。

 

千冬はこの原因が『イクリプス』にあるのではないかと睨み、説明のために『イクリプス』の開発責任者である秋菜を呼び寄せたのだ。

 

そして束は『イクリプス』の機構に興味を持ち(ルミナ自身にも)この場に同席している。

 

「『イクリプス』は私たち真月研究所の職員が操作性と燃費を優先して開発した近距離、遠距離両方の戦闘をこなすことのできる万能タイプの第三世代型IS・・・・・表向きはそれで通っています」

 

「??表向き?」

 

表向きという言葉に引っ掛かりを覚えた楯無が尋ねた。

 

「『イクリプス』は・・・・・ルミナさんが開発した二つの機能により全く新しい世代へと昇華したISなのです」

 

「ルミナが開発した!?」

 

一夏はルミナがイクリプスの機能を開発したことに関して驚きの声を上げた。他にもその場にいた他の人物も声は上げずとも表情を驚愕に染めている。驚いていないのはルミナが第三世代型のISを設計したことを知る楯無、シャルロット、千冬ぐらいであった。ルミナならそれぐらいはできるであろうと思っているようだ。

 

「はい。ルミナさんは天才と呼ばれる部類の人間ですのでそれぐらいは造作もないようです」

 

「へぇ~、ルー君って頭いいんだね~。まあそのことは今は関係ないから置いておこうよ。それより全く新しい世代って『白式』や『紅椿』と同じ第4世代っていうこと?」

 

束は秋菜に尋ねた。彼女の興味は秋菜の言う全く新しい世代というところにあった。

 

「・・・・いいえ、『イクリプス』は『白式』や『紅椿』とは違う方向性、コンセプトのISですので篠ノ之博士の考える第4世代世代ではありません。私たち開発者一同は『独立世代』と呼んでいます」

 

「独立世代?」

 

「はい。これまでのISの常識から大きく逸脱した独立したIS・・・・故に独立世代です」

 

「これまでのISの常識から大きく逸脱?それってどういう意味ですか?」

 

「・・・・・・」

 

シャルロットが尋ねると秋菜は言いにくそうに口を閉ざし、目を逸らす。

 

「秋菜さん・・・・・話してください。お願いします」

 

そんな秋菜に楯無は正面から見据えて言う。

 

少しでもルミナに関わることを知りたいから・・・・

 

「・・・・・・『イクリプス』が備えている特殊機能は三つあります」

 

楯無の熱意に押され、秋菜は説明を再開する。

 

「一つは・・・・『トランスシステム』。これは真月研究所で開発した新機能で、ルミナさんは関与していません」

 

「『トランスシステム』・・・・・どのような機能なのですか?」

 

セシリアが尋ねる。

 

「『トランスシステム』とは完全変形機能です。通常のISは目的に応じてパッケージを換装することによって能力の向上させる。篠ノ之博士が開発した第四世代機は展開装甲にて換装を必要としない万能機のようですが・・・・『トランスシステム』は『イクリプス』をベースとしてISそのものをコンバート、能力を変化させる機能なのです」

 

「ISそのものを変化・・・・それってあの時の!」

 

一夏達6人はルミナが纏っていた漆黒のISを思いだしハッとした。

 

「・・・・・『マヴロス・ヘリオ』。それが織斑さんたちが見たISの名です。防御性能を犠牲にすることにより攻撃性能に特化。殲滅を目的にしたISです」

 

「殲滅を目的にしたIS・・・・・」

 

『マヴロス・ヘリオ』は攻撃能力に限定すれば現行ISの中でもトップクラスの性能を誇っている。特に一対多の戦闘におてはルミナを操縦者とするならば驚異的な戦闘力を発揮する。

 

「ちょっと待って・・・・・そんなのありえない。ありえるはずがないよ」

 

「姉さん?」

 

「ISそのものを変化させるなんてありえないよ!コアのメモリー容量が足りるはずがない!そんな機能束さんにだって創れない!」

 

束は声を張り上げて否定した。

 

自分でも創れないような機能が『イクリプス』に備えられているのが信じられないようだ。

 

「確かに普通なら不可能でしょう。ですが・・・・その不可能を可能にする方法があります」

 

「それって一体・・・・?」

 

「ISにコアを複数搭載するんです」

 

「!?コアの・・・・複数搭載?」

 

「はい。そうして『トランスシステム』は完成したんです」

 

これが『トランスシステム』の大きな特徴だ。

 

束の言うとおり一つのコアではメモリー容量が全く足りない。そのため一つのコアからは一つのISしか創ることができない。

 

そこで秋菜が思い至ったのがコアの複数搭載。それぞれコアに別々の機体を記憶させ、ベースとなるISにそれを搭載する。そうすることによってISそのものを変化させることができるようになったのだ。

 

もちろん他にもクリアすべき課題はいくつかあったのだが秋菜はことISに関しては篠ノ之束に次ぐ天才と言われている。その程度は彼女にとっては容易であった。

 

「そっか、その方法なら確かに・・・・・」

 

秋菜の説明を聞いて束は納得したようだ。

 

(まさかあの束が思いつかないような機能を開発するとは・・・・・)

 

一方千冬は『天災』である自分の親友でさえ思いつくことのできなかった機能を開発した秋菜の頭脳に感服していた。

 

「・・・・秋菜さん。その『トランスシステム』は秋菜さんたち真月研究所の方達が開発した機能なんですよね?」

 

「・・・・・はい。そうです」

 

「それじゃあ・・・・ルミナが開発したという残り二つの機能は?」

 

楯無が核心に迫るべく、秋菜にルミナが開発した昨日について問いただした。

 

「・・・・・ルミナさんが開発した二つの機能、それは・・・・・・・『ナーヴ・リンク』と『エネルギー・コンバータ』です」

 

しばしの沈黙の後、意を決したように口を開く秋菜。

 

『ナーヴ・リンク』と『エネルギー・コンバータ』。この二つこそルミナが開発し、ルミナの力となり・・・・・ルミナの体を蝕む機能であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルミナが求めた力

 

それは守るために欲した戦う力

 

そして・・・・・自らを犠牲にする力

 

 




今回・・・・というより、ルミナさんが目を覚ますまでは座談会はお休みとなります。

べ、別に毎回ネタを考えるのが大変だからサボろうって思ったわけじゃないですからね!

ま、まあそれはともかくとして、今回は本編の話ででた『トランスシステム』についてちょっとした補足をします。



まず『トランスシステム』の事を改めて簡単に説明しますと、ベースとなるISを目的に応じて別のISへとコンバートする機能です。

これを可能にしているのがコアの複数搭載。本編の説明ではわかりにくかったかもしれませんがベースとなるIS『イクリプス』に複数のコアを後付けで搭載することで可能にしています。

ここで留意しておくことはあくまでもベースは『イクリプス』であり、『マヴロス・ヘリオ』は機能によってコンバートした機体であるということです。その為ISの登録名は『イクリプス』で通っています。

なお『トランスシステム』を起動した際にはシールドエネルギーはコンバート前から引き継がれます。これは競技として使用することにおいては当然ですね。それぞれが別々にシールドエネルギーを持っていたら流石に反則ですから。

そして現在『イクリプス』に搭載されているコアの数は全部で3つです。

すなわち『イクリプス』は『マヴロス・ヘリオ』以外にももう一つコンバートできるISがあります。
これについてはどんなISかはまだ詳しく教えませんが『マヴロス・ヘリオ』とは逆の性能を持つISとだけ言っておきましょう。

なお、搭載するコアを増やすかどうかは未定です。



それでは今回はここまで。

次回はルミナさんが開発した二つの機能、『ナーブ・リンク』と『エネルギー・コンバータ』の説明となります。


それでは次回もまたお楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。