・・・・すごく辛いです。
「あ~・・・・スランプなんだな」
はい・・・・もう本当にうまく文章にできなくて・・・・
「そうか・・・・まあ頑張れよ。この小説の続きを楽しみにしてる読者がいるんだから」
わかっています・・・それでは本編にいきましょう。
「ああ。それでは本編どうぞ」
noside
「『ナーヴ・リンク』と『エネルギー・コンバータ』・・・・・」
千冬が思案顔でルミナが開発した二つの機能の名を呟いた。
「『エネルギー・コンバータ』なら知ってる。確か武装のエネルギーをシールドエネルギーに転用する・・・・だったよなシャルロット」
「うん。ルミナはそう言ってたね」
一夏とシャルロットは学年別トーナメントの時にルミナが言っていたことを思い出して言った。
「武装のエネルギーをシールドエネルギーに・・・・つまり雪片と逆っていうことか~。ルー君は中々面白い機能を作ったね~」
束は楽しそうに笑って言った。彼女にとって非常に興味が惹かれる機能であるようだ。
だが・・・・
「・・・・3割です」
「え?」
「その説明ではまだ3割です・・・・・『エネルギー・コンバータ』の全てとは言えません」
『エネルギー・コンバータ』の機能は・・・・それで全てではなかった。
「3割?まだなにかあるの?」
本音が秋菜に尋ねる。
「はい。まず転用するのはシールドエネルギーに限りません。動力やスラスターなどにもエネルギーを転用できます」
「それってまさか・・・・あらゆるエネルギーに転用できるっていうことですか?」
「ええ。ISに関連したものであるならなんでも可能です。そして現段階ではその機能にさらに改良を重ね、その逆もできるようになっています」
「逆って・・・・もしかして武装にエネルギーを回すこともできるっていうこと?」
楯無は少し考え、口にした。
「その通りです」
「そんな機能をルミナが・・・・」
「・・・・・それで?」
「え?」
「それだけじゃあないんでしょ?『エネルギー・コンバータ』にはまだ先がある・・・・違う?」
束は秋菜を真っ直ぐに見つめ尋ねた。
「・・・・その通りです。よくわかりましたね」
「わかるに決まってるよ。だって・・・・ただエネルギーを転用するだけの機能だったらわざわざ隠す意味ないもん。研究者なら発表するはずだし。だから隠す程の何かがあるんでしょ?」
束の言うとおりであった。
ただエネルギーを転用するだけであったならルミナも秋菜もわざわざ機能を隠したりなどしない。
隠すのには・・・・相応の理由があった。
「それで?一体何を隠していたのかな?」
束が問いただすと秋菜はゆっくりと言葉を紡ぎ出した。
「『エネルギー・コンバータ』は・・・・・・・
操縦者が持つエネルギーをも転用することができるんです」
「「「「・・・・・え?」」」」
その場にいたものの多くが秋菜の言っていることの意味が分かっていなかった。
だが・・・・
「・・・・そんな。それって・・・・そんなのって・・・」
「馬鹿な・・・・ルミナはなぜ・・・・・」
束と千冬はその意味を理解していた。先程まで好奇心で明るくなっていた表情は一変し、驚きで目を見開く。
「あの、操縦者が持つエネルギーって・・・・一体なんですか?」
一夏が皆を代表して秋菜に尋ねた。
「・・・・・操縦者・・・・人間の持つ生命エネルギーです」
そして秋菜は・・・・一夏の問に静かに答えた。
・・・・・悍しき答えを。
「生命・・・・エネルギー?」
「・・・・はい。人が生きていくために利用するエネルギー。すなわち生命力です。これが消耗されれば・・・・疲弊し、体力が低下します。『エネルギー・コンバータ』は・・・・・それをISのエネルギーに転用することができるのです」
「「「ッ!?」」」
その場にいた者は全員絶句した。
無理もない。生命力を転用するということはすなわち・・・・ルミナが文字通り自分の命を削っているということなのだから。
あらゆる他のエネルギー・・・・そして操縦者のエネルギーを転用する機能。
それが『エネルギー・コンバータ』の全容。
「じゃあルミナがあの所属不明の5人と何時間も戦えたのって・・・・」
「ええ・・・・・その機能を利用して自身の生命力をISに転用していたからでしょう」
そのとおりであった。ルミナは『エネルギー・コンバータ』を利用して自身の生命力をISの動力やスラスター、武装に転用し、何時間も戦っていたのだ。
そしてそれが・・・・現在ルミナが意識を失っている理由の一旦となっている。
「「「・・・・」」」
その場に居た全員が黙り込んだ。
それほどまでに・・・・『エネルギー・コンバータ』という機能は全員に大きな衝撃を与えたのだ。
だが・・・・ここで話しを終わらせるわけにはいかない。
まだもう一つ・・・・・説明を仰がなければならない機能があるのだから。
「・・・・『ナーヴ・リンク』のことについて・・・・教えてください」
楯無が口火を切った。
「『ナーヴ・リンク』は・・・・・文字通りの機能ですよ」
「文字通り?・・・・・まさか!」
楯無は明奈の言葉からどういう機能なのかを推測しハッとする。他にも一夏以外は皆推測できたようで、顔を青くしていた。
「えっと・・・・文字通りってどう言う意味だ?」
その意味に唯一気がついていない一夏は皆に尋ねた。その問にラウラが答える。
「・・・・文字通りの意味だというのなら『ナーヴ・リンク』は・・・・・
ISと神経を繋がらせる機能だ」
「・・・・は?ISと・・・・神経を繋がせる?」
「・・・・・その通りです」
秋菜は表情を曇らせながら肯定した。
「・・・・どういうことだ?」
千冬は肩を震わせながら呟く。
「千冬姉?一体どうし・・・」
「どういうことだ!!」
ガッ!!
千冬は一夏の言葉が言い終わる前に、秋菜の胸ぐらを掴んだ。
「なぜそんな機能をあいつのISに付けた!答えろ!」
千冬の怒号が部屋中に響き渡る。
「何やってんだよ千冬姉!落ち着け!」
「これが落ち着いていられるか!そんな機能をつければ・・・・・ルミナが傷つくのは目に見えていただろう!!」
「ルミナが傷つく?どれってどう言う意味だ?」
一夏はまだよくわかっていないらしく首を傾げた。そんな一夏に束が説明をはじめる。
「あのねいっくん。ISと神経を繋げるっていうことは・・・・生身で戦うっていうことと殆ど同じなんだよ」
「生身で・・・・戦う?」
「そう。ISっていうのはもともとはパワードスーツ。身に纏って人の力や仕事を補助するものなんだよ。だから本来は装着者が疲れたり傷つかないようにするためのものなんだ。だけど・・・・ISと神経を繋げればISが受ける衝撃やISが軽減してくれている負荷をそのまま体に受けることになる」
「なっ!?それって・・・・」
「そう・・・・・本来のパワードスーツとしてのISの概念を根底から覆しちゃっているんだよ」
「そんな・・・・」
束の説明を聞いた一夏は打ちひしがれた。
まさかルミナがそんな無茶なことをしているとは夢にも思わなかったであろう。
実際にルミナは相当な無茶をしていた。
例えば始めてセシリアと戦ったとき、ルミナはレーザーがISに掠めるたびに身を焼くような感覚に襲われていた。
例えばシャルロットとの戦った学年別トーナメントの時、ルミナはシャルロットから受けた銃撃による激痛を感じていた。
例えば先日の所属不明の5人組との戦いの時・・・・ルミナはその激しい戦いから全身の骨や筋繊維を大きく傷つけていた。
それらは全て常人では到底耐えられるものではない。
なのにルミナは・・・・それをおくびにも出さずに、周りの人間に一切悟らせていなかったのだから・・・・
「ルミナがISを動かしたとき、極端に疲弊することが多かったからおかしいとは思っていた。だが・・・・・なんでだ!なんでお前は!」
ドンッ!
「ウッ・・・・」
千冬は力一杯秋菜を壁に叩きつける。それはひとえにルミナを心の底から大切に思っているが故の行動であった。
「・・・・イクリプスは元々操作性を重視した機体です。そしてルミナさんの開発した『ナーヴ・リンク』はその操作性をさらに向上させる機能。おかげでイクリプスの性能は格段に上がりました」
秋菜は顔を伏せて淡々と語る。
秋菜の通りである。神経を繋げている分、ISを生身の感覚で操るということは操作性を格段に上昇させることと同義である。
事実この機能によってイクリプスの性能は向上しており、現行ISの中でも屈指の性能を持つに至っている。
「だから付けたのか!!ふざけるな!先程の『エネルギー・コンバータ』といい・・・・お前はルミナをなんだと思っている!!」
千冬は感情任せに秋菜を怒鳴りつける。他の皆も秋菜に対して怒りの篭った眼差しを向けていた。
どうやら彼女たちは秋菜のやっていることが研究者としてのエゴであると考えているようだ。
だが・・・・そうではなかった。
「・・・・好きでやったと思っているんですか?」
「何?」
「私が!好きでそんな機能をつけたと思ったんですか!!」
「「「!?」」」
今度は秋菜が感情に任せ、声を張り上げる。
「私だって・・・・私だって断りましたよ!ルミナさんに言われたとき・・・・そんな機能を付けるわけにはいかないと断りました!でも・・・だけど・・・・」
秋菜の頬に涙が伝い始めた。
「彼は・・・・ルミナさんは・・・・どうしても必要だからって・・・・強くなるためには・・・・・大切なものを守るためには自分が作ったこの機能が絶対に必要だって言って・・・・頑なになって一歩も引いてくれなかった。私の意見の聞き入れてくれなかった。彼のあの・・・・決意を秘めた目に気圧されてしまって・・・・私は・・・・」
ポロポロポロポロと流れる涙。
秋菜とてはじめはきっぱりとそんな危険な機能はつけられないと断った。そんなルミナの身を、命を削るような機能は受け入れることができないと。
だが・・・・ルミナは決して引くことはなかった。
『エネルギー・コンバータ』と『ナーヴ・リンク』は・・・・彼が強くなるために欲した力であるから。
彼が・・・・・自身を『存在しない者』と定めたルミナが大切なものを守るために求めた力であったから。
それがルミナの・・・・・・選んだ道であり、覚悟であるから。
(ルミナ・・・・・あなたはどうしてそこまで?)
涙を流す秋菜を。そして顔を伏せて表情を暗くする一同を見て、楯無は心の中でルミナへと思いを馳せていた。
さて、今回は『エネルギー・コンバータ』と『ナーヴ・リンク』の補足をします。
まず『エネルギー・コンバータ』についてです。
作中でも述べたようにこの機能はあらゆるISのエネルギーを別のエネルギーに転用することができます。
例えば
武装→シールドエネルギー
シールドエネルギー→スラスター
といった具合にです。さらに自分の生命力をもISに転用できます。
ルミナさんが休みなくあの5人組と戦えたのはこの機能によるところが大きいです。
あの時ルミナさんは自身の生命力をISの動力に回していたんです。
次に『ナーヴ・リンク』についてですがこれはISと神経を繋げる機能です。
この機能のおかげでISを生身の感覚で動かすことができるようになっています。
ただ・・・・ISが受ける衝撃、負荷を全てその身に受けるという大きすぎるデメリットが存在します。
ルミナさんがISを使う時に大きく消耗するのはこれが理由です。
最近では慣れたと言っていますがそれでもかなりキツイです。
このような尋常でない欠点があるので『エネルギー・コンバータ』と『ナーヴ・リンク』のことをルミナさんは決してお勧めできない機能としているのです。
さて、それでは今回はここまでです。
次回もまたきてください!!