今回はルミナさんが更識家へと赴きます!
「正直かなり緊張するな」
「そんな風には全然見えないんだが・・・・」
同感ですね。
それでは本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
noside
IS学園が夏休みに入ってある日のこと。
「ルミナ。準備はできてるかしら?」
「ああ。もう一昨日に完了している」
首を傾げて尋ねてくる刀奈の問いにルミナはそう答えた。
「ふふっ。そういえばルミナは準備は二日前までには終わらせて置くタイプだったわね。感心だわ」
「よく言う。前は嫌味ったらしく優等生だとか行っていたくせに」
「・・・・もしかして根に持ってる?」
「どうだろうな?」
ルミナは悪戯っぽい笑みを刀奈に向ける。
「・・・・本当にあなたっていい性格してるわね」
「ゴメンゴメン。そう怒るなって」
ルミナはあやすようにふいっとふくれっ面で顔を背けた刀奈の頭を撫でた。
「別に怒ってなんかないわよ」
「ハハッ。そうか」
何ともまあ仲睦まじいことである。出会った当初の二人からは到底考えられない。
「それよりも準備ができてるならもう行きましょう」
「そうだな」
二人は荷物を持って移動を始めた。
「それにしても・・・・これから刀奈の実家に挨拶に行くなんてやっぱり少し緊張するな」
ルミナはそう言いながら苦笑いを浮かべる。
そう。ルミナはこれから刀奈と恋人同士になったことを報告するために刀奈の実家である更識家に赴くのだ。
「あら?あなたでも緊張するのね」
「当然だろ。刀奈は俺をなんだと思ってるんだ・・・・お前に告白したあの時だって緊張で心臓がバクバクだったんだぞ。なにせ初めてのことだったし」
「・・・・え?初めて?」
初めてと聞いて刀奈はキョトンとした顔をした。
「??なんでそんなに驚いているんだ?」
「いやだって・・・・・あなたのことだから前世含めて付き合っていた子は何人もいたと思っていたから」
「・・・・またか。刀奈といい一夏といい俺は一体どんな人間だと思われているんだ?」
「ご、ごめんなさい。でもあまりにも意外で・・・・あなたほどの器量よしがずっと独り身だったなんて」
刀奈の言うことはもっともだ。前世含めてルミナは性格も容姿も平均を大きく上回るものであり、恋人がいなかったと方が不思議であろう。
「まあよく告白はされてたけどな。全部断ったけど。本気で好きになったのは・・・・・刀奈ただ一人だけだよ」
ルミナは刀奈に頬笑みを浮かべながら言った。
「なっ!?もう・・・・不意打ちなんてずるいわよ///」
「仕方ないだろ。本当のことなんだからさ」
「そ、そう・・・・・ありがとう」
「どういたしまして。さて、少し急ごうか。予定時間よりも少し遅れてるしさ」
「そうね」
二人は手を繋ぎ少し歩を速めた。
IS学園を出発して1時間ほどして、ルミナと刀奈は目的地である更識の屋敷に到着した。
「ここが刀奈の実家か・・・・流石に大きいな」
ルミナは目の前にそびえ立つ屋敷を見上げながら呟く。
「まあ一応日本でもそれなりの名家だから。それよりも忘れてないわよね?」
「二人きりのとき以外は刀奈って呼ばないようにすればいいんだろ?」
「そう。まあルミナは将来私の夫になる相手だから大丈夫だとは思うけど・・・・念の為にね」
「そうだな」
刀奈の念押しをルミナは素直に頷いて了承した。ルミナとしても面倒を起こすことは回避したいと考えているようだ。
「それじゃあ行きましょう」
「ああ」
刀奈は屋敷に玄関扉に手をかけ、開く。
「ただいま~」
「おかえりなさませお嬢様」
挨拶をする楯無を礼儀正しくお辞儀しながら出迎えたのは虚であった。
「こんにちは虚先輩」
「どうもこんにちはルミナくん。よくいらっしゃいましたね。道中お嬢様の相手をして疲れませんでしたか?」
「まあそれなりに」
虚に問われてルミナは苦笑いを浮かべながら答えた。
「・・・・・ねえ虚ちゃん?それって一体どういう意味かしら?それにルミナはなんで当たり前のように返事を返しているの?」
「ただの冗談です。お気になさらずに」
清々しいほどの笑顔を同時に浮かべながら一言一句違わずに楯無に言い放つルミナと虚。まるで姉弟のように息ぴったりである。
「・・・・・なんか釈然としないわ。それにルミナどうして敬語?」
「他意はないさ」
「いや、絶対にあるでしょ」
ニコニコと笑顔を崩さないルミナに楯無はジト目を向けた。明らかに疑っている目である。
・・・・・まあ楯無の言うとおりなのだが。
「そんなことよりもお嬢様。隆厳様が部屋で待っておられますので早くルミナくんと挨拶に向かった方がいいのでは?」
そんな中虚が助け舟を出すかのように楯無に提案した。
ちなみに隆厳とは楯無の父親で、先代楯無のことである。
「む・・・・わかったわよ。今回のところはこれ以上何も言わないでおくわ」
虚に言われて楯無は渋々追求するのをやめた。
(ありがとうございます虚先輩)
(いえ、お気にならず)
そんな楯無を見て、ルミナはアイコンタクトで虚に礼を言い、虚は頬笑みを浮かべて返事を返した。
「それじゃあ行くわよルミナ」
「ああ。それじゃあ失礼しますね虚先輩」
「はい・・・・・と、そうでした。ルミナくんに一つ言っておくことがありました」
虚は思い出したようにハッとした。
「なんですか?」
「・・・・・覚悟してくださいね。隆厳様は・・・・・色々と凄い方ですから」
虚は嫌に神妙な面持ちでルミナに忠告を促した。
「わかっていますよ。なにせ相手は更識家の先代党首なんですからね」
「・・・・違う意味でもです」
「??違う意味?」
「アハハ・・・・」
虚の言っている事の意味が分からずにルミナは首を傾げ、そんなルミナを見て楯無は乾いた笑い声を上げた。
「まあそのことは会えばわかると思うから。ついてきなさい」
「ああ・・・・」
ルミナと楯無は隆厳に会うべく今度こそその場をあとにした。
「・・・・ここよ」
玄関を入って5分ほどして目的地である隆厳の部屋の前に着いた。
(・・・・・なんだろう?部屋の中から凄い威圧感が・・・・隆厳さんのか?)
ルミナは部屋の中から発せられる重苦しいのプレッシャーを感じ取った。
「行くわよ?覚悟はいい?」
「当然だ」
「それじゃあ・・・・」
コンコン
楯無は部屋の扉をノックした。
「・・・・お父様、楯無です。彼を連れてまりました。入ってもよろしいでしょうか?」
「・・・・ああ。入りなさい」
部屋の中から厳格そうな声が促してきた。
「「失礼します」」
二人は畏まった態度で部屋に入る。
部屋に入った二人の目に・・・・・楯無の父親、更識隆厳の姿が映る。
(・・・・彼が刀奈の父親・・・・・先代の楯無か。流石に威厳たっぷりだな)
部屋の中央に居座る隆厳はとても中年期に差し掛かった者とは思えぬほどの威圧感を放っていた。並の人間では相対しただけで震え上がってしまっていたかもしれない。
・・・・そう。並の人間であったのならば。
前世含めて様々修羅場をくぐり抜けて来たルミナは彼と同等の威圧を感じるのはこれが初めてではなかったので平然としていられた。
「お久しぶりですお父様。お変わり内容で何よりです」
「それは私のセリフだ。元気な顔が見れて父として嬉しいよ」
楯無と隆厳は笑顔で挨拶を交わす。少々堅苦しいがそれはいかにも家族らしいとルミナは思った。
「それで・・・・彼が例の?」
「はい」
「そうか・・・・」
楯無に確認を取った後、隆厳は視線を楯無からルミナへと移した。その目は先ほど楯無に向けたものとは違い、まるで射殺すかのように鋭いものであった。
「お初にお目にかかります。ルミナ・オーティアスと申します。以後お見知りおきを」
しかしルミナは隆厳からの視線に一切怯むことなく、頬笑みを浮かべながら礼儀正しく頭を下げて挨拶をする。
(ほう・・・・この私を前にして怯まないとは・・・・肝は座っているようだな)
そんなルミナの態度を見て隆厳は僅かにだがルミナに感心していた。
「君のことは楯無からある程度聞いている・・・・・君は楯無と付き合っているそうだね?」
隆厳は威圧を強めながらルミナに尋ねた。
「はい。お付き合いさせていただいております」
だが依然としてルミナはその威圧を意にも介さずに返答する。
(ルミナ・・・・お父様・・・・)
そんな二人のやり取りを、楯無は黙って見守っていた。
「そうか・・・・聞くがルミナくん。君は楯無のことを
(・・・・
その言葉からルミナは察した。隆厳は今自分が楯無の恋人にふさわしい人物であるのかどうかを探られているということに。
なのでルミナは・・・・・
「もちろんです。でなければ・・・・今この場に立っていません」
一切臆することなく、堂々と自分の意思を隆厳に伝えた。
ルミナの目は隆厳の目を正面から見据えて・・・・・一切逸らすことはなかった。
「・・・・・どうやら嘘は言っていないようだ。よかろう。ついてきたまえ。楯無もついてきなさい」
「お父様?一体どこに連れて行くつもりなんですか?」
「来ればわかる。よもや断ろうなどと考えていないだろうね?」
「まさか・・・・ついて行かせてもらいますとも」
ルミナと楯無は隆厳のあとについて退室した。
「ここって・・・・修練場?」
隆厳に連れられてやってきたのは屋敷の離れにある修練場であった。
「お父様。なぜこんなところにルミナを・・・!?」
楯無はそこから先の言葉を紡ぐことができなかった。なぜなら・・・・隆厳の身に纏う空気が一変したからだ。
隆厳の身に纏う空気は・・・・荒々しくも張り詰めたものになっていた。
「・・・・なるほど。そういうことですか」
「ルミナ?」
「ほう、私の意図するところが理解できたようだね」
「ええ。あなたは・・・・・俺の実力を知りたいのですよね?俺が『楯無』の障害になるのか・・・・そして俺が『楯無』を守れるのかを」
ルミナはニヤリと笑みを浮かべながら隆厳に尋ねた。
「・・・・ふっ、中々に敏いな」
隆厳もまたルミナと同じような笑みを浮かべる。
「お父様?それって一体どういうこと?」
「簡単な話だ楯無。我が更識家は対暗部専門の暗部。その現頭首たるお前には敵が多い。故に・・・・私は知る必要があるのだ。お前の恋人であるこの男が『楯無』の隣に立つに相応しいかどうかをな」
「それって・・・・」
「楯無にとって弱点となりえる俺が弱ければいざという時に楯無を守ることができず、更識に仇をなしてしまう可能性がある。つまり・・・・・弱卒に楯無を任せることなんてできないということですよね?」
「・・・・その通りだ。本当に君は敏いな。その頭脳に関しては合格点をあげよう」
「お褒めにあずかり光栄です。では次は・・・・腕っぷしでも合格点をいただくとしましょう。楯無。下がっててくれ」
楯無に下がるように言った後、ルミナは何らかの武術の構えをとる。同時にルミナの身に纏う空気が隆厳のように一変した。
(この構え・・・・それにこの雰囲気・・・・なるほど。それなりにはできるようだな)
隆厳はルミナの構え、そして雰囲気からルミナは只者ではないと判断した。
「ルミナ・・・・わかったわ。頑張って。私はあなたを信じてるから」
そういって楯無は巻き込まれないようにとその場から下がっていった。
「・・・・ありがとう楯無」
「準備はいいかね?」
「ええ。いつでもいらしてください」
ルミナはチョイチョイと挑発するように手招きした。
「よかろう!では全身全霊をもって君を試させてもらう!」
隆厳はルミナに向かって行った。
今、ルミナの自身を認めさせるための戦いが始まった。
あとがき座談会のコーナー!INIS!!
本日のゲストは前回に引き続き楯無さんです!
「今回もよろしく♪」
はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!
「ルミナ・・・・・なんかお前すごいことになったな」
「まあ予想していなかったわけではなかったからな。覚悟の上だ」
「それにしたっていきなり勝負だなんて・・・・我が父親ながら血の気が多いわね」
まあ娘が恋人を連れてきたのですからある意味では当然だと思いますよ?楯無さんは実家の事情が事情ですからね。
「でも・・・・大丈夫なのルミナ?正直お父様って単純な肉弾戦なら私よりもよっぽど強いんだけど?」
「それは・・・・まあなんとかなるだろう。俺も伊達に今まで修羅場を乗り越えてきたわけではないからな」
「そう・・・・まあ私にはあなたを信じるしかないのだから今頃どう言おうが仕方がないんだけど。だけど・・・・頑張ってね。信じてるから。お父様をのしちゃいなさい」
「わかっているさ」
((隆厳さん涙目だな))
「まあそれはさて置きとして、ルミナなんだか虚先輩と前より仲良くなってないか?」
「あ、それ私も気になってた」
「まあ虚先輩には楯無関連で色々と話を聞いていたからな。そうしているうちに距離が近くなったんだよ。あ、言っておくが俺はちゃんと楯無一筋だからな。虚先輩とそういう関係だというわけでは一切ない」
「わかってるわよ」
まあ虚さん本人もその辺りはしっかりとわきまえていますからね。大丈夫ですよ。
さて、少し早いですが今回はここで締めにしましょう。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きなさい)!!」」」」