IS~存在しない者の戦い~   作:shin-Ex-

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第70話!

今回は本音さんがメインです!

「まあその前にルミナが泳げるようになったのかわかるんだが・・・・・」

「正直あれには俺自身驚いている」

本当にルミナさんは・・・・・

それでは本編にいきましょう。

「本編どうぞ」


第70話

 

「あの・・・・・お嬢様」

 

「・・・・何かしら虚ちゃん?」

 

「ルミナくんは・・・・・本当にカナヅチだったのでしょうか?」

 

虚は綺麗なフォームでスイスイと泳ぐルミナを見ながら刀奈に尋ねた。本音と簪も目を丸くしてルミナを見ている。

 

「・・・・・さっきまでは正真正銘カナヅチだったわよ。それこそ全く浮けないほどに」

 

「それなのにたったの一日でもうあそこまで泳げるようになったんだオーティー・・・・」

 

「お姉ちゃん一体お義兄ちゃんに何を教えたの?」

 

「・・・・私はただルミナに浮き方を教えただけよ。そしたら1時間も経たずにあそこまで泳げるようになったわ」

 

刀奈はどこか遠い目をしながら答える。

 

「・・・・オーティーってやっぱり凄いね~」

 

「・・・・・そうだね」

 

「ルミナくん・・・・」

 

一同はまた一つ、ルミナの異常スペックを垣間見て乾いた笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

間もなく日が変わるという時間。移動と海水浴、その他もろもろで疲れてしまった一行は夕食と入浴を済ませるとその日はすぐに眠りに入ってしまっていた。

 

ただ一人・・・・・ルミナを除いて。

 

「・・・・・綺麗な月だな」

 

クスリと微笑みを浮かべながらテラスで満月を見上げるルミナ。どこか儚さを感じさせるその姿は、外見から推測される年齢とはかけ離れた魅力を纏っている。

 

「オーティー?」

 

そんなルミナの背後から本音が現れた。

 

「のほほんさん・・・・・こんな時間にどうしたんだ?」

 

「それはこっちのセリフだよ~。たまたまお手洗いに起きたらオーティーが部屋から出てくるのを見てそれでついてき来たんだ~」

 

「そうだったんだ」

 

「それで?オーティーはどうしたの?」

 

「月光浴だよ。月を眺めるのが好きなんだ」

 

ルミナはニッコリと笑みを浮かべながら言う。

 

「・・・・・それ嘘だよね?」

 

「え?」

 

「オーティーは何かを隠したり誤魔化したりするときはいつもより笑顔が2割増しになるから。今のオーティーの笑顔・・・・・いつもの2割増しだったよ?」

 

「・・・・・・まいったな。俺そんな癖ついてたのか。よくわかったなのほほんさん」

 

「別に私だけが知ってるわけじゃないよ~。お姉ちゃんやかたちゃん、デュッチーも知ってるもん。多分他にも気がついてる人はいるよ~」

 

「・・・・そんなにいるのか。これは侮れないな」

 

「それだけ・・・・・皆はオーティーの事を見てるっていうことだよ。それこそオーティーが思っている以上に」

 

「そっか・・・・・そんな人達がいるなんて俺は幸せ者だな。さて、もう遅いしそろそろ戻ろうかのほほんさん」

 

「・・・・オーティー」

 

ルミナは本音に中に戻ろうと促すが、本音にはルミナの考えはお見通しだったようだ。本音はいつものゆるい表情とは違う、神妙な表情をルミナに向ける。

 

「・・・・かたちゃんから聞いたよ。オーティーは頻繁に何かにうなされて・・・・・目を覚ますことがあるって。そしてその時は決まって・・・・・苦しくて辛そうな表情をしてるって」

 

「・・・・・・」

 

「私ね、かたちゃんに言われたんだ。オーティーが何かに苦しんでいるならそれを癒してあげて欲しいって」

 

「刀奈が・・・・・のほほんさんに?」

 

「うん。それは私が一番の適任だからって」

 

それは本音の言っている事は最もであった。なぜなら本音の笑顔こそがIS学園に来てからのルミナの精神的な疲労を一番癒していたのだから。

 

刀奈はそれを知っていたからこそ本音に頼んだのだ。

 

「私はオーティーの苦しみを癒してあげたい。だから・・・・・話してよ。一体何がオーティーを苦しめてるの?」

 

ルミナを癒すためにはまずルミナが何に苦しんでいるのかを知らなければならない。故に本音は真っ直ぐにルミナを見つめながら尋ねる。

 

本音のルミナを癒したいという気持ちは本物であった。

 

ルミナが心の底から愛し、求めているのは自分ではないと知りながらも・・・・・・本音にとってルミナは誰よりも大切なかけがえのない存在だから。

 

「・・・・・真っ赤な夢を見るんだ」

 

「え?」

 

「目に映るすべてのものが真っ赤に染まっている夢を。目に映るもの全てを俺が真っ赤に染めている夢を」

 

ルミナは辛そうに自分の手を見つめながら言う。

 

「その赤ってもしかして・・・・・」

 

「多分のほほんさんが思っているとおり・・・・・血だよ。俺は夢の中であらゆるものを血塗りにしていた。その中には・・・・・刀奈やのほほんさん達も居た」

 

「オーティー・・・・・・」

 

「抗おうとしたけど体は言うことを聞いてくれなかった。俺の意思とは無関係に赤く染め上げていって・・・・・耐えられなくなって目を覚ます。そして目を覚ました後は決まって眠れなくなる・・・・・いや、眠りたくなくなるんだ。眠ってしまったら・・・・・また夢の続きを見てしまうんじゃないかって思えてしまって」

 

ルミナを苦しめるのはそんな悪夢であった。

 

原因は間違いなく・・・・・前世の記憶。ナルミであった時に犯した殺戮の記憶がルミナを蝕み、ルミナを苦しめているのだ。

 

まるでルミナが幸せを阻むかのように。

 

「それがオーティーを苦しめているものなんだね・・・・・・オーティー」

 

ナデナデ

 

「のほほんさん?」

 

本音は背伸びしてルミナの頭を撫でる。

 

「苦しいよね。辛いよね。そんな見たくもない夢を見て・・・・・ごめんねオーティー。オーティーのこと癒すって言ったのに私・・・・・どうすればいいのかわからないよ。どうすればオーティーを苦しめる悪夢を見ないようにすることができるのか・・・・私にはわからないよ」

 

どうすればルミナを癒せるのかがわからない本音。しかしルミナを撫でる手を止めることはなかった。今思いつく限りで自分がルミナにしてあげられることは・・・・・それだけだったから。

 

故に本音はルミナの頭を優しく撫で続ける。涙を流しながらも・・・・・

 

「のほほんさん・・・・・・笑って」

 

「え?」

 

「俺は・・・のほほんさんの笑顔が大好きなんだ。のほほんさんの暖かい笑顔を見て俺は何度も癒された。だから・・・・・どうか笑顔を見せてくれないか?」

 

「オーティー・・・・・うん。わかったよ~」

 

本音は涙を拭ってルミナに笑顔を見せた。いつもと同じ暖かく眩しいほどの笑顔を。

 

「・・・・・ありがとうのほほんさん。おかげでちゃんと眠れそうだ」

 

「本当に?」

 

「ああ、本当だ」

 

ルミナの言葉に偽りはなかった。ルミナは本当に本音の笑顔で癒されたのだから。

 

「・・・・・そっか。なら良かったよ~」

 

「それじゃあ今度こそ俺は部屋に戻るよ。のほほんさんはどうする?」

 

「私も戻るよ~。行こオーティー」

 

「ああ」

 

そうして二人はテラスを離れ、それぞれ自分の部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく戻ってきたわね」

 

部屋に戻ったルミナを、ベッドから体を起こした刀奈が出迎えた。

 

「刀奈・・・・・起きたてのか?」

 

「ええ。あなたが部屋を抜け出してからずっとね」

 

「・・・・・どうやら俺が起こしてしまったんだな。ごめん」

 

「別にそのことは気にしなくてもいいわよ。それよりも・・・・・本音ちゃんと話をしてたの?」

 

「そうだが・・・・・どうしてわかったんだ?」

 

「女の勘♪」

 

「・・・・・ははっ、そっか」

 

ニコリと笑みを浮かべながら言う刀奈を見て、ルミナもまた笑顔になった。

 

「もう大丈夫そうね」

 

「え?」

 

「部屋を出て行った時よりもすっきりした顔してるわ。ちゃんと本音ちゃんに癒してもらえたようね」

 

「・・・・・まあな」

 

「流石は本音ちゃんね。少し・・・・羨ましいわ」

 

刀奈は純粋に本音に羨望を抱いていた。

 

刀奈は恋人としてルミナの支えとなることはできても・・・・自分では本音ほどルミナを癒すことはできないと思っているのだ。

 

「・・・・刀奈だって十分に俺の癒しになっているさ。感謝している」

 

「だといいんだけど・・・・・ねえルミナ」

 

「なんだ?」

 

「もしよければ・・・・・私と同じベッドで寝る?」

 

刀奈は恐る恐るとルミナに尋ねる。

 

「・・・・・ああ。お願いするよ」

 

そう言ってルミナは刀奈と同じベッドの中へと入った。

 

「ルミナ・・・・・」

 

そっとルミナの体を優しく抱きしめる刀奈。

 

「刀奈・・・・ありがとう」

 

刀奈の腕に抱かれながらルミナはそっと目を閉じて眠りに着いた。

 

その日、ルミナはもう悪夢を見ることはなかった。

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INIS!!

今回はルミナさん、一夏さん、本音さんの3人と進めて行きます。

「よろしくね~」

はいよろしくお願いします。

「それじゃあ進めていこうぜ。まずルミナ、お前浮き方教わっただけで泳げるようになるとか・・・・・・どんだけ運動神経いいんだよ」

「と言われてもな・・・・・一応泳ぎ方自体は知っていたから泳げただけだぞ」

「泳ぎ方を知ってたのに浮き方を知らなかったって・・・・・オーティーやっぱりずれてるような気がする~」

まったくもって同感ですね。

それはさて置き今回は本音さんがメインでしたね。

「のほほんさんがルミナの一番の癒しになってるか・・・・・そこは楯無先輩じゃないんだな」

「別に楯無が癒しになってないわけじゃあない。ただ今までのほほんさんの笑顔に何度も癒されてきたからな」

入学当初はルミナさん心労が半端なかったですもんね。

「私としては少しでもオーティーの力になれて嬉しいよ~。でもオーティー・・・・・今回私ちゃんとオーティーの事癒せたかな?」

「当然だよ。のほほんさんの笑顔はある意味最強だからな」

あの笑顔は確かに見ていて癒されますよね。暖かくて可愛らしいですもん。

「それについては主とルミナに同意だな」

「そっか~。よかった~」

さて、それでは次回以降どうなるかを少し話して締めにしましょう。

まず次回からは簪さんのISに関するお話になります。

「海の話は終わりか?」

はい。あんまり引っ張るのもアレなので。

そしてそれが終わったら一夏さん達が登場します。

「ようやくか・・・・もう俺どれだけ本編に出てなかったか覚えてないぜ」

「まあこれまではオーティー私たちとずっと一緒にいたから仕方がないよね~」

では今回はここで締めましょう。

それでは・・・・・





「「「「次回もまたきてくれ(きてね~)(きてください)!!」」」」
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